西日本旅客鉄道

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テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox 西日本旅客鉄道株式会社[注 1](にしにほんりょかくてつどう、テンプレート:Lang-en-short)は、日本国有鉄道(国鉄)から鉄道事業および船舶事業を引き継ぎ発足した旅客鉄道会社の一つ。北陸近畿三重県の一部含む)・中国地方信越地方の一部および福岡県の一部に路線網を持つ。災害対策基本法における指定公共機関。通称はJR西日本(ジェイアールにしにほん)。英語略称はJR West[注 2]コーポレートカラー色。本社は大阪府大阪市北区

東証名証一部、福証上場企業。

なお当社は、福岡県福岡市に本社がある私鉄の西日本鉄道(西鉄)とは一切無関係である。

概況

テンプレート:独自研究 中国北陸地方を中心にローカル線を多数抱えているうえ、戦前鉄道省戦後日本国有鉄道時代から、人口の多い京阪神周辺地区では、「私鉄大国」といわれるほどの近畿日本鉄道阪急電鉄阪神電気鉄道山陽電気鉄道南海電気鉄道京阪電気鉄道などの並行する私鉄と、山陽新幹線は航空路線と、またほぼ全域でマイカー高速バスなどの道路交通との激しい競争もあり、黒字経営ではあるが、莫大かつ安定した収入源である山手線をはじめとする首都圏の通勤路線を抱える東日本旅客鉄道(JR東日本)や東海道新幹線を保有する東海旅客鉄道(JR東海)と比べると経営基盤が弱い。

その環境と国鉄時代の実績を踏まえ、JR西日本は、発足直後から京阪神周辺地区については「三都物語」キャンペーンを実施するとともに[注 3]、「アーバンネットワーク」と名付け、221系電車に始まるデラックス通勤車両の導入、大幅な増発やスピードアップなどに取り組み、競合他社を圧倒。「私鉄王国」の牙城を崩し、収益力の強化に努めてきた。このほかには早くからの女性乗務員の採用、山陽新幹線では高速性能を徹底して追求した500系電車を独自に開発して日本国内初の300km/h営業運転、自宅やオフィスのパソコンや携帯電話などから新幹線・在来線の特急列車の指定席予約ができる「5489サービス」や「エクスプレス予約」を行うなど、ソフト面と輸送改善に対する積極的な姿勢への評価は非常に高かった。

一方で、ほかの私鉄との激しい競合を生き抜くため列車増発・スピードアップに対応した安全分野への投資が必ずしも十分なものでなかったとの指摘もあり、1991年信楽高原鐵道列車衝突事故2002年東海道線救急隊員死傷事故2005年JR福知山線脱線事故2006年伯備線保線作業員死傷事故など、有責の重大事故を引き起こした原因の一つとも指摘されている。また、イジメと言われる日勤教育など異様な労務環境がJR福知山線脱線事故の一因とされ、同社では今後の経営・労使関係のあり方などを再検討している。

これまでJR発足時に制定された経営理念があったが、JR福知山線脱線事故を期にもう一度原点に戻る意味と社員一人ひとりが互いに尊重しあえる企業を目指す意味を込めて「企業理念」「安全憲章」「安全訓」が2005年12月1日に制定された。なお制定にあたっては、全社員から大規模なアンケートが行われた。

現状では経営基盤と収益性の観点から、山陽新幹線や北陸本線特急と京阪神近郊の路線を中心に設備投資しており、京阪神地区の路線と地方路線ではかなり差別化している。中国・北陸地区においては多数の赤字ローカル線を抱えているためにローカル線問題は深刻な課題でもある。特にローカル線における月一回の昼間時保守運休においては、バス代行などによる代替輸送も行われなかったことからかなりの批判があった[注 4]。ただ現状では保守運休のあり方が見直されており、2011年3月のダイヤ改正以降は昼間時保守運休となる区間を大幅に減らしている。また保守運休する場合においては、ジャンボタクシーなどによる代替輸送を行うことになっている[注 5]。赤字ローカル線への対応策は2010年4月5日の定例会見で同社社長の佐々木隆之は「大変重要な経営問題」との見解を示しており、同時に「赤字ローカル線の一部を廃止し、バスに転換する方向で検討」と発表している[1]。また、莫大な費用を要する山陽新幹線の補修工事問題など、経営課題は依然として多い。

こういった状況を踏まえ、2008年から2012年にかけての中期経営計画[2]においては、「持続的発展に向けた事業戦略の推進」として「山陽新幹線の輸送サービス」と「京阪神エリアにおける線区価値の向上」を重点分野として明確に打ち出す一方、10年から15年後を見据えた「長期的視点からの経営構想の構築」におけるローカル線にかかる取り組みとして「ローカル線の設備、システムのダウンサイジング」や「〈バス、デュアル・モード・ビークル (DMV) 等への輸送モードの転換も含めた〉地域にとって最適な形の輸送サービスの提供」を経営の方向性として打ち出している。

J-WESTカードの発行を自社で行っているため、貸金業登録を行っていた(近畿財務局長(2)00795)が、2011年9月末をもって金融商品(カードローンキャッシング)の提供は終了した。

なお、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのコーポレート・マーケティング・パートナーズで、オフィシャルトレインでもある。

本社・支社等

テンプレート:Location map+ 名称・所在地は公式サイトによる[3]

本社

支社

近畿統括本部

京都・大阪・神戸の3つの支社を2010年12月から統合。

新幹線管理本部(旧新幹線総局)

2006年6月22日まで新幹線は、並行在来線と同じ支社に属していたが、同年6月23日付で広島新幹線運転所の検修部門と岡山新幹線運転所を、博多総合車両所所属とする組織変更が実施された。

2007年7月1日付で、新幹線の現業機関を統括する組織として新幹線管理本部を新設した。これまで各支社に分散していた車両管理や施設保守など駅業務をのぞく新幹線関係の業務を一元管理するとともに、新幹線固有の技術力の維持向上を図るのが狙い。これに伴い、福岡支社は同管理本部の地方機関と位置付けられ、山陽新幹線小倉駅および博多駅の運転や設備管理、サービスなど駅業務全般を行うほか、九州エリアにおける同社の対外的な窓口としての機能も担う。

建設工事機関

  • 大阪工事事務所
  • 大阪電気工事事務所

研修施設

付属医療機関

展示施設

安全研究所

JR福知山線脱線事故を教訓に設立した同社の研究機関で、大阪支社庁舎内に研究所がある。ヒューマンファクターの視点を中心に、社内での様々な事故やトラブルの背景要因を分析し、安全の確保を一層の強化を図る目的により、2006年6月23日に設立した。人的ミスの要因や人間の心理に迫る「ヒューマンファクター研究室」、安全対策への評価手法や安全管理体制を研究する「安全マネジメント研究室」、ハード面での改善を研究する「保安システム研究室」を開設し、大学や鉄道総研など社外の研究機関、同業他社との連携により研究を行っている。

その研究成果は社外からも注目されており、社内用の教材の冊子が他社でも採用されたほか[4]、たびたびマスコミでも取り上げられている。

駅業務

駅業務は他のJR各社と同様に直営駅(管理駅・被管理駅)と小規模駅を中心に業務委託・簡易委託とに分かれておりJR西日本では、業務委託駅と一部の簡易委託駅は子会社の株式会社ジェイアール西日本交通サービスや株式会社ジェイアール西日本メンテック(他にも、ジェイアール西日本金沢メンテック・(以下「金沢」を置き換え)福知山米子岡山広島福岡がある)に委託されている。また、地方自治体を通じて旧国鉄職員などに簡易委託されている駅もある。この場合、京阪神エリアと地方の一部の小規模駅にもマルス端末が設置され、直営駅同様にきっぷが購入できるようになっているが、払戻しやJR西日本電話・インターネット予約「5489サービス」やJR東海・西日本エクスプレス予約のきっぷの受け取りに制限がある駅もある。これとは別に地方の小規模駅を中心にマルス端末が未設置の駅もあり、この場合乗車券類はPOS端末による発券を行い、指定席を伴うきっぷについては、大阪指定席計画(指定席管理箇所)から中継発券を行い料金補充券にて手書き発券を行っている。また、今後、団塊世代の大量退職が懸念されることから直営駅を中心に窓口・改札・案内業務の契約社員化やみどりの窓口の営業時間の短縮、一部の駅では主に昼間時間帯を中心に窓口を一時休止または廃止し、代替処置として一時休止駅を中心に指定席券売機「みどりの券売機」の設置、みどりの窓口廃止駅には「みどりの券売機プラス」を導入し人件費の抑制に務めている。

その他

かつては事業地域外の東京都内や名古屋市内のオフィスビルなどにも、自社の営業窓口「TiS」が存在したが、グループの旅行会社である日本旅行に移管された。

歴史

年表

1980年代

1990年代

2000年代

2010年代以降

今後の予定

  • 2014年度中:新型車両「227系近郊形直流電車」を広島地区へ導入。225系電車などと同様に車体をステンレス鋼製とし、外観・内装とも広島地区を象徴する赤を基調色とする。2018年度までに3両編成64本、2両編成42本の計276両を製造し、従来車を代替する予定とされる。[41][42]
  • 2014年度中:近畿エリアと広島エリアの各路線にアルファベット1文字で路線を表す路線記号を導入し、広島エリアについてはラインカラーを更新[43]
  • 2015年(平成27年)3月:北陸新幹線の長野駅 - 上越妙高駅 - 金沢駅間が延伸開業。うち上越妙高駅 - 金沢駅間をJR西日本が経営(予定)。北陸本線の金沢駅 - 直江津駅間を経営分離し、金沢駅 - 倶利伽羅駅間をIRいしかわ鉄道に、倶利伽羅駅 - 市振駅間をあいの風とやま鉄道に、市振駅 - 直江津駅間をえちごトキめき鉄道に転換(予定)。寝台特急「トワイライトエクスプレス」を廃止(予定)。

主な事象

重大死傷事故

阪神・淡路大震災の被害

テンプレート:Main2 1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では大きな被害を受けた。

在来線では本線上で列車が8本脱線したほか、東海道本線JR神戸線六甲道駅を中心に高架橋や柱に大きな被害を受け、新長田駅付近の盛土が崩壊して駅設備が壊滅した。新幹線では、始発列車の前に地震が発生したため脱線などの被害はなかったが、橋脚が大きく損壊したり高架橋の崩落が発生するなど大きな被害を受けた。

在来線は同年4月1日に、山陽新幹線は同年4月8日に全線復旧した。

東日本大震災の影響

2011年3月11日に発生した東日本大震災によって車両部品の調達にめどが立たず、列車の運転に影響が出た。

電車電動機(モーター)に使用している車両部品を製造するメーカーが被災して製造の見通しが立たず、最終加工工場も福島第一原子力発電所の避難区域内に位置しているため操業することができないことから部品の調達ができず、使用できない車両が早くても2011年4月下旬に発生する恐れがあることから、2011年4月から一部の列車の運転を取り止める間引き運転を実施すると発表していた[44]

2011年4月2日から特急列車への増結中止および臨時列車の運転も取り止められ、金沢・和歌山・福知山・岡山・広島エリアでは普通列車の運転が一部取りやめられたが[45]、部品調達の見通しが立ったことから4月8日から通常ダイヤに戻し、京阪神地区での間引き運転は見送られることになった[46]

なお、関西電力からの節電要請を受けて、駅照明の部分消灯や券売機の使用停止、列車内の空調の温度設定などが行われている[47]

労働災害

2013年8月、尼崎労働基準監督署は、最長で月254時間残業し、2012年10月に過労自殺した社員の男性について、労災を認定した。なお、2013年10月、遺族は同社に対し、1億9千万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴している[48]

歴代社長

歴代の西日本旅客鉄道社長
代数 氏名 在任期間 出身校
初代 角田達郎 1987年 - 1992年 東京大学
第2代 井手正敬 1992年 - 1997年 東京大学経済学部
第3代 南谷昌二郎 1997年 - 2003年 東京大学経済学部
第4代 垣内剛 2003年 - 2006年 東京大学法学部
第5代 山崎正夫 2006年 - 2009年 東京大学工学部
第6代 佐々木隆之 2009年 - 2012年 一橋大学経済学部
第7代 真鍋精志 2012年 - 東京大学法学部

路線

  • 総営業キロ数:5,013.7km[* 1](51線区・2009年3月31日現在)
    • 新幹線:644.0km(1線区)
    • 在来線:4,369.7km[* 1](50線区)
  • 総駅数:1222駅(2009年4月1日現在)[* 2]

ラインカラーは「日本の鉄道ラインカラー一覧」を参照。

現有路線

分類 路線名 区間 営業キロ 愛称 備考
新幹線 山陽新幹線 新大阪駅 - 博多駅 644.0km 東海道・山陽新幹線
山陽・九州新幹線
実キロは553.7km
幹線 北陸本線 米原駅 - 直江津駅 353.8km 琵琶湖線(米原駅 - 長浜駅  
東海道本線 米原駅 - 神戸駅 143.6km 琵琶湖線(米原駅 - 京都駅
JR京都線(京都駅 - 大阪駅
JR神戸線(大阪駅 - 神戸駅)
東京駅 - 熱海駅間はJR東日本の管轄、熱海駅 - 米原駅間はJR東海の管轄
京都貨物駅 - 丹波口駅 3.3km 山陰連絡線 貨物支線
吹田駅 - 尼崎駅 10.7km 北方貨物線 貨物支線
吹田駅 - 福島駅 8.5km 梅田貨物線 貨物支線
湖西線 山科駅 - 近江塩津駅 74.1km    
山陰本線 京都駅 - 幡生駅 673.8km 嵯峨野線(京都駅 - 園部駅  
長門市駅 - 仙崎駅 1.2km 仙崎線  
草津線 柘植駅 - 草津駅 36.7km    
奈良線 木津駅 - 京都駅 34.7km    
大阪環状線 大阪駅 - 天王寺駅 - 大阪駅 21.7km 大阪環状線(正式名と同じ) 路線脚注参照[* 1]
桜島線 西九条駅 - 桜島駅 4.1km JRゆめ咲線  
福知山線 尼崎駅 - 福知山駅 106.5km JR宝塚線(大阪駅 - 篠山口駅  
関西本線 亀山駅 - JR難波駅 115.0km 大和路線加茂駅 - JR難波駅) 名古屋駅 - 亀山駅間はJR東海の管轄
桜井線 奈良駅 - 高田駅 29.4km 万葉まほろば線  
片町線 木津駅 - 京橋駅 44.8km 学研都市線  
鴫野駅 - 吹田駅 9.1km 城東貨物線  
正覚寺信号場 - 平野駅 1.5km  
JR東西線 京橋駅 - 尼崎駅 12.5km JR東西線(正式名と同じ) JR西日本が第二種鉄道事業者関西高速鉄道第三種鉄道事業者
おおさか東線 放出駅 - 久宝寺駅 9.2km おおさか東線(正式名と同じ) JR西日本が第二種鉄道事業者、大阪外環状鉄道が第三種鉄道事業者
関西空港線 日根野駅 - 関西空港駅 11.1km   りんくうタウン駅 - 関西空港駅間 (6.9km) は第一種鉄道事業者なし
(JR西日本が第二種鉄道事業者、新関西国際空港が第三種鉄道事業者)
阪和線 天王寺駅 - 和歌山駅 61.3km 阪和線(正式名と同じ)  
鳳駅 - 東羽衣駅 1.7km 羽衣線  
紀勢本線 新宮駅 - 和歌山市駅 204.0km きのくに線(新宮駅 - 和歌山駅) 亀山駅 - 新宮駅間はJR東海の管轄
山陽本線 神戸駅 - 下関駅 528.1km JR神戸線(神戸駅 - 姫路駅 下関駅 - 門司駅間はJR九州の管轄
兵庫駅 - 和田岬駅 2.7km 和田岬線  
宇野線 岡山駅 - 宇野駅 32.8km 瀬戸大橋線(岡山駅 - 茶屋町駅  
本四備讃線 茶屋町駅 - 児島駅 12.9km 瀬戸大橋線 児島駅 - 宇多津駅間はJR四国の管轄
伯備線 倉敷駅 - 伯耆大山駅 138.4km    
呉線 三原駅 - 海田市駅 87.0km 瀬戸内さざなみ線(三原駅 - 広駅  
宇部線 新山口駅 - 宇部駅 33.2km    
美祢線 厚狭駅 - 長門市駅 46.0km    
博多南線 博多駅 - 博多南駅 8.5km   実質的には新幹線路線[* 3]
地方交通線 小浜線 敦賀駅 - 東舞鶴駅 84.3km    
越美北線 越前花堂駅 - 九頭竜湖駅 52.5km 九頭竜線  
七尾線 津幡駅 - 和倉温泉駅 59.5km   七尾駅 - 和倉温泉駅間はのと鉄道が第二種鉄道事業者
和倉温泉駅 - 穴水駅間はJR西日本が第三種鉄道事業者
城端線 高岡駅 - 城端駅 29.9km    
氷見線 高岡駅 - 氷見駅 16.5km    
高山本線 猪谷駅 - 富山駅 36.6km   岐阜駅 - 猪谷駅間はJR東海の管轄
大糸線 南小谷駅 - 糸魚川駅 35.3km 北アルプス線 松本駅 - 南小谷駅間はJR東日本の管轄
和歌山線 王寺駅 - 和歌山駅 87.5km    
加古川線 加古川駅 - 谷川駅 48.5km    
姫新線 姫路駅 - 新見駅 158.1km    
舞鶴線 東舞鶴駅 - 綾部駅 26.4km    
播但線 姫路駅 - 和田山駅 65.7km    
赤穂線 相生駅 - 東岡山駅 57.4km    
津山線 岡山駅 - 津山駅 58.7km    
吉備線 岡山駅 - 総社駅 20.4km    
芸備線 備中神代駅 - 広島駅 159.1km    
福塩線 福山駅 - 塩町駅 78.0km    
因美線 東津山駅 - 鳥取駅 70.8km    
境線 米子駅 - 境港駅 17.9km    
木次線 備後落合駅 - 宍道駅 81.9km    
三江線 三次駅 - 江津駅 108.1km    
可部線 横川駅 - 可部駅 14.0km    
岩徳線 岩国駅 - 櫛ケ浜駅 43.7km    
山口線 新山口駅 - 益田駅 93.9km    
小野田線 小野田駅 - 居能駅 11.6km    
雀田駅 - 長門本山駅 2.3km 本山線  
航路 宮島航路 宮島口駅 - 宮島駅 1.0km[* 4]   2009年4月1日にJR西日本宮島フェリーに移管
運航中のJR系唯一の国内航路

廃止路線

分類 路線名 区間 営業キロ 愛称 廃止年月日 備考
幹線 片町線 京橋駅 - 片町駅 0.5km   1997年3月8日 JR東西線開業のため
美祢線 南大嶺駅 - 大嶺駅 2.8km   1997年4月1日  
関西本線 八尾駅 - 杉本町駅 11.3km 阪和貨物線 2009年3月31日  
地方交通線 可部線 可部駅 - 三段峡駅 46.2km   2003年12月1日  
富山港線 富山駅 - 岩瀬浜駅 8.0km   2006年3月1日 富山ライトレールに転換
特定地方交通線 信楽線 貴生川駅 - 信楽駅 14.8km   1987年7月13日 信楽高原鐵道に転換
岩日線 川西駅 - 錦町駅 32.7km   1987年7月25日 錦川鉄道に転換
若桜線 郡家駅 - 若桜駅 19.2km   1987年10月14日 若桜鉄道に転換
能登線 穴水駅 - 蛸島駅 61.1km   1988年3月25日 のと鉄道に転換(2005年4月1日廃止)
宮津線 西舞鶴駅 - 豊岡駅 83.6km   1990年4月1日 北近畿タンゴ鉄道に転換
鍛冶屋線 野村駅(当時) - 鍛冶屋駅 13.2km    
大社線 出雲市駅 - 大社駅 7.5km    
七尾線 和倉温泉駅 - 輪島駅 48.4km   1991年9月1日 第一種鉄道事業廃止。同区間の第三種鉄道事業者となり、運行はのと鉄道に移管
穴水駅 - 輪島駅間は2001年4月1日廃止

予定路線

分類 路線名 区間 営業キロ 開業予定 備考
新幹線 北陸新幹線 上越妙高駅 - 金沢駅 168.5 km 2015年3月 営業キロは推定
長野駅 - 上越妙高駅間はJR東日本の管轄

路線脚注

テンプレート:Reflist

JR線の他会社分界駅

(注)路線名はアーバンネットワーク内に関しては正式名称(愛称)の順で表記。

○印:全面的に自社管轄
●印:全面的に相手側の旅客鉄道会社が管轄
△印:在来線部分のみ自社管轄、新幹線部分は相手側の旅客鉄道会社が管轄
▲印:新幹線部分(博多南線含む)のみ自社管轄、在来線部分は相手側の旅客鉄道会社が管轄

新幹線の他社分界駅

JR東海

  • 京都駅(東海道本線(JR京都線・琵琶湖線)、山陰本線(嵯峨野線)、奈良線)- 東海道新幹線
  • 新大阪駅(東海道本線(JR京都線)、山陽新幹線)- 東海道新幹線

JR九州

  • 小倉駅(山陽新幹線)- 鹿児島本線、日豊本線
  • 博多駅(山陽新幹線、博多南線)- 九州新幹線、鹿児島本線、

在来線の他社分界駅

JR東日本

JR東海

  • 米原駅(東海道本線・北陸本線(琵琶湖線))- 東海道本線、東海道新幹線
  • 亀山駅(関西本線) - 関西本線、紀勢本線
  • 新宮駅(紀勢本線)- 紀勢本線
  • 猪谷駅(高山本線)- 高山本線

JR四国

  • 児島駅(本四備讃線)- 本四備讃線

JR九州

  • 下関駅(山陽本線)- 山陽本線
  • 博多駅(山陽新幹線、博多南線)- 鹿児島本線、九州新幹線

鉄道部

テンプレート:Main JR西日本では、地域行事にあわせた臨時列車の設定や、観光列車の運行、新駅開業、新車導入など地域のニーズに即したサービスを円滑に行うこと、地域の要望に沿った列車ダイヤ作成を目的に地方交通線を中心に鉄道部を設置している。1995年以降にはこの方針を幹線にも応用した地域鉄道部も設置している。各鉄道部・地域鉄道部によりその形態はさまざまに異なる。

なお、2004年以降は安全面に対する設備投資が抑制されてきたこと、いわゆる団塊世代の退職による技術力の低下が懸念されてきたことから、鉄道部制度の見直しに着手した。

テンプレート:Col

列車

JR西日本発足以降に同社の路線で運行されている、もしくはかつて運行されていた愛称付きの列車を挙げる。種別が変更された列車は変更後のもので記載し、他社の車両による運行のものはその会社名も記載する(廃止列車は廃止時点)。詳細は各列車の記事を参照。 テンプレート:Col

車両

ファイル:JRW-500-nozomi.jpg
のぞみ」に使われた500系。2008年からは「こだま」で使用。
ファイル:JR-West 285-series.jpg
285系 サンライズエクスプレス

テンプレート:See also JR西日本発足後に設計されたすべての在来線車両は、221系電車が新設計された際に打ち出された「明るく静かで快適な車両」または「明るく静かで快適な乗り心地」というコンセプトによって製造されている[49]

2013年4月1日現在の保有車両数は6,534両で、内訳は次の通り[50]

蒸気
機関車
電気
機関車
ディーゼル
機関車
電車 気動車 客車 貨車 新幹線
電車
合計
5 20 50 4,759 442 62 211 985 6,534

JR旅客6社の中では唯一、自社保有の営業車両が定期的に他のJR旅客5社すべてに乗り入れている会社となっている。北海道旅客鉄道(JR北海道)へは週4日運転の「トワイライトエクスプレス」のみ、その他4社へは毎日運転の列車が乗り入れている[注 7]。2008年に寝台特急「あかつき」が廃止されたため、自社車両によるJR九州との定期列車の直通運転はなくなっていたが、2011年に山陽新幹線と九州新幹線が相互直通運転を開始したことによりJR九州に直通する定期列車が再登場した。また、北陸新幹線のJR西日本運営予定区間(上越妙高駅以西)が完成すると、(北海道新幹線開業までは)新幹線を保有するほかのJR会社(東日本、東海、九州)すべてと新幹線の共同運行をする唯一の会社となる。

山陽新幹線や京阪神発着の特急列車(北陸本線、紀勢本線、山陰地区)、近畿圏の在来線である「アーバンネットワーク」エリアでは列車の増発やスピードアップに対応した新型車両を積極的に導入している一方で、それ以外の地域(アーバンネットワークの一部を含む、中国地方や北陸地方など)では厳しい経営環境を反映して、国鉄から承継した103系105系113系115系457系の各電車やキハ40系気動車などの車両に改装やリニューアルなど延命工事を施して使用している例が多い[注 8]。アーバンネットワークエリアに新型車両を導入し、余剰車両で他地域の老朽化車両を置き換える事例も多く見られる(103系・113系・117系の岡山・広島地区転用など)。これは国鉄時代、車両置き換えに際して東京・大阪の大都市圏が優先されたため、経年車両の置き換えに際しては比較的程度がよい車両を地方に転用させていたためであり、JR発足後もこの体制を維持している。

車両は大部分が近畿車輛川崎重工業にて製造されており、一部に日本車輌製造日立製作所新潟トランシス製が存在する。電車の制御装置は三菱電機東芝製が大多数を占め、一部に日立製作所・東洋電機製造製のものが存在する。気動車のエンジンは小松製作所のSA6D125系・SA6D140系を標準としている。なお、JR西日本ではディーゼルエンジンに社内形式を付与していない。

沿線負担による新車導入

JR西日本管内の路線で高速化電化事業を行う場合、受益者負担の一環として、高速化・電化に対応した新型車両の購入費用を地元自治体からの融資で導入しており[51]、運用区間は原則負担した自治体内あるいは自治体の受益にかなう範囲内に限定されるなどの特徴がある。このような形で整備された車両には以下のものがある(※印の車両は自治体からJRへの無利子貸し付けにより整備された車両)。

形式 導入年 対象事業 事業線区・区間 関係自治体 出典
キハ187系気動車
キハ121系気動車
キハ126系気動車
2001年 高速化 山陰本線安来駅 - 益田駅[注 6] 島根県 [51][52]
2003年 高速化 山陰本線鳥取駅 - 米子駅間
因美線鳥取駅 - 智頭駅
鳥取県 [51][53]
125系電車(1次車) 2003年 電化 小浜線敦賀駅 - 東舞鶴駅 福井県 [54]
125系電車(3次車)
521系電車(1次車)
2006年 直流化 北陸本線長浜駅 - 敦賀駅間
湖西線永原駅 - 近江塩津駅
滋賀県
福井県
[55]
キハ122系気動車
キハ127系気動車
2009年 高速化 姫新線姫路駅 - 上月駅 兵庫県
姫路市
たつの市
佐用町
[56]

さらに、既存車両の設備改善においても、延命措置に伴うリニューアル以上の設備改善を行う場合に同様のスキームを適用している事例がある(和歌山県内で走行する105系への車いす対応トイレの新設、広島・山口地区向け観光列車に使用するキハ47形7000番台の改造費用など)。これは、管内の自治体の間でJRに対する支援を積極的に行うか否かでサービス格差を生じさせる結果となり、さらには経営判断に基づき自社負担で新造車両を多く導入しているアーバンネットワークを含めてサービス格差が生じている。

アーバンネットワーク以外の地域でJR西日本が投入した新製一般型車両で地元負担を伴わない(JR西日本独自の判断で導入した)車両は、非電化ローカル線の体質改善用に1991年から1995年にかけて管内ほぼ全域に投入されたキハ120形気動車(89両)と、瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」用として、2003年に岡山地区に投入された223系5000番台(14両)[注 9]の2系列103両でにとどまっていたが、近年は北陸地区の419系475系・457系置き換えを目的に配備された521系(2009年以降配備の2次車・3次車の98両)、広島地区の115系置き換えを目的に配備される予定の227系(2014年からの5年間で276両投入予定[57])など、JR西日本の経営判断に基づく地方線区向けの新製車両も一定数登場しつつある。

新世代車体傾斜式車両の開発

JR西日本では1993年12月20日に、新世代の車体傾斜式車両として「WEST21」構想を発表したことがある[58]。これは、1両の車体長を従来車の半分の10mに、車体の高さを50cm低くして、連接台車ながら車輪は1軸としてのようにクネクネと動く車両を開発し、最高速度を120km/hから130km/hへの向上を目指すというもので、6年後を目処に伯備線や紀勢本線で運転を開始するとしていた(タルゴも参照)。

その後、JR西日本からの「WEST21」構想に関する動向の発表はなく、紀勢本線で「くろしお」に運用されている381系(自然振り子式車両)の置き換え用としては、低重心構造ながら車体傾斜機能をもたない287系が導入されることになり[59]、上述の新世代車両の導入には至っていない。

蒸気機関車の保存運転

JR西日本は、国鉄時代に開館された蒸気機関車 (SL) の動態保存施設である梅小路蒸気機関車館を引き継ぐとともに、山口線をはじめとして、自社内や走行可能な蒸気機関車を保有していないJR東海・四国での蒸気機関車保存運転や、蒸気機関車を復活させたJR各社の運転士(機関士)の養成も請け負っている。

車両基地

テンプレート:Main

車両工場

社内乗車人員上位10位

2012年度の1日平均の乗車人員は次の通り[60]

順位 駅名 人数 前年比 前年
順位
前年
人数
特記事項
1 大阪駅 413,614人 テンプレート:Increase 1 406,576人 大阪府内第1位
2 京都駅 189,486人 テンプレート:Increase 2 185,983人 京都府内第1位
3 天王寺駅 134,028人 テンプレート:Decrease 3 134,723人
4 京橋駅 130,045人 テンプレート:Decrease 4 130,355人
5 三ノ宮駅 119,125人 テンプレート:Increase 5 117,800人 兵庫県内第1位
6 鶴橋駅 94,636人 テンプレート:Increase 6 94,613人
7 広島駅 71,510人 テンプレート:Increase 7 70,384人 広島県内・中国地方第1位
8 神戸駅 66,935人 テンプレート:Decrease 8 67,562人
9 高槻駅 62,469人 テンプレート:Increase 9 61,771人  
10 新今宮駅 61,925人 テンプレート:Increase 10 61,878人  

取扱収入上位20位

2012年度の1日平均の運輸取扱収入額は以下のとおりであった[61]


主な関係会社

連結子会社

持分法適用関連会社

関連団体

出資会社

労働組合

有価証券報告書によれば、JR西日本には6つの労働組合がある[62]

名称 上部組織
西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組) 日本鉄道労働組合連合会(JR連合)
国鉄労働組合西日本本部(国労西日本) 国鉄労働組合(国労)
JR西日本労働組合(JR西労) 全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)
全日本建設交運一般労働組合西日本鉄道本部(建交労西日本鉄道本部) 全日本建設交運一般労働組合(建交労)
国鉄西日本動力車労働組合(動労西日本) 国鉄動力車労働組合総連合(動労総連合・動労千葉
国鉄西日本動力車労働組合(動労西日本)

※カッコ内は略称

なお、上部組織が国鉄動力車労働組合総連合の動労西日本と上部組織のない動労西日本は別組合である。

組合員数が最大の労働組合は西日本旅客鉄道労働組合である。
各労働組合のうち、西日本旅客鉄道労働組合、国鉄労働組合西日本本部、JR西日本労働組合および全日本建設交運一般労働組合西日本鉄道本部は、会社との間で労働協約を締結している。

スポーツ活動

このほか、大阪に本拠を置くJリーグ所属のガンバ大阪セレッソ大阪にもオフィシャルパートナーとして出資している。かつてはアビスパ福岡にも出資していたが、現在は撤退した模様。

JR西日本吹奏楽団

1959年(昭和34年)に創設された大阪鉄道管理局音楽隊を前身とする、JR西日本と関連会社の社員、およびOB・OGで構成されるバンドである。国鉄分割民営化により解散したが、1987年(昭和62年)10月1日、現在の名称で再発足した[64][65]

広報活動

西日本管内にとどまらず、他のJRグループ管内でもテレビCMを放送している。かつては、全国ネットの提供番組を含め、大規模に行われていたが、福知山線脱線事故後、長期にわたって広報活動を自粛したため、制作されながら一度も放映されなかったテレビCMも存在する。 サウンドロゴは、発足時からのものを何度かアレンジして流していた。しかし2012年現在、省略されている。

九州新幹線開業後は、自社エリアでのCMは山陽・九州新幹線の利用促進を目的としたものが多くなり、DISCOVER WESTにみられるような自社エリアへの旅客誘致CMは首都圏や東海圏での放送が中心となっている。

CM

※印のものはテレビでは一度も放映されなかったもの。

一社提供番組

2013年1月現在

過去

備考

  • 在来線電車列車における車掌からの出発合図は知らせ灯式だったが、2010年3月20日より気動車列車と同様の車内ブザー式に変更した。
  • JR西日本の公式ウェブサイトのドメイン名westjr.co.jpであるが、これは他のJRに倣ったjrwest.co.jpは既に他社が取得していたためにこのドメイン名となったものである。
  • 本社内にりそな銀行の有人店舗「JR西日本出張所」がある。
  • KDDIと共同開発した列車接近警報装置の端末などとしてGPSが搭載された携帯電話を乗務員などに手渡している。
  • JR旅客6社の中で唯一、国際ブランド(VISAMasterCard)のクレジットカード三菱UFJニコスよりブランドの供給を受け自社で発行している(民鉄を含めても国際ブランドのクレジットカードを発行しているのはJR西日本・小田急電鉄の2社のみ。JR東日本もかつては自社で発行していたが現在はビューカードに分社化)。また、JCBブランドのカードもジェーシービーに委託する形で発行している。
  • 現在は使用されていないが、かつて「ハート&アクション」というキャッチコピーを使用していた。現在でも寝台特急「トワイライトエクスプレス」のカード式ルームキーにこのキャッチコピー入りのJRロゴが記されている。

脚注

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出典

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関連項目

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外部リンク

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