日本旅行
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株式会社日本旅行(にほんりょこう、Nippon Travel Agency Co., Ltd.)は、日本最初の旅行会社で、西日本旅客鉄道(JR西日本)の連結子会社。通称(略称)は「日旅(にちりょ)」、NTA。
概要
国内旅行に強みを持ち、「赤い風船」というブランド名でパック旅行を提供するほか、JR路線を活用したWENS(ウエンズ)がある。また、海外旅行商品として高級志向のMACH(マッハ)、リーズナブルなBEST(ベスト)がある。旅行業登録番号は観光庁長官登録旅行業第2号、現存する旅行業では最若番である。発祥が関西であり、主要株主がJR西日本であることなどから、阪急交通社のように大阪を拠点とする旅行会社と思われることも多い。しかし、1967年12月に本社を大阪から東京へ移しているため、長年にわたり東京に本社を置く旅行会社の一つである。
東海道本線草津駅で駅弁を販売していた南新助が伊勢神宮参拝の団体旅行を主催(今でいう企画旅行)したことが発祥である[1]。
日本国有鉄道(国鉄)が指定席予約システムのMARS(マルス)を導入した際に、当時弱小だった日本旅行が他の旅行会社に先駆けて積極的にMARSを導入・活用した。そのため国鉄より団体客の予約において優遇され、現在の国内旅行の強さができたというのが旅行業界では通説となっている。
沿革
- 1905年(明治38年)11月 - 滋賀県栗太郡草津町(現・草津市)で南新助が創業。
- 1941年(昭和16年)8月 - 世情悪化に伴い廃業。
- 1949年(昭和24年)1月 - 株式会社日本旅行会として再設立。
- 1967年(昭和42年)12月 - 本社を大阪から東京に移転。
- 1968年(昭和43年) - 株式会社日本旅行に改称。
- 1994年(平成6年)4月 - 日本旅行北海道設立に伴い、北海道内の支店を同社に移行。
- 2001年(平成13年)
- 1月 - 近畿日本ツーリストと 2003年(平成15年)の合併に合意、翌年撤回。
- 10月 - 西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)から旅行業部門(TiS)を譲受。TiSの旅行ブランドであったWENSも引き継いだ。
- 2002年(平成14年)12月 - JR西日本に対して第三者割当増資を実施し、同社の連結子会社化。
- 2004年(平成16年)9月 - オーエムシーカード(現・セディナ)との合弁会社「日本旅行オーエムシートラベル」を設立、オーエムシーカードの旅行業事業を移管。
- 2006年(平成18年)11月 - 松下電器産業(現・パナソニック)向け旅行代理店「MIDツーリスト」(旧・松下旅行)が株式譲渡により日本旅行の完全子会社となり、社名を「エムハートツーリスト」とする。
- 2010年(平成22年)4月1日 - 東北地方に所在する支店すべてを、全額出資子会社の株式会社日本旅行東北へ事業譲渡[2]。
- 2013年(平成25年) - 株式会社読売旅行と受託契約を再締結し連携強化を図る。
グループ企業
旅行業
- 日旅サービス - 東京都知事登録旅行業第2-2495号
- 日本旅行北海道 - 観光庁長官登録旅行業第1674号
- 日本旅行東北 - 観光庁長官登録旅行業第1890号
- 日本旅行沖縄 - 沖縄県知事登録旅行業第2-56号
- 日本旅行オーエムシートラベル (主にダイエー系列のテナントに出店) - 東京都知事登録旅行業第2-5483号
- 日本旅行・アメリカンエキスプレス
- エルオルト(旭化成グループ向け) - 観光庁長官登録旅行業第1036号
- エムハートツーリスト(パナソニックグループ向け) - 観光庁長官登録旅行業第558号
- フレックスインターナショナルツアーズ - 観光庁長官登録旅行業第748号
派遣会社(インハウス)
- ジャッツ(関東・東北) - 東京都知事登録旅行業第3-3665号も取得
- ジャッツ関西
- 日旅中部エンタプライズ
- 日旅九州エンタプライズ
その他
- 日旅開発(ホテルノルド小樽)
- プランドゥ・ジャパン
- 日旅物流
- 日旅ビジネスクリエイト
- 日旅ビジネス・サポート
- 日旅産業
店舗
- 日本旅行( - 支店)・日旅サービス( - 営業所)・日本旅行オーエムシートラベル( - 店)の出店店舗の詳細は公式サイト「日本旅行・日旅サービス・日本旅行オーエムシートラベル共通店舗一覧」を参照。
- ニッケコルトンプラザ(市川市)では日旅サービスと日本旅行オーエムシートラベルの双方が出店している。かつてはショッパーズプラザ横須賀も同様の形態であったが、2009年12月に日旅サービスは撤退した。
- エムハートツーリストの出店店舗の詳細は公式サイト「営業所案内」を参照。
閉店店舗
2000年代以降の主要な閉店店舗を記載。
- 越谷イトーヨーカドー営業所 - イオンレイクタウン kazeエリアのジャスベル跡地に移転。
- 2008年2月10日 - 舞鶴支店
- 2008年2月28日 - 豊橋支店 - 翌日、岡崎支店に統合し愛知東支店になる。
- 2008年12月31日 - 姫路支店トラベルカウンター - Tis姫路と統合。
- 2009年1月12日 - 臼井イトーヨーカドー営業所(千葉県佐倉市)
- 2009年4月20日 - 佐世保営業所
- 2009年8月20日 - 坂出サティ営業所
- 2009年9月30日 - 伊丹支店、大崎営業所
- 2009年12月25日 - 柳井営業所
- 2009年12月29日 - 名古屋伏見支店、佐野キンカ堂営業所、ショッパーズプラザ横須賀営業所
- 2010年12月末 - 池袋支店 - 新宿支店(空中店舗)に統合。
- 2011年3月31日 - 堺支店(南海高野線堺東駅前)
- 2011年6月30日 - 渋谷支店[3]、東京西支店[4] - いずれも新宿支店に統合。
- 2011年8月 - ダイエー向ヶ丘店[5]、ダイエー南越谷店[6]、イオンレイクタウン営業所(のちにエイチ・アイ・エスが出店)[7]、イトーヨーカドー綱島営業所、港北みなも店[8]、ビッグホップガーデンモール印西店[9]
- 2011年11月 - ダイエー城野店[10]、ダイエー福重店[11]、ダイエー春日店[12]、リソラ大府店[13]、トラベルハウスイトーヨーカドー国領営業所[14]、ダイエーショッパーズ福岡店[15]、ダイエー岩見沢店[16]
- 2012年1月10日 - イオンモール羽生営業所[17]
- 2012年1月15日 - 船橋ららぽーと営業所[18]
- 2012年2月13日 - 栄地下街営業所[19]
- 2012年3月31日 - Ti尼崎支店 - 日旅サービスCOCOEあまがさき営業所が代替。
その他
- かつて山口百恵のシングル「いい日旅立ち」をリリースする際に、日本旅行と日立製作所がスポンサーとなった。タイトルに「いい日旅立ち」「いい日旅立ち」とそれぞれの会社の名前が隠されている。
- イギリスの女性ヴォーカルグループ「ノーランズ」がこの曲をカバーしているが、その歌詞に「A red balloon」とあり、まさに「赤い風船」のことを指している。
- 西日本営業本部担当部長兼添乗員の平田進也がテレビ番組『合コン!合宿!解放区!』に出演し、ハイテンションなキャラで有名になり、それがきっかけでブレイクした。ABCテレビ『おはよう朝日です』にも出演し、朝からハイテンションな当時の司会者・宮根誠司との絡みがあった。
- 2007年夏の旅行商戦においては、タカラトミーとのコラボレーション企画として同社商品「ダッキー」をキャラクターに起用。首都圏・信越地区を中心に夏季プロモーション展開を実施。
- 2008年8月1日]より、店頭にてトラベレックスジャパンのキャッシュパスポートの発売を開始した(一部店舗は同年7月25日より先行発売)。当社オリジナルデザインのカードを用意する。これによって、3大旅行会社グループの国際キャッシュカードが出そろったことになる。
- JTBグループはJTBグローバルキャッシュ、KNTグループは、スルガ銀行との提携により同社のSURUGA VISAデビットカードをベースとしたKNTトラベルキャッシュ(KNT! CASH)を発行している。
不祥事など
- 2007年3月 - 旅行券発行報告書に虚偽記載して発行保証金を供託しなかったため、関東財務局から業務改善命令と3月7日から4月5日まで旅行券発行停止処分を受ける[20]。
- 2007年12月 - JR西日本に対し、特急列車などの指定券販売実績を水増しし、販売手数料4,300万円を不正請求していたことが発覚する[21]。
- 2008年3月 - 子会社の日本旅行沖縄の男性管理職が旅行契約代金1億円超を着服していた[22]。
- 2009年3月11日 - 岡山市の市立中学校の修学旅行受注において違法なカルテルを結んだとして、同社岡山支店が、JTB中国四国、近畿日本ツーリスト、トップツアー、東武トラベル各社の岡山支店とともに公正取引委員会の立ち入り調査を受ける[23]。
- 2013年4月 - 下請会社18社に対し支払うべき代金計約3,000万円を不当に減額していたとして、公正取引委員会から下請法違反で勧告を受ける[24]。
脚注
外部リンク
テンプレート:JR西日本- ↑ 2010年現在、草津支店は南洋軒が所有するテナントビルに入居している。
- ↑ 日本旅行;東北営業本部を子会社化、東北エリアの営業を譲渡、「日本旅行東北」を2010年1月に設立 - livedoorニュース 2009年12月16日(Sakura Financial News)
- ↑ 6/30【閉店】株式会社日本旅行渋谷支店 - 開店・閉店 2011年6月26日
- ↑ 日本旅行携帯サイトでの閉店案内
- ↑ 川崎タウン(e-まちタウン)での閉店案内
- ↑ 越谷タウン(e-まちタウン)での閉店案内
- ↑ 日本旅行携帯サイトでの閉店案内
- ↑ 横浜タウン(e-まちタウン)での閉店案内
- ↑ 日本旅行携帯サイトでの閉店案内
- ↑ 北九州タウン(e-まちタウン)での閉店案内
- ↑ 福岡タウン(e-まちタウン)での閉店案内
- ↑ 春日タウン(e-まちタウン)での閉店案内
- ↑ 愛知県タウン(e-まちタウン)での閉店案内
- ↑ 日本旅行携帯サイトでの閉店案内
- ↑ 福岡タウン(e-まちタウン)での閉店案内
- ↑ 北海道タウン(e-まちタウン)での閉店案内
- ↑ 閉店情報 - イオンモール羽生(2012年1月27日閲覧)
- ↑ 【2012年1月15日閉店】船橋ららぽーと営業所 - 日本旅行(2012年1月27日閲覧)
- ↑ 【2012年2月13日閉店】栄地下街営業所 - 日本旅行(2012年1月27日閲覧)
- ↑ 日本旅行、旅行ギフト券で行政処分−上場延期の判断にも影響か - トラベルビジョン 2007年3月5日
- ↑ 日本旅行、JR西の団体契約乗車券の販売実績を水増し−関係者をけん責・減給 - トラベルビジョン 2008年1月7日
- ↑ 日本旅行子会社部長が着服 1億円超か、告訴へ - 47NEWS 2008/03/29【共同通信】
- ↑ 岡山の中学の修学旅行でカルテル容疑 JTBなど5社 - 朝日新聞 asahi.com関西 2009年3月11日
- ↑ 下請けへの代金を不当減額、日旅に再発防止勧告 読売新聞 2013年4月26日