JR九州バス
JR九州バス株式会社(ジェイアールきゅうしゅうバス)は、九州のバス事業者の一つで、九州旅客鉄道(JR九州)の100%子会社である。本社を福岡県福岡市博多区堅粕二丁目22番2号に置く。高速バス・一般路線バスのほか、貸切バス事業や定期観光バスの運行も行なっている。
目次
沿革
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により国鉄九州自動車部から九州旅客鉄道株式会社自動車事業部(通称:JR九州バス)に引き継がれる。
- 1989年(平成元年)7月26日 - 「フェニックス号」に新規参入。
- 1990年(平成2年)12月20日 - 「桜島号」に新規参入。
- 2001年(平成13年)2月5日 - バス事業の子会社となるジェイアール九州バス株式会社(通称:JR九州バス)を設立。
- 2002年(平成14年) 5月31日 - 「広福ライナー」運行開始。
- 2003年(平成15年)3月20日 - 「福岡・周南ライナー」運行開始。
- 2004年(平成16年)3月31日 - 宮林線全線廃止(路線は宮崎交通に代替)。
- 2005年(平成17年)4月 - 鹿児島支店管内にて鹿児島共通ICバスカード「ラピカ」導入。
- 2006年(平成18年)2月28日 - 山鹿線廃止。山鹿支店閉鎖(路線は九州産交バスと熊本電気鉄道に代替)。
- 2007年(平成19年)3月31日 - 臼三線全線廃止。大分支店閉鎖(路線は大分バスの子会社である臼津交通と大野交通(現在の大野竹田バス)に代替)。
- 2008年(平成20年)3月31日 - 東福間線・若木台線・粟島線・福間線の一部(立石 - 八並 - 筑前本木)線廃止(路線はすべて福津市の地元タクシー会社委託運行によるふくつミニバスに代替)。
- 2010年(平成22年)6月1日 - 直方都市計画事業須崎町土地区画整理事業に伴い、直方支店を福丸車庫用地へ移転。「福岡中部支店」として開業。
- 2011年(平成23年)3月12日 - 高速バス「B&Sみやざき号」運転開始。
- 2014年4月(平成26年)、東九州自動車道の宮崎 - 延岡間全線開通を受けて、宮崎交通と共同で宮崎市~延岡市間を走る高速バス「ひむか号」が運行開始[2]。宮崎市と延岡市間がバスで結ばれるのは1998年9月以来の16年ぶりとなる[2]。
現業機関
支店・営業所
- 博多支店: 福岡県福岡市博多区堅粕2丁目22番1号
- 福岡中部支店: 福岡県宮若市金丸403-1
- 嬉野支店: 佐賀県嬉野市下宿乙475番1号
- 鹿児島支店: 鹿児島県鹿児島市柳町8番27号
- 宮崎支店: 宮崎県宮崎市老松2丁目6番1号
現在の運行路線
高速バス
JR九州バスの高速バス事業は博多バスターミナル(博多駅前)を拠点に、福岡市とおおむね300km圏の都市を結ぶ路線を中心に運行している。中でも福岡市から広島県・山口県への高速路線は、ふくふく号(福岡 - 下関、西鉄高速バス・サンデン交通)を除き、いずれもJR九州バスが運行に携わっている。また近年では、2011年3月の九州新幹線全線開業に伴う「B&Sみやざき号」、2014年の東九州自動車道(延岡〜宮崎間)全線開通に伴う「ひむか号」など、博多を拠点としない都市間路線の運行も行っている。
- 福岡 - 広島・福山「広福ライナー」(中国JRバス・広交観光・中国バスと共同運行)
- 福岡 - 防府・周南・光「福岡・防府・周南ライナー」(防長交通と共同運行)
- 福岡 - 宇部・山口「福岡・山口ライナー」(中国JRバスと共同運行)
- 福岡 - 都城・宮崎「フェニックス号」(西鉄高速バス・宮崎交通・九州産交バスと共同運行)
- 福岡 - 鹿児島「桜島号」(西鉄高速バス・南国交通・いわさきバスネットワーク・鹿児島交通観光バスと共同運行)
- 新八代駅 - 都城・宮崎「B&Sみやざき号」(産交バス・宮崎交通と共同運行)
- 鹿児島 - 山口・広島「鹿児島ドリーム広島号」(中国JRバスと共同運行) ※期間限定運行
- 宮崎 - 延岡「ひむか号」(宮崎交通と共同運行)
一般路線バス
※詳細は当該路線記事を参照のこと。
- 直方線
- 担当: 博多支店(本線及び西日本霊園支線(季節運行)、蒲田団地支線のみ)・福岡中部支店(西日本霊園支線除く全線)
- 路線
- 運行している地域
- 駅バスふくま〜る
- 担当:福岡中部支店
- 路線
- ブルールート(福間駅 - 光陽台 - 福間駅)
- グリーンルート(福間駅 - 福間小学校入口 - ふくとぴあ - 手光公民館前 - 光陽台 - 福間駅)
- 運行している地域
- 福岡県福津市
- 嬉野線
- 北薩線
- コミュニティバス
定期観光バス
- 桜島定期観光(2コース。鹿児島支店担当)
バス駅
- 宮田駅
- 福丸駅(停留所化)
- 嬉野温泉駅
- 薩摩郡山駅
休止・廃止路線
※九州旅客鉄道時代の路線も含む。
高速バス
- 「レインボー号」名古屋 - 福岡〈博多駅〉 (ジェイアール東海バスと共同運行していた)
- 「サザンクロス博多号」堺・大阪〈なんば〉 - 福岡〈博多駅〉・前原(西日本ジェイアールバス、南海電気鉄道、昭和自動車と共同運行していた)
- 「うれしのライナー号」唐津 - 武雄温泉・嬉野温泉(昭和自動車と共同運行していた)
- 直方 - 福丸 - 福岡〈博多駅〉 (西日本鉄道と共同運行していた)
- 「山陽道昼特急博多号」福岡 - 神戸・大阪(西日本JRバスと共同運行していた)
- 「たいよう」福岡〈博多駅〉 - 人吉 - 都城 - 宮崎〈宮交シティ・宮崎駅〉
一般路線バス
- 山鹿線(瀬高駅 - 山鹿温泉 - 肥後大津駅)※山鹿支店
- 熊本電気鉄道(山鹿温泉 - 肥後大津間)・産交バス(瀬高 - 肥後大津間)が運行を引き継ぐ。なお、福岡県内区間(瀬高 - 南関)は、2009年9月末をもって廃止(廃止区間の一部はみやま市福祉バスに引き継がれた)。山鹿温泉 - 肥後大津間は産交バスと熊本電気鉄道で共同運行していたが、2011年9月末をもって熊本電気鉄道が撤退し、全線産交バスでの運行となった。
- 熊本空港線(山鹿温泉 - 菊池 - 熊本空港)※山鹿支店(営業所当時)(九州産業交通と共同運行していた)
- 坂ノ市線(坂ノ市駅 - 延命寺 - 中判田駅)※大分支店(旧)
- 大分バスが引き継ぎを担当
- 佐賀関線(坂ノ市駅 - 幸崎駅 - 佐賀関)※大分支店
- 宮林線(宮崎駅 - 小林駅)※宮崎支店
- 日肥線(宮崎駅 - 妻 - 村所 - 湯前駅など)※妻営業所→宮崎支店
- 都城線(都城駅 - 末吉・油津駅)※都城営業所
- 宮林線・日肥線・都城線は宮崎交通が運行を引き継ぐ。ただし日肥線の村所 - 湯前間は西米良村営バスが担当
- 国分線(※国分営業所)
- 鹿児島空港 - 国分駅 - 垂水中央・(旧)垂水港・桜島港
- (旧)垂水港・垂水中央 - 桜島口 - 古里温泉 - 桜島港
- 現在、鹿児島交通が運行を引き継ぐ。
- 国分駅 - 大隅福島 - 大隅西山 - 検校橋・脇元
- 鹿児島交通が運行を引き継ぐが2006年に廃止。
- 国分駅 - 大隅福島 - 大隅西山 - 浜之市 - 隼人駅
- 現在、林田バス(現いわさきバスネットワーク)が運行を引き継ぐ、現在の隼人巡回バスの原点
- 国分駅 - ソニー国分前 - 隼人駅
- 林田バスが運行を引き継ぐが2006年に系統廃止、ただし路線は隼人国分循環線の一部区間として残存
- 国分駅 - 国分高校前 - 城山公園(臨時)
- 現在、同区間を運行するバスはない
- 国分駅 - 川内局前 - 川原小前 - 萩ノ元
- 林田バスが運行を引き継ぐが2006年に系統廃止、ただし路線は霧島市コミュニティバス(国分ふれあいバス)の一部区間として残存。なお、この系統自体はいわさきバスネットワークには引き継がれていない。
- 国分駅 - 旭通 - 清水 - 郡田
- 現在は一部区間であるが国分ふれあいバスが運行している。
- 国分駅 - 上小川 - 脇元
- 鹿児島交通が運行を引き継ぐが2006年に廃止。
- 国分駅 - テクノパーク(上野原遺跡) - 上の段
- 鹿児島交通が運行を引き継ぐが2006年に廃止。
- ★国分駅 - 姫城温泉 - 日当山
- ほぼ同区間を林田バス(当時は林田産業交通)の路線が並行して運行している。
- 加治木線(加治木駅 - 蒲生町 - 入来 - 宮之城)※蒲生営業所
- 加治木駅 - 辺川・菖蒲谷 - 嶽
- 加治木町に引き継ぎ、のちに南国交通に運行を委託
- 加治木駅 - 辺川・菖蒲谷 - 嶽
- 山川線(山川駅 - 開聞駅 - 枕崎駅)※山川営業所
- 鹿児島交通が運行を引き継ぐ。なお、現在は系統が分割している
- 北薩線
- 鹿児島駅 - 川田・郡山 - 岩戸
- 鹿児島駅 - 川田・郡山 - 都迫
- 鹿児島駅 - 川田・郡山 - 東俣
- 鹿児島駅 - 郡山 - 薩摩大浦
- ★宮之城 - 入来町 - 北薩永野
- 鞍手線 (宮田町 - 本城 - 宮田病院 - 鞍手町立病院 - 鞍手駅)※直方支店
- 内ヶ磯線(直方駅 - 市役所前 - 溝掘 - 下境 - 養護学校前 - 永満寺団地 - いこいの村入口 - 内ヶ磯)※直方支店
- 日吉線・毛勝線・水町線 ※直方支店
- 臼三線(臼杵駅 - 野津 - 三重町駅)※臼杵支店→大分支店(新)
- 直方線
- 粟島線(福間駅 - 粟島神社前 - 福間駅)
- 東福間線(ふくま〜る)
- 若木台線(ふくま〜る)
- トリアス久山支線(深井 - 久山役場入口 - トリアス久山)
- 東久原支線(久山 - 東久原)
- 直方本線(津田町 - 鴨生田公園 二字町経由)これにより鞍手高校経由を本線に格上げ
- ★…国鉄バス時代末期に廃止
車両
現在の塗装は水戸岡鋭治のデザインによる、「RED LINER」のロゴが入った赤一色(「バスレッド」とも呼ばれている)のデザインであるが、これは現在の親会社であるJR九州から分社化する前の1988年に貸切車ではじめて採用されたもので、その後のJR九州全体で原色系のデザインの車両が多数登場することになった。
車体に書かれている大きな数字は「デザイン番号」とも呼ばれ、デザイナーが2桁の数字から見た目が良いものを選び、その中から選択される[3]。160台のバスに2桁番号を割り当てたため重複もあるなど、あくまでデザインの中の意匠として配したもので、車両称号とは関係なく、連番ともなっていない。
側面のロゴは、以下のように分類されている。
- 貸切車…「RED LINER」
- 一般路線車…「RED LINER OMNIBUS」
- 高速車…「RED LINER HIGHWAY」(貸切車から転用された車両は「RED LINER」のみ)
- 定期観光用…「RED LINER SIGHTSEEING」
- 空港連絡用…「RED LINER AIRPORT」
シンボルマークは国鉄バスからの伝統を受け継いだツバメであるが、他のJRグループのバスが西日本JRバスを除いて白ベースの車体側面に塗装でツバメのマークを表示しているのに対して、JR九州バスでは車両前面に小さな金属製のエンブレムが取り付けられているだけとなっている。
国鉄バス時代はいすゞ・三菱ふそうの車両が多かったが、民営化後は日野・日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)も増加している。特に2000年以降は日産ディーゼル車が多く増備されている。また、民営化後には国鉄バス時代に採用例がなかった西日本車体工業の車体を架装した車両も多く導入されている。一般路線車については、2001年以降は他社からの譲受車のみとなっていたが、2008年より新車導入が再開されている。
車両称号
国鉄バスの附番法則をそのまま使用していた(国鉄バス#車両称号を参照)が、2004年11月以降の新車から、以下のような附番法則に変更された。なお、在来車の改番は行われていない。
車体には4桁に省略されて表記される事が多く、この省略表記は「ドア番号」と呼ばれている[3]。省略方法は、基本的にはメーカー・年式(下1桁)・固有番号の数字から4桁としているが、年式以降の4桁をそのままドア番号として表記している車両も存在する。特に三菱車の場合は通常の省略方法の場合4000番台となることからこれを嫌い、例外的表記としている[3][4]。
また、省略表記の数字をそのまま希望ナンバーにしている車両も多い[3]。
7 | 4 | 8 | - | 05 | 5 | 54 |
---|---|---|---|---|---|---|
車種 | 形状 | メーカー | 年式 | 装備 | 固有番号 |
- 車種
- 1…全長7000mm以下
- 2…全長8400mm以下(中型バス)
- 3…全長9000mm以下(中型バス)
- 4…全長9800mm以下(大型ショート系)
- 5…全長9800mm超(大型バス)
- 6…中長距離・観光・高速車
- 7…観光・高速車
- 形状
- 1…横向き座席
- 2…混合(半分以上が前向き)
- 3…前向き座席
- 4…リクライニングシート
- メーカー
- 1…いすゞ
- 4…三菱ふそう
- 7…日野
- 8…日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)
- 年式
- 西暦の下2桁。
- 装備
- 1…前扉・板ばね
- 2…前中扉・板ばね
- 3…前後扉・板ばね
- 4…3扉・板ばね
- 5…前扉・空気ばね
- 6…前中扉・空気ばね
- 7…前後扉・空気ばね
- 8…3扉・空気ばね
- 0…その他
- 固有番号
- 01〜29…一般路線車
- 30〜49…一般路線車(中古)
- 50〜69…高速車
- 70〜89…貸切車
- 90〜99…その他
上記の法則により、「748-05554」は、「リクライニングシート装備の高速車で日産ディーゼル製、製造年はxx05年で、前扉・空気ばね装備の車両」における54号車ということになる。
乗車カード
北薩線では鹿児島市電・鹿児島市営バス・南国交通と同様、RapiCaが導入されている。鹿児島交通などのいわさきコーポレーション各社が導入しているいわさきICカードとも相互利用できる。
直方線全線と駅バスふくま〜る(宮若市乗合バス除く)では2013年4月1日より西日本鉄道(西鉄)などが導入しているnimocaを導入した。JR九州のSUGOCAも相互利用としては利用可能となる。ほかに全国相互利用対象カードであるKitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、PiTaPa、はやかけんも利用可能となる[5]。
注記
参考文献
- バスジャパン・ハンドブック「9 四国旅客鉄道・九州旅客鉄道」
- バスラマ・インターナショナル99号「ユーザー訪問:ジェイアール九州バス」
外部リンク
テンプレート:Sister テンプレート:Multimedia
テンプレート:SUNQPASS- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ 2.0 2.1 テンプレート:Cite news
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 バスラマ・インターナショナル99号「ユーザー訪問:ジェイアール九州バス」の記述による。
- ↑ 例えば、旧附番表記の744-2952号は車体には「2952」と表記されている(バスラマ・インターナショナルより)。
- ↑ テンプレート:PDFlink - JR九州バス、2013年3月8日