枕崎駅
枕崎駅(まくらざきえき)は、鹿児島県枕崎市東本町にある、九州旅客鉄道(JR九州)指宿枕崎線の駅。JRグループ日本最南端の路線である同線の終着駅であり、駅には「本土最南端の始発・終着駅」の碑が設置されている。夜間滞泊設定駅である。
駅構造
単式ホーム1面1線を有する地上駅。無人駅である。駅舎は市民の寄付により建設され、中には山幸彦の像、外はかつお節行商の像がある。
歴史
先に建設された南薩鉄道(現 鹿児島交通)の駅として開業したことから、駅舎や敷地は同社が所有管理していた。日本国有鉄道(国鉄)は同社の駅に乗り入れて開業したため、駅施設などの使用料を支払っており、国鉄の駅数にも計上されていなかった[1]。その後、鹿児島交通枕崎線の廃線にともない国鉄(後にJR九州)のみが使用する駅となったが、引き続き国鉄の社員は配置されず鹿児島交通のバス部門の職員が配置され、バスターミナルとしての機能がより強かった。2006年に再開発事業で駅敷地が地元スーパーマーケットのタイヨーに売却されたため、駅舎は解体され駅自体も鹿児島寄りに約100m移設された。駅舎跡地には店舗(タイヨー・ミドリ薬品)が建設されたが、旧駅舎の前に設置されていた「日本最南端の終着駅枕崎」と書いた灯台を模したモニュメントはそのまま残されている。移設後の駅には駅舎が設けられなかったが、市民の寄付により2013年4月に新たな駅舎が落成した[2]。この駅舎は2013年にグッドデザイン賞を受賞している[3]。
駅舎の「枕崎駅」の相撲文字は立行司の第36代木村庄之助(枕崎市出身)のものである[4]。
- 1931年(昭和6年)3月10日 - 南薩鉄道の駅として開業。
- 1949年(昭和24年)2月11日 - 駅舎が再建される。
- 1963年(昭和38年)10月31日 - 国鉄指宿枕崎線が延伸開業し、2路線が共用する駅となる。
- 1983年(昭和58年)6月21日 - 集中豪雨により鹿児島交通枕崎線(旧 南薩鉄道線)が運休。
- 1984年(昭和59年)3月17日 - 鹿児島交通枕崎線が廃止。国鉄の単独駅となるが所有者は変わらず。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR九州の駅となる。
- 2006年(平成18年)5月1日 - 指宿方面に100メートル移設される。
- 2009年(平成21年)12月26日 - 駅前広場に市営の観光案内所を開設[5]。
- 2013年(平成25年)4月15日 - 新駅舎完成。同月28日に開業[6]。
利用状況
2012年度の1日平均乗車人員は35人である[7]。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
1日平均 乗降人員 |
---|---|---|
2007 | 32 | 72 |
2008 | 47 | 97 |
2009 | 50 | 104 |
2010 | 33 | 70 |
2011 | 37 | 76 |
2012 | 35 | 76 |
駅周辺
枕崎市の中心市街地に位置する。
- 公共施設
- 片平山公園・文化資料センター南溟館(なんめいかん) - 駅の東側に所在。
- 枕崎市役所 - 駅の西側に所在。
- 枕崎市立病院 - 駅の東側に所在。
- 枕崎漁港 - 駅の南西に所在するが、比較的離れている。
- 南薩地域地場産業振興センター
- 枕崎市かつお公社
- 枕崎お魚センター
- まちの湯ひとっ風呂(旧 枕崎温泉京湯) - 駅の南西に所在。
- 枕崎住吉郵便局 - 駅の西側に所在。
- 枕崎郵便局 - 駅の西側に所在。駅からは住吉郵便局が比較的近い。
- 国道225号 - 駅の西側約500mの場所にある市民会館下交差点から出入りできる。
- 国道226号 - 鹿児島県道266号枕崎停車場線の終点である中央交差点から出入りできる。東西に延びており中央交差点の東側は指宿枕崎線に並行している。
- 鹿児島県道266号枕崎停車場線 - 当駅前を起点とし、南に約600m延びている。
路線バス
駅から路地を出た場所に、鹿児島交通のバス乗り場がある(川辺・鹿児島線、なんてつ線(加世田・伊集院方面)、知覧線、鹿児島空港線など、時刻表はこちら(pdf)を参照)。
かつては、JR九州バス(山川線[8]:枕崎駅 - 山川駅)が当駅前に乗り入れていた。
エピソード
日本国内における通常の鉄道では日本最南端の終着駅[9]であることから、紀行などをテーマとした多くの作品で採りあげられている。
- 紀行文『最長片道切符の旅』(宮脇俊三 著)の終着駅である。
- テレビ番組『列島縦断 鉄道乗りつくしの旅〜JR20000km全線走破〜 春編』(NHK)の始発駅となった。
ギャラリー
- 2006年3月に解体された旧駅舎およびホームの様子(いずれも、2004年 - 2005年に撮影)。
- Ibusukimakurazakisen Makurazaki eki 1.jpg
外観
- Inside at Makurazaki sta (old building) Kagoshima,JAPAN.jpg
待合室
- Ibusukimakurazakisen Makurazaki eki 2.jpg
ホーム
- Ibusukimakurazakisen Makurazaki eki 3.jpg
駅名標
- 旧駅舎解体後の駅周辺の様子
- Makurazaki Station-entrance.jpg
駅構内へはドラッグストア裏の路地を入る
- Makurazaki Station-tourist-information-center.jpg
市営の観光案内所
- Makurazaki Station Lighthouse-monument.jpg
灯台を模したモニュメント。「終着駅」の文字がある
- 枕崎駅.jpg
観光案内所(右)とモニュメント。「終着駅」表示の反対側は「始発駅」となっている
- Makurazaki Friendshipcity plate.jpg
枕崎市と北海道稚内市が友好都市となって1周年となったことを記念するプレート。同様のプレートが北海道旅客鉄道稚内駅にも設置してある。
- 新駅舎開業前の駅の様子
- JRKyushu Makurazaki Station01.jpg
駅舎がない時代の駅入口
- JRKyushu Makurazaki Station02.jpg
駅舎がない時代のホーム(駅入口方面を見る)
隣の駅
- 九州旅客鉄道
- 指宿枕崎線
- 薩摩板敷駅 - 枕崎駅
かつて存在した路線
- 鹿児島交通
- 枕崎線
- 鹿篭駅 - 枕崎駅
脚注
関連項目
外部リンク
- テンプレート:外部リンク/JR九州駅
- 枕崎駅 - 枕崎市ホームページ
- ↑ 同様のケースには、常磐線綾瀬駅(帝都高速度交通営団(現 東京地下鉄)が管理)・紀勢本線和歌山市駅(南海電気鉄道が管理)・予土線若井駅(土佐くろしお鉄道が管理)・筑肥線姪浜駅(福岡市交通局が管理)がある。
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ NHK大相撲中継2013年5月場所12日目の木村庄之助特集。「ひとえきがたり 枕崎駅 南の終着、憩いの駅舎再び」『朝日新聞』2013年7月2日付・大阪本社版夕刊。朝日マリオン.コムの同じ記事
- ↑ 枕崎駅前に観光案内所 情報発信に期待テンプレート:リンク切れ - 南日本新聞(2009年12月30日付)
- ↑ 枕崎木造駅舎、7年ぶり復活西日本新聞2013年4月27日朝刊、枕崎駅舎建設情報枕崎市ホームページ
- ↑ 鹿児島県統計年鑑による(年度別平均利用人員の一覧も同じ)。
- ↑ 1935年10月山川線(山川港-枕崎間)運輸営業開始「鉄道省告示第73号」『官報』1935年10月3日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ モノレール(懸垂式鉄道)としては、沖縄県に沖縄都市モノレール線(ゆいレール)が敷設されている。同線の那覇空港駅が日本最南端の終着駅(最南端駅は赤嶺駅)となる。