モニュメント

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戦勝のモニュメントではもっとも有名なエトワール凱旋門

モニュメント(Monument)は、記念碑記念建物記念館銅像慰霊碑忠魂碑忠霊塔など、何かを記念したり称えたりするために作られた作品のこと。

概説

国や地域、事象等の象徴性を示すものや戦争、独立記念日等の事象、集団を祀る象徴的、特徴的場所を示すといった目的があり、形態もピラミッド凱旋門銅像彫刻など多岐にわたる。こうしたモニュメントの存在が、都市や街のイメージをつくり、ランドマークともなる。

また貢献度の高い個人を称えるものなどとして、支配者、軍人、聖職者などが、生前の功績をたたえられて没後立てられたり、あるいは本人が生前に自ら自分の治世を自画自賛して立てたりすることもある。

エジプトピラミッドのように、王が農作業の出来ない雨季の公共事業として、生前自らの墓所として建設させたようなものもある。さらに、戦勝記念碑として建てられた凱旋門終戦記念碑のようなものもある。そして、近代国民国家の戦争の戦没者を記念・追悼するには、無名戦士の墓無名戦士の碑、戦没者墓苑、戦没者記念碑などのような記念・追悼施設がある。慰霊碑忠魂碑招魂社護国神社靖国神社の前身)のようなものは戦没者追悼(=記念)あるいは戦死した軍人を賛美するために作られ、近代国民国家戦争動員という役割も果した。戦没者を悼み、子孫を癒やし、次の戦争への動員を可能にする手段。日本の戦前の記念・追悼施設は、靖国神社をはじめ、まさにその機能を持った。

都市の中でのこうしたモニュメントの果たす役割が、時代と共に変化し、また中心的なモニュメントが世代交代するなど、美学からの議論はウィーンの美術史家、ハンス・ゼードルマイヤーの『中心の喪失』(1948年、Verlust der Mitte)に詳しい。

関連項目