水戸岡鋭治
テンプレート:Infobox 人物 水戸岡 鋭治(みとおか えいじ、1947年7月5日 - )は、日本のインダストリアルデザイナー(工業デザイナー)・イラストレーター。
岡山市吉備津(現・北区)出身テンプレート:要出典。ドーンデザイン研究所代表取締役。九州旅客鉄道(JR九州)デザイン顧問・両備グループデザイン顧問・おかやま夢づくり顧問。公益財団法人石橋財団理事。
目次
経歴
岡山県立岡山工業高校卒[1]。高校卒業後、大阪・ミラノのデザイン事務所に勤めた後[2]、1972年にドーンデザイン研究所を設立[1]。家具や建築のデザインを中心に行う[1]。
彼が脚光を浴び始めたのは、九州旅客鉄道(JR九州)の車両デザインである。1988年、福岡市の「ホテル海の中道」のアートディレクションを手がけて以降、JR九州の列車・駅・広告のデザインに携わる事となる[1]。最初に手がけたのは、海の中道へ向かう香椎線用のジョイフルトレイン『アクアエクスプレス』。キハ58系気動車を改造したものだった。その後、熊本駅改装、キハ200形気動車のデザインを行った。
1992年の787系電車『つばめ』は、ブルーリボン賞、ブルネル賞といった鉄道関連の賞だけでなく、グッドデザイン認定や松下電工(現:パナソニック電工)のライティングコンテスト最優秀賞などを受賞、国内外から高い評価を得た[1]。
1995年には奇想天外なデザインで話題となった883系電車『ソニック』、2000年にはオール革張りシートにフローリング床の組合せで登場した在来線特急の集大成と言われる885系電車『かもめ』、2004年には西陣織のシート、簾、い草、さらには金箔(1000番台・2000番台)と言った和のテイストを持ち込んだ九州新幹線800系電車『つばめ』を生み出し、JR九州が標榜した鉄道ルネッサンスを具現化していった。
また、一旦は衰退した寝台列車の復活を目指していると語っている[3]。実際、2013年10月に九州内を巡る豪華寝台列車『ななつ星in九州』の運行が開始された[1]。
故郷岡山では、市民グループ「路面電車と都市の未来を考える会」(RACDA)からの要望を受け、両備グループの岡山電気軌道に初めて導入された超低床電車『MOMO』のデザインを担当。この後、両備グループデザイン顧問に就任し、両備ホールディングスや岡山電気軌道のバス、両備フェリーのフェリー『おりんぴあ どりーむ』、両備不動産の分譲マンションのデザインを行った。
その他、和歌山電鐵の「たま電車」や富士急行の「富士登山電車」のデザインを手がけるなどしている。
2011年、「九州新幹線など数々の斬新な鉄道デザインを手掛け、列車旅の世界を革新した」として、第59回菊池寛賞を受賞。
作品
九州旅客鉄道(JR九州)
※子会社を含む
新規
- 熊本駅(1991年)
- キハ200系(1991年)
- 787系電車(1992年)
- 1993年ブルーリボン賞受賞
- 1993年グッドデザイン賞受賞
- 1994年ブルネル賞受賞
- キハ125形(1993年)
- 813系電車(1994年)
- 883系電車(1994年)
- 1995年グッドデザイン賞受賞
- 1996年ブルーリボン賞受賞
- 1996年ブルネル賞受賞
- ハウステンボスジェイアール全日空ホテル(1995年)
- 須恵駅(1995年)
- 西鹿児島駅/現・鹿児島中央駅(1996年)
- 西戸崎駅(1998年)
- 815系電車(1999年)
- 2001年グッドデザイン賞受賞
- 2001年ブルネル賞受賞
- キハ72系(1999年) - 特急「ゆふいんの森」III世
- 885系電車(2000年)
- 2001年グッドデザイン賞受賞
- 2001年ブルーリボン賞受賞
- 2001年ブルネル賞受賞
- 303系電車(2000年)- 福岡市営地下鉄との相互乗り入れ用
- 817系電車(2001年)- 本革シートと円形に囲まれたつり革が特徴の近距離列車
- 800系新幹線電車(2003年)
- 2005年ローレル賞受賞
- 2005年グッドデザイン賞受賞
- N700系7000番台・8000番台新幹線電車(2009年)
- 2011年グッドデザイン賞・ブルネル賞受賞
- 直方駅(2011年)
- 大分駅(2012年)-高架化による新駅舎および、豊後にわさき市場
- 77系客車(2013年) - 観光寝台列車「ななつ星in九州」
- DF200形7000番台(2013年) - 観光寝台列車「ななつ星in九州」牽引ディーゼル機関車
改造・リニューアルなど
- キハ58系7000番台気動車(1988年、現存せず) - アクアエクスプレス
- 485系電車(1990年 - 、運用離脱) - KAMOME EXPRESS、RED EXPRESSなど
- キハ58系気動車 - シーサイドライナー色(1991年、現存せず)、TORO-Q(2002年、運用離脱)、あそ1962(2006年、運用離脱)
- あそ1962は第10回ブルネル賞(車両部門奨励賞)受賞
- キハ183系1000番台気動車 - ゆふいんの森II(1992年)→シーボルト(1999年)→ゆふDX(2004年)→あそぼーい!(2011年)
- 103系1500番台電車(1995年)
- 713系電車(1996年) - サンシャイン(宮崎空港シャトル列車)
- 国鉄キハ40系気動車(2004年)- いさぶろう・しんぺい、はやとの風、指宿のたまて箱(2011年)
- キハ185系気動車 - 九州横断特急(2004年)、A列車で行こう(2011年)
- 50系700番台客車 - 「SL人吉」用リニューアル(2009年)
- JR九州キハ125形400番台気動車 - 海幸山幸(2009年) ※元・高千穂鉄道TR400形気動車
- 隼人駅
- 霧島神宮駅
- 指宿駅
- 三角駅(2011年)
- 阿蘇駅(2011年)
- 喜入駅(2011年)
- JR九州バス
- JR九州高速船
- DE10 1753 (2010年8月)
- Kiha58 aqua express hakata.jpg
キハ58系「アクアエクスプレス」
- Kyusyushinkansen type800 shinminamata.jpg
九州新幹線800系電車
- JRkyusyu 787 tsubame 9cars kumoro.jpg
787系電車
- JR Kyushu 815.jpg
815系電車
- Kumamoto eki 1.jpg
熊本駅
- JR Kyushubus - Kagoshima 230 a 8658 - 01.JPG
JR九州バス
- Mainefu77-7007 at Aso Station 20131103.jpg
77系客車「ななつ星in九州」
両備グループ
- 両備ホールディングス
- 路線バス・高速バス・特急バス・貸切バス(両備シビルバスカンパニー、両備観光カンパニー、両備観光大阪カンパニー)
- グレースタワー・グレースタワーII(両備不動産カンパニー)
- おりんぴあ どりーむ(両備フェリーカンパニー)
- 岡山インター・山陽インター・津山パーキングの各バス停の待合室
- 岡山電気軌道
- 路線バス・高速バス・岡山空港リムジンバス・貸切バス
- 9200形電車『MOMO』
- 3000形3007号車(元東武日光軌道線100形108号車)『KURO』
- 津エアポートライン
- カトレア
- 和歌山電鐵
- Ryobi RAINBOW 827.jpg
両備バス
- Okayama Electric Tramway 9200.jpg
岡山電気軌道9200形電車
- Wakayama Electric Railway Ichigo EC.jpeg
和歌山電鐵2270系「いちご電車」
富士急行グループ
- 下吉田駅 リニューアル
- 富士山駅(旧富士吉田駅)リニューアル
- 1000形電車「富士登山電車」
- 6000系電車[4]
- 「富士山のオープンバス KABA BUS」「水陸両用バス YAMANAKAKO NO KABA」
- 「山中湖の白鳥の湖」
- 身延山ロープウェイの駅、搬器のリニューアル[5]
- Fujikyu 1305 Fujitozan.jpg
富士急行1000形電車「富士登山電車」
- Fujikawaguchiko Kaba bus In Fujigane highland 2.JPG
富士急行「KABA BUS」
その他
建築物
- さいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)
- 笠沙恵比寿(鹿児島県南さつま市笠沙町)
- クイーンズスクエア横浜クイーンモール(横浜市西区)
- 鰺ヶ沢相撲館(青森県鰺ヶ沢町)
- 北九州博覧祭2001
- うまや(赤坂・外苑・有楽町・北千住)
- kankoスタジアム(旧称:桃太郎スタジアム)
- 岡山県野球場
- JR西日本岡山駅東西自由通路
- 花屋 HANAYA(小布施町のレストラン)
- JR西日本大阪駅 大阪ステーションシティの広場
- 湯の鶴温泉「鶴の屋」(熊本県水俣市)
- 肥薩おれんじ鉄道阿久根駅(2014年)
鉄道車両
- 井原鉄道IRT355形気動車200番台「夢やすらぎ号」(2005年)
- くま川鉄道KT-100形・KT-200形気動車「KUMA」(2009年)
- 富山地方鉄道16010形電車「アルプスエキスプレス」(2011年)
- 北近畿タンゴ鉄道KTR700形気動車「あかまつ」「あおまつ」(2013年)、「くろまつ」(2014年)
- 肥薩おれんじ鉄道HSOR-100形気動車「おれんじ食堂」(2013年)
- JR四国キハ54形・トラ45000形貨車「しまんトロッコ号」(2013年)[6]
- しなの鉄道115系電車「ろくもん」(2014年)[7]
- 井原鉄道IRT355形200番台「夢やすらぎ号」.jpg
井原鉄道IRT355形200番台「夢やすらぎ号」
- JR shikoku Shimantoroko kiha54 4 takamatsu.jpg
キハ54 4+コトラ152462「しまんトロッコ」
バス
- ジェイアールバス関東「イエローバス」
- 中国バス、井笠鉄道、両備バス「ももっちライナー」(路線廃止)
- ただし中国バスはコンバートでエアポートリムジン (広島空港線) (福山 - 広島空港)
- 豊田市「とよたおいでんバス」、「中心市街地玄関口バス」
- 西日本鉄道 福岡シティループバス「ぐりーん」
- 産交バス「さるく人吉」
- 宮崎交通「にちなん号」
- 小布施町「おぶせロマン号」
- S654-88472-P-MS729SA.jpg
JRバス関東「イエローバス」
- MOMOCCHI LINER in Fukuyama.JPG
中国バス「ももっちライナー」
その他の乗り物
書誌情報
- 「人とまち、公共を育てる鉄道デザイン 水戸岡鋭冶の仕事」(『ランドスケープデザイン』No.77(2011年2月) マルモ出版)
- 水戸岡鋭治の「正しい」鉄道デザイン(2009年 交通新聞社新書、交通新聞社 ISBN 978-4-330-08709-2)
- 旅するデザイン 鉄道でめぐる九州 水戸岡鋭治のデザイン画集(2007年 小学館 ISBN 9784096820124)
- ぼくは「つばめ」のデザイナー 九州新幹線800系誕生物語(2004年 講談社 ISBN 4-06-212532-3)
- 別冊商店建築65 プレゼンタクティクス(1993年 商店建築社 ISBN 4-7858-0026-7)
- 9才の少女がつくった絵本Howahowachan(1988年 福武書店) - いろのデザイン
- #まねするまねするほわほわちゃん(ISBN 4-8288-1334-9)
- #ほわほわちゃんの“ひとりじゃないよ”(ISBN 4-8288-1335-7)
- #ほわほわちゃんのみどりはんかち(ISBN 4-8288-1336-5)
- パーフェクトプレゼンテーション オーバーレイフィルムの展開(1987年 グラフィック社 ISBN 4-7661-0435-8)
- エアブラシの展開 イラストレーションパース(1985年 グラフィック社 ISBN 4-7661-0268-1)
- イラストレーションパースの展開(1980年 グラフィック社 ISBN 4-7661-0212-6)
テレビ出演
- スーパーテレビ情報最前線「1992年夏 豪華列車の旅」(日本テレビ1992年夏)
- :787系電車開発の様子が紹介されている。
- 情熱大陸(毎日放送、2009年5月10日)
- BSデジタル号がゆく!〜ブルートレイン 九州一周の旅〜(NHK BSハイビジョン、2010年9月4日・5日)
- プロフェッショナル 仕事の流儀(NHK総合テレビジョン、2011年4月4日)
- :当初は九州新幹線 (鹿児島ルート)全線開業に合わせ3月中旬に放送される予定であったが、東日本大震災により延期され、再休止前最後の回となった。番組MCを務めていた住吉美紀は既に退職した後になり、開業に合わせNHK福岡放送局が予定していた水戸岡参加のイベントも全て中止された。
- きん☆すた「見ると旅が2倍楽しい!九州の鉄道旅SP」(NHK九州沖縄ブロック、2011年4月15日)
- :2011年5月24日に「ろーかる直送便」で全国放送された。
- 水戸岡鋭治特集(鉄道チャンネル、2011年8月 - )
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 テンプレート:Cite journal
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ 共同通信社 2011年1月30日テンプレート:リンク切れ
- ↑ 富士急行線に新型車両「6000系」を導入(富士急行電鉄公式サイト PDF)
- ↑ 身延山ロープウェイ
- ↑ テンプレート:PDFlink - 四国旅客鉄道株式会社
- ↑ 観光列車「ろくもん」のデザイン等についてテンプレート:リンク切れ(2014年1月21日 しなの鉄道)
参考文献
外部リンク
- プロフェッショナル 仕事の流儀 第160回 列車は、走るビックリ箱(NHKオンライン)
- “できない”ことを“やる” - WEB GOETHE |ウェブ ゲーテ - 経済(日本経済新聞社)
- テンプレート:PDFlink(日本機械学会誌 2010. 3 Vol. 113 No.1096)