日本経済新聞社
テンプレート:Infobox 株式会社日本経済新聞社(にほんけいざいしんぶんしゃ、英称:Nikkei Inc.)は、日本の新聞社である。
新聞発行の他、デジタル媒体の運営、出版、放送、文化事業や賞の主催・表彰等も行っている。[1]
概要
本社・支社
- 本社
- 東京本社:東京都千代田区大手町一丁目3番7号(日経ビル)〒100-8066
- 大阪本社:大阪府大阪市中央区大手前一丁目1番1号 〒540-8588
- 支社
- 名古屋支社:愛知県名古屋市中区栄四丁目16番33号 〒460-8366
- 西部支社:福岡県福岡市博多区博多駅東二丁目16番1号 〒812-8666
- 札幌支社:北海道札幌市中央区北1条西6丁目1番2号 〒060-8621
- 神戸支社:兵庫県神戸市中央区下山手通七丁目1番24号 〒650-0011
- 京都支社:京都府京都市中京区烏丸通竹屋町角 〒604-0874
- 大阪本社管轄である京都支社および神戸支社では、新聞を発行していない。
- ※ 2008年(平成20年)4月15日朝刊以後、1面題字下に掲載されている発行所所在地の表示で詳細住所を掲載しているのは東京本社だけで、他の本・支社(神戸・京都を除く)は電話番号のみの掲載となった。
- ※ 名古屋支社の旧社屋はその後毎日新聞中部本社が買い取り、一時期名古屋駅前にある社屋建て直し(2003年(平成15年)-2006年(平成18年)。現在のミッドランドスクエアの箇所)に伴う暫定社屋として使用し、ミッドランドスクエアが完成したあとも「なごや支局」(2010年(平成22年)5月に「名古屋本部」に改組)として、「毎日新聞名古屋印刷センター」などの関連部署が残された。
対象地域
- 東京本社:関東、東北、甲信越、静岡県
- 大阪本社:近畿(三重県の伊賀熊野を含む)、北陸三県、中国(山口県の一部を除く)、四国
- 名古屋支社:愛知県、岐阜県、三重県(伊賀と熊野を除く)
- 西部支社:九州、沖縄、山口県の一部
- 札幌支社:北海道
国外拠点
世界で33カ所、記者・現地スタッフは約160人と日本の新聞社では最大規模である。 テンプレート:Colbegin
- 米州編集総局(ニューヨーク):杉本晶子
- ワシントン:弟子丸幸子
- シリコンバレー:
- サンパウロ:
- 欧州編集総局(ロンドン):
- パリ:古谷茂久
- ジュネーブ:
- ブリュッセル:
- フランクフルト:
- 北京(中国総局):
- 香港:
- ソウル:
- マニラ:
- バンコク:
- ジャカルタ:
- ニューデリー:長沢倫一郎
- ドバイ:
- カイロ:
沿革
日本経済新聞に関する沿革は同項目を参照のこと。
- 1876年(明治9年)12月2日:三井物産中外物価新報局の発行する「中外物価新報」として創刊。
- 1911年(明治44年)8月:三井合名会社が全額出資し、株式会社に改組。資本金10万円。
- 1941年(昭和16年)6月:三井から離れ、自主経営となる。
- 1942年(昭和17年)11月1日:政府の新聞統合令により、東日本の経済紙を統合して、「日本産業経済」に改題。
- 1946年(昭和21年)3月1日:題字を「日本経済新聞」に改題。
- 1963年(昭和38年)1月:週刊英字経済紙「JAPAN ECONOMIC JOURNAL」(現・THE NIKKEI WEEKLY)創刊。
- 1964年(昭和39年)3月:東京・千代田区大手町に社屋完成。
- 1969年(昭和44年):
- 1971年(昭和46年)5月:「日経流通新聞」(現・日経MJ)創刊。
- 1972年(昭和47年)1月:コンピュータによる自動新聞編集制作システム「ANNECS」稼動。
- 1973年(昭和48年)10月:「日経産業新聞」創刊。
- 1975年(昭和50年)5月:日経ダウ平均(現・日経平均株価)を発表。
- 1987年(昭和62年)10月:日経金融新聞創刊。
- 1990年(平成2年)4月:日本初の経済専門チャンネル「日経サテライトニュース」(現・日経CNBC)をCATVなどに配信開始。
- 1996年(平成8年)1月:インターネット上にホームページ「NIKKEI NET」開設。
- 1997年(平成9年)1月:「日経テレコン21」のサービス開始。
- 1998年(平成10年)4月:子会社の日本公社債研究所が日本インベスターサービスと合併し、格付投資情報センターが発足。
- 1999年(平成11年):
- 2000年(平成12年):
- 2001年(平成13年)1月:110度CS放送委託放送事業者「インタラクティーヴィ」設立(現在は出資していない)。
- 2006年(平成18年)9月:川崎新工場稼働(老朽化した大崎工場の移転)。
- 2007年(平成19年)1月:日本経済新聞社より電子メディア局(日本経済新聞デジタルメディア)及び出版局事業(日本経済新聞出版社)を分割・設立。また、日本経済新聞社の英文商号を「Nihon Keizai Shimbun, Inc.」から「Nikkei Inc.」へ変更。
- 2007年(平成19年)10月1日:読売新聞グループ本社、朝日新聞社とインターネット分野での共同事業や販売事業などでの業務提携と災害時の新聞発行の相互援助を行うことで合意したと発表。
- 2008年(平成20年)11月1日:日本の全国紙として初めて沖縄県で現地印刷を開始。印刷は琉球新報社に委託。
- 2009年(平成21年)4月:東京本社を千代田区大手町地区第一次再開発事業地域に新築された日経ビル(地上31階、地下3階)へ移転開始。同年6月末に移転を完了。
- 2010年(平成22年)3月23日:ホームページを全面リニューアル。それに伴い「日本経済新聞電子版」として本格的な有料サービスを開始。
- 2011年(平成23年)12月3日:スマートフォン等モバイル端末向けの新コンテンツの開発・提供(例・「日経サプリ with TBS」等)とインターネットや放送を通じたアジア向け映像と情報の発信について、東京放送ホールディングス、毎日新聞社、テレビ東京ホールディングス、NTTドコモ、三井物産と業務提携を行うと発表。
業績推移
決算期 | 単体売上高 | 経常利益 | 当期利益 | 「日本経済新聞」 発行部数 |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2003年(平成15年)12月期 | 223,792 | 17,323 | 7,678 | - | - |
2004年(平成16年)12月期 | 227,755 | 22,191 | 8,757 | - | - |
2005年(平成17年)12月期 | 232,693 | 25,526 | 13,597 | 310万部 | - |
2006年(平成18年)12月期 | 234,838 | 32,567 | 18,003 | 311万部 | |
2007年(平成19年)12月期 | 201,522 | 17,572 | 8,491 | 312万部 | 2007年(平成19年)1月より出版事業・電子メディア事業を分社 |
2008年(平成20年)12月期 | 197,107 | 5,763 | 3,515 | 312万部 | |
2009年(平成21年)12月期 | 177,104 | ▲6,166 | ▲1,416 | 311万部 |
- 単位は百万円。業績数値および発行部数(国際版を含む)は日本経済新聞社提出の有価証券報告書より転載。
発行している新聞
- 日本経済新聞 - 日刊
- 日経産業新聞 - 土・日・祝休刊(特例で発刊有り)
- 日経ヴェリタス - 週刊(日曜発行)
- 日経MJ (日経流通新聞) - 月・水・金曜発行
- 日経ウィークリー - 週刊(月曜発行)
グループ会社
以下は2009年(平成21年)12月末現在[2]。括弧内は議決権の保有割合(間接保有も含む)。
連結子会社
- 株式会社日経BP(100%)
- 株式会社日本経済新聞出版社(100%)
- 日経メディアマーケティング株式会社(100%)
- 日経メディアプロモーション株式会社(100%)
- 株式会社日経ピーアール(65.3%)
- 株式会社日経大阪ピーアール(100%)
- 日経大阪即売株式会社(100%)
- 株式会社日経広告(49.0%)※ 関係人物が残り51%を保有。
- 株式会社日経HR(100%)
- 株式会社日経首都圏印刷(100%)
- 株式会社日経茨城製作センター(100%)
- 株式会社日経大阪製作センター(100%)
- 株式会社日経西部製作センター(100%)
- 株式会社日経名古屋製作センター(100%)
- 株式会社日経東京製作センター(100%)
- 株式会社日経編集製作センター(100%)
- 株式会社日経カルチャー(100%)
- 株式会社日経ビルサービス(100%)
- 株式会社ティー・シー・ワークス(100%)※ 清算手続き中
- 株式会社日経大阪総合サービス(100%)
- NIKKEI AMERICA, INC.(100%)
- NIKKEI EUROPE LTD.(100%)
- NIKKEI ASIA PTE LTD.(100%)
- NIKKEI CHINA(HONG KONG) LTD.(100%)
- 株式会社日経映像(66.7%)※ 関係人物が残り33.3%を保有。
- 株式会社日経シー・エヌ・ビー・シー(65.9%)※ 関係人物が14.0%を保有。
- 株式会社日経リサーチ(100%)
- 株式会社日経統合システム(66.7%)
- 株式会社格付投資情報センター(58.6%)
- 株式会社QUICK(54.8%)
- 株式会社日経QUICKニュース社(100%)
- 株式会社日本経済新聞デジタルメディア(100%)
他18社
持分法適用関連会社
- 株式会社日経サイエンス(50.0%)
- 株式会社テレビ東京ホールディングス (31.46%、東京証券取引所市場第一部)
- テレビ大阪株式会社(19.9%)
- テレビ愛知株式会社(19.9%)
- 株式会社TVQ九州放送(19.9%)
- 株式会社テレビ北海道(19.9%)
- 株式会社日経ラジオ社(20.4%)
- 株式会社日本経済社(38.5%)
- 株式会社日経ナショナルジオグラフィック(50.0%)
他1社
関連のある会社
資本関係は薄れているが、歴史的に繋がりのある会社。または取引上、深い繋がりのある会社。
ほか
印刷工場
日本経済新聞は全国25カ所、海外8カ所の工場で印刷されている。大都市圏などの自社グループ会社による印刷体制と、地方都市のように地方紙を印刷する工場に委託する委託印刷に分かれる。
近年は新聞業界のトレンドとして印刷工場の相互融通を図っているほか、自社の印刷拠点も整理しており、西日本では印刷子会社が統合された。
自社グループ12拠点
各法人は基本的に対等な立場だが、首都圏では「東京製作センター」が首都圏各工場を間接的に管理・支援するほか、全国のグループ印刷工場の機器更新にもかかわる。
- 株式会社日経東京製作センター(旧・千代田総業。公式サイト)
相互融通など
- 神戸新聞社と相互提携している。
- 日経には直系スポーツ新聞が無いが、代わりとして東雲工場で東日本向けのデイリースポーツを受託印刷している[4]ほか、神戸新聞社から日経スポーツ面の写真提供を受けている。
- 逆に兵庫県向けの日経は神戸新聞社が受託印刷している。
- 本州(中京圏除く)・四国地方では主に日経を取り扱う朝日新聞・毎日新聞の販売店を中心とした販売提携を行っている。
- 過去にはテレビ東京のスポーツニュースにデイリーの記者が出演したことがある。またラジオたんぱ「ニュースオールナイト」にデイリースポーツ提供のスポーツニュースコーナーがあった。
- 阪神・淡路大震災発生の時は神戸新聞の社屋・工場が被災したため、日経と提携する地方紙の工場で臨時の委託印刷を行ったこともある。
- 日経茨城製作センターは朝日新聞東京本社の北関東(茨城県・栃木県・群馬県)向け新聞の委託印刷も行っている。
- 日経西日本製作センター京都工場(京都府久世郡久御山町下津屋北野21)は2012年3月に閉鎖された。
委託印刷先
北海道1拠点
北海道新聞社の印刷子会社に委託。
東北2拠点
信越2拠点
新潟・長野両県内向けは各県の地元紙に印刷を委託。
中部1拠点
【東京本社管内】 静岡県内向けの紙面印刷を委託。
北陸1拠点
北國新聞社の印刷子会社に印刷を委託。
関西1拠点
中国・四国3拠点
地域ごとに地元新聞社のグループ会社に委託。
- 株式会社山陽新聞印刷センター(岡山・鳥取向け、公式サイト)
- 岡山県倉敷市片島町964-1
- 中国印刷株式会社(中国新聞印刷子会社。広島・島根向け、公式サイト)
- 広島市西区商工センター7丁目6-23
- 有限会社ニュースフロー(四国新聞印刷子会社、公式サイト)
- 香川県高松市香川町川東下155-1
九州・沖縄2拠点
- 株式会社南日本新聞オフセット輪転(南日本新聞社と淵上印刷株式会社の合弁、南九州向け)
- 鹿児島県鹿児島市南栄3丁目12-2
- 株式会社琉球新報社制作センター(沖縄県向け、全国では珍しく夕刊の印刷も委託。公式サイト)
- 沖縄県那覇市字天久905
沖縄県では2008年(平成20年)11月に全国紙として戦後初の現地印刷を開始した。
海外7拠点
1987年(昭和62年)、日経国際版の発行を開始し、現在次の7拠点で印刷されている。
新聞販売店
NSN (NEWS SERVICE NIKKEI) と呼ばれる日経専売の販売店のほか、読売新聞、毎日新聞、朝日新聞及び地方紙やブロック紙の一部の販売店でも併売されている。むしろ地方都市では併売方式が普通であり、これによって全国での販売を可能にしている。TXN系列局が存在する地域でも、専売店は大都市部の一部に限られている。
事件・不祥事
- 1988年7月6日、森田康社長がリクルートコスモス株、2万株を購入し、公開直後に売却した責任をとって辞任。
- 1999年11月、記事審査部で校閲担当だった元記者の杉嶋岑が北朝鮮で「取材」中、スパイ容疑で逮捕され、2年に渡って拘束された後、国外追放の形で釈放された。杉嶋は1986年の初訪朝直後に公安調査庁と内閣情報調査室の依頼を受け、以来訪朝のたびに現地で取材に託けた情報収集を行ない、入手した情報を日本政府に流していた事が判明している[5]。テンプレート:Main
- 2003年、関連子会社の「TCワークス」に絡む不正経理・手形濫発事件で、事件を内部告発した大塚将司ベンチャー市場部長を、当時の鶴田卓彦日本経済新聞社社長が「名誉を傷つけられた」として名誉毀損で告訴し、3月20日付けで懲戒解雇した。解雇された大塚元部長は株主代表訴訟で応じたことから、同社は内紛状態に陥り、鶴田は事実上の引責辞任に追い込まれた。大塚と会社は後に「和解」が成立し、大塚は日経新聞社に復職し、現在は関連の研究センターで主任研究員を務めている。「TCワークス」は内装工事を手がける子会社であったが、日経本社は同社に対し74億2000万円の融資をしていた他、20億円の債務保証をしていた。「TCワークス」の社長ら3人は特別背任で逮捕された。最終的に日経側と元部長側は東京地裁の和解勧告に応じ、元部長の懲戒解雇処分を撤回。コンプライアンス(法令順守)向上のために、学識経験者などの第三者で構成する社長の助言機関を設置。その運営費用として10人の元・現役員が計2000万円、同社が1000万円を拠出する和解が2004年12月20日に成立したテンプレート:要出典。
- 鶴田卓彦社長時代、自民党政調会長だった亀井静香より政府与党の緊急経済対策の立案を水面下で依頼され、編集局長に命じてアイデアを出させたことがあった。この対策案に対して、論説委員が「いかにも急造り」「内容も粗雑」などと批判記事を出したところ、鶴田は激怒しその論説委員を更迭した[6]。
- 2006年2月、東京本社広告局の職員が、企業の公告の内容を事前に知る立場にある事を利用して、保有株を公示前に売り抜けていた事が判明。インサイダー取引の疑いで7月25日に逮捕される。当時の日本経済新聞社の社員服務規定第2条にも「従業員は、言論・報道機関に勤務していることを深く認識して、高い倫理感に基づいて証券取引法に基づくインサイダー取引規制法規を順守しなければならない」と掲げられていたため、この社員の行動は社内規定に対する重大な挑戦とも見なされた。結果、広告担当常務が引責辞任し、監督者の広告局長と広告部長は解任された[7]。
- 2008年7月5日、東京本社編集局の職員が、VAWW-NETジャパンへNHK番組改変問題に関連して「あほか。あんたがたの常識のなさにはあきれはてる」「報道ってのは取材先の嫌なこともちゃんと中立的に伝えるのが役目なんだよ。なんであんたがたの偏向したイデオロギーを公共の電波が垂れ流さなきゃいけないんだよ」などと6月13日に社内の業務用アドレスからメールしていた事が判明。VAWW-NETからの抗議を受け、日本経済新聞社は職員を処分した[8]。
備考
脚注
関連項目
- 日経平均株価
- 日経スペシャル(テレビ東京)
- 日経TEST 日本経済新聞社と日本経済研究センターが共同で主催し経済知力を測定するテスト。
- 日経新春杯
- 日経賞
- 日経・CSISバーチャル・シンクタンク
- 日経アジア賞
- 日経エデュケーションチャレンジ 日本経済新聞社が主催する高校生向けのイベント。
- 王座戦 (将棋)・王座 (囲碁) 日本の将棋・囲碁におけるタイトル戦を主催している。
- 全日本実業団対抗ゴルフ選手権大会
外部リンク
テンプレート:日本経済新聞社 テンプレート:証券取引所 テンプレート:テレビ東京グループ
テンプレート:Navbox- ↑ 日本経済新聞社
- ↑ 日本経済新聞社・第138期有価証券報告書 pp.7 - 9
- ↑ 以前は日本経済新聞社の100%出資であったが2011年11月にテンプスタッフが株式の90%を取得し、日本経済新聞社の出資比率が10%に減少、同12月に日経スタッフから社名を変更(テンプスタッフ・メディア株式会社 会社概要)。
- ↑ 本格的には東京タイムズ廃刊後の1992年からで、それ以前は東京タイムズの印刷工場(東タイの廃刊後は「徳間プレスセンター」→「アサガミプレスセンター」に改組されるがデイリーとの印刷契約は解消)に委託して紙面印刷を行っていた。
- ↑ 154会国会 安全保障委員会第9号
- ↑ 「マスコミ集中砲火と内部告発で読者の信用ガタ落ちの日経新聞」『広報IRインテリジェンス』2003年5月
- ↑ 「スキャンダル社長にインサイダー社員 どこまで堕ちる日経新聞の社会的評価」『広報IRインテリジェンス』2006年10月
- ↑ テンプレート:Cite news