海田市駅
海田市駅(かいたいちえき)は、広島県安芸郡海田町新町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅。
目次
利用可能な鉄道路線
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線のあわせて3面5線のホームを持つ地上駅で、山側の3線を山陽本線列車が、海側の2線を呉線列車が使用する。1番線ホーム西端には、真冬に花を咲かせることで有名な寒桜があり、広島地方で一番早く春の訪れを告げる桜として毎年TV・新聞に紹介される。
直営駅(西条駅の被管理駅)。また、ICOCA利用可能駅(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)であり、JRの旅客営業規則ではJRの特定都区市内制度における「広島市内」の駅に含まれる。当駅の所在地は広島市ではないが、便宜上は隣の向洋駅(安芸郡府中町)とともに含まれている。
呉線の快速「安芸路ライナー」の停車を開始するのに併せて、一部103系電車のワンマン運転を実施しているため、確認用のミラーが2012年3月上旬、呉線ホームに設置された。
駅舎概要
現在の駅舎は、それまで西日本で最も古いことで知られていた明治36年(1903年)建築の旧駅舎に替わって建築された(改築年不詳)橋上駅舎である。それまで北側のみに改札口があったが(かつて、南側にも朝夕通勤時のみに開かれる小規模な改札口はあった(現在の南口よりも100m程西。跨線橋が無かったため4、5番線ホームまで線路を歩いて渡っていた)。のちに南側にも改札口が設置された。2009年にバリアフリーの一環としてホームのかさ上げ工事が行われ、2010年に山陽本線西条方面と広島方面のホームにエレベーターが完成し、供用を開始した。
のりば
ホーム | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | テンプレート:Color山陽本線 | 上り | 西条・三原方面 | |
2 | (通常は山陽本線上り貨物列車通過用) | |||
テンプレート:Color山陽本線 | 下り | 広島・宮島口方面 | 山陽本線西条方面から※1日2本のみ[2] | |
3 | テンプレート:Color山陽本線 | 下り | 広島・宮島口方面 | 山陽本線西条方面から |
4 | テンプレート:Color呉線 | 上り | 呉・竹原方面 | |
5 | テンプレート:Color呉線 | 下り | 広島・宮島口方面 | 呉線呉方面から |
5番線の外側に1線の側線があり、広島方面と呉方面への発車が可能。かつては当駅から南に分岐し、陸上自衛隊海田市駐屯地に向う専用線があったが既に撤去されている。改札上には以前は回転字幕式の発車案内が設置されていたが、工事によりLED式の発車案内が設置された。以前は列車接近(または通過)時にメロディーが流れるだけであったが、バリアフリー工事完了後は簡易放送も開始。2012年3月に現行の放送に更新されている。
なお、広島市東部地区連続立体交差事業が完成すると当駅は、1階が改札口等になり、2階部分に山陽本線、3階部分に呉線が乗り入れる構造となる。
配線図
当駅から広島貨物ターミナル駅までの間が複々線になっており、外側2線を旅客列車、内側2線を貨物列車が使用する。下り列車に限り、山陽本線西条方面から旅客線に進出する列車と、呉線から貨物線に進出する列車とが平面交叉する。
駅周辺
「海田」という名が示すとおりこの一帯の海側は干拓地であり、山と海に挟まれた地形となっている。海田市をおよその基点にして西側は広島平野が広がり、東側は「瀬野八」(瀬野駅 - 八本松駅)と呼ばれる西日本一の急勾配のある山間部に入っていく。
南口
- 県道164号広島海田線(旧 国道2号)
- 広電バス 熊野線海田市駅入口バス停
- 芸陽バス・海田町じゅんかんバス・畑賀(旧道)線・安芸南線海田市駅バス停
- 海田市駅自転車等駐輪場(自転車駐輪は1日50円)
- はんどうビル(医療機関が多数入居)
- 個別指導塾スタンダード
- ローソン海田市駅前店
- エイブル海田店
- ユアーズ海田店 ※2014年3月20日閉店
- ポパイ海田店
- 牛角海田店
- 安芸農協会館(サンピア安芸)
- ひまわり大橋(瀬野川にかかる歩行者専用の橋。海田市駅より徒歩約1分。竹下内閣の「ふるさと創成事業」の1億円を原資に海田町が建設)
- 海田税務署
- 広島県警察海田警察署
- 広島市消防局安芸消防署
- 広島銀行海田支店
- もみじ銀行海田支店
- 広島県信用組合海田支店
- 信用組合広島商銀海田支店
- 海田シティホテル※テナントとして1Fセブンイレブン広島船越南3丁目店、及び岡崎ミュージックショップ店
- 広島福祉専門学校
- 広島生活福祉専門学校
- BOOK OFF海田店
- ジョリーパスタ海田店
- 洋服の青山海田店
- 創価学会安芸文化会館
- 広島県立海田高等学校
- 安芸区役所(広島市安芸区の区役所であるが、海田市駅が安芸区役所のある広島市安芸区船越町から数十メートルしか離れていないため、最寄り駅となる。)
- 安芸区民文化センター
- 広島市立安芸区図書館
- 生協ひろしまコープ船越店
- ローソン安芸区役所前店
- 丸亀製麺広島安芸店
- イオン海田店 2011年3月1日に海田サティから移行。(1982年3月1日旧ニチイ海田ショッピングデパートして開業)
北口
- 海田市駅前交番
- 海田市駅自転車等駐車場
- 芸陽バス・海田町じゅんかんバス 海田市駅北口バス停
- 魚民海田市駅北口駅前店
- 広島市立船越小学校(海田町内の4小学校より海田市駅に近い)
- セブンイレブン海田中店
- 海田メンタルクリニック心療内科
- たんきょう眼科
- 海田町役場
- 熊野神社
- 海田町保健センター
- 海田公民館
- 海田中店郵便局
- 大師寺
- 龍洞保育園
- 明光保育園
- 広島市信用組合海田支店
- 広島県重要文化財「千葉家書院」
- 広島市指定史跡新宮古墳船越四丁目:横穴式石室
- ウォンツ船越店
- 船越公民館
駅名の由来
海田町の代表駅なのに海田市駅と言うのは、かつてこの地域が安芸郡海田市町(かいたいちちょう)であったためである。その後、昭和31年(1956年)に海田市町は隣接する東海田町(←奥海田村)と合併し海田町となったが、駅名は変更されず現在に至っている。付近の住民からは「海田駅」と呼ばれるほか、県外の人からは「かいたし」駅と誤った呼ばれ方をされることも多い。
利用状況
- 以下の情報は、広島市統計書に基づいたデータである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1984年(昭和59年) | 6,832 |
1985年(昭和60年) | 7,164 |
1986年(昭和61年) | 7,358 |
1987年(昭和62年) | 8,359 |
1988年(昭和63年) | 8,725 |
1989年(平成元年) | 8,865 |
1990年(平成2年) | 9,380 |
1991年(平成3年) | 9,745 |
1992年(平成4年) | 10,011 |
1993年(平成5年) | 10,225 |
1994年(平成6年) | 10,121 |
1995年(平成7年) | 10,000 |
1996年(平成8年) | 9,889 |
1997年(平成9年) | 9,518 |
1998年(平成10年) | 9,270 |
1999年(平成11年) | 9,326 |
2000年(平成12年) | 9,272 |
2001年(平成13年) | 9,068 |
2002年(平成14年) | 8,987 |
2003年(平成15年) | 9,154 |
2004年(平成16年) | 9,328 |
2005年(平成17年) | 9,273 |
2006年(平成18年) | 9,326 |
2007年(平成19年) | 9,339 |
2008年(平成20年) | 9,199 |
2009年(平成21年) | 8,819 |
2010年(平成22年) | 8,874 |
2011年(平成23年) | 9,019 |
2012年(平成24年) | 9,174 |
- 乗車数グラフ
歴史
この駅の歴史は1894年(明治27年)の山陽鉄道開通に端を発する。1903年(明治36年)には海田市 - 呉間の呉線も開業した。山陽本線と呉線の西側の分岐駅であり、戦時中は広島から軍港であった呉に物資を運ぶ列車の重要な中継点であった。現在の町の規模には不釣り合いなほど長いプラットホームに当時の名残がしのばれる。原爆投下後、大勢の被爆者たちが海田市駅に避難した。また当時海田市駅より西が不通となったため、広島から東方面への移動拠点として機能した。
- 1894年(明治27年)6月10日 - 山陽鉄道 糸崎駅 - 広島駅間の開通と同時に開業。旅客・貨物の取扱を開始。
- 1903年(明治36年)12月27日 - 官設鉄道 当駅 - 呉駅間が開通。
- 1906年(明治39年)12月1日 - 山陽鉄道が国有化。官設鉄道単独駅となる。
- 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定。旧・山陽鉄道線は山陽本線、呉駅方面は呉線となる。
- 1944年(昭和19年)2月1日 - 広島駅まで複々線化。
- 1984年(昭和59年)1月1日 - 貨物の取扱を廃止。駅構内南側に有蓋車用の車扱貨物ホームが設置されていた。
- 1986年(昭和61年) - みどりの窓口営業開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
- 1991年(平成3年)3月16日 - ダイヤ改正により山陽本線に快速電車が復活するも当駅は通過となる。
- 1996年(平成8年)3月16日 - ダイヤ改正により呉線でも快速電車が復活するが、ここでも当駅は通過となる。
- 2007年(平成19年)
- 2010年(平成22年)
- 2012年(平成24年)3月17日 - 呉線の快速「安芸路ライナー」全列車が停車を開始。
- 2014年(平成26年)3月15日 - 山陽本線の一部下り列車が2番線に発着開始[2]。
快速列車の停車の実現
当駅は国鉄時代、一部の長距離急行列車が停車していた。山陽新幹線の開通で優等列車の停車がなくなってからも定期快速電車の全てが停車していたが、ひろしまシティ電車の導入の頃から普通列車が大幅に増え、快速列車は減少、のち消滅した。
JR発足後の1991年(平成3年)より快速列車の運転が開始されるも、当駅は16年間にわたり停車駅に指定されなかった。しかし、2007年(平成19年)3月18日ダイヤ改正で、山陽本線の快速「通勤ライナー」が朝夕2往復に限り停車を開始し、2010年(平成22年)3月13日ダイヤ改正より全列車が停車を開始した。さらに2012年(平成24年)3月17日ダイヤ改正より山陽本線の快速「通勤ライナー」は平日朝のみの運転となり、呉線の快速「安芸路ライナー」は天神川駅と交換する形で停車を開始した[3]。
隣の駅
- 西日本旅客鉄道
- テンプレート:Color山陽本線
- テンプレート:Color快速「通勤ライナー」(平日朝下りのみ運転)
- テンプレート:Color普通
- テンプレート:Color呉線(海田市駅 - 広島駅間は山陽本線)
- テンプレート:Color快速「通勤ライナー」
- 通過
- テンプレート:Color快速「安芸路ライナー」
- 矢野駅 - 海田市駅 - 広島駅
- テンプレート:Color普通
- 矢野駅 - 海田市駅 - 向洋駅
- テンプレート:Color快速「通勤ライナー」
脚注
参考書籍
- 各 広島市統計書
関連項目
外部リンク
テンプレート:Navboxテンプレート:呉線- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ↑ 2.0 2.1 2014年3月15日現在、1555M(13:47発 普通大野浦行)と1563M(15:35発 普通岩国行)が使用
- ↑ 平成24年春のダイヤ改正について 西日本旅客鉄道広島支社