後藤総合車両所

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テンプレート:車両基地 後藤総合車両所(ごとうそうごうしゃりょうしょ)は、鳥取県米子市および島根県出雲市に所在する西日本旅客鉄道(JR西日本)の車両基地および車両工場である。

概要

米子支社が管轄しており、車両工場がある本所と、車両基地がある運用検修センターおよび出雲支所に分かれている。

本所

後藤総合車両所の本所は、鳥取県米子市日ノ出町にある車両工場で、境線富士見町駅 - 後藤駅間に並行して敷地がある。敷地面積は82,271㎡。

米子支社管内の自社車両全車に加え、同支社管内以外の一部の自社車両の車両検査・改造工事のほか、嵯峨野観光鉄道北近畿タンゴ鉄道智頭急行若桜鉄道東海旅客鉄道(JR東海)大垣車両区配置の285系3000番台の全般検査・要部検査・改造および、日本貨物鉄道(JR貨物)のディーゼル機関車のエンジンや井原鉄道一畑電車の部品検修なども行われている。またJR西日本に在籍するすべての気動車ディーゼルエンジンの整備や、川崎重工業車両カンパニー新潟トランシスと提携して車両の新造業務も行っている。過去にはアーバンネットワーク各線で運用されている221系207系、その他にキハ120系を製造した実績もある。

なお日本国有鉄道時代は「後藤工場」の名称であったが、 1985年3月20日に国鉄の全国工場再編成により、広島幡生多度津とともに工場から車両所(後藤車両所)に名称変更されて、JR西日本に継承された。

運用検修センター

後藤総合車両所運用検修センターは、鳥取県米子市目久美町にある車両基地で、山陰本線・境線の米子駅構内に敷地がある。敷地面積は39,572㎡。

出雲支所

後藤総合車両所出雲支所は、島根県出雲市東神西町にある車両基地で、山陰本線西出雲駅 - 出雲神西駅間に位置している。敷地面積は146,000㎡。

JRでは数少ない特急形車両専門の車両基地である。かつては「出雲運転区」の名称で車両が配置されていたが、2000年に出雲鉄道部の下部組織となり出雲車両支部となったのち、2008年6月1日の出雲鉄道部廃止により本車両所の下部組織とされ、出雲支所に改称された。

島根県内では数少ない現役の転車台が設置されている。

車体に記される略号

整備済み車両の車体に記される略号
後藤総」または「GT」が記されている。
所属車両の車体に記される略号
米子支社の略号である「米」と、後藤の電報略号である「トウ」から構成され、旅客車は「米トウ」、貨車は「」、機関車は 「」である。なお、機関車については2010年6月頃より「米」の表記に順次戻されている。

所属車両

2012年4月1日現在[1][2]の所属車両は以下の通りで、運用検修センターと出雲支所に分散して配置されている。

区所 電車 気動車 機関車 客車 貨車 合計
米子 0両 99両 9両 2両 10両 120両
出雲 79両 0両 0両 0両 0両 79両
全体 79両 99両 9両 2両 10両 199両

運用検修センター配置

気動車

ファイル:JR west-dc126-0.jpg
キハ126形気動車

客車

  • 12系客車(2両)
    • 800番台2両(スハフ12 801 + スハフ13 801)が配置されている。
    • かつては山陰本線の普通列車の多くは客車により運行されていたが、すべて電車・気動車に置き換えられたため、2011年現在は木次線トロッコ列車奥出雲おろち号」用のみとなっている。
    • スハフ13 801には運転台が設置され、専用機関車のDE15形2558号機などによる同編成のプッシュプル運転を可能としている。スハフ13 801は窓ガラスが取り払われたり、座席も木製のものに換えられるなど大規模に改造されてトロッコ車両となっているが、スハフ12 801は塗装と座席(急行運用時代にリクライニングシートに交換)以外はほぼ原型のままである。

貨車

機関車

  • DE10形ディーゼル機関車(3両)
    • 3両が配置されている。車両基地内での入換などに使用される。そのうち1161号機は、後述のDE15形2558号機に続いて、2両目のトロッコ列車「奥出雲おろち号」カラーとなっている。
  • DE15形ディーゼル機関車(4両)
    • 4両が配置されている。ラッセル式除雪車。2558号機は冬季以外にはトロッコ列車「奥出雲おろち号」の専用牽引機となる。また、ほかにラッセルヘッドに力士をイメージしたイラストが描かれたものもあったが、2010年冬季シーズン前の整備で、塗装塗り替えにより通常塗装に戻された。
  • DD51形ディーゼル機関車(2両)
    • 2両が配置されているが、1179号機は通常、出雲支所に駐留している。
    • かつては多くの客車列車を牽引していたが、普通列車はすべて電車・気動車に置き換えられ、寝台特急「出雲」を最後に定期運用は消滅した。2011年現在は臨時列車の牽引や、車両基地内での入換などに使用される。
    • 1186号機はJR西日本に承継されてから、お召し列車に4回運用された実績を持ち、同社のお召し指定機のような扱いとなっている。2011年10月31日のお召し列車運転にあたって整備された際には、ステップに日章旗を取り付けるための台座が設置された。

過去の配置車両

出雲支所配置

  • 285系電車(21両)
    • 0番台7両編成3本(I1 - I3編成)が配置されている。
    • 寝台特急「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」で運用されている。
    • JR東海の大垣車両区に所属する3000番台7両編成2本(I4・I5編成)も当支所に常駐している。車両の定期検査は全てJR西日本に委託されており、全般検査に至るまで後藤総合車両所で実施している。ただし、名目上は名古屋工場が担当工場となっている。
  • 381系電車(57両)
    • 6両編成8本(パノラマ編成1本、ノーマル編成6本、サブ編成1本)、4両編成2本(パノラマ編成1本、ノーマル編成1本)、予備車1両が配置されている。組成変更が頻繁に行なわれるため、編成番号は付けられていない。
    • 特急「やくも」で運用されており、在籍する全車両が「ゆったりやくも」用のリニューアル車両である。
  • クモヤ145形電車(1両)
    • 1両が配置されている。牽引車
    • 構内の入換のほかに、出雲支所に所属する381系電車が車両工場(主に後藤総合車両所)へ入出場回送、試運転をする際に進行方向に制御車両が連結されていない場合、制御車両として使用される。

過去の配置車両

借り入れ車両

2008年3月から2010年3月まで京都総合運転所所属の113系4両編成1本を借入し、381系に代わって山陰本線の快速「通勤ライナー」に運用していたことがある。

歴史

  • 1902年明治35年)11月:鉄道作業局米子出張所の仮工場として、米子駅構内西側に開設。
  • 1918年大正7年)12月:現在地の後藤駅付近に移転し、鉄道院西部鉄道管理局の後藤工場に改称。
  • 1949年昭和24年)6月1日:日本国有鉄道が発足し、大阪鉄道管理局の後藤機械部になる。
  • 年月日不明:米子管理局が発足し、後藤工場になる。
  • 1985年(昭和60年):後藤車両所に改称。
  • 1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道に継承。
  • 1997年平成9年)3月8日:後藤車両所と米子運転所の検修部門が統合して、後藤総合車両所が発足。後藤車両所は同所の本所に、米子運転所の検修部門は同所の運用検修センターになる[3]
  • 2008年(平成20年)6月1日:出雲鉄道部出雲車両支部が後藤総合車両所に統合され、同所の出雲支所になる[3]

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脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

  • 『 Rolling stock & machinery 』2007年7月号、日本鉄道車両機械技術協会、p.48 - p.50。

関連項目

テンプレート:西日本旅客鉄道米子支社
  1. ジェー・アール・アール『JR電車編成表 2012夏』交通新聞社、2012年。ISBN 978-4-330-28612-9。
  2. 「JR旅客各社の車両配置表」『鉄道ファン』2012年7月号、交友社
  3. 3.0 3.1 ジェー・アール・アール『JR気動車客車編成表 2010』交通新聞社、2010年。ISBN 978-4-330-14710-9。