若桜鉄道
テンプレート:Infobox 若桜鉄道株式会社(わかさてつどう、Wakasa Railway Co., Ltd.)は、鳥取県で旧国鉄特定地方交通線を引き継いだ若桜線を運営している鳥取県などが出資する第三セクター方式の鉄道会社である。本社は鳥取県八頭郡若桜町に所在。
歴史
- 1987年(昭和62年)8月6日 設立。
- 1987年(昭和62年)10月14日 西日本旅客鉄道(JR西日本)若桜線を転換し若桜線開業。
- 2009年(平成21年)4月1日 鉄道事業の運営形態を変更(第1種鉄道事業者→第2種鉄道事業者)。
運営形態の変更
若桜鉄道は、2009年1月20日に臨時株主総会を開催し、上下分離方式を採用することを決めた。同年4月1日をもって若桜鉄道が所有する線路、駅施設等を若桜町および八頭町に譲渡し、両町が第3種鉄道事業者として施設を保有管理、若桜鉄道が第2種鉄道事業者として車両や乗務員を保有して運行を行うこととした。
これは、転換時に積み立てられた赤字補填基金が2008年度末に枯渇することが明らかになったため、若桜町、八頭町及び若桜鉄道は法定協議会を開催して、今後の若桜線の運営改善方策の策定を行った。その結果、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の規定に基づき、国土交通省に鉄道事業再構築実施計画の認定について申請し、2009年3月13日付けで認定されたものである[1]。
この鉄道事業再構築実施計画認定は、福井鉄道福武線(2009年2月24日認定)に次いで2件目で、「公有民営化」方式としては初めての認定である。
なお、上下分離方式の採用に伴い、従来、社長は若桜町長、副社長は八頭町長(2005年3月30日までは八東町長)が兼務していたが、2009年6月22日に取締役会を開催し、6月23日付けで小林昌司社長(若桜町長)が会長に、平木誠副社長(八頭町長)が副会長になり、唯一代表権を持つ社長には旧国鉄出身の原卓也専務が昇格することを決めた[2][3]。
路線
運行形態などは以下の項目を参照のこと。
車両
形式称号の「WT」は若桜鉄道の列車が走る沿線の町にちなみ、「W=若桜」、「T=鳥取」を意味している。
現有車両
2004年4月1日現在、2形式4両の気動車が在籍する。WT3300形をのぞく全車に「さくら」の愛称がつけられている。
- WT3000形(WT3001, WT3003, WT3004 3両)
- 1987年の開業時に投入したWT2500形を更新工事の施工により改番した軽快気動車である。工事内容としてはエンジンの出力アップ(DMF13HS (250PS) からDMF13HZ (330PS) に交換)、外板塗装の変更、台車交換(車輪直径を762mmから860mmに変更)が実施されている。車両側部にサボ受けが装備されている。最高速度は95km/h。ブレーキ装置はDE1A式自動空気ブレーキを搭載している。定員は116人。トイレは設置されていない。
- WT3300形(WT3301 1両)
- WP2500形の更新工事時の所要両数確保のため2001年3月に増備された新潟鐵工所製の軽快気動車 (NDC)。車体はステンレス製で、18m級の大型車である。エンジンは新潟鐵工所(現・新潟原動機)製DMF13HZで、出力は330PSである。車内はクロスシートであるが、WT3000形と同様、トイレは設置されていない。側窓は固定となった。日本宝くじ協会寄贈の「宝くじ号」である。車両前部に行先方向幕が装備されている。最高速度は95km/h。定員は93人。
過去の車両
- WT2500形(WT2501 - WT2504)
- 1987年10月の転換時に投入された新潟鐵工所製の軽快気動車(NDC)。18m級の大型車である。エンジンは新潟鐵工所(現・新潟原動機)製DMF13HSで、出力は250PSである。当初WT2501 - WT2504の4両が投入された。車内はクロスシートであるが、トイレは設置されていない。2001年から更新によりWT3000形へ改番され、2003年、WT2504がWT3004に変更されたのを最後に更新工事が終了し、未更新のWT2502は余剰となったことから2003年12月31日をもって廃車となり形式消滅した。廃車の際には、非常時の訓練を兼ねて同車と自動車を衝突させた。現在では因美線東郡家駅 - 郡家駅間で、半分に切断されて倉庫となっているWT2502の廃車体を見ることができる。
保有車両その他
- 機関車
- C12 167.jpg
C12形蒸気機関車
- DD16 wakasa.jpg
DD16形ディーゼル機関車
- 12pc wakasa.jpg
12系客車
運賃
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2007年4月1日改定。2014年4月1日に消費税が増税されたが、改定は行わず全区間据え置きとなった。
郡家駅 - 八頭高校前駅間 (0.9km) の運賃は100円となっているが、2007年3月31日までこの区間の運賃は60円と日本一安い設定となっていた。1996年の八頭高校前駅開業当初の運賃は160円であったが、多くの高校生に利用してもらいたいとの意向から、1997年4月1日から1kmまでと2kmまでの運賃区分を新設し郡家駅 - 八頭高校前駅間の運賃を60円に値下げした。しかし、ここ数年は利用者減少が続いているため、年間250万円の増収が見込まれる運賃値上げを決定し、中国運輸局に2007年4月1日から100円に運賃を値上げすることを申請した。値上げ実施後は北大阪急行電鉄の大人初乗り運賃80円(2007年4月1日時点)が日本一安い運賃となった。
郡家 | |||||||||
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100 | 八頭高校前 | ||||||||
200 | 160 | 因幡船岡 | |||||||
260 | 260 | 160 | 隼 | ||||||
290 | 290 | 260 | 200 | 安部 | |||||
320 | 290 | 290 | 260 | 200 | 八東 | ||||
320 | 320 | 320 | 290 | 260 | 160 | 徳丸 | |||
350 | 350 | 320 | 320 | 290 | 260 | 160 | 丹比 | ||
420 | 420 | 380 | 350 | 350 | 320 | 290 | 260 | 若桜 |
運転体験
実際に運行されているWT3000形気動車および展示走行できる状態で保存されているC12形蒸気機関車(圧縮空気により稼動)、DD16形ディーゼル機関車を使用した体験運転が、若桜駅構内にて行われている。指導運転士添乗のもと、気動車は若桜駅構内3番線(約70m)を、C12およびDD16は展示走行用専用線(約140m)をそれぞれ2往復できる。
気動車は小学5年生以上、C12およびDD16は15歳以上であれば誰でも運転体験に参加できる。応募はインターネットまたは往復はがきにより行い、参加費は当日に支払う。