篠山口駅
篠山口駅(ささやまぐちえき)は、兵庫県篠山市大沢字高伏ノ坪にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)福知山線の駅である。
概要
篠山市の代表駅である。2010年現在、同市などによる駅名を「丹波篠山駅」に改称させたいとする動きがあった。
福知山線における境界駅の一つで、アーバンネットワーク[1]および「JR宝塚線」の愛称区間、さらにICOCA(および相互利用対象のICカード)の利用可能区間の終端である(いずれも大阪駅方面のみ対象)。かつ案内上でも、当駅から大阪方面は「JR宝塚線」、福知山方面は正式名称の「福知山線」と名称が区別されている。よって以下ではこの形式に従い、それぞれを別路線と扱い記述する。
特急『こうのとり』が全便停車するが、ここより北の福知山方面に向かう乗客はぐっと減る。
駅長が配置された直営駅であり、管理駅として福知山線の福知山支社管内区間である広野駅 - 丹波竹田駅間の各駅を管轄している。みどりの窓口が設置されていて営業時間は5時40分~23時まで。みどりの券売機も設置されている。
なお、1972年(昭和47年)までは篠山市街地に向けて篠山線が伸びており、その始発駅でもあった。
駅構造
単式・島式の複合型2面3線のホームを持つ橋上駅である。改札口は橋上の1か所のみ。
単式・島式の各ホームの間に中線(2番線)があるため、「2番のりば」は存在しない。
各ホームには、駅弁(後述)などの軽食を提供する『浪花食堂』[2]があったが、2012年春までに駅弁の販売は終了し、後に閉店した(2013年7月現在、跡地は更地になっている)。
ホーム | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1・3・4 | テンプレート:ColorJR宝塚線 | 三田・宝塚・大阪方面 |
テンプレート:Color福知山線 | 福知山・豊岡方面 |
上表の路線名は旅客案内上の名称(「JR宝塚線」は正式路線名ではなく愛称)で表記している。
本線は上りが1番のりば、下りが3番のりばだが、3線共に両方向への発車が可能。ただし、1番のりばへは福知山方面からのみ入線できる。
系統上の境界駅であるため、普通・快速列車の乗り継ぎを島式ホーム(3・4番のりば)で行えるようにしている。その関係で発着番線は一定しない。発着番線の目安は以下の通りである。
- 1番のりば - 主に大阪・新大阪方面行き特急『こうのとり』(一部の時間帯は3番のりば)
- 時間帯によっては、大阪方面行きの快速も停車。福知山方面の列車の設定はない(ダイヤが乱れた場合を除く)。
- 3番のりば - 主に福知山方面行き列車(特急『こうのとり』を含む)
- 時間帯によっては、大阪方面行きの列車も停車する。
- 4番のりば - 日中の大阪方面行き丹波路快速と、特急『こうのとり』を待避する福知山方面行きの普通
- 夕方の福知山方面行き列車(特急を除く)は、このホームで車両の分割を行う。その場合、切り離された車両が大阪方面行きとなり、同じ4番のりば上に各方面行きの列車2本が縦列停車することになる。
ダイヤ
日中は大阪方面が2本(いずれも丹波路快速)、福知山方面は1本(当駅始発の普通)である。これに加え、特急『こうのとり』が1本停車する。
朝の大阪方面行きと、夜の到着列車は本数が多くなり、JR東西線方面からの快速も乗り入れる。19時台には、高槻行き(土曜・休日は松井山手行き)の普通列車が設定されている。
利用状況
兵庫県統計書[3]によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。
年度 | 一日平均 乗車人員 |
---|---|
1995年 | 3,463 |
1996年 | 3,590 |
1997年 | 3,803 |
1998年 | 3,931 |
1999年 | 3,995 |
2000年 | 4,112 |
2001年 | 4,185 |
2002年 | 4,158 |
2000年 | 4,112 |
2001年 | 4,185 |
2002年 | 4,158 |
2003年 | 4,187 |
2004年 | 4,278 |
2005年 | 4,141 |
2006年 | 4,115 |
2007年 | 4,092 |
2008年 | 4,072 |
2009年 | 3,966 |
2010年 | 3,914 |
駅周辺
東西に山が迫るが、国道や県道沿いを中心に住宅街が広がっている。
駅舎の橋上化以前は、東口から伸びる弁天地区が旧・丹南町の中心地であった。駅には、国鉄の購買部を前身とするハートインと前述の『浪花食堂』(いずれも既に閉店)があるのみだった。
橋上化後の駅舎には、国道176号に面する西口が新設された。西口周辺は都市再開発地区の指定を受けており、周辺の整備と急速な開発が進んでいる。
バス路線
神姫グリーンバスの以下の路線が発着しており、同バスではICOCAやPiTaPa、NicoPaが使用できる。
かつては西日本JRバスが園篠線(えんじょうせん)として福住・園部方面に向けて運行していたが、利用客減少に伴い当駅 - 福住間が2002年(平成14年)3月31日、福住 - 園部駅前間が同年9月30日をもって廃止され、撤退した[4]。本篠山バス停の近くには、「園篠線発祥之地碑」がある。
篠山口駅
篠山口駅東口
- 篠山鳳鳴高校前 行き(直行、休校日を除く平日朝の1本のみ)
歴史
福知山線の前身である阪鶴鉄道は、計画当初は現在の篠山市西町付近を通る予定としていた。しかしルートが大回りになる上に、当時の地元の期待は京姫鉄道(京都駅 - 園部駅 - 篠山駅 - 姫路駅)にあり、阪鶴鉄道に対しては地元の土地売却が積極的でなかったため、最終的に現在の地(旧・丹南町)に駅が作られることとなった。
- 1899年(明治32年)
- 1907年(明治40年)8月1日 - 鉄道国有法により阪鶴鉄道国有化。
- 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定。阪鶴線所属駅となる。
- 1912年(明治45年)3月1日 - 線路名称改定。阪鶴線の福知山駅以南が福知山線に改称し、当駅もその所属となる。
- 1915年(大正4年)9月12日 - 篠山鉄道線 弁天駅(篠山駅から徒歩圏内) - 篠山町駅間開通。
- 1925年(大正14年)12月10日 - 篠山鉄道線、篠山駅乗り入れ[5]。
- 1944年(昭和19年)
- 1972年(昭和47年)3月1日 - 篠山線廃止。
- 1982年(昭和57年)10月3日 - 貨物取扱廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道の駅となる。
- 1992年(平成4年)4月1日 - 篠山口鉄道部発足により、その管轄となる。
- 1997年(平成9年)
- 2003年(平成15年)11月1日 - ICカード・ICOCAの供用開始。
- 2009年(平成21年)6月1日 - 篠山口鉄道部廃止に伴い福知山支社直轄に戻され、「管理駅」として同鉄道部管内の駅管轄業務を継承。
駅弁
駅構内にあった『浪花食堂』では、以下の駅弁を販売していた。
- 山菜デカンショ弁当
- 幕の内弁当
- かにずし
- 猪のぼたんめし
- 特製 松茸弁当
- 「幕の内弁当」と「かにずし」以外は季節販売商品。
隣の駅
- 西日本旅客鉄道
- テンプレート:ColorJR宝塚線・テンプレート:Color福知山線
- 特急『こうのとり』停車駅
- テンプレート:Color快速(三田駅まで各駅停車)
- 南矢代駅 - 篠山口駅
- テンプレート:Color丹波路快速(三田駅 - 福知山駅間各駅停車)・テンプレート:Color普通
- 南矢代駅 - 篠山口駅 - 丹波大山駅
かつて存在した路線
- 日本国有鉄道
- 篠山線
- 篠山口駅 - 篠山駅
- 篠山鉄道
- 篠山鉄道線
- 篠山駅(当時) - 東吹駅
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:篠山線- ↑ 当初、アーバンネットワークのエリアは新三田駅までとする方針が発表されていたが、地元の請願によりこの駅まで伸ばされた。よって当駅 - 新三田駅間は、福知山支社管内では唯一の、広域的な愛称が設定されている区間となった。
- ↑ 1番ホームには調製所兼用の食堂スペース、3・4番ホームにはテイクアウト専用の売店があった。
- ↑ 兵庫県統計書
- ↑ 現在は当駅 - 本篠山 - 福住間は神姫グリーンバス、福住 - 園部駅前間は京阪京都交通が運行を引き継いでいる。
- ↑ 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳 9号 関西2』(新潮社、2009年)p.46による。国鉄篠山駅への乗り入れは『篠山町75年史』では1918年となっているが、1921年の『大正十年 兵庫県統計書 第13・14編』(近代デジタルライブラリーより)ではまだ「篠山町辨天間」となっている。