福知山駅
福知山駅(ふくちやまえき)は、京都府福知山市にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・北近畿タンゴ鉄道(KTR)の駅である。
JRの駅は駅前町439番地、KTRの駅は字天田91番地に所在する。
目次
概要
北近畿の特急網である「北近畿ビッグXネットワーク」の要に位置しているほか、JR西日本福知山支社が置かれており、周辺地域の鉄道網の要衝である。
JR西日本の山陰本線・福知山線と、KTRの宮福線が乗り入れており、JRの駅は山陰本線を所属線としている[1]。福知山線は当駅が終点、宮福線は当駅が起点となっている。このほか、JRの駅には舞鶴線の一部の列車が乗り入れている。かつては北丹鉄道が乗り入れており、当駅が起点となっていた。
各方面へ運行される特急列車同士の乗換駅としての役割を担っており、接続が考慮されたダイヤや特急料金の通算制度が設定されるなど、乗り継ぎがシームレスに行えるように配慮されている。普通列車においては当駅をまたいで運転される列車は存在せず、全列車が当駅を始終着としている。
開業時から長らく地上駅だったが、2000年代に順次高架化されるとともに駅舎も拡張され、1階の専門店街は「ビエラ福知山」として営業している[2]。駅の出入口も、従来の北側に加え南側にも設けられた。
歴史
- 1904年(明治37年)11月3日 - 官設鉄道の当駅 - 綾部駅 - 新舞鶴駅(現・東舞鶴駅)間、阪鶴鉄道の福知山南口駅(のちの福知駅) - 当駅間の開業により、両路線の接続駅として設置(前者の区間も同日に阪鶴鉄道に貸与)し、客貨取扱を開始する。
- 1907年(明治40年)8月1日 - 阪鶴鉄道が国有化される。
- 1909年(明治42年)
- 1911年(明治44年)10月25日 - 播但線の支線として和田山駅 - 当駅間が開業する。
- 1912年(明治45年)3月1日 - 線路名称が改定され、阪鶴線の綾部駅 - 当駅間と播但線の当駅 - 和田山駅 - 香住駅間が山陰本線に編入され、当駅もその所属となる。また、阪鶴線が福知山線に改称される。
- 1923年(大正12年)9月22日 - 北丹鉄道線が開業する。
- 1954年(昭和29年)3月29日 - 駅舎改築が竣工し、4月1日から新駅舎で営業を開始する[3]。
- 1971年(昭和46年)3月2日 - 北丹鉄道線が休止される(1974年(昭和49年)2月28日廃止認可)。
- 1986年(昭和61年)11月1日 - 貨物取扱を廃止し、貨物取扱施設「福知山コンテナセンター」を設置する。福知山線全線と山陰本線城崎駅(現 城崎温泉駅)までの区間が電化される。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化に伴い、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
- 1988年(昭和63年)7月16日 - 宮福鉄道(現 北近畿タンゴ鉄道)宮福線が開業。
- 1995年(平成7年)4月20日 - 綾部駅から当駅間が電化される。
- 2005年(平成17年)11月26日 - JR線の当駅付近が高架化される。
- 2009年(平成21年)2月28日 - 北近畿タンゴ鉄道線の当駅が高架完成し、高架化および駅改修事業が完成する。
- 福知山駅駅舎.jpg
地平時代の駅舎。右端の建物はJR西日本福知山支社
- 旧福知山駅ホーム.JPG
地平時代の駅ホーム
- 旧福知山駅改札口.jpg
地平時代の改札
- 北近畿タンゴ鉄道旧駅舎.JPG
地平時代の北近畿タンゴ鉄道駅舎
- KTR Fukuchiyama.JPG
KTR駅旧ホーム(2006年8月13日)
駅構造
JR西日本
島式ホーム2面4線と単式ホーム1面1線、合計3面5線のホームを有する高架駅。5番のりばが単式ホームで、1・2番のりばと3・4番のりばが島式ホームである。1・2番のりばはかつて長距離特急列車が停車していた名残で、有効長が230mと長い[4]。
改札口は1階にあり、自動改札機は導入されていない(有人改札)。高架化と同時に、全ホームにエスカレーター(昇りのみ)とエレベーターが設置された。
かつては改札内でキヨスクや名物の駅そばを販売する「鬼そば屋[5]」が営業していたが、いずれも高架化完了までに廃業し、前者の退去跡には数台の清涼飲料水の自動販売機が置かれた。
ホーム上の全ての時計には、福知山市のイメージキャラクター「ドッコちゃん」が描かれている。また、BGMとして小鳥のさえずりが流されている。
管理駅長が配置された直営駅であり、管理駅として山陰本線の高津駅 - 和田山駅間の各駅を管轄している。
ホーム | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1・2 | テンプレート:Color山陰本線 | 上り | 綾部・西舞鶴・京都方面 | 特急・普通 |
下り | 和田山・豊岡・城崎温泉方面 | 一部の普通 | ||
テンプレート:Color福知山線 | - | 篠山口・宝塚・大阪方面 | 主に特急 | |
3・4 | テンプレート:Color山陰本線 | 下り | 和田山・豊岡・城崎温泉方面 | 特急・普通 |
テンプレート:Color福知山線 | - | 篠山口・宝塚・大阪方面 | 一部の特急・丹波路快速・普通 | |
テンプレート:ColorKTR宮福線 | - | 大江・宮津・天橋立方面 | JR線から直通の特急 | |
5 | テンプレート:Color福知山線 | - | 篠山口・宝塚・大阪方面 | 丹波路快速・普通 |
京都方面への列車が1・2番のりば[6]、福知山線の丹波路快速・普通列車が5番のりば[7]を使用する以外は、特に路線や行き先を区別せずに運用している。なお、JR線からKTR宮福線へ直通する特急列車もJR線のホームを使用する。
豊岡方面への普通列車は1・2番のりばに停車し、京都方面の普通列車との対面乗り換えが考慮されていることが多い[8]。
特急列車については、京都方面行きと大阪方面行きが1・2番のりば、豊岡方面行きと宮津方面行きが3・4番のりばに入り、対面乗り換えが可能。ただし、当駅始発の列車が増える朝の時間帯に限り、一部の大阪方面の『こうのとり』が3・4番のりばからも発車する。
豊岡方には、福知山電車区へと分岐する線路がある。
- Fukuchiyama Station Platform.jpg
JR駅のホーム
- Fukuchiyama st01s2560.jpg
JR駅の改札口
- Fukuchiyama Station board.JPG
駅名標
北近畿タンゴ鉄道
島式ホーム1面2線を有する高架駅で、JRホームの北側に位置する。
終日駅員が配置される直営駅である。改札口は北口側の専用階段を登った先の2階に位置し、KTR線専用の自動券売機等もある。KTR線改札口からコンコースを挟んで反対側に、JR線2階コンコースとつながった連絡改札口が設けられている。なお、同改札口にはKTRの自動券売機はあるが、JRの自動券売機はない。
高架化前のホームは、かつての北丹鉄道の駅が設けられていた位置にあった。
ホーム | 路線 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|
1・2 | テンプレート:ColorKTR宮福線 | 大江・宮津・天橋立方面 | 特急『たんごリレー』 快速『大江山』・普通 |
配線上の本線は1番線(1番のりば)である。
なお、JR線との直通を行う特急列車はJR線ホームに発着する(構造上、宮福線からはJRの1 - 4番のりばへの出発・入線にも対応)。
- KTR Fukuchiyama Station Platform.jpg
KTR駅のホーム
北丹鉄道
単式ホーム1面1線を有する地上駅で、地平時代の国鉄福知山駅1番線ホームの西側を間借りしていた[9]。
北丹鉄道は1974年(昭和49年)に廃止となったが、1988年(昭和63年)に宮福鉄道(現 KTR)宮福線が開業した際には同じ場所が同線用のホームとなった。 テンプレート:-
利用状況
京都府統計書(2007年度以前)および福知山市統計書(2008年度以降)によると、両社の1日平均乗車人員の推移は下記の通りである。
年度 | 1日平均乗車人員 | |
---|---|---|
JR西日本 | 北近畿 タンゴ鉄道 | |
1999年 | 4,304 | 1,134 |
2000年 | 4,186 | 1,263 |
2001年 | 4,052 | 1,197 |
2002年 | 3,951 | 995 |
2003年 | 3,992 | 1,027 |
2004年 | 3,926 | 901 |
2005年 | 4,019 | 847 |
2006年 | 3,992 | 800 |
2007年 | 3,932 | 805 |
2008年 | 3,913 | 966 |
2009年 | 3,678 | 1,018 |
2010年 | 3,715 | 1,055 |
2011年 | 3,660 | 1,061 |
駅周辺
当駅付近の線路は市の中心部を通るため、市街地が南北に分断されていただけでなく、踏切での渋滞も多発していた。
この問題解消に向け、1996年から当駅を含めた連続立体交差事業が進められ、2005年にはJR線が、2009年にはKTR線が高架化された。
南口
南側一帯には元々福知山運転所があり、周辺の市街地とは接続していなかったが、高架化と共に公園を擁するロータリーが整備された。
公園前には福知山温泉を引湯したビジネスホテルが建設されたほか、国道9号沿いには全国展開のコンビニエンスストアや飲食店などが多く立地している。
- 福知山駅南口公園
- 園内には、かつて福知山機関区に所属し北近畿一帯の鉄道輸送に貢献したC11形蒸気機関車 40号機[10]が、同機関区で使用されていた転車台に載せられ展示保存されている。
- 大谷公園
- 福知山消防署
- ハローワーク福知山
- 陸上自衛隊 福知山駐屯地
- 京都共栄学園高等学校
- 福知山市立南陵中学校
- ヤマダ電機 テックランド福知山店
- 三ツ丸ストアー 駅南店
- 京都銀行 福知山駅南支店
- 国道9号(山陰道)
北口
古くからの市街地が広がっている。駅前は商店街となっているほか、24時間営業のコンビニエンスストアが数軒ある。
旧来からある駅前広場の再整備事業が行われている。
- JR西日本福知山支社
- 福知山城(郷土資料館)[11]
- 御霊神社
- 福知山市役所
- 福知山警察署 福知山駅前交番
- 福知山市佐藤太清記念美術館
- 福知山鉄道館ポッポランド
- 福知山の鉄道に関わる実物(ライブスチームの模型や鉄道模型もあり)および資料を展示するほか、オリジナルグッズや福知山の名産品、鉄道関係の土産を扱う売店もある。2号館では、実際に福知山を走ったC58形蒸気機関車の56号機が静態保存され展示されている。運営は新町商店街振興組合ポッポランド部。
- 伯耆丸公園
- 福知山市立昭和小学校
- 福知山市立惇明小学校
- コーナン 福知山店
- さとう 福知山駅前店
- 福知山郵便局
- 京都銀行 福知山支店(旧 丹和銀行本店営業部)
- 京都北都信用金庫 福知山中央支店
- 京都府道24号福知山停車場線(お城通り)
- 京都府道523号福知山停車場篠尾線(花水木通り)
- 市民交流プラザふくちやま(駅北口)
路線バス
西日本JRバス、京都交通、丹後海陸交通および周辺自治体が運営する福知山市内自主運行バスの4社が乗り入れ、以下の路線を運行している。
一般バス路線や廃止代替バスは北口、高速バス路線は南口の各ロータリーに発着する。
なお、日本交通グループ(北近畿日交、福知山日交)や中央タクシーによるタクシーも利用できる(のりばは南口にある)。
運行会社 | 行き先 | 路線名 | 備考 |
---|---|---|---|
西日本JRバス (福知山駅バス停) |
園部駅 | 園福線 | |
京都交通[12] (福知山駅前バス停) |
綾部駅前 | 福知山線 | |
高等技術専門学校前 | 長田野線 | ||
山野口 三段池公園 |
川北線 三段池線 |
[13] | |
成美高校前 他 | 堀循環線 | ||
岩間会館前 他 | 岩間線 岩間循環線 |
||
小牧 | 小牧線 | ||
下夜久野駅前 | 夜久野線 | ||
治水記念館前 他(北ルート) 中央通り 他(南ルート) |
まちなか循環線 | 南北2ルートあり | |
丹後海陸交通 (福知山駅バス停) |
傘松ケーブル下 | 与謝・福知山線 | |
共栄高校前 |
運行会社 | 行き先 | 備考 |
---|---|---|
中六人部バス | 田野山田公民館前 | |
庵我バス | 筈巻 | |
三岳バス | 上佐々木 |
運行会社 | 路線名・バス愛称 | 行き先 | 共同運行会社 |
---|---|---|---|
京都交通 (福知山駅前バス停) |
シルフィード号 | 品川・浜松町 / 東舞鶴 | 羽田京急バス |
神戸 - 福知山線 | 三宮バスターミナル | 日本交通 | |
大阪 - 福知山線 | 大阪なんば(OCAT) | 日交シティバス |
隣の駅
※西日本旅客鉄道の特急『こうのとり』・『きのさき』・『はしだて』の隣の停車駅は列車記事を、北近畿タンゴ鉄道の特急『たんごリレー』・快速『大江山』の隣の停車駅は路線記事を参照のこと。
- 西日本旅客鉄道
- テンプレート:Color山陰本線
- テンプレート:Color快速(京都方面、綾部駅まで各駅に停車)
- 石原駅 - 福知山駅
- テンプレート:Color快速(城崎温泉方面、豊岡駅まで各駅に停車)
- 福知山駅 - 上川口駅
- テンプレート:Color普通(全列車が当駅で乗り換え)
- 石原駅 - 福知山駅 - 上川口駅
- テンプレート:Color快速(京都方面、綾部駅まで各駅に停車)
- テンプレート:Color福知山線
- テンプレート:Color丹波路快速(三田駅まで各駅に停車)・テンプレート:Color普通
- 丹波竹田駅 - 福知山駅
- テンプレート:Color丹波路快速(三田駅まで各駅に停車)・テンプレート:Color普通
- 北近畿タンゴ鉄道
- 宮福線
- 福知山駅 - 厚中問屋駅
かつて存在した路線
- 北丹鉄道(廃線)
- 北丹鉄道線
- 福知山駅 - 福知山西駅
脚注
関連項目
- 福知山オフレールステーション - 日本貨物鉄道(JR貨物)の施設。かつては駅構内に位置した。
- 北近畿ビッグXネットワーク
- 日本の鉄道駅一覧
外部リンク
- テンプレート:外部リンク/JR西日本駅
- KTR福知山駅(路線図・駅舎情報) - 北近畿タンゴ鉄道
テンプレート:山陰本線 (福知山地区) テンプレート:福知山線 テンプレート:北近畿タンゴ鉄道宮福線
テンプレート:北丹鉄道- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ↑ ビエラ福知山 - ジェイアール西日本不動産開発(2010年12月3日閲覧) ※個別店舗名は上記リンクを参照。
- ↑ 『福知山鉄道管理局史』p.44 1973年、福知山鉄道管理局
- ↑ かつては荷物車を含む最大12両編成の寝台特急『出雲』が停車していた(2006年3月18日廃止)。
- ↑ 愛されて半世紀 駅のそば屋さん高架開業で閉店 - 両丹日日新聞(2005年11月16日付)
- ↑ 3 - 5番のりばは京都方面への発車ができず、5番のりばは京都方面からの入線ができない。
- ↑ ただし、線路自体は豊岡方面への出発・入線にも対応している。
- ↑ ただし、2008年3月15日ダイヤから2010年3月12日ダイヤまでの間は、日中でも豊岡方面行きの普通列車が3・4番のりばに入る運用があった。
- ↑ 草むらの中走った北丹鉄道 廃止から30年 今でも多くの人の心の中に - WEB両丹(両丹日日新聞)
- ↑ 2007年に、篠山市旧丹南町公民館から移転されたものである。また、付近にはレールを再利用した上屋もあるが、これは福知山線の前身である阪鶴鉄道が明治時代にアメリカのカーネギー社・イリノイ社に特注し、福知山線や当駅のホームの上屋の柱として使われていたものである。
- ↑ 福知山城(郷土資料館) - 福知山市(2013年12月8日閲覧)
- ↑ 12.0 12.1 いずれも、当駅の北西にある「市民病院前」を起終点とし、当駅前を経て郊外各地へと運行している。
- ↑ 三段池線は、三段池公園で大規模なイベントが行われる日にのみ、川北線と同じ経路で臨時運行される。