乗り継ぎ料金制度

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乗り継ぎ料金制度(のりつぎりょうきんせいど)とは、異なる交通機関有料道路同士の乗り継ぎを行う際に料金の割引ないしは通しの料金で計算をする制度のことである。

概要

公共交通機関や有料道路の料金は通常遠距離逓減制や初乗り料金・ターミナルチャージの影響で、短距離の利用ほど割高になる。そのため、同じ区間の利用であっても乗り継ぎが多いほど料金が高くなってしまう。それによる料金の増大を抑えるために設定されているのが乗り継ぎ料金制度である。

本項では日本の鉄道と道路のものについて述べるが、他には航空会社の国際線でファーストクラスを利用する場合に国内線のファーストクラスの料金を通しにしたり、割り引いたり、無料にする制度がある。

JR各社

特急料金・急行料金の通算

表記の各種情報は、2011年3月現在のものである。

新幹線

新幹線の場合は、目的地まで有効である新幹線特急券を所持している場合、基本的には目的地まで同一方向の新幹線に限って、新幹線の列車を乗り換えても新幹線改札を出ない限り有効である(ラッチ内乗り継ぎ)。なお、一部区間でも指定席を利用する場合は全区間指定席特急料金が適用される。

ただし、次の場合は特急料金通算の対象外となり、特定駅までの特急料金を合算して算出する。

なお、東海道・山陽新幹線で「のぞみ」・「みずほ」の指定席と「ひかり」・「こだま」・「さくら」とを乗り継ぐ場合、ならびに東北新幹線大宮駅 - 盛岡駅間を含む区間で「はやぶさ」と「はやて」・「やまびこ」などとを乗り継ぐ場合[1]の場合は、原則として全区間の新幹線指定席特急料金に「のぞみ」「みずほ」または「はやぶさ」の乗車区間に応じた加算料金を加えることになる(一部例外あり。詳細はのぞみ (列車)#「のぞみ」「みずほ」とそれ以外の列車を乗り継ぐ場合を参照)。

特急料金計算の例
例:上野駅 -(あさま)- 大宮駅 -(なすの)- 那須塩原駅 -(やまびこ)- 仙台駅 -(はやて)- 盛岡駅 と乗り継ぐ場合
上野駅 - 盛岡駅間の新幹線特急料金(同一方向なので、全区間を通算する)。
例:宇都宮駅 -(やまびこ)- 大宮駅 -(とき)- 高崎駅 -(あさま)- 軽井沢駅 と乗り継ぐ場合
宇都宮駅 - 大宮駅間と大宮駅 - 軽井沢駅間の新幹線特急料金を合算する(大宮駅で一旦計算を打ち切る)。
例:新潟駅 -(とき)- 高崎駅 -(あさま)- 長野駅 と乗り継ぐ場合
新潟駅 - 高崎駅間と高崎駅 - 長野駅間の新幹線特急料金を合算する(高崎駅で一旦計算を打ち切る)。
例:熊谷駅 -(とき)- 東京駅 -(こだま)- 新横浜駅 と乗り継ぐ場合
熊谷駅 - 東京駅間と東京駅 - 新横浜駅間の新幹線特急料金を合算する(東京駅で一旦計算を打ち切る)。
例:名古屋駅 -(こだま)- 新大阪駅 -(さくら)- 熊本駅 と乗り継ぐ場合
名古屋駅 - 博多駅間と博多駅 - 熊本駅間の新幹線特急料金を合算する(乗換駅の新大阪駅ではなく、博多駅で一旦計算を打ち切る。この場合の特急券は名古屋 - 熊本で1枚である)。

在来線

在来線においても、1本の列車と見なして特急料金急行料金を通算する場合がある。以下に記した区間・駅で、改札を出ないで乗り継ぐ場合に限り適用される。ただし、料金を一つに通算した額よりも列車毎に料金を計算し合計した額の方が安くなる場合は、料金の通算はしない。

また、これとは別に、多層建て列車の場合、1駅間でも1列車として運行された際には、原則として急行券特別急行券およびグリーン券を通算して計算する。2010年現在この特例が適用される列車は、次のとおりである。

  • 特急「ひだ25号」は大阪駅高山駅行であるが、高山本線内の岐阜駅 - 高山駅間では名古屋駅飛騨古川駅行の特急「ひだ5号」に併結されることから、「ひだ25号」に乗車し岐阜駅 - 高山駅間のいずれかの駅で「ひだ5号」に乗り換えた場合、「ひだ25号」の乗車駅から「ひだ5号」の降車駅までの特急料金・グリーン料金は通しで計算される。

なお、トクトクきっぷの中には、上記以外の在来線特急列車同士の乗り継ぎを認めることを前提にしたものも多い。

乗継割引

ファイル:Hamanasu carpet01.JPG
乗継割引適用の料金券には「乗継」と明示される

次の項以後に挙げる場合について、次の二つの条件を満たすとき、特急・急行列車を乗り継ぐ場合、この書体の列車の特急料金、急行料金、及び急行列車の指定席料金[5]が半額になる。ただし、グリーン個室、設備定員が複数の寝台個室、及び別にJRが指定した個室を利用する場合は適用しない。

  • 対象となる列車について、先に乗るもの(これを「先乗列車」という)と次に乗るもの(「後乗列車」という)の両方の列車の特急券等を乗車時までに同時に購入する[6]
  • 後乗列車の特急・急行券の有効期間開始日(座席や列車を指定された特急券または立席特急券、急行券・指定席券の場合は「乗車日」)が、先乗列車の特急・急行券の有効期間開始日の当日または翌日である。
    • ただし、先乗列車が新幹線である場合は、双方の列車の特急・急行券の有効期間開始日が同一でなければならない。
    例:新横浜駅 -(東海道新幹線)- 静岡駅(0:20発) -(寝台特急「サンライズ出雲」)- 出雲市駅
    静岡駅で日付が変わるため、この乗り継ぎの場合は特急料金を割引しない。割引するためには、熱海駅(23:23発)で乗り継ぎを行う必要がある。
    特急「ミッドナイトEXP高松」号は2009年3月改正で坂出駅の発車時刻が23時59分に繰り上げられたため、通常通りの乗り継ぎ割引となった。

新幹線と在来線

以下に示す新幹線と在来線の特急・急行列車を次の各駅で乗り継ぐ場合の在来線の特急・急行列車の特急料金、急行料金、及び急行列車の指定席料金。

  • 新横浜駅 - 新下関駅間の東海道新幹線・山陽新幹線の各駅。
    • なお、新幹線から在来線への乗り継ぎは原則有効期間開始日当日のみであるが、指定された列車では翌日0時台に発車する特別急行列車に乗り継ぐ場合でも適用される(先述)。
    • 小倉駅博多駅における山陽新幹線と九州旅客鉄道(JR九州)の在来線特急を乗り継ぐ場合の乗り継ぎ割引は2011年3月11日限りで廃止された[7]テンプレート:リンク切れ
    例:新横浜駅 - (東海道新幹線) - 新大阪駅 - (特急「くろしお」) - 白浜駅
    「くろしお」号の特急料金を割引にする。
    例:名古屋駅 - (東海道・山陽新幹線) - 岡山駅 - (特急「しおかぜ」) - 松山駅
    「しおかぜ」号の特急料金を割引にする。
    例:名古屋駅 - (東海道新幹線) - 熱海駅 - (特急「踊り子」) - 伊豆急下田駅
    「踊り子」号の特急料金を割引にする[8]

なお、以下の線区の列車には適用しない

  • 指定駅以外での乗り継ぎの場合。
    例:名古屋駅 - (東海道新幹線) - 東京駅 - (特急「しおさい」) - 飯岡駅
    「しおさい」号の特急料金は割引にならない(東京駅は指定駅でないため)。
    例:熱海駅 - (東海道新幹線) - 品川駅 - (特急「成田エクスプレス」) - 成田空港駅
    「成田エクスプレス」号の特急料金は割引にならない(品川駅は指定駅でないため)。
    例:和歌山駅 - (特急「くろしお」) - 天王寺駅 -(普通列車)- 新大阪駅 - (山陽新幹線) - 姫路駅
    「くろしお」号の特急料金は割引にならない(天王寺駅は指定駅でないため)。
    例:広島駅 - (山陽・九州新幹線) - 新鳥栖駅 - (特急「かもめ」) - 長崎駅
    「かもめ」号の特急料金は割引にならない(新鳥栖駅は指定駅でないため)。
  • 指定駅での乗り継ぎであっても適用されない列車。
  • 新幹線直通在来線特急であり、特定特急料金を設定している場合(下記参照)。

また、在来線から新幹線を経由して在来線へ乗り継ぐ場合は、在来線のどちらか一方(通常は高い方)を割り引く。乗り継ぎ割引が適用外となる列車が含まれている場合は割引が適用になる列車のみ割り引く。

例:津和野駅 - (特急「スーパーおき」・特急料金1,660円) - 新山口駅 - (山陽新幹線) - 新大阪駅 - (特急「サンダーバード」・特急料金2,610円) - 福井駅
特急料金の高い「サンダーバード」号の特急料金を割引にし(割引料金は1,300円)、「スーパーおき」号の特急料金は割引にしない(金額は通常期の普通車指定席利用の場合)。
例:大分駅 - (特急「ソニック」・特急料金1,700円) - 小倉駅 - (山陽新幹線) - 岡山駅 - (特急「やくも」・特急料金1,440円) - 備中高梁駅
特急料金は「ソニック」号の方が高額になるが、小倉駅での乗り継ぎに対しては乗り継ぎ割引が適用されないため、「やくも」号の特急料金を割引となる(割引料金は720円、金額は通常期の普通車指定席利用の場合)。

かつては東京駅または品川駅 - 門司駅以西の区間を運行する特急・急行列車については、門司駅以西のJR九州管内で乗り継ぐ場合に限りこの制度を適用するという特例があった。ただし、この場合は対象である「富士」号・「はやぶさ」号が2009年3月14日のダイヤ改正で廃止されたため、以後はこれの対象となる特急・急行列車は現存しない。また2011年3月以降はJR九州管内での乗り継ぎ割引そのものが廃止されている。

特急「サンライズ瀬戸」とJR四国の特急

寝台特急「サンライズ瀬戸」と坂出駅または高松駅で四国旅客鉄道(JR四国)管内の特急列車に乗り継ぐ場合のJR四国管内の特急列車の特急料金。

例:東京駅 -(特急「サンライズ瀬戸」)- 坂出駅 -(特急「しまんと」)- 高知駅
「しまんと」号の特急料金を割引にする。

本州と北海道

奥羽本線と津軽海峡線

奥羽本線を経由する特急列車と津軽海峡線を経由する特急・急行列車を新青森駅または青森駅で乗り継ぐ場合、津軽海峡線を経由する特急・急行列車の特急料金、急行料金、及び指定席料金。ただし、奥羽本線を新青森駅 - 青森駅間のみ乗車する場合を除く

例:秋田駅 -(特急「あけぼの」)- 青森駅 -(特急「スーパー白鳥」)- 函館駅
「スーパー白鳥」号の特急料金を割引にする(奥羽本線津軽海峡線)。
例:弘前駅 -(特急「つがる」)- 新青森駅 -(特急「白鳥」)- 函館駅 -(特急「北斗」)- 東室蘭駅
「白鳥」号の特急料金を割引にし、「北斗」号には割引を適用しない(奥羽本線津軽海峡線→函館本線)。

奥羽本線の新青森駅以南の乗車が必要なので、以下の場合は適用されない。

例:新青森駅 -(特急「白鳥」)- 函館駅 -(特急「北斗」)- 苫小牧駅
津軽海峡線と函館本線

津軽海峡線を経由する特急・急行列車と函館本線を経由する特急・急行列車を函館駅または五稜郭駅で乗り継ぐ場合、北海道内の特急・急行列車の特急料金、急行料金、及び指定席料金。ただし、上記の新青森駅または青森駅での東北新幹線との乗継割引との重複適用に限る

例:東京駅 -(はやて)- 新青森駅 -(特急「スーパー白鳥」)- 函館駅 -(特急「スーパー北斗」)- 札幌駅
「スーパー白鳥」号の特急料金、及び「スーパー北斗」号の特急料金共に割引にする(新幹線在来線津軽海峡線(経由)函館本線)。

新青森駅または青森駅での新幹線との乗継割引の条件を満たすことが必要なので、前項同様、新青森駅または青森駅を発駅(着駅)とする場合は適用されない。

新幹線直通在来線について

以下の路線・区間については、制度上新幹線車両を用いた在来線特急列車となっている。しかし、運転の実態として直通運転を行っている場合が多いので、新幹線と在来線特急列車との乗り継ぎ料金制度を採用せず、扱いを別に定めている。

東北新幹線と山形新幹線・秋田新幹線とを乗り継ぐ場合

東北新幹線と山形新幹線福島駅 - 新庄駅および秋田新幹線盛岡駅 - 秋田駅とを乗り継ぐ場合(直通して乗車する場合を含む)の在来線区間の特急料金については、上記の新幹線と在来線との乗り継ぎによるものではなく、別に定めた特定の特急料金で計算される。なお、この字体で表した乗換駅での乗り継ぎは有効期間開始日当日限りとなる。

なお、グリーン車については、東北新幹線と山形新幹線(東京駅 - 新庄駅間の各駅相互に限る)または秋田新幹線(東京駅 - 秋田駅間の各駅相互に限る)の利用する全区間の営業キロによる料金でグリーン料金が計算される。その際には、通常期の合算された特急料金より指定席料金に相当する870円を引きグリーン料金を合算する。

上越線(越後湯沢駅 - ガーラ湯沢駅間)・博多南線

上越線の越後湯沢駅 - ガーラ湯沢駅間及び博多南線については、短距離であるため区間相互は全車両自由席扱いの特定特急料金を適用している。博多南線については、博多駅で接続している山陽新幹線との連絡については、直通していても別列車扱いとしている。これは、通勤ライナーと同様の扱いで運行されていることを考慮してのことである。また、上越線越後湯沢駅 - ガーラ湯沢駅間については、季節営業であることと、越後湯沢駅から直通する列車であることから同一列車で運行される。ともに料金計算上は新幹線と自由席扱いの特定特急料金を合算して計算する。

九州新幹線

2004年3月13日に開業した九州新幹線については、新幹線と在来線の乗り継ぎ制度自体を設けていないため、九州新幹線各駅での特急・急行列車との乗継割引は適用されない。2011年3月12日の全線開通にあわせて山陽新幹線小倉駅・博多駅でも新幹線と在来線の乗り継ぎ制度を取りやめたため、現在、JR九州の在来線特急と新幹線との乗り継ぎ制度は行われていない。

ただし、新八代駅において鹿児島本線を経由して運行する列車である特急「リレーつばめ」と連絡した特急券を発券していた2011年3月11日までは乗り継ぎ割引制度が存在していた。この際、「リレーつばめ」を介した東海道・山陽新幹線との連絡においては以下のように取り扱っていた。

特急「リレーつばめ」停車駅と九州新幹線各駅との相互間を乗車する場合

「リレーつばめ」号と九州新幹線の列車を一つの列車とみなし、両者を通して別に定めた特定の特急料金で計算。ただし、新八代駅での乗り継ぎは有効期間開始日当日に限られ、途中下車は不可。この場合、発券される特急券は基本的には1枚となる[10]。なお、新八代駅で途中下車する場合はそれぞれ別の列車として計算したが、新八代駅 - 熊本駅間については特急「リレーつばめ」だけではなく、鹿児島本線を経由して運行する列車として特急「九州横断特急」・「くまがわ」についても認めており、新八代駅でこの2列車と九州新幹線を乗り継ぐ場合に限り、ホーム構造の関係上、一時出場を認めていた。

例:博多駅 -(特急「リレーつばめ」)- 新八代駅 -(九州新幹線)- 鹿児島中央駅
博多駅 - 鹿児島中央駅間(新八代駅乗り継ぎ)について、通しの特定の特急料金で計算され、基本的には1枚の特急券で発券される。
九州新幹線 - 特急「リレーつばめ」 - 東海道・山陽新幹線と乗り継ぐ場合

「リレーつばめ」については東海道・山陽新幹線と在来線の乗り継ぎ制度により乗継割引を適用し、九州新幹線の特急券は無割引で発券する。

例:新大阪駅 -(山陽新幹線)- 博多駅 -(特急「リレーつばめ」)- 新八代駅 -(九州新幹線)- 川内駅
新大阪駅 - 新八代駅間については山陽新幹線との乗継割引を適用し、「リレーつばめ」の特急料金を割引にする。新八代駅 - 川内駅間については九州新幹線の特急券を別途発券する。
九州新幹線 - 特急「リレーつばめ」 - 東海道・山陽新幹線 - 他の在来線特急・急行列車と乗り継ぐ場合

東海道・山陽新幹線と他の在来線特急・急行列車の乗り継ぎについて東海道・山陽新幹線と在来線の乗り継ぎ制度により乗継割引を適用し、「リレーつばめ」については、「リレーつばめ」と九州新幹線を通しての特定の特急料金を適用し、「リレーつばめ」には乗継割引を適用しない。

例:益田駅 -(特急「スーパーおき」)- 新山口駅 -(山陽新幹線)- 博多駅 -(特急「リレーつばめ」)- 新八代駅 -(九州新幹線)- 新水俣駅
益田駅 - 博多駅については山陽新幹線との乗継割引を適用し、「スーパーおき」の特急料金を割引とした。博多駅 - 新水俣駅間については「リレーつばめ」と九州新幹線を通しての特定の特急料金を適用された。

グリーン料金の通算

特急・急行列車

以下のものについては、利用する全区間の営業キロによる料金でグリーン料金が計算される。

  1. 新幹線特急料金の通算が適用される場合
  2. 在来線の特急・急行料金の通算が適用される場合
  3. 東北新幹線と山形・秋田新幹線とを乗り継ぐ場合
    3.の場合は、東京駅方面から福島駅を経由して山形新幹線へ乗り継ぐ場合と、東京駅・仙台駅方面から盛岡駅を経由して秋田新幹線に乗り継ぐ場合に限る(いずれの場合も、直通列車で直通して乗車する場合を含む)。
  • 例:東京駅 -(東北新幹線)- 福島駅 -(山形新幹線)- 山形駅
    東京駅 - 山形駅間の営業キロでグリーン料金を計算する。
    例:仙台駅 -(東北新幹線)- 福島駅 -(山形新幹線)- 米沢駅
    仙台駅 - 福島駅間のグリーン料金と福島駅 - 米沢駅間のグリーン料金を合算する(方向が異なるため福島駅で一旦計算を打ち切る)。
    例:八戸駅 -(東北新幹線)- 盛岡駅 -(秋田新幹線)- 秋田駅
    八戸駅 - 盛岡駅間のグリーン料金と盛岡駅 - 秋田駅間のグリーン料金を合算する(方向が異なるため盛岡駅で一旦計算を打ち切る)。

また、特急・急行列車が途中駅で快速・普通列車に変わる場合に、両者をまたがってグリーン車に乗車する場合のグリーン料金は、特急・急行列車の区間のみで計算する(「快速・普通列車の区間内についてはグリーン券を必要としない」のではないので注意が必要)。

普通列車

湘南新宿ラインを含む東海道本線横須賀線総武本線成田線内房線外房線宇都宮線東北本線)・高崎線上越線両毛線常磐線普通列車快速・特別快速・通勤快速に連結されているグリーン車自由席を乗り継ぐ場合について、途中下車をしなければ1枚のグリーン券で他の列車との乗り換え・乗り継ぎが可能である。これは、グリーン車Suicaシステムでも有効である。同一方向の乗り継ぎ、および横須賀線(北鎌倉駅以南)と東海道本線(藤沢駅以西)とを大船駅で乗り継ぐ場合に限り適用される。

上記の特例が適用される乗り継ぎの適用例

上記の特例が適用されない乗り継ぎ

非適用例:沼津駅 - 熱海駅 - 宇佐美駅
非適用例:錦糸町駅 - 西大井駅 - 渋谷駅
非適用例:新川崎駅 - 横浜駅 - 川崎駅
  • 横須賀線西大井駅方面と東海道本線川崎駅方面
非適用例:川崎駅 - 品川駅 - 西大井駅
非適用例:尾久駅 - 赤羽駅 - 新宿駅
非適用例:熊谷駅 - 大宮駅 - 久喜駅
非適用例:成田空港駅 - 千葉駅 - 木更津駅
非適用例:君津駅 - 蘇我駅 - 大網駅
非適用例:成田駅 - 佐倉駅 - 成東駅
  • 常磐線三河島駅方面と高崎・宇都宮線尾久駅・赤羽駅方面
非適用例:我孫子駅 - 上野駅 - 浦和駅
  • 常磐線三河島駅方面・高崎・宇都宮線尾久駅・赤羽駅方面と東海道本線・横須賀線新橋駅方面
(上野駅~東京駅間は京浜東北山手線を利用)
非適用例:松戸駅 - 上野駅 - (京浜東北・山手線) - 東京駅 - 藤沢駅

私鉄・第三セクター

近畿日本鉄道

ファイル:Ticket Kintetsu Ltd-Exp from Abenobashi to Saidaiji.jpg
2列車乗り継ぎを1枚の特急券で発行した例

近畿日本鉄道(近鉄)の特急列車については、1966年の運賃改定以降、同一駅で乗り換え(乗り継ぎ)を行う場合に限って乗り換え時間が30分以内であれば通しの特急料金で計算される。これは乗り換え回数が複数回にまたがる場合においても適用され、最終目的地まであらかじめ買う場合にはその全区間を通し料金で発券することが可能である。この場合、最終目的地まで事前に予約・購入することが前提となっている。かつては複数人数が利用可能なセミコンパートメント席(準個室)である23000系電車「伊勢志摩ライナー」の「サロンカー」を使用した場合には適用されていなかったが2013年3月から適用されている。また、特急座席予約システム上3乗り換え4列車までの乗り換え回数や極端な大回りなどを防ぐため発着駅が制限されている。

例:近鉄名古屋駅 -(名伊特急)- 伊勢中川駅 -(阪伊・京伊)- 大和八木駅 -(京橿特急)- 橿原神宮前駅 -(吉野特急)- 吉野駅の場合
近鉄名古屋駅乗車前に吉野駅までの特急券を購入する場合には「近鉄名古屋→吉野」として、1枚の通し料金の特急券で発券される。この場合、券面には4列車の座席が指定されることになるが、基本的に全列車とも同一座席になるよう配慮されている。なお、名伊特急と阪伊・京伊特急を伊勢中川駅で乗り継ぐ場合、号車番号が前後逆になっている点に注意されたい。近鉄名古屋駅→伊勢中川駅間が8号車で、伊勢中川駅→大和八木駅間が1号車だった場合、号車番号が前後逆なため停車位置はほとんど変わらない。「1号車は前方」と信じ込んでホームの端から端まで移動したりする必要はないように調整されている。特急乗車区間は連続していることが必要で、上記の例で大和八木駅-橿原神宮前駅間を特急以外の列車に乗車する場合、「近鉄名古屋→大和八木」と「橿原神宮前→吉野」の特急券を別々に購入しなければならなくなり、却って料金が高くなる。

名古屋鉄道

名古屋鉄道(名鉄)の特急列車で2008年12月27日のダイヤ改正から、特急の運転系統の新設により、本線と各支線の乗り換えが特急主体になり、特急同士の接続が増えることから、それまで「乗継割引ミューチケット」として2乗車500円で発売されていたのを、新たに「乗継ミューチケット」として、下記「乗継条件」に該当する2列車の「特別車」を乗り継ぐ場合、2枚1組の特別車両券「ミューチケット」を1乗車と見做して同額の360円で発売している。これにより、以前は使用できなかった回数券の引き換えも可能。ただし、JRや近鉄の場合と同様に、乗車前に窓口で2列車を同時購入することが適用条件となる。

  1. 指定駅での乗継時間は5分以上60分以内。旅客から特に指示がない場合、乗継列車は指定駅を直近に発車する列車を指定。※接続時間が5分に満たない乗継でも適用される。
  2. 乗車変更・払い戻しは1組単位で行う。

北近畿タンゴ鉄道

北近畿タンゴ鉄道特別急行列車急行列車については、宮津駅天橋立駅で別の特別急行列車・急行列車に乗り継ぐ場合、同種の列車について通しの特急料金・急行料金で計算される。

高速道路等

首都高速道路

2012年1月1日に距離制料金が導入されるのにあわせて、首都高速道路NEXCO中日本東日本の高速道路等を連続して走行した場合に首都高速の料金が割引される乗継料金制度が実施された[11]

阪神高速道路

2012年1月1日に阪神線に距離制料金が導入されるのにあわせて、阪神高速道路NEXCO西日本本四高速の高速道路等を連続して走行した場合に阪神高速の料金が割引される乗継料金制度が実施された[12]

脚注

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関連項目

外部リンク

  • テンプレート:PDFlink - JR東日本プレスリリース 2010年11月11日
  • 設定当初は、高松駅 - 宇和島駅間で丸亀駅、多度津駅での乗り継ぎが対象で、新幹線との乗り継ぎ割引と同時に使うことはできなかったが、後に松山駅も乗り継ぎ対象となり、2004年12月1日に宇多津駅乗り継ぎと岡山駅 - 児島駅発着も乗り継ぎ対象になり、新幹線との乗り継ぎ割引と同時に使えるようになった。
  • 設定当初は、高松駅 - 窪川駅間で丸亀駅、多度津駅での乗り継ぎが対象で、新幹線との乗り継ぎ割引と同時に使うことはできなかったが、後に高知駅も乗り継ぎ対象となり、2004年12月1日に宇多津駅乗り継ぎと岡山駅 - 児島駅発着も乗り継ぎ対象になり、新幹線との乗り継ぎ割引と同時に使えるようになった。
  • 設定当初は、高松駅 - 勝瑞駅間発着のみで、新幹線との乗り継ぎ割引と同時に使うことはできなかったが、2004年12月1日に岡山駅 - 宇多津駅発着も乗り継ぎ対象になり、新幹線との乗り継ぎ割引と同時に使えるようになった。ただし、2003年10月1日以降2008年3月14日までは、徳島駅で、岡山駅発着の特急列車と牟岐線の特急列車は接続しておらず、岡山駅 - 高松駅で快速列車を使うか徳島駅 - 牟岐駅で普通列車を使った場合よりも所要時間が短くならないので「高い料金を払い、しかも長い時間をかけてでも特急列車に乗りたい」乗客以外は、岡山駅 - 宇多津駅発着に使うことはなかった。2010年3月13日以降は、阿南駅 - 岡山駅であれば接続している。2008年3月15日 - 2010年3月12日は、阿南駅→岡山駅間であれば、上りのみ接続していた。
  • もともと特急料金には特急列車の指定席料金が含まれているので、こちらも同様に半額となる。特別急行券も参照のこと。
  • ただし、後から乗る列車の特急券等が満席等の理由で購入できない場合、先乗列車の特急券等の購入時に「乗継請求」の証明をしてもらうことで、後乗列車の特急券等の購入時に乗継割引を適用することができる。
  • JR九州プレスリリース 2010年12月27日 在来線の特急料金の見直し等について
  • ただし、熱海駅 - 伊東駅間のJR区間のみ割引し、伊豆急行線区間は無割引での発行となる。また、「スーパービュー踊り子」号に関してはグリーン個室以外の設備に限る。
  • 新青森駅 - 青森駅間のみの特例で自由席に限り特急料金不要。ただし、普通車指定席、グリーン車と寝台特急列車に乗車した場合は適用されない。
  • 発売する窓口によっては「リレーつばめ」と九州新幹線の特急券が分かれて発券されたり、「リレーつばめ」でグリーン席(「つばめ」にはグリーン席が設定されていなかった)と乗り継ぐ場合は2枚に分けて発券されることがある。この場合も料金の計算方法は変わらない。
  • 会社間乗継割引(ETC車)(首都高速道路株式会社)
  • NEXCO・本四高速との乗継割引(阪神高速道路株式会社)