首都高速道路
首都高速道路(しゅとこうそくどうろ)
本項ではこれらを総括して詳述する。
首都高速道路(しゅとこうそくどうろ)は、首都高速道路株式会社(しゅとこうそくどうろ)が維持・管理等を行なっている、東京都区部とその周辺地域にある路線長322.5km(管理301.3km、新設28.3km)の都市高速道路である。「首都高」と略されることが多い。なお「首都高速」および「首都高」は、首都高速道路株式会社の登録商標である。
道路法で定められている都県道(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)と市道(横浜市・川崎市)であり、道路構造令で「都市部の自動車専用道路」(第2種第1級・第2級)に区分される。東京都内で完結する路線には都道番号がつかないが、東京都と他県にまたがる路線には都県道番号がついている。
目次
首都高速道路株式会社
首都高速道路株式会社(しゅとこうそくどうろ、Metropolitan Expressway Co., Ltd.)は2005年10月1日、高速道路株式会社法により設立された。 通称は「首都高速道路会社」。日本道路公団等民営化関係法施行法により、首都高速道路公団の業務を日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」)とともに承継した。
政府および地方公共団体が常時3分の1以上の株式を保有する特殊会社で、当分の間政府から債務保証を受ける。一方、営業年度毎の事業計画や社債の募集、資金の借入については国土交通大臣の認可を要する。
また会社は機構との協定[1]に従い、政令で定められた機構への出資金・補助金の中から、建設費の一部につき無利子貸付が受けられる。
現在の同社のスローガンは「ひと・まち・くらしをネットワーク」である。
基本理念
私たちは、首都圏のひと・まち・くらしを安全・円滑な首都高速道路ネットワークで結び、豊かで快適な社会の創造に貢献します。
経営理念
- お客様第一
安全と快適を追求し、お客様に満足いただける質の高いサービスを提供します。
- 地域社会との共生
地域の皆様とともに、よりよい環境の実現と地域社会の発展を目指します。
- 社会的責任
高い倫理観と透明性をもって、お客様、地域の皆様、投資家の皆様との信頼関係を築きます。
- 自立する経営
効率的で健全な経営を行い、新しい分野での事業も積極的に展開します。
- 活力あふれる職場
社員が自らの力を高め、誇りと達成感を持てる職場をつくります。
トライアングル・ストリーム
東京を中心に神奈川・千葉・埼玉の3方面へ伸びる首都高速道路のネットワークと、そのネットワークづくりを通じて「ひと・まち・くらし」を支えていくという会社の姿勢をシンボルマークとして表現している。
歴代社長
業務
首都高速道路の範囲において、機構と締結した協定に基づき以下の業務を行う。
- 高速道路の新設又は改築。完了時には、道路資産と債務がともに機構に帰属する。
- 機構の保有する道路資産を有償で借り受けての、かかる高速道路の管理。
いわゆる上下分離方式を採用した中での「上」に相当する。
路線
同一路線について法的手続きである都市計画・基本計画・事業計画の各事業段階において(それぞれ若干異なる)「路線名」がつけられているが、案内の分かりやすさのために、一般に標識などで案内されているのは「路線呼称」と「ルートマーク(路線番号・記号)」である。
ここでは路線呼称とルートマークを見出しに記載している(路線番号・路線呼称と道路法上の路線名)。
東京線
東京都内・千葉県内路線および埼玉県内の東京外環自動車道以南の路線。
環状線
放射線
- 20px 1 高速1号上野線(江戸橋JCT - 入谷出入口)
- 20px 1 高速1号羽田線(浜崎橋JCT - 高速多摩川橋)
- 都道首都高速1号線(入谷 - 江戸橋JCT - 浜崎橋JCT - 羽田と連続している)
- 都道147号高速横浜羽田空港線(羽田 - 高速多摩川橋)
- 20px 6 高速6号向島線(江戸橋JCT - 堀切JCT)
- 20px 6 高速6号三郷線(小菅JCT - 三郷JCT)
- 都道首都高速6号線(江戸橋JCT - 加平)
- 都道243号高速足立三郷線・埼玉県道243号高速足立三郷線(加平 - 三郷JCT)
その他の路線
神奈川線
- 20px K1 高速神奈川1号横羽線(高速多摩川橋 - 石川町JCT)
- 神奈川県道147号高速横浜羽田空港線
- 20px K2 高速神奈川2号三ツ沢線(金港JCT - 三ツ沢)
- 横浜市道高速1号線
- 20px K3 高速神奈川3号狩場線(本牧JCT - 狩場)
- 神奈川県道147号高速横浜羽田空港線(本牧JCT - 石川町JCT)
- 横浜市道高速2号線(石川町JCT - 狩場)
- 20px K4 高速神奈川4号磯子線(阪東橋JCT(仮) - 湾岸線(磯子区磯子1丁目付近
- JCT名称未定))
- 構想中であったが、本牧JCTの磯子方面への道路が後から開通したため、開通する見込みがほぼなくなった。しかし、現在のところ候補路線の一つであり、欠番扱いとなっている。
- 20px K5 高速神奈川5号大黒線(大黒JCT - 生麦JCT)
- 横浜市道高速湾岸線
- 20px K6 高速神奈川6号川崎線(大師JCT - 川崎浮島JCT)
- 川崎市道高速縦貫線
埼玉線
埼玉県内の東京外環自動車道以北の路線。
建設中・事業中路線
路線呼称が未定の路線があるため、道路法上の路線名または基本計画の路線名。 これより以下の'斜体は仮称
東京線
神奈川線
これより以下の詳細は、横浜環状道路を参照
歴史
東京に高速道路を建設する構想は太平洋戦争以前から存在していたが、本格的に検討されるようになったのは高度経済成長が始まる1950年代後半になってからである。当時の東京では自動車の急増とともに各地で渋滞が頻発するようになり、放置すればやがて交通マヒに陥ると予測されていた。政府はこの問題を解決するため、首都高速道路の建設を決定した。
- 1959年6月17日 : 首都高速道路公団が誕生
- 1962年12月20日 : 京橋 - 芝浦 (4.5km) 均一料金制による料金徴収
- 1963年12月21日 : 本町 - 京橋 (1.9km)。芝浦 - 鈴ヶ森 (6.4km)。呉服橋 - 江戸橋JCT (0.6km)
- 1964年8月2日 : 鈴ヶ森 - 空港西 (4.6km)。汐留JCT - 新橋 (0.3km)。神田橋 - 初台 (9.8km)、呉服橋 - 初台 (10.2km)
- 1964年9月21日 : 三宅坂JCT - 霞ヶ関 (1.4km)
- 1964年10月1日 : 浜崎橋JCT - 芝公園 (1.4km)。渋谷 - 渋谷 (1.3km)
- 1966年7月2日 : 京橋JCT (0.1km)
- 1966年12月21日 : 空港西 - 羽田 (0.9km)
- 1967年3月30日 : 竹橋JCT - 西神田 (1.2km)
- 1967年7月4日 : 芝公園 - 霞が関JCT (3.7km)、都心環状線が完成
- 1967年9月2日 : 谷町JCT - 渋谷 (2.7km)
- 1967年9月30日 : 一ノ橋JCT - 戸越 (5.9km)、2号線完成
- 1968年7月19日 : 東神奈川 - 浅田 (6.8km)
- 1968年11月28日 : 浅田 - 羽田 (6.9km)
- 1969年5月31日 : 入谷 - 本町 (3.6km)、1号線完成
- 1969年6月27日 : 西神田 - 護国寺 (3.9km)
- 1969年12月19日 : 護国寺 - 北池袋 (3.0km)
- 1971年3月21日 : 江戸橋JCT - 向島 (7.9km)。両国JCT - 京葉道路接続部 (10.4km)、7号線完成、京葉道路と接続
- 1971年12月21日 : 渋谷 - 東名高速接続部 (7.9km)、3号線完成、東名高速と接続
- 1972年8月7日 : 東神奈川 - 横浜駅西口 (2.2km)
- 1973年2月15日 : 西銀座JCT - 神田橋JCT(1.6km)、八重洲線完成
- 1973年8月15日 : 永福 - 高井戸 (2.5km)
- 1973年10月27日 : 初台 - 永福 (4.0km)
- 1976年5月18日 : 中央道接続部 (0.7km)、4号線完成、中央道と接続
- 1976年8月12日 : 大井 - 13号地(現: 臨海副都心)(2.8km)
- 1977年8月19日 : 北池袋 - 高島平 (8.6km)
- 1978年1月20日 : 新木場 - 浦安 (6.0km)
- 1978年3月7日 : 横浜公園 - 金港JCT (4.0km)、神奈川1号線完成。横浜駅西口 - 第三京浜接続部 (1.8km)
- 1980年2月5日 : 箱崎JCT - 新木場 (7.0km)、9号線完成
- 1981年5月19日 : 有明 - 辰巳JCT (1.7km)
- 1982年3月30日 : 向島 - 千住新橋 (5.2km)
- 1982年4月27日 : 浦安 - 東関東道接続部 (6.9km)、東関東道と接続
- 1983年2月24日 : 大井 - 東海JCT (5.1km)
- 1983年11月30日 : 堀切JCT - 四つ木 (1.4km)
- 1984年2月2日 : 新山下 - 横浜公園 (1.8km)
- 1984年12月12日 : 13号地(現: 臨海副都心) - 有明 (1.8km)
- 1985年1月24日 : 小菅JCT - 三郷JCT (10.6km)、6号線完成、常磐道へ接続
- 1987年9月9日 : 四つ木 - 葛西JCT (11.2km)、中央環状線東側完成。千住新橋 - 川口JCT (16.5km)、東北道へ接続
- 1989年9月27日 : 生麦JCT - 新山下JCT (8.8km)、横浜ベイブリッジ開通
- 1989年12月26日 : 大井JCT新設
- 1990年3月20日 : 石川町JCT - 横横道路接続部 (7.7km)、完成、横横道路へ接続
- 1990年11月27日 : 高島平 - 戸田南 (2.6km)
- 1993年8月26日 : 芝浦JCT - 有明JCT (5.0km)、レインボーブリッジ開通
- 1993年9月27日 : 空港中央 - 東海JCT (4.2km)
- 1993年10月26日 : 戸田南 - 美女木JCT (2.2km)、5号線が外環道と接続
- 1994年12月21日 : 大黒JCT - 空港中央 (16.4km)
- 1997年12月18日 : 川崎浮島JCT完成、東京湾アクアラインと接続
- 1998年5月18日 : 美女木JCT - 与野 (8.0km)、埼玉大宮線開通
- 1999年7月15日 : 横横道路接続部 - 杉田 (3.5km)。三渓園(仮) - 本牧ふ頭 (4.1km)
- 2000年4月17日 : 新都心西出入口開通
- 2001年10月22日 : 杉田 - 三渓園 (7.0km)、湾岸線全線開通
- 2002年4月30日 : 川崎浮島JCT - 殿町 (3.5km)
- 2002年12月25日 : 板橋JCT - 江北JCT (7.1km)、中央環状線北側完成
- 2004年5月26日 : 与野 - 新都心 (2.3km)
- 2005年10月1日 : 首都高速道路(株) 設立
- 2006年8月4日 : 新都心 - さいたま見沼 (3.5km)、埼玉線完成
- 2007年12月22日 : 中央環状線西新宿JCT - 熊野町JCT (6.7km) 開通。湾岸線の13号地が臨海副都心へ改称
- 2009年2月11日 : 高速10号晴海線豊洲 - 東雲JCT (1.5km) 開通
- 2009年3月29日 : 大師出入口(横浜方面)開通
- 2010年3月28日 : 中央環状線大橋JCT - 西新宿JCT (4.3km) 開通
- 2010年10月20日 : 大師JCT - 殿町 (2.0km) 開通
- 2012年1月1日 : 距離別料金制へ移行
- 2012年12月20日 : 開通50周年
- 2013年4月1日 : 高速10号晴海線豊洲出入口に自動精算機を設置予定(首都高では最初の設置事例となる)[4]。以降、首都高の22箇所の料金所にも自動精算機が順次設置される予定となっている。
最高速度
- 都心環状線50km/h
- その他概ね60km/h
- 湾岸線、埼玉県・神奈川県の一部区間で80km/h
- 湾岸線は6車線道路であり、直線が多くカーブも緩やかである。そのためこの速度を上回って走行する車両が多く、しばしば速度取締りが行われる。羽田空港周辺は、白バイによる取り締まり重点路線に指定されている。
通行料金
日本高速道路保有・債務返済機構との協定により、2050年9月30日までと通行料金の徴収期間が定められているが、さらに15年間延長し2065年まで通行料金の徴収期間が延長される見通しである。
現行料金
2012年(平成24年)1月1日、料金圏別「均一料金制」から、料金圏のない「距離別料金制」に移行した[5][6]。
基本料金
料金距離 | 普通車 | 大型車 |
---|---|---|
6km以下 | 500円 | 1,000円 |
6km超 - 12km以下 | 600円 | 1,200円 |
12km超 - 18km以下 | 700円 | 1,400円 |
18km超 - 24km以下 | 800円 | 1,600円 |
24km超 | 900円 | 1,800円 |
- 30kmを超える区間の上記料金は、高速道路利便増進事業による割引の扱いである(上限料金の引下げに係る割引)[9]。
- ETC車以外(現金支払い、無線通行によらないETCカード支払い)
- 利用した入口から最も遠い出口までの料金距離に応じて上表の料金となる。この距離が24km以下となるのは放射線郊外方向の一部入口からの利用に限られるので、基本的には普通車900円、大型車1,800円の一律料金である。
- 旧料金圏境をまたぐ利用の場合、最初の料金所で料金を支払って領収書(ETCカード支払いでは利用証明書になる。以下同じ。)を受け取り、2番目以降の料金所では領収書を提示する(ただし、湾岸浮島本線料金所および川崎浮島料金所では、一旦停止のみで領収書の提示は不要。)。領収書が無いと新たに料金を支払うことになるので、最初の料金所で領収書を必ず受領し、無くさないように注意が必要である。また、領収書には有効時間があり、正当な理由(渋滞など)なく有効時間を過ぎた場合も新たに料金を支払うことになる。
- 料金距離について
- 入口~出口間で複数の経路がある場合、首都高速のみを利用した最短経路で算出する。
- 方向によって最短経路が異なる場合は、実際に利用した方向にかかわらず短いほうの距離を採用する。
- 常盤橋出入口または八重洲出入口発着で東京高速道路を通過する経路が最短となる場合、当該経路で算出し、東京高速道路の距離は含めない。
ETC割引
- 会社間乗継割引
- 2012年1月1日開始。首都高速に直接接続するNEXCOの高速道路(一般有料道路を含む)との乗継利用で、首都高速の料金距離が6km以下または接続地点に最も近い出入口を利用する場合、普通車100円引き、大型車200円引き。当面2014年3月まで実施予定。
- 中央環状線迂回利用割引
- 2012年1月1日開始。放射線上り入口から他の放射線下り出口までの利用(中央環状線より外側の出入口相互間に限る)で、都心環状線を経由せず中央環状線を経由し、かつ、それが都心環状線経由より遠回りの経路となる場合、普通車100円引き、大型車200円引き。当面2014年3月まで実施予定。
- 埼玉線内々利用割引
- 2012年1月1日開始。旧埼玉線(戸田出入口を含む大宮線・埼玉新都心線)のみの利用の場合、普通車100円引き、大型車200円引き。当面2014年3月まで実施予定。
- 放射道路端末区間割引
- 2012年1月1日開始。放射線端末の出入口~都心環状線内の出入口間の料金を、従前の料金以下に据え置く。また、5号池袋線・6号三郷線・川口線の一部出入口から一定距離範囲の料金を引下げる。中央環状線迂回利用割引との重複適用が可能(例.高島平-葛西)。当面2014年3月まで実施予定。
- 羽田空港アクセス割引
- 2012年1月1日開始。空港中央出入口または湾岸環八出入口発着の場合、空港西出入口または羽田出入口までの最低料金となるように料金距離を減じる。協定および事業許可においては割引ではない。当面2014年3月まで実施予定。
- 環境ロードプライシング
- ロードプライシング#都市高速道路の環境ロードプライシングを参照
- 大口・多頻度割引
- 運送業者などを対象に実施されている割引。ETCコーポレートカードによる無線通行が前提となっており、暦月1ヶ月間の利用額に応じて割り引かれる。NEXCOと同様に車両単位割引と契約単位割引の組み合わせになっているが、契約単位割引は利便増進事業で追加されたものである。
- 車両単位割引は、カードごとの月間利用額に応じて次表1のようになる。ただし、2012年1月利用分から2014年3月利用分までは、次表2の内容に拡充される。
月間利用額 | 割引率 |
---|---|
5,000円以下の部分 | 0% |
5,000円超 - 10,000円以下の部分 | 2% |
10,000円超 - 30,000円以下の部分 | 5% |
30,000円超 - 50,000円以下の部分 | 8% |
50,000円超の部分 | 12% |
月間利用額 | 割引率 |
---|---|
5,000円以下の部分 | 0% |
5,000円超 - 10,000円以下の部分 | 10% |
10,000円超 - 30,000円以下の部分 | 15% |
30,000円超の部分 | 20% |
- 契約単位割引は、1契約者で100万円を超え、かつ、1台平均5,000円を超える場合、5%引き。ただし、2012年1月利用分から2014年3月利用分までは10%引き。
2011年までの均一料金
対距離料金制に変更される直前(2011年12月当時)の内容である。
「東京線」「神奈川線」「埼玉線」の3つの地区(料金圏)別の均一料金。複数の料金圏にまたがって走行する場合は、通過する料金圏ごとに料金が発生する。
地区 | 普通車 | 大型車 |
---|---|---|
東京線 | 700円 | 1,400円 |
神奈川線 | 600円 | 1,200円 |
埼玉線 | 400円 | 800円 |
- 特定区間割
- 上表によらない特定料金が適用された区間の一覧である。案内上は割引扱いであったが、協定および事業許可においては割引ではない。普通車300円(大型車600円)になる「特定区間割300」と普通車500円(大型車1,000円)になる「特定区間割500」があった。
路線 | 区間 | 対象車両 | |
---|---|---|---|
東京線 | 1号上野線 | 入谷・上野→本町 | ETC車のみ |
本町→上野・入谷 | 全車 | ||
1号羽田線 | 平和島~羽田 | 全車 | |
4号新宿線 | 永福→高井戸・中央道 | 全車 | |
中央道・高井戸→永福 | ETC車のみ | ||
湾岸線 | 浮島・川崎浮島JCT~湾岸環八・空港中央 | 全車 | |
神奈川線 | 神奈川1号横羽線 | 大師~羽田 | 全車 |
神奈川1号横羽線 神奈川2号三ツ沢線 |
東神奈川~横浜駅西口・三ツ沢・三ツ沢JCT | ETC車のみ | |
神奈川2号三ツ沢線 | みなとみらい~横浜駅東口・横浜駅西口・三ツ沢・三ツ沢JCT | ETC車のみ | |
湾岸線 | 並木IC(横横道路)・幸浦→杉田 | ETC車のみ | |
杉田→幸浦・並木IC(横横道路) | 全車 | ||
東扇島~川崎浮島JCT・浮島 | ETC車のみ | ||
神奈川6号川崎線 | 殿町~川崎浮島JCT | ETC車のみ | |
埼玉線 | 埼玉大宮線 | 戸田・美女木JCT~浦和南 | 全車 |
埼玉新都心線 | 新都心~さいたま見沼 | ETC車のみ |
路線 | 区間 | 対象車両 | |
---|---|---|---|
東京線 | 3号渋谷線 | 池尻~三軒茶屋・用賀・東名高速 | ETC車のみ |
湾岸線 | 浦安~千鳥町・東関東道 | ETC車のみ | |
川口線 | 新郷~安行・新井宿・川口JCT | ETC車のみ | |
6号三郷線 | 八潮南~八潮・三郷・三郷JCT | ETC車のみ | |
神奈川線 | 神奈川3号狩場線 | 阪東橋~花之木・永田・狩場JCT | ETC車のみ |
対距離料金制移行で廃止されたETC割引
企画割引および社会実験割引は記していない。
- 時間帯割引(平日夜割、日祝割)
- 一般向け頻度割引(お得意様割)
- 会社間連続利用割引(高速ダブる割) - 並木経由で横浜横須賀道路~横浜地区の指定出入口(杉田・三溪園・石川町・横浜公園)相互間を利用した場合[10]、普通車100円引き、大型車200円引き。
料金の推移
1962年に京橋 - 芝浦が開通して以来延伸を続け、延長と物価上昇率を考慮して通行料金を改定している。以下は東京線の普通車の通行料金である。
- 1962年 : 暫定料金50円(開通区間が4.5kmと短距離のため)
- 1963年 : 100円(本料金に移行 : 営業延長13.4km)
- 1964年 : 150円
- 1970年 : 200円
- 1974年 : 250円
- 1976年 : 300円
- 1980年 : 400円
- 1985年 : 500円
- 1987年9月10日 : 600円
- 1994年5月9日 : 700円
このほか、2002年7月には神奈川線が500円から600円へ改定された。中央環状王子線が開通した2002年12月には東京線が800円に値上げされる案があったが、こちらは廃案となっている。
対距離料金制導入の経緯
首都高速道路などの都市高速道路で採用されてきた均一料金制は、ネットワークが拡大するにつれて1回あたりの利用距離のばらつきが大きくなり、利用程度に応じた負担という点で不公平さが増すなどの諸課題が顕在化しつつあった。ETCの活用により、大量交通の効率処理と利用区間の把握の両立およびネットワークの有効活用に資する弾力的な料金設定も可能となることから、2000年(平成12年)11月30日の第101回道路審議会において、ETC利用を基本とする新たな料金制度を導入すべきとの答申がなされた[11]。
2003年(平成15年)12月22日、道路関係四公団民営化の基本的枠組みについての政府・与党申し合わせにおいて、2008年度(平成20年度)を目標に対距離料金制を導入することとされた[12]。しかし、経済状況の悪化により延期され、さらに政権交代で計画は見直されることになった。
当初の料金案
会社発足から間もない2005年(平成17年)11月にパブリックコメントが行われ、料率31円/km、ターミナルチャージ290円(いずれも普通車の場合)とする対距離料金制の基本設計イメージが公表された[13]。翌年3月の機構との協定および事業許可に平成20年度以降の料金の額として載るも、「社会経済情勢、ETCの普及状況、社会実験の結果等を勘案し、長距離利用者の負担軽減措置の導入など、料金の設定等について改めて検討し、見直しを行う。」とされた[14][15]。
2006年(平成18年)12月3日からは、ETC距離別割引社会実験が実施された。内容はETC割引制度#都市高速道路の距離別割引社会実験を参照のこと。
2007年(平成19年)9月、距離別料金の具体案が発表された[16]。この案では、多くの利用が単一料金圏内で完結する現状を踏まえ、また長距離利用負担の抑制の観点などから、料金圏を当面存続し、東京線400円-1,200円、神奈川線400円-1,100円、埼玉線300円-550円(いずれも普通車の料金。以下同じ。)とされた。
導入延期
しかし、原油価格の高騰などで厳しい経済局面となり、それを受けて2008年8月29日に打ち出された「安心実現のための緊急総合対策」(「安心実現のための緊急総合対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議)で、対距離料金制の導入は延期されることになった[17]。9月にはリーマンショックが襲い、さらなる対策として打ち出された「生活対策」(平成20年10月30日、新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議)により、首都高速と阪神高速においても料金引下げが行われることになった。同年12月の道路特定財源の一般財源化についての政府・与党合意では、生活対策による料金引下げ後(2011年度以降)に上限料金を抑えた対距離料金制度を検討することとされた[18]。
2009年(平成21年)2月24日に国土交通大臣同意がなされた高速道路利便増進事業計画では、2011年度から2013年度までは、東京線600円-800円、神奈川線500円-700円、埼玉線350円-450円、2014年度から2017年度までは、東京線500円-900円、神奈川線400円-800円、埼玉線300円-500円という体系が検討にあたっての基本として示されたが[19]、後述のように政権交代後の計画変更で大幅に見直しされることになった。
政権交代後の新たな料金案
2009年8月30日に執行された第45回衆議院議員総選挙で、高速道路原則無料化をマニフェストに掲げる民主党が勝利した。しかし、首都高速と阪神高速は無料化の対象外とする旨を選挙前から党幹部が発言しており、2010年度から実施の無料化社会実験についての発表資料において、首都高速と阪神高速は対象区間の割合を示す分母からも除外されている[20]。
2010年(平成22年)4月9日、民主党政権主導で決められた新たな料金割引案が国土交通省から発表された[21]。この中で首都高速と阪神高速については、移動を阻害しているとして料金圏を撤廃し、下限500円・上限900円とする対距離料金制案が示され、地方議会での議決を前提に同年末~翌年初めごろを目途に試行導入とされた[22]。しかし、割引財源の一部を道路整備へ転用することから、特にNEXCO・本四高速で実質値上げとなる点が目立ち、利用者のみならず与党内からも強い反発を受け、一旦廃案になった。
2011年(平成23年)2月16日に発表された「高速道路の当面の新たな料金割引」では、首都高速と阪神高速については、前年の料金圏なし500円-900円案に地方からの意見を踏まえた新たなETC割引が盛り込まれ、地方議会での審議期間を考慮して2012年から実施とした(新たなETC割引については当面2013年度までの実施)[23]。2月25日から3月4日まで、機構と6会社による利便増進事業計画変更に伴うパブリックコメントが行われた[24]。
地方議会の議決は、2011年10月21日までにすべての関係自治体で得られ[25]、24日に事業許可変更申請がなされた後[26]、11月2日に変更許可が下りて2012年1月1日の対距離料金制移行が正式決定された[27]。
なお、協定および事業許可においては、2005年度の対距離料金基本設計はそのままで、この料金制度は当分の間の「特別の措置」という扱いになっている[7][8]。
首都高X
ETC車載器のない車に対して、専用通信器と電子マネーEdyカードのセットを数千円の保証料で貸し出し、実際に走った料金との差額を払い戻すシステムのコードネーム。2007年10月22日に通信器の第1号試作機の完成発表が行われ、2008年度の対距離料金制開始に合わせて導入予定とされていた[28]。しかし続報はなく、2011年度の対距離料金制導入にあたってこのシステムには触れられていない。
- システムの概要
- 通信器の本体は、長さ69mm、横幅49mm、高さ13.5mm、質量約65g。車のシガーソケットに差し込んで使用する。
- 利用者は料金所で一旦停止してEdyカードで上限料金を支払うが、通信器が出口アンテナと通信し、入口・出口のデータを首都高センターに送る。翌日以降に、利用者が再度利用する首都高速の料金所でEdyカードを収受員に手渡しすれば、上限額と通行料金との差額がEdyカード内に払い戻される。首都高速をしばらく使わない場合は、コンビニエンスストア(ファミリーマートまたはam/pm)に設置されている機械にカードをタッチすれば同様に払い戻される。
- 保証金は、通信器を返却すればEdyカード代と通信器使用料を差し引いて電子マネーで返金される。
- 料金所で収受員との電子マネーカードのやり取りが生じるため、ETC無線通行を条件とする割引は適用されない。
キャラクター
- Mr.ETC(2007年4月入社)ETC推進グループ配属
- Ms.カレージョETC(2007年12月よりETC安全走行キャンペーンを展開)
構想中・計画中路線
以下の路線は東京圏都市圏自専道等の路線や事業者は未定であり、首都高速道路になるとは限らない。計画・事業化等も未定であり、事業化される見通しも不明である。 斜体は仮称である。
既存路線延伸
- 首都高速1号上野線延伸計画(II期)(入谷出入口 - 本木JCT)
- 首都高速中央環状線(C2)と接続予定
- 首都高速2号目黒線2号線延伸計画(荏原出入口 - 川崎市内)
- 第三京浜道路などと接続予定
- 川崎縦貫道路延伸(II期)(富士見出入口 - 北見方JCT - 宿河原JCTもしくは堰JCT)
地域高規格道路候補路線
東京都
- 高速練馬線
- 関越自動車道から首都高速中央環状新宿線(C2)に接続し、計画中の高速内環状線に接続予定
- 高速北千葉線(首都高速中央環状線 - 北千葉道路)
- 首都高速中央環状線から北千葉道路への連絡路。
- 北千葉道路に接続予定
- ちなみに、首都高速11号台場線は都市計画法上(都市計画道路)「12号線」であり、高速北千葉線が「11号線」である
神奈川県
- 横浜環状道路(西側区間)(戸塚IC - 港北IC/JCT)
- 首都高速神奈川4号磯子線(阪東橋JCT(仮) - 首都高速湾岸線磯子区磯子1丁目付近)
- 路線を参照。
- 高速扇島線
- ルートは都市計画道路川崎縦貫線(I期)とほぼ同じ
備考
首都高速道路は都市高速道路であり、都市間高速道路(東日本高速道路・中日本高速道路・西日本高速道路管理の高速自動車国道など)とは道路の性格が違うため、設計速度・最高速度は、湾岸線や埼玉県内などの一部路線・区間を除き、多くの区間で60km/h以下となっている。都市間高速道路に比べると急カーブが多く、多くが市街地に建設されていることから騒音への配慮も必要なためである。
また、自動二輪二人乗りも事故防止の観点から都心環状線を中心に一部区間で規制されている。
地上の一般道路を拡幅し、その上空又は地下や運河などの公共用地を最大限利用して大部分が既成市街地の制約の下で計画・設計・建設されているため、必然的に道路の幾何構造(曲線半径や勾配など)が道路構造令で定められる限界値となっている箇所や、出入口やJCTの分合流が左右両側の車線に行われる箇所がある。そのため、短区間で交通が合流したのち分岐する「織込み」が発生する箇所があったり、道路標識が複雑であったりすることがある。また、法律上は高速自動車国道や一般道路と同様に、追い越しをする場合や出口や分岐を右折する場合等を除き、複数車線の一番右側(追越車線)を走行することは禁止されているが、右からの分合流が多いことから会社側は「追越車線はない」とし、右から入って右に出るような場合は右を走り続けても構わないとの趣旨をホームページ上に提示している。
東名高速道路や中央自動車道などの都市間高速道路から首都高速道路に流入する場合は、上記の都市高速道路としての性格を理解して、分合流や交通の織込み、走行速度に注意が必要である。中でも東名高速道路から首都高速道路に入る際には、直後に料金所があるため大幅な速度制限を受ける(100km/h→50km/h)[29]ので特に気をつけなければならない。
首都高速道路(特にトンネル)で事故が発生した場合、AMラジオのスイッチを入れたまま走行していると、チューナーを1620kHzに合わせなくても強制的に放送に割り込み、事故が発生した場所や種類(単独・衝突・追突など)、それに伴う速度/車線規制、渋滞などの情報を運転者に知らせる仕組みになっている。
首都高速道路を題材とした映画・小説・漫画・ゲームソフトなど
- ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT
- 登場人物の1人であるハンのRX-7が首都高速道路でスカイラインGT-R(BNR34型)を抜いた。
- 首都高バトルシリーズ
- ただし首都高バトルXでは渋谷線は登場するが湾岸線・横羽線・横浜線が登場していない。
- 湾岸ミッドナイト
- 都心環状線を使ったバトルシーンも使用されるが、現状ではほぼ毎日どこかしらで補修工事を行っており、作中のようなスムーズな走行を実行することは不可能になっている。作内ではさらに江戸橋JCT-都心環状線-浜崎橋JCT-11号台場線-有明JCT-湾岸線-辰巳JCT-9号深川線-箱崎JCT-6号向島線-江戸橋JCTのルートを「新環状」と呼んでいる(これは前述の首都高バトルも同様である)。
- SS
- スカイラインGT-R(BNR32型)乗りのタモツとランサーエボリューションVI乗りのカブキが主人公のダイブツのスタリオン4WDラリーを抜こうと奮闘し、1度は抜かすも、そこでダイブツの卓越した技術を見せつけられる。
- 首都高速トライアル
- ルーレット族なる飛ばし屋が都心環状線を飛ばした。
- レーシングラグーン
- よろしくメカドック
- キャノンボール・トライアル編と東日本サーキットグランプリ編に登場。当時は湾岸線西行きは辰巳止まりであった。
- バトルギア4
- レーシングバトル -C1 GRAND PRIX-
- 都心環状線がサーキットに転用されている。またC1グランプリでも使われる。
ここに挙げた以外でも、自動車を扱った作品では首都高速道路は頻繁に登場し、違法な公道レースが行われている場として描かれる場合も多い。
関連企業
- 首都高速道路サービス株式会社(首都高速道路管内のパーキングエリアを管理する企業)
- 首都高トールサービス西東京株式会社(首都高速道路管内の料金収受業務を行う企業)
- 首都高トールサービス東東京株式会社(首都高速道路管内の料金収受業務を行う企業)
- 首都高トールサービス神奈川株式会社(首都高速道路管内の料金収受業務を行う企業)
- 首都高パトロール株式会社(首都高速道路管内の交通管理業務を行う企業)
- 首都高技術株式会社(首都高速道路管内の維持修繕業務を行う企業)
- 首都高メンテナンス西東京株式会社(首都高速道路管内の土木設備の維持修繕業務を行う企業)
- 首都高メンテナンス東東京株式会社(首都高速道路管内の土木設備の維持修繕業務を行う企業)
- 首都高メンテナンス神奈川株式会社(首都高速道路管内の土木設備の維持修繕業務を行う企業)
- 首都高電気メンテナンス株式会社(首都高速道路管内の電気設備の維持修繕業務を行う企業)
- 首都高ETCメンテナンス株式会社(首都高速道路管内の料金所設備の維持修繕業務を行う企業)
- 首都高機械メンテナンス株式会社(首都高速道路管内の機械設備の維持修繕業務を行う企業)
- 首都高速保険サポート株式会社 (車の保険や生命保険を取り扱う企業)
発行物
1964年8月1日、首都高速道路開通記念の額面10円の切手が発行された。
脚注
関連項目
外部リンク
関係法令
テンプレート:特殊法人- ↑ 協定一覧
- ↑ 中央環状品川線の開通時期について(首都高速道路株式会社、2013年4月16日閲覧)
- ↑ 晴海線概要(首都高速道路株式会社、2013年4月16日閲覧)
- ↑ 高速10号晴海線(下り)豊洲料金所他22料金所において料金精算機を導入します - 首都高速道路株式会社、2013年2月8日閲覧
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 7.0 7.1 テンプレート:PDFlink
- ↑ 8.0 8.1 テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 2012年からの会社間乗継割引では、杉田発着のみが割引対象になる。
- ↑ 第101回道路審議会「都市高速道路の料金体系のあり方等についての答申」 - 国土交通省、2000年11月30日
- ↑ テンプレート:PDFlink - 国土交通省
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink - 高速道路機構
- ↑ テンプレート:PDFlink - 首都高速道路
- ↑ 距離別料金に関する懇談会からの提言及び意見募集の開始について - 首都高速道路、2007年9月20日
- ↑ テンプレート:PDFlink - 内閣府
- ↑ テンプレート:PDFlink - 首相官邸
- ↑ テンプレート:PDFlink - 高速道路機構
- ↑ テンプレート:PDFlink - 国土交通省、2010年2月2日
- ↑ テンプレート:PDFlink - 国土交通省、2010年4月9日
- ↑ 首都高速・阪神高速は道路法上では都府県道または政令市道であるので、道路整備特別措置法第3条の規定により、本来の道路管理者(地方自治体の長)の同意が必要となる。また、この同意にはその自治体の議会の議決が必要である。
- ↑ テンプレート:PDFlink - 国土交通省、2011年2月16日
- ↑ テンプレート:PDFlink - 高速道路機構、2011年2月25日
- ↑ 首都高、定額制料金やめます 12年1月から距離制に - asahi.com(朝日新聞社)、2011年10月21日
- ↑ 奥田副大臣会見要旨(2011年10月24日) - 国土交通省
- ↑ 距離別料金への移行等のお知らせ - 首都高速道路、2011年11月2日
- ↑ ETCを付けなくても距離別料金を適用可能なシステム(「首都高X(エックス)」)の検討を進めています ~ 「首都高X通信器」の第1号試作機が完成 ~ - 首都高速道路、2007年10月22日
- ↑ 首都高速道路株式会社|速度規制図