西日本旅客鉄道広島支社
西日本旅客鉄道広島支社(にしにほんりょかくてつどうひろしまししゃ)は、広島市東区二葉の里にある西日本旅客鉄道(JR西日本)の支社の一つである。
目次
概要
かつての日本国有鉄道(国鉄)広島鉄道管理局を継承し発足した。広島駅を中心とした路線群を広島シティネットワークと命名し、都市間輸送網を構築している。
沿革
- 1950年(昭和25年)8月1日:広島鉄道管理局が発足。
- 1987年(昭和62年)
- 1988年(昭和63年)
- 1989年(平成元年)8月11日:山陽本線に中野東駅と阿品駅が開業。
- 1990年(平成2年)9月27日:岩徳線に欽明路駅が開業。
- 1992年(平成4年)3月19日:呉線に呉ポートピア駅が開業。
- 1994年(平成6年)
- 1997年(平成9年)4月1日:美祢線 南大嶺駅 - 大嶺駅間が廃止[1]。
- 1999年(平成11年)2月7日:呉線にかるが浜駅と水尻駅が開業。
- 2000年(平成12年)3月11日:山陽本線に前空駅が開業。
- 2002年(平成14年)3月23日:呉線に新広駅が開業。
- 2003年(平成15年)
- 2004年(平成16年)3月13日:山陽本線に天神川駅が開業[5][6]。
- 2005年(平成17年)10月1日:九州旅客鉄道エリア内との在来線定期普通列車の相互直通運転を廃止。
- 2006年(平成18年)6月23日:広島新幹線運転所は乗務員区所のみを残し、博多総合車両所広島支所として福岡支社に移管される。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)3月15日:山陽本線に和木駅、山陰本線に梶栗郷台地駅が開業。
- 2009年(平成21年)
- 3月14日:九州旅客鉄道エリアへの、特急も含めた在来線定期列車の直通運転が廃止。
- 4月1日:宮島航路をJR西日本宮島フェリーへ移管、分社化[8]。
管轄路線
テンプレート:Ambox-mini 広島県のうち広島圏域[9]の全域、備北圏域[10]の大半ならびに三原市の一部と、山口県全域、および島根県の一部を管轄する。
路線
- 山陽新幹線以外の、路線名の左の色は、広島支社管内独自のラインカラー(後述)。
- 支社境界が場内信号機などと一致する場合は該当停車場(駅・信号場など)を境界駅として扱うが、支社境界が閉塞区間上にある場合には境界線の内側の停車場を記載している。
色 | 路線名 | 区間 | 備考 |
---|---|---|---|
山陽新幹線 | (三原駅・東広島駅・広島駅・新岩国駅・ 徳山駅・新山口駅・厚狭駅・新下関駅) |
左記8駅の駅運転・営業業務のみ担当 列車運行・線路設備管理は新幹線管理本部の管轄 | |
山陽本線 | 三原駅[11] - 下関駅 | ||
山陰本線[12] | 益田駅[13] - 奈古駅 - 幡生駅(益田駅構内除く) 長門市駅 - 仙崎駅 |
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福塩線 | 府中駅[14] - 塩町駅(府中駅構内除く) | ||
芸備線 | 備後落合駅[15] - 広島駅(備後落合駅構内除く) | ||
呉線 | 三原駅 - 広駅 - 海田市駅(全線) | ||
可部線 | 横川駅 - 可部駅(全線) | ||
岩徳線 | 岩国駅 - 櫛ケ浜駅(全線) | ||
山口線[16] | 新山口駅 - 地福駅 - 益田駅[13](益田駅構内除く全線) | ||
宇部線 | 新山口駅 - 宇部新川駅 - 宇部駅(全線) | ||
小野田線 | 居能駅 - 小野田駅 雀田駅 - 長門本山駅(支線含む全線) |
||
美祢線 | 厚狭駅 - 長門市駅(全線) |
広島支社の路線では山陽新幹線を除いて、支社独自のラインカラーが設定されている。ただしこれらのラインカラーは駅に掲出された運賃表の路線図表記に用いられているのみであり、岡山支社のように車内の路線図や駅掲示の時刻表には採用されていない。広島支社管内から外れる路線についてはラインカラーは用いられず、運賃表では灰色で表現されている。ただし、九州旅客鉄道(JR九州)管内の線区は同社のコーポレートカラー(赤)で表現されている。かつては一部の駅で岡山支社管内路線と鹿児島本線と日豊本線のラインカラーを塗り分けていたが、梶栗郷台地駅・和木駅・西川原駅開業に伴う運賃表架け替えで、JR九州管内はコーポレートカラーに、岡山支社管内は灰色に統一された。また、これらのラインカラーは路線単位で割り当てられているため、管内の駅の案内ではその路線全体(広島支社管轄外の区間も含む)がこのラインカラーで記述されている。岡山支社独自ラインカラーとの整合性は福塩線(運賃表架け替え前は伯備線・吉備線等も)を除いて考慮されていない。
なお、広島シティネットワーク管内においては、2014年度末より227系の導入に合わせ、山陽本線(白市 - 広島および広島 - 岩国)、呉線(広島 - 海田市 - 広間)、可部線(広島 - 横川 - 可部)、芸備線(広島 - 狩留家)において路線記号を導入するのにあわせ、同区間のラインカラーが更新され、旅客案内用に幅広く使用される予定である[17]。
なお、国鉄時代の広島鉄道管理局の管轄は広島支社のそれと以下の点が相違する。
管理駅
JR西日本では、主要駅に駅長を配置してその駅を管理駅としている(鉄道部の管理下に置かれている線区を除く)。広島支社管内の管理駅と管轄範囲は次の通り。
- 広島駅(天神川駅・広島駅、西三次駅 - 矢賀駅間)
- 西条駅(白市駅 - 向洋駅間、矢野駅 - 坂駅間、東広島駅)
- 呉駅(広駅 - 水尻駅間)
- 西広島駅(横川駅 - 大竹駅間)
- 可部駅(三滝駅 - 可部駅間)
鉄道部・地域鉄道部
廃止された鉄道部
- 宇部新川鉄道部 - 2009年6月1日廃止、山口地域鉄道部へ統合[18]。
- 山口鉄道部 - 2009年6月1日廃止、山口地域鉄道部へ統合[18]。
- 可部鉄道部 - 2006年7月1日廃止、支社直轄へ移行。
乗務員区所
運転士
車掌
運転士・車掌
- 下関地域鉄道部下関乗務員センター
- 山口地域鉄道部山口乗務員センター
- 徳山地域鉄道部徳山乗務員センター
車両工場
車両基地
- 下関総合車両所
- 運用検修センター
- 新山口支所
- 広島支所
設備保守区所
保線区
- 広島保線区
- 西条管理室
電気区
- 広島電気区
建築区
- 広島建築区
機械区
- 広島機械区
その他の区所
- 広島資材センター
- 広島土木技術センター
- 小郡土木技術センター
その他管轄施設
- 広島鉄道病院
- 広島印刷事業所
自動改札機・ICカード乗車券
テンプレート:Main 2007年9月1日に広島シティネットワークの下記の駅でICカード乗車券「ICOCA」の利用が開始された(相互利用により、Suica・TOICA・PiTaPaにも対応)[7]。2008年3月1日から広島県内のPASPYエリアの交通機関でも利用できるようになった(ICOCAのPASPYエリアでの使用のみ可能、逆は不可)[19]。
なお、広島支社管内では、2003年12月1日に下関駅に自動改札機が初めて設置されたが、小倉・博多方面への利用客への利便性向上のためで、ICOCAには対応していない[20]。また、2011年3月5日から下関駅がSUGOCA対応エリアになっているが、SUGOCAは販売されていない。
- 山陽本線:三原駅 - 南岩国駅・下関駅
- 可部線:全線
- 呉線:全線(仁方駅 - 須波駅間各駅はICカード専用改札機)
- 芸備線:矢賀駅 - 狩留家駅(中深川駅 - 狩留家駅間各駅はICカード専用改札機)
管内の車両について
テンプレート:Double image aside 1987年4月1日の国鉄分割民営化後に広島支社管内に投入された新型車両はキハ120形気動車のみであり、電車については国鉄時代の1983年までに投入された115系3000番台以降、新型車がまったく投入されていない(民営化後、支社単位で新型電車が投入されていないのは、支社管轄の車両基地がない和歌山支社と広島支社のみ)。製造後50年近く経過した車両が2013年現在でも運用され全体的に老朽化が進行しつつあり、老朽化に付随して時折車両故障も発生している。その一方、大半の車両は大規模なリニューアル工事が施行され新車並の内装となっている。リニューアル工事が施行されていない車両に関しても、他線区から工事が施行された車両を転属させることで置き換え体質改善を図っている。
車両の塗色についてはこれまでもオリジナルカラー(電車がベージュ地に青帯(通称「瀬戸内色」)または白と茶のツートンカラー(通称「新広島色」)など、気動車が白と黄のツートンカラー)で塗り分けられていたが、2009年12月より、原則として営業車両の車体塗装は、電車は濃黄色、気動車は国鉄末期の標準色と同じ朱色5号に変更されることになった[21]。これは、エリアごとに保有車両のイメージ統一を目的としたものと発表されている(電車は岡山支社所属の車両にも、気動車はJR西日本管内全域で同じ色への塗り替えが行われている)。
2013年3月13日に発表された、2017年までのJR西日本の中期経営計画において、広島地区への新保安システムの導入と共に車両新製の計画が示されており[22]、導入される新車両の計画が2014年6月19日に発表された[23]。新型車両の形式は227系で、ステンレス車体に赤色のアクセントを施したデザインとなっている。この赤色については、厳島神社の大鳥居や広島県の県木モミジ、広島東洋カープをイメージしたものとされる。3両編成が64本と2両編成が42本の合計276両が投入され、広島エリア(山陽本線・可部線・呉線など)で運行中の115系などを置き換える計画であるという。
スポーツ活動
JR西日本の硬式野球部(JR西日本硬式野球部)は、本社ではなく広島支社を拠点に活動を行っている(練習グラウンドは広島市の隣の府中町にある)。これは旧広島鉄道管理局硬式野球部の流れをくんでいたためで、6つあるJR本社チームのうち、唯一本社所在地と本拠地が同一都道府県にないチームである。2005年のJR福知山線脱線事故に伴う活動自粛を経て、同年7月に一時活動休止[24]、2013年に活動を再開させている。
脚注
参考文献
- データで見るJR西日本:JR西日本 - 西日本旅客鉄道
関連項目
- JR西日本グループのうち、広島支社管内に特化した事業を行う会社
- 広成建設 - 広島に本社を置くJR西日本グループの建設会社。広島支社管内が主な営業エリアだが、本社エリアや福岡支社エリアでも事業を行う。
- JR西日本宮島フェリー - 宮島連絡船(宮島口 - 宮島)を承継、広島支社宮島船舶管理所の分社化
- ジェイアール西日本広島メンテック - 広島支社管内の駅管理業務受託
- 中国SC開発 - 広島支社管内の駅ビル・ショッピングモール運営
- 赤ヘルきっぷ、赤ヘル片道特急券 - 広島支社が中心となって発売している特別企画乗車券
- JRふれあいウォーク - 広島支社管内で毎年春と秋に実施される主にツアー形式のウォーキングイベント
- 高橋建 - 元広島東洋カープ投手。2011年秋より同支社のイメージキャラクターを務めており、山陽新幹線「東京行くなら新幹線~のぞみは次々やってくる」キャンペーンなどに登場している。
- ↑ 美祢線(南大嶺〜大嶺間)の廃止について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1997年2月10日
- ↑ 平成15年秋 ダイヤ改正(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年7月30日
- ↑ 11月定例社長会見(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年11月21日
- ↑ 新着情報 可部線(可部〜三段峡間)営業終了のお知らせ(インターネット・アーカイブ)- JR西日本 広島支社ホームページ
- ↑ 山陽本線 広島〜向洋間に新駅「天神川駅」開業(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年12月12日
- ↑ 新着情報 「天神川駅」が開業しました(インターネット・アーカイブ)- JR西日本 広島支社ホームページ
- ↑ 7.0 7.1 岡山・広島エリアへICカード乗車券「ICOCA」を導入します(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2006年5月24日
- ↑ 船舶事業子会社の設立について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2008年2月4日
- ↑ 広島圏域の都市計画区域マスタープラン - 広島県ホームページ - 2013年4月2日
- ↑ 備北圏域の都市計画区域マスタープラン - 広島県ホームページ - 2011年12月1日
- ↑ 糸崎駅と三原駅の間の国道2号線との交差付近に岡山支社との管轄境界がある。
- ↑ このうち、益田駅 - 奈古駅間は2013年7月の豪雨災害により長期不通となっている。
- ↑ 13.0 13.1 益田駅構内は米子支社の管轄。
- ↑ 府中駅構内は岡山支社の管轄。
- ↑ 備後落合構内は岡山支社の管轄。
- ↑ このうち、地福駅 - 益田駅間は2013年7月の豪雨災害により長期不通となっている。
- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ 18.0 18.1 「山口地域鉄道部」新設に伴う組織改正について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年5月18日
- ↑ 広島県交通系ICカード「PASPY」エリアでの「ICOCA」のご利用について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2008年2月6日
- ↑ 下関駅に自動改札機導入(広島エリア)(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年11月6日
- ↑ 広島支社 車体塗装の変更について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年12月9日
- ↑ テンプレート:PDFlink - 西日本旅客鉄道プレスリリース、p.12
- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ JR西日本硬式野球部の活動休止(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2005年7月8日