国道2号
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国道2号(こくどう2ごう)は、大阪府大阪市北区から福岡県北九州市門司区へ至る一般国道である。本州と九州との間は、関門トンネルによって繋がり、兵庫県から山口県にかけての大半の区間で山陽自動車道と並走している。
旧山陽道(近世山陽道・西国街道)を前身とする路線であり、旧山陽道をほぼ踏襲する形となっている。しかし起点は大阪であり、また岡山県岡山市から広島県福山市に至っては、戦前に行われた大規模な経路変更により、この区間は旧鴨方往来を前身とし、岡山県総社市や井原市などを経由するかつての山陽道とは大きく外れている。
目次
概要
- 起点 : 大阪府大阪市北区梅田一丁目(梅田新道交差点 = 国道1号・国道25号・国道176号終点、国道26号・国道163号・国道165号起点)
- 終点 : 福岡県北九州市門司区老松町(老松公園前交差点 = 国道3号起点)
- 総距離 : 533.8km[1]
- 指定区間 : 大阪市北区梅田一丁目3番 - 北九州市門司区老松町3番1〈全線〉但し、以下の区間を除く。
- 明石市立石一丁目4番1(和坂交差点) - 明石市魚住町清水字井樋田2149番1(清水交差点) - 姫路市本町241番(大手前交差点) - 兵庫県揖保郡太子町山田(太子東IC)〈第二神明道路・加古川バイパス・姫路バイパスと並行する区間〉
- 福山市神村町字伊勢山下6000番2(松永バイパス東口交差点) - 尾道市西御所町2番の562 - 尾道市正徳町535番の28(バイパス合流部)〈松永バイパス・尾道バイパスと並行する区間〉
- 広島市西区庚午北一丁目418番1(西広島バイパス入口交差点・西広島バイパス出口交差点) - 広島市佐伯区海老園二丁目310番3(佐伯区役所) - 廿日市市地御前五丁目1929番21(西広島バイパス西広島ランプ)〈西広島バイパスと並行する区間(宮島街道)〉
大阪から神戸にかけての区間は、従来「第二阪神国道」である国道43号に対し、「第一阪神国道」(略称は「一国(いちこく)」と呼ばれてきたが、近年は、この国道2号のことを「にこく」と呼ぶことも多く、地元での呼称はやや混乱してきている[注釈 1]。またこの区間は大正時代に阪神国道電軌(後に阪神電気鉄道に吸収合併)の資金によって建設されたので、1975年に廃止されるまで路面電車である阪神国道線が併用軌道で通っていた。
兵庫県の姫路市や加古川市の一部区間では、多大な交通量の対策として国道としては極めて稀な一方通行規制を行っている[注釈 2]。他にも兵庫県内では交通量の都合上、多くの区間でバイパスが建設されている。
広島県内の広島岩国道路は国道2号のバイパスとして建設された一般有料道路だが、事実上、山陽自動車道と一体化している。
下関市では瀬戸内海沿いを通って中心部へ向かう国道9号に対して国道2号は内陸部を通り関門トンネルへと続くので下関駅前や中心街へ行くときは注意が必要である。なお、関門トンネル手前で中心部へ向かう山口県道57号下関港線と分岐している。
なお、国道2号を補完する目的で整備され、後に無料開放された有料道路として、岡山ブルーライン(=岡山県道397号寒河本庄岡山線)、欽明路道路(=山口県道15号岩国玖珂線)、長府道路がある。
歴史
古代から存在した旧山陽道を継承するものであるが、旧山陽道(西国街道)は京都を起点とし、大坂を経由せずに神戸に直接向かっていた。
1885年(明治18年)、内務省告示第6号「國道表」にて指定された国道3号「東京より神戸港に達する路線」・国道4号「東京より長崎港に達する路線」も、西国街道のルートをそのまま引き継いでいる。現在の国道2号の大阪 - 神戸のルートは、国道26号「大阪府と広島鎮台とを拘聯する路線」として指定されていた。
1920年(大正9年)施行の旧道路法に基づく路線認定では、国道2号「東京市より鹿児島県庁所在地に達する路線(甲)」の一部となった。この国道2号は現在の国道1号・2号・3号とほぼ同じルートであり、ここではじめて大阪から九州への道が1本の路線となる。
1926年(大正15年)、重要性が増した倉敷を通過する経路に改めるため、岡山県岡山市 - 広島県沼隈郡津之郷村(現:福山市津之郷町)間において旧鴨方往来を踏襲するルートに経路変更が決定する[2]。
1929年(昭和4年)、旧鴨方往来を踏襲するルートに経路変更される[3]。これにより、現在の岡山市中心部 - 倉敷市中心部 (現在、この間は岡山県道162号岡山倉敷線等) - 浅口市 - 笠岡市 - 福山市津之郷町間が本国道となり、岡山市中心部 - 総社市(吉備路) - 倉敷市真備町 - 小田郡矢掛町 - 井原市 - 福山市神辺町および津之郷町は、県道(岡山県道岡山井原線、岡山県道倉敷井原線、広島県道・岡山県道福山井原線、広島県道尾道井原線等)に降格となる。ただし、旧鴨方往来には未改良区間が多かったため、東西の主要交通路は依然として県道に降格した旧山陽道が担う。それもあってか当時の地図には変更後のルートが国道として記載されていないものが多い。変更後のルートが地図にはっきり示されるようになるのは戦後になってからである。
1952年(昭和27年)12月4日、新道路法に基づく路線指定で一級国道2号(大阪府大阪市 - 福岡県門司市(現 北九州市門司区))となった。1965年4月1日に、道路法改正によって一級・二級の別がなくなり一般国道2号となった。
並行する旧街道
路線状況
バイパス
国道2号のバイパスとして整備されている道路のみ記す。
- 浜手バイパス(兵庫県)
- 第二神明道路(兵庫県)
- 神戸西バイパス(第二神明北線)(兵庫県)
- 加古川バイパス(兵庫県)
- 姫路バイパス(兵庫県)
- 太子竜野バイパス(兵庫県)
- 相生有年道路(兵庫県)〔未供用〕
- 三石バイパス(岡山県)
- 岡山バイパス(岡山県)
- 玉島バイパス(岡山県)
- 玉島笠岡道路(岡山県)〔未供用〕
- 笠岡バイパス(岡山県)〔一部供用〕
- 福山道路(広島県)〔未供用〕
- 赤坂バイパス(広島県)
- 松永道路(広島県)
- 尾道バイパス(広島県)
- 木原道路(広島県)〔未供用〕
- 三原バイパス(広島県)
- 本郷バイパス(広島県)
- 田万里バイパス(広島県)
- 西条バイパス(広島県)
- 安芸バイパス(広島県)〔未供用〕
- 東広島バイパス(広島県)〔部分供用〕
- 新広島バイパス(広島県)
- 広島南道路(広島県)〔部分供用〕
- 西広島バイパス(広島県)
- 広島岩国道路(山陽自動車道に並行する一般国道自動車専用道路)(広島県)
- 岩国大竹道路(広島県 - 山口県)〔未供用〕
- 岩国バイパス(山口県)
- 花岡バイパス(山口県)
- 周南バイパス(山口県)
- 防府バイパス(山口県)
- 小郡道路(山口県)
- 厚狭・埴生バイパス(山口県)
- 小月バイパス(山口県)
有料道路
- 第二神明道路(兵庫県)
- 広島岩国道路(山陽自動車道に並行する一般国道自動車専用道路)(広島県)
- 関門国道トンネル(山口県 - 福岡県)
通称
重複区間
- 国道171号:兵庫県西宮市(札場筋交差点) - 兵庫県神戸市中央区(三宮東交差点)
- 国道28号:兵庫県神戸市長田区(東尻池交差点) - 兵庫県明石市(狩口交差点)
- 国道250号:兵庫県神戸市長田区(東尻池交差点) - 兵庫県明石市(小久保交差点)
- 国道312号:兵庫県姫路市御国野町国分寺(御国野交差点) - 兵庫県姫路市市川橋通(姫路天神前交差点)
- 国道250号:岡山県備前市(伊部東交差点) - 岡山県岡山市東区浅川(岡山バイパス東分岐点)
- 国道433号:広島県廿日市市(上平良交差点) - 広島県大竹市
- 国道9号:山口県山口市(交通センター前交差点) - 山口県下関市(印内交差点)
- 国道490号:山口県宇部市車地(車地交差点) - 山口県宇部市瓜生野(瓜生野交差点)
別線
- 国道250号:岡山県岡山市北区内(新京橋西交差点 - 大雲寺交差点)
道路施設
休憩施設
自動車専用道路区間にはサービスエリア・パーキングエリアが複数存在する。
- 明石サービスエリア(第二神明道路)
- 別所パーキングエリア(姫路バイパス)
- 姫路サービスエリア(姫路バイパス)
- 今津パーキングエリア(松永道路)
- 尾道西パーキングエリア(尾道バイパス)
- 佐方サービスエリア(西広島バイパス)
道の駅
沿線には長らく道の駅が1箇所も存在していなかったが、2011年にバイパス区間に沿線初の道の駅が開業された。
事前通行規制区間
下記の区間は事前通行規制区間となっており、雨量によって通行止めとなる場合がある。
- 兵庫県上郡町の一部
- 岡山県備前市(三石船坂 - 三石四十谷、三石木谷口 - 八木山、伊里中 - 東片上) = 連続雨量250mmを超える場合通行止
- 広島県三原市(木原 - 糸崎町)
- 山口県岩国市(岩国 - 関戸) = 連続雨量250mmを超える場合通行止
地理
通過する自治体
なお、岡山市内には別線がある。
以前は大雲寺交差点 - 青江交差点も国道2号別線(国道30号と重複)だったが、現在は国道30号の単独区間のため、上記の別線は本線と直接つながっていない。
交差する道路
※バイパスのうち兵庫県の第二神明道路・加古川バイパス・姫路バイパス、広島県の松永道路・尾道バイパスを除く。それぞれの接続路線については各記事を参照。
近畿地方整備局管内
- 大阪府
- 兵庫県
- 国道171号(西宮市・札場筋交差点 -(重複)- 神戸市中央区・三宮東交差点)
- 国道43号(神戸市灘区・岩屋交差点)
- 阪神高速3号神戸線生田川出入口(神戸市中央区)
- 阪神高速32号新神戸トンネル国道2号出入口(神戸市中央区)
- 国道174号(神戸市中央区・税関前交差点)
- 阪神高速3号神戸線柳原出入口(神戸市兵庫区)
- 阪神高速3号神戸線湊川出入口(神戸市長田区)
- 国道28号(神戸市長田区・東尻池交差点 -(重複)- 明石市・狩口交差点)
- 国道250号(神戸市長田区・東尻池交差点 -(重複)- 明石市・小久保交差点)
- 阪神高速3号神戸線若宮出入口(神戸市須磨区)
- 国道175号(※国道175号重複=国道427号)(明石市・和坂交差点)
- 国道312号(姫路市・御国野交差点 -(重複)- 姫路天神前交差点)
- 国道372号(姫路市・下寺町交差点)
- 国道179号(揖保郡太子町・太子東IC)
- 国道29号(姫路市・太子上太田JCT・IC)
- 国道179号(たつの市・福田ランプ)
- 国道373号(赤穂市・有年原交差点)
中国地方整備局管内
- 岡山県
- 広島県
- 国道182号(福山市・明神町交差点)
- 国道313号(福山市・府中分れ交差点)
- 尾道大橋(国道317号)(尾道市・尾道大橋入口交差点)
- 国道184号(尾道市・祇園橋東詰交差点)
- 国道185号(三原市・警察署入口交差点)
- 国道432号(竹原市・新庄交差点)
- 東広島呉自動車道(国道375号)上三永IC(東広島市)
- 国道375号御薗宇バイパス(東広島市・御薗宇交差点)
- 国道486号(東広島市・溝迫交差点)
- 国道31号(安芸郡海田町・大正交差点)
- 広島高速道路2号線東雲出入口(広島市南区)
- 国道487号(広島市南区・平野橋東交差点)
- 国道54号(※国道54号重複=国道183号・国道191号・国道261号)(広島市中区・市役所前交差点)
- 国道433号(廿日市市・上平良交差点 -(重複)- 大竹市・北栄交差点)(※国道433号重複=国道488号)
- 広島岩国道路廿日市IC(廿日市市)
- 広島岩国道路大竹IC(大竹市)
- 国道186号(大竹市・みどり橋東詰交差点)
- 山口県
- 国道188号(※国道188号重複=国道189号)(岩国市・立石交差点)
- 山陽自動車道岩国IC(岩国市)
- 国道187号(岩国市・錦橋交差点)
- 国道437号(岩国市・八幡下交差点)
- 国道376号(岩国市・郵便局前交差点)
- 国道188号(下松市・末武中交差点)
- 山陽自動車道徳山東IC(周南市)
- 国道315号(周南市・三田川交差点)
- 国道489号(周南市・大神交差点)
- 山陽自動車道徳山西IC(周南市)
- 山陽自動車道防府東IC(防府市)
- 国道262号(防府市・沖高井交差点)
- 山陽自動車道防府西IC(防府市)
- 山陽自動車道山口南IC(山口市)
- 国道9号(山口市・交通センター前交差点 -(重複)- 下関市・印内交差点)
- 国道190号(山口市・岡屋IC)
- 山口宇部道路嘉川IC(山口市)
- 国道490号(宇部市・車地交差点 -(重複)- 瓜生野交差点)
- 国道316号(山陽小野田市・杣尻交差点)
- 山陽自動車道埴生IC(山陽小野田市)
- 国道190号(下関市)
- 国道491号(下関市・才川交差点)
- 中国自動車道・関門橋(関門自動車道)下関IC(下関市)
九州地方整備局管内
- 福岡県
- 国道3号(北九州市門司区・老松公園前交差点終点)
主な峠
- 鯰峠(標高100m):兵庫県赤穂市 - 兵庫県赤穂郡上郡町
- 船坂峠(標高180m):兵庫県赤穂郡上郡町 - 岡山県備前市
- 廿木峠(標高120m):山口県岩国市
- 椿峠(標高94m):山口県周南市 - 山口県防府市
- 西見峠(標高80m):山口県宇部市 - 山口県山陽小野田市
- 談合峠(標高70m):山口県山陽小野田市
脚注
注釈
出典
関連項目
- 日本の一般国道一覧
- 近畿地方の道路一覧
- 中国地方の道路一覧
- 九州地方の道路一覧
- 海上国道
- 路面電車
- 阪神国道線
- 阪神国道駅
- 阪神間モダニズム
- 山陽本線
- 阪神本線
- 加古川市道平野西河原線:加古川市内の東行き一方通行規制区間に対する、西行き車線としての機能を持つ道路
- 姫路市道十二所前線:姫路市内の東行き一方通行規制区間に対する、西行き車線としての機能を持つ道路
外部リンク
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タグです。 「kkr-rt
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 『岡山県史 第十一巻近代Ⅱ』 岡山県、1987年(昭和62年)11月18日
- ↑ 『福山市史 下』 福山市史編纂会編、1983年(昭和58年)10月30日
- ↑ 周南市道の駅推進課
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