関門橋
テンプレート:橋 関門橋(かんもんきょう)は、山口県下関市と福岡県北九州市門司区の間の関門海峡を跨ぐ道路橋の名称、およびこの橋梁を含む区間の高速道路(高速自動車国道)の通称。
目次
概説
橋梁について
関門海峡の最狭部である下関市壇之浦と北九州市門司区門司(和布刈地区)を結ぶ。1973年に開通。橋長1068m、最大支間長712mは、若戸大橋(橋長627m、最大支間長367m)をしのぎ、開通時点では日本および東洋最長の橋となった(1983年開通の因島大橋が関門橋を上回る規模の橋として完成し、その後もより大規模な橋梁が複数架設されている)。若戸大橋と並んでその建設は明石海峡大橋など国内の長大橋の先駆けとなった[1]。
形式は標準的な3径間の吊り橋で、補剛桁はトラス。橋梁等の防食法には溶射が採用されている。関門海峡は大型船舶も航行する重要航路であることから、桁下から海面までは61mの高さを確保している。主ケーブルの直径は67cm(直径5.04mm素線、14014本)、ハンガーケーブルの直径は53cm。
1973年度の土木学会田中賞(作品部門)を受賞。
架橋から40年が経過し、交通量の増大に伴い様々な部分に劣化が進んでいることから、2011年度からの5年計画による大規模補修を行っている。具体的な内容としては補剛桁と主塔の塗替塗装、補剛材補修と支承およびボルトの交換、劣化が著しい橋台上面と下面のコンクリート床版の補修と舗装打ち替えなど[2]。床版補修においては2013年8月からに3期に分けて工事が行われ、この間3車線を1車線に車線規制する大規模工事が行われた[3]。 テンプレート:-
高速道路について
テンプレート:Infobox road 橋梁の前後区間を含む下関IC - 門司IC間の高速道路としての法定路線名は、関門自動車道(かんもんじどうしゃどう)となっており、正式には下関IC以東の中国自動車道でも、門司IC以南の九州自動車道でもない、「国土開発幹線自動車道以外の指定高速道路」である[4]。ただし、この区間のキロポストの標識およびインターチェンジ番号は吹田JCT(中国道起点)からの通算であり、一般道での各インターチェンジへの案内標識も基本的には「中国自動車道・九州自動車道」と表記され「関門橋」「関門自動車道」と表記されるケースは少ない。ただし、地図での表記は「関門橋」または「関門自動車道」となっている。全区間が西日本高速道路九州支社(北九州高速道路事務所下関社屋)の管理区間。
建設費が割高なためと、国道2号の関門トンネルと交通量を適正配分するために、関門橋を含める下関IC - 門司港IC間の通行料金は開通当初から長らく普通車で1kmあたり64円(通常区間の約2.6倍)に設定されていたが、2011年8月1日から2014年3月31日の期間限定で通常区間と同じ通行料金に大幅値下げされていた[5]。2014年4月1日から元の料金に消費税上昇分を加算した新料金となったが、ETC利用時は割引料金が適用されている。
関門海峡を横断する陸上交通網では唯一地上にあり(山陽本線、国道2号、山陽新幹線は海底トンネル)、テンプレート:AHN-AH アジアハイウェイ1号線の一部を構成している。全線80km/hの速度制限がある。下関IC - 門司港ICは片側3車線。
主な接続道路
歴史
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が■である部分については道路が供用開始済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色が■である部分は施設が供用開始されていない、または完成していないことを示す。なお、未開通区間の名称は仮称である。
- 路線名の特記がないものは町道。
- BSのうち、○は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
凡例 JCT : ジャンクション、IC : インターチェンジ、SIC : スマートインターチェンジ、SA : サービスエリア、PA : パーキングエリア、BS : バスストップ、TB : 本線料金所、TN : トンネル
IC 番号 |
施設名 | 接続路線 | 吹田から (km) |
下関から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中国自動車道 吹田方面、山陽自動車道 神戸・岡山・広島方面 | ||||||||
37 | 下関IC | 県道57号下関港線 県道258号武久椋野線 |
540.1 | 0.0 | 山口県 下関市 | |||
- | 下関壇之浦BS | 541.1 | 1.0 | ◆ | 休止中 | |||
- | 壇之浦PA | 541.7 | 1.6 | 福岡方面のみ設置 | ||||
- | 関門橋 | 橋長 1,068m | ||||||
福岡県 北九州市 | ||||||||
- | めかりPA | 543.1 | 3.0 | 広島方面のみ設置 門司港ICから流入不可 | ||||
38 | 門司港IC/BS | 県道72号黒川白野江東本町線 | 544.4 | 4.3 | ○ | 広島方面出入口 | ||
1 | 門司IC | 北九州高速4号線 県道72号黒川白野江東本町線 |
549.5 | 9.4 | ||||
九州自動車道 福岡・鳥栖方面 |
SA・PA
休憩施設は福岡方面に壇ノ浦PA、山口方面にめかりPAがそれぞれ設置されている。どちらも本州と九州の対岸に位置したPAでレストランと24時間営業の売店が備わっている。壇ノ浦PAには宿泊施設(ファミリーロッジ旅籠屋)もある。ただし、ガソリンスタンドはどちらのPAにも設置されていない。
通過する自治体
交通量
- 斜字は推計値を示す。
料金 | 区間 | 平成17年度 (2005年度) |
平成22年度(2010年度) | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
台数 | 混雑度 | |||||
有料 | 下関IC-門司港IC | 28,837 | 61,384 | 0.73 | 山口 | |
0.71 | 福岡 | |||||
門司港IC-門司IC | 26,446 | 39,790 | 0.80 |
平成22年度調査の交通量が平成17年度調査のものに比べて極端に増大しているのは、調査期間中が関門国道トンネルのリフレッシュ工事中であったためで、通常はトンネルに向かう交通量がすべて関門橋に集まったことによるものである。
主な施設
- 和布刈トンネル(下関IC - 門司港IC間)
- 門司側の和布刈公園の真下をトンネルで通過している。
- 上下本線と、門司港IC(ハーフインターチェンジ)のランプウェイ(対面通行区間)の計3本が存在する。
- なお、門司港ICからめかりPAを利用することはできない理由は、地形上の制約により和布刈トンネル出口から本線合流部までのランプウェイを両者で共用しているためである。
- 全長 - 520m(上り線)、580m(下り線)、630m(門司港ICランプ部)
- 山中トンネル(門司港IC - 門司IC間)
- 大久保トンネル(門司港IC - 門司IC間)
関門国道トンネルとの関係
関門橋に平行する国道2号関門国道トンネルは開通から半世紀、建設開始からは70年以上が経過し、老朽化が著しくなっている。このため、定期的に大規模な補修事業を繰り返す必要に迫られている。
補修事業が行われ、関門国道トンネルが全面通行止めとなる場合には、下関IC - 門司港ICと門司ICに限り国道トンネルの料金で関門橋を利用することができる[8]。逆に、台風などにより関門橋が通行止めとなる場合には、国道トンネルに振り替えが行われる。国道トンネルを通っても関門橋を通ったことと見做され、国道トンネルの料金を別に請求されることはない[9]。
上記の事情もあり、NEXCO西日本が現在に至るまで関門橋と関門国道トンネル両者を一括して管理している。
ギャラリー
発行物
脚注
関連項目
外部リンク
- 西日本高速道路
- 関門橋 - 山口県観光連盟
- JRおでかけネット 関門橋 - JR西日本
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ 同様の指定形態を取る高速道路は他に新空港自動車道(成田国際空港線)、関西空港自動車道(関西国際空港線)、沖縄自動車道がある。
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ もっとも直近でこの制度が適用となったケースは、2009年9月1日から12月18日まで行われた、関門トンネル大規模リフレッシュ工事に伴うもの。この間は、関門トンネルの回数券で関門橋区間が通過可能となった。また人道も対象となったため、歩行者は代行バス、125cc以下の二輪車は代行トラック便を利用し、関門橋を通ることとなった。
- ↑ ただし関門橋が通行止めとなった場合は、危険物積載車両については関門国道トンネルが危険物積載車両通行禁止になっているため、当該車両は関門橋の通行再開まで足止めを食うことになる。