瀬戸中央自動車道
テンプレート:Infobox road 瀬戸中央自動車道(せとちゅうおうじどうしゃどう、テンプレート:Lang-en)は、本州四国連絡道路児島・坂出ルートで、岡山県都窪郡早島町の山陽自動車道早島ICから香川県坂出市の高松自動車道坂出ICを結ぶ、延長37.3kmの高規格幹線道路(国道30号の自動車専用道路)である。略称は瀬戸中央道。
概要
- 起点 : 都窪郡早島町下野
- 終点 : 坂出市川津町下川津
- 延長 : 37.3km
- 規格 : 第1種第2級
- 設計速度 : 100km/h
- 車線 : 4車線
- 道路幅員 : 25.0m
- 総事業費 : 1兆1338億円
- 工期 : 1978年(昭和53年)10月10日-1988年(昭和63年)4月10日
- 最高速度 : 80km/h(児島IC-坂出IC)、100km/h(早島IC-児島IC)
- 最低速度 : 50km/h
橋梁部分は、上部に4車線の瀬戸中央自動車道が走り、下部に本四備讃線(愛称:瀬戸大橋線)(下部には将来新幹線が走れるように複々線の幅員になっているが、現在は暫定的に在来線のみ設置されている。)が通る2階建ての構造である、鉄道道路併用橋である。
着工から9年6ヶ月を経て、日本の持つ最先端技術を駆使し、1988年(昭和63年)4月10日に開通した。
瀬戸大橋区間では、強風・積雪時には全面通行止めになる前段階として、二輪車が通行止めとなることがある。
通過市町村
利用状況
本四道路3ルートの中で通行料金を比較してみると、海峡部では普通車で1km当たり約220.13円であり、来島海峡大橋(約232.88円/km)に次ぐ高額な設定となっている。しかも他ルートに比べて海峡部が長いため、割高感も大きくなっている。開通当初は児島-坂出北の普通車が5,500円で、1km当たりにすると約345.91円という料金であった。 他の本四道路と共に、数回に亘って通行料金の引き下げが行われた。利用の増加を見込んだが、なお想定を大きく下回った交通量を補うことができず、本州四国連絡橋公団は実質的破綻状態に至った。このルートは以前から四国フェリーと宇高国道フェリーの過当競争が行われている区間であり、カーフェリーのほうが料金が安く、所要時間にも大差ないため、架橋ルートが海上航路に競争で負ける結果となったのである。
高松市・岡山市とも市街からは架橋ルートがかなり遠回りになる。そのうえ岡山ICと岡山市街の間は国道53号の渋滞が慢性化しており、時間短縮効果もここで減殺されてしまう。また、開通当初は四国の高速道路と接続しておらず(そもそも高速道路網自体がさほど整備されていなかった)、また本州側も山陽自動車道の倉敷JCT以東(岡山自動車道も)が未開通だった。 山陽自動車道は1997年12月に全通したが、半年もたたない1998年4月に神戸淡路鳴門自動車道(明石海峡大橋)も全通し、その後高松自動車道も鳴門まで開通したため、京阪神以東から四国に入る高速バスが瀬戸大橋ではなく明石海峡大橋経由にシフトしつつある。 しかし、高松自動車道高松中央IC以西と中国自動車道西宮北IC以東との間は瀬戸中央道経由のほうが安く行くことができる。これはNEXCO部分の料金はどちらを通っても同じで、JB部分は瀬戸中央道の方が安いためである。
政府の「生活対策」による高速道路料金の引下げでETC搭載車両に限り地方部は休日上限1,000円となったが、2009年3月20日から本四高速と東京湾アクアラインで先行実施されていた(すべて2011年6月19日終了)。2011年6月25日から2012年4月8日までは2,050円、2012年4月14日以降は1,900円(いずれも早島IC-坂出IC間の普通車片道料金、同一区間での軽自動車等では現在1,550円)となっている。
通行料金の収受業務は瀬戸大橋総合開発(本社:坂出市)に委託している。同社は瀬戸大橋開通に伴う船舶会社の離職者対策会社である。高速バス会社の高松エクスプレスは瀬戸中央道を経由する路線を持たないが、その設立の経緯から以前は瀬戸大橋総合開発も出資(第3位の株主)していた[1]。
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が■である部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色が■である部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。
- 路線名の特記がないものは市道。
- BSのうち、○は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 起点から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
山陽自動車道 広島・神戸方面 | |||||||
1 | 早島IC/TB | 国道2号(岡山バイパス) | 0.0 | ◆ | TBは山陽道方面 | 岡山県 | 早島町 |
- | 有城南BS | - | 4.0 | ○ | 倉敷市 | ||
- | 粒江PA | - | 6.8 | ||||
2 | 水島IC | 県道21号岡山児島線 | 8.2 | ◆ | |||
- | 稗田BS | - | 11.6 | ◆ | 休止中 | ||
- | 鴻ノ池SA | - | 15.5 | ||||
3 | 児島IC | 18.8 | ○ | ||||
- | 鷲羽山北BS | - | 20.2 | ○ | |||
3-1 | 櫃石島BS/(IC) | 県道273号櫃石島線 | 22.6 | ○ | 一般車流出不可 | 香川県 | 坂出市 |
3-2 | 岩黒島BS/(IC) | 24.4 | ○ | ICは下り線 一般車流出不可 | |||
3-3 | 与島PA/(IC) | 県道274号与島線 | 26.4 | ○ | 一般車はICから流出不可 | ||
4 | 坂出北IC | さぬき浜街道 | 34.7 | 早島方面出入口 | |||
- | 坂出八幡BS | - | 35.5 | ◆ | 休止中 | ||
5 | 坂出IC/TB | 国道11号(坂出丸亀バイパス) | 37.3 | ◆ | TBは高松道方面 | ||
高松自動車道 高松・松山方面 |
- 瀬戸中央自動車道のPA・SAには給油所が無い(2008年8月31日に鴻ノ池SA下り線の給油所が閉鎖)。
- 櫃石島、岩黒島、与島には島民専用のICが存在し、カード式の無人ゲートとなっている。島民と路線バス、緊急自動車等の通行用であり、一般車の通行は禁止されている。
主な構造物
- 下津井瀬戸大橋(橋長1,447m)
- 櫃石島高架橋(橋長1,326m)
- 櫃石島橋(橋長792m)
- 岩黒島高架橋(橋長93m)
- 岩黒島橋(橋長792m)
- 与島橋(橋長850m)
- 与島高架橋(橋長717m)
- 北備讃瀬戸大橋(橋長1,611m)
- 南備讃瀬戸大橋(橋長1,723m)
- 番の州高架橋(橋長2,939m)
沿革
- 1970年(昭和45年)7月1日 : 本州四国連絡橋公団設立。日本道路公団および日本鉄道建設公団の本四連絡にかかる業務を承継。
- 1978年(昭和53年)10月10日 : 起工式。(坂出市番ノ州にて)
- 1980年(昭和55年)6月26日 : 坂出市の陸上部測量のため、聖通寺山で最初の幅杭打ち開始。
- 1981年(昭和56年)3月24日 : 下津井瀬戸大橋着工。
- 1981年(昭和56年)9月19日 : 岩黒島橋着工。
- 1981年(昭和56年)11月17日 : 鷲羽山トンネルを四つ目構造の複断面トンネルで建設することに決定。当初はオープンカット工法の計画だったが、景観上の配慮のため変更。同構造の採用は世界初。
- 1982年(昭和57年)10月12日 : 瀬戸大橋の橋色がライトグレーに決定。
- 1982年(昭和57年)10月21日 : 鷲羽山トンネル掘削開始。(西側鉄道トンネル)
- 1983年(昭和58年)3月25日 : この時点においての用地取得状況を、岡山県51.2%、香川県28.6%と発表。
- 1983年(昭和58年)4月8日 : 岩黒島高架橋着工。
- 1983年(昭和58年)5月1日 : 櫃石島高架橋着工。
- 1983年(昭和58年)7月8日 : 与島高架橋着工。
- 1984年(昭和59年)7月4日 : 坂出北IC建設地の幅杭打ち開始。
- 1984年(昭和59年)8月28日 : 早島IC建設地の幅杭打ち開始。
- 1984年(昭和59年)10月25日 : 坂出IC建設地の幅杭打ち開始。
- 1985年(昭和60年)3月28日 : 番の州高架橋下部工が5年がかりで完成。
- 1985年(昭和60年)3月31日 : 岡山県側の用地取得状況が70%を越える。
- 1985年(昭和60年)7月6日 : 坂出北ICの高架橋下部工の工事着手。
- 1985年(昭和60年)8月7日 : 早島ICの工事着手。
- 1985年(昭和60年)11月26日 : 鷲羽山トンネルの道路用上り線が貫通。
- 1985年(昭和60年)12月31日 : この時点においての用地取得状況を、岡山県95.9%、香川県97.0%と発表。
- 1986年(昭和61年)4月17日 : 道路部の塩生トンネルが貫通。
- 1986年(昭和61年)10月6日 : 道路部の柳田トンネルが貫通。
- 1986年(昭和61年)10月30日 : 道路部の正面山トンネル(上り線)が貫通。
- 1987年(昭和62年)1月17日 : 鷲羽山トンネルで最後の、道路用下り線が貫通。
- 1987年(昭和62年)5月20日 : 本州四国連絡橋公団が瀬戸大橋の開通を1988年4月と発表。
- 1987年(昭和62年)5月25日 : 本州四国連絡橋公団が瀬戸大橋道路部の名称を瀬戸中央自動車道と発表。
- 1987年(昭和62年)8月12日 : すべての橋桁が閉合。
- 1987年(昭和62年)12月16日 : 瀬戸中央自動車道で最後まで残っていた菰池高架橋が連結、全線が繋がる。
- 1988年(昭和63年)3月1日 : 山陽自動車道の早島IC-福山東IC(L=39.3km)が開通し、本土の西への道路網整備が整う。
- 1988年(昭和63年)3月20日 : 瀬戸大橋架橋記念博覧会を開催。( - 同年8月31日まで)
- 1988年(昭和63年)4月10日 : 瀬戸中央自動車道と、本四備讃線の全線が開業。(与島にて瀬戸大橋開通式を開催)
- 1992年(平成4年)4月19日 : 高松自動車道の坂出IC-坂出JCT、高松西IC-善通寺ICが開通し、四国の高速道路と接続。
- 時期不定 : 料金収受方法の変更に伴い、早島本線料金所の下り線ブース、及び坂出本線料金所の上り線ブースを廃止。
- 2003年(平成15年)7月 : 通行料金を10%値下げ。
- 2005年(平成17年)10月1日 : 日本道路公団等民営化関係法により、日本高速道路保有・債務返済機構ならびに本州四国連絡高速道路に承継。(本州四国連絡橋公団は解散)
交通量
海峡部の交通量は一日当たり約1万6千台。また全線を通した交通量は本州側陸上部が最も多く、四国側に進むにつれて減少し、四国側陸上部が最も少なくなる。昼間12時間における平均旅行速度は全線を通して速く、最高速度(本州側陸上部100km/h、海峡部・四国側陸上部80km/h)を超えている区間が多い。
2010年
区間 | 交通量 | 昼間 混雑度 |
昼間平均旅行速度 | ||
---|---|---|---|---|---|
2010年 | 前回比 | 上り | 下り | ||
早島IC-水島IC | 1万7940台 | +2860台 | 0.31 | 91.1km/h | 94.3km/h |
水島IC-児島IC | 1万4946台 | +2747台 | 0.37 | 94.9km/h | 107.5km/h |
児島IC-櫃石島IC | 1万6096台 | +2972台 | 0.34 | 90.0km/h | 92.1km/h |
櫃石島IC-与島IC | 1万6022台 | +2898台 | 0.28 | 90.1km/h | 92.1km/h |
与島IC-坂出北IC | 1万6027台 | +2725台 | 0.28 | 90.0km/h | 92.1km/h |
坂出北IC-坂出IC | 1万1448台 | +1922台 | 0.29 | 62.7km/h | 73.4km/h |
平均 | 1万5413台 | +2687台 | 0.31 | 86.5km/h | 91.9km/h |
櫃石島IC及び与島ICは島民以外の一般車出入不可。
2005年
24時間交通量(平成17年度道路交通センサス)
岡山県
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香川県
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関連項目
- 瀬戸大橋
- 瀬戸大橋線 : JR西日本・JR四国の鉄道路線。
- 四国新幹線 : 全国新幹線鉄道整備法による「四国横断新幹線」。
- 塩飽諸島
- 本州四国連絡橋
- 本州四国連絡道路
- 高規格幹線道路
- 中国地方の道路一覧
- 四国地方の道路一覧
脚注
- ↑ 現在は加藤汽船の完全子会社。
- ↑ 平成22年度 全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)
外部リンク
- 瀬戸中央自動車道 - 本州四国連絡高速道路
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