直通運転
鉄道における直通運転(ちょくつううんてん)とは、異なる路線や鉄道事業者にまたがって旅客列車を運転することである。同一路線内を通す運転を指す場合もある。英語ではtrackage rightsまたはThrough Trainと表現する(en:Through_Trainを参照)。
概要
異なる路線へ乗り換えなしで往来可能であり、都市圏の鉄道路線では乗換えによる駅ホームの混雑や停車時間増加に伴う列車遅延を防止するために設定されている。一方で、ダイヤ乱れが生じると直通先の路線にも波及しやすく、ダイヤ乱れの影響を抑えるために一時的に直通運転を中止するケースがある。
鉄道事業者間での直通運転は、相互に車両が乗り入れる相互直通運転(相互乗り入れ)、一方からのみの車両が乗り入れる片方向直通運転(片乗り入れ)の二通りの方法がある。このため、時として相手方の路線内だけを往復する運用や運用の持ち替えが見られる。
日本では、運輸大臣の諮問機関である運輸政策審議会が決定する答申において、新規路線の計画段階からあらかじめ直通運転を前提とした建設計画が策定されている。
歴史
直通運転の歴史は明治時代から遡る。1950年代以前にも奈良電気鉄道と近畿日本鉄道、および同鉄道と京阪電気鉄道などの異事業者での直通運転はあったが、本格的に異事業者間で直通運転開始をしたのは1960年代になってからである。
民鉄と地下鉄との相互乗り入れ黎明期は、各駅停車による直通運転を原則としていた。地下鉄に民鉄の優等列車が定期列車で初めて乗り入れしたのは1964年10月1日に京成電鉄が都営地下鉄浅草線に通勤準急(現在廃止)を乗り入れさせたのが最初である[1]。
なお、かつては同一会社の路線が別会社に分割されて新たに直通運転となった例や、これとは逆に、かつては別会社同士の直通運転だったものが、同一会社の路線となり直通運転でなくなった例も存在する[2]。この他にも、一旦は直通運転を廃止したものの、運営形態の変更により営業上および書類上は再び直通運転となった例もあり、[3]また、車両の譲渡などの理由により、それまで片方向直通運転だったものが相互直通運転に変更された例もある[4]。 テンプレート:節stub
年表
- 1904年(明治37年)4月5日:東武亀戸線が開業。亀戸駅を介して総武鉄道線(現・JR総武本線)両国橋駅(現・両国駅)まで直通運転を開始。
- 1910年(明治43年)3月27日:東武亀戸線 - 国鉄総武本線の直通運転を廃止。
- 1939年(昭和14年)9月16日:新橋駅を介して東京地下鉄道と東京高速鉄道の直通運転を開始。地下鉄間で初めての直通運転となったが、後に帝都高速度交通営団に統合され、営団地下鉄銀座線(現・東京メトロ銀座線)となる。
- 1960年(昭和35年)12月4日:都営地下鉄浅草線が部分開業。押上駅を介して京成押上線と直通運転を開始。地下鉄と郊外の民鉄事業者による初の直通運転となる。
- 1961年(昭和36年)12月10日:伊豆急行線が全線開業。伊東駅を介して国鉄伊東線(現・JR伊東線)と直通運転を開始。
- 1962年(昭和37年)5月31日:営団地下鉄日比谷線(現・東京メトロ日比谷線)が北千住駅まで延伸開業。同駅を介して東武伊勢崎線と直通運転を開始。
- 1964年(昭和39年)8月29日:営団地下鉄日比谷線が全線開業。中目黒駅を介して東急東横線と直通運転を開始。
- 1966年(昭和41年)4月28日:中野駅を介して国鉄中央本線(現・JR中央・総武緩行線) - 営団地下鉄東西線(現・東京メトロ東西線)と直通運転を開始。
- 1968年(昭和43年)
- 1969年(昭和44年)
- 1970年(昭和45年)2月24日:北大阪急行電鉄南北線が開業。江坂駅を介して大阪市営地下鉄御堂筋線と直通運転を開始。
- 1971年(昭和46年)
- 1978年(昭和53年)
- 1979年(昭和54年)
- 1980年(昭和55年)3月16日:都営地下鉄新宿線が新宿駅まで延伸開業。同駅を介して京王新線と直通運転を開始。
- 1983年(昭和58年)
- 1985年(昭和60年)3月14日:鹿島臨海鉄道大洗鹿島線が開業。北鹿島駅(現・鹿島サッカースタジアム駅)を介して国鉄鹿島線と直通運転を開始。
- 1986年(昭和61年)
- 10月1日:近鉄東大阪線(現・近鉄けいはんな線)が部分開業。長田駅を介して大阪市営地下鉄中央線と直通運転を開始。
- 10月9日:野岩鉄道会津鬼怒川線が全線開業。新藤原駅を介して東武鬼怒川線と直通運転を開始。
- 1987年(昭和62年)8月25日:営団地下鉄有楽町線が和光市駅まで延伸開業。同駅を介して東武東上本線と直通運転を開始。
- 1988年(昭和63年)
- 4月2日:北神急行電鉄北神線が開業。新神戸駅を介して神戸市営地下鉄西神・山手線と直通運転を開始。
- 8月28日:竹田駅を介して近鉄京都線 - 京都市営地下鉄烏丸線の直通運転を開始。
- 1991年(平成3年)3月31日:北総鉄道北総線が京成高砂駅まで延伸開業。同駅を介して京成本線と直通運転を開始。
- 1992年(平成4年)
- 3月26日:阿佐海岸鉄道阿佐東線が開業。海部駅を介してJR牟岐線と直通運転を開始。
- 7月8日:北総鉄道北総線 - 新京成電鉄新京成線との直通運転を廃止。
- 1993年(平成5年)8月12日:名古屋市営地下鉄鶴舞線が全線開業。上小田井駅を介して名鉄犬山線と直通運転を開始。
- 1994年(平成6年)12月3日:智頭急行智頭線が開業。上郡駅を介してJR山陽本線と、智頭駅を介してJR因美線と直通運転を開始。
- 1996年(平成8年)4月27日:東葉高速鉄道東葉高速線が開業。西船橋駅を介して営団地下鉄東西線と直通運転を開始。
- 1997年(平成9年)
- 2000年(平成12年)9月26日:営団地下鉄南北線(現・東京メトロ南北線)・都営地下鉄三田線が全線開業。目黒駅を介して東急目黒線と直通運転を開始。
- 2001年(平成13年)3月28日:埼玉高速鉄道線が開業。赤羽岩淵駅を介して営団地下鉄南北線と直通運転を開始。
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)
- 3月19日:営団地下鉄半蔵門線が押上駅まで延伸開業。同駅を介して東武伊勢崎線と直通運転を開始。
- 3月27日:名古屋市営地下鉄上飯田線が開業。上飯田駅を介して名鉄小牧線と直通運転を開始。
- 2004年(平成16年)2月1日:横浜高速鉄道みなとみらい21線が開業。横浜駅を介して東急東横線と直通運転を開始。
- 2006年(平成18年)3月18日:栗橋駅を介してJR宇都宮線 - 東武日光線の直通運転を特急列車に限定して開始。
- 2007年(平成19年)3月18日:仙台空港鉄道仙台空港線が開業。名取駅を介してJR東北本線と直通運転を開始。
- 2009年(平成21年)3月20日:阪神なんば線が開業。大阪難波駅を介して近鉄難波線と直通運転を開始。
- 2013年(平成25年)3月16日:
- 渋谷駅を介して東急東横線 - 東京メトロ副都心線の直通運転を開始。
- 東急東横線 - 東京メトロ日比谷線の直通運転を終了。地下鉄と郊外の民鉄事業者による初の直通運転終了となる。
運行方法
直通運転にあたっては、線路を接続させるだけでなく、施設・運転業務面や旅客案内・営業面・遺失物の取り扱いでの連係が不可欠である。
地上設備
乗り入れ開始後は路線末端の駅が中間駅となるため接続駅では、必要に応じて線路配線や信号設備の変更、ホームや案内表示の新設などを行う。運用の変更に伴い車両基地の改修・新設・移転などを実施する場合もある。
直通運転を実施する路線の軌間が異なる場合は、軌間をどちらか一方に合わせて改軌するか、両方の車両が走行できるように三線軌化が行われる。また、双方の設備はそのまま、スペイン・フランス国境のようにタルゴのような軌間可変車両を導入したり、中国とロシア・モンゴルの国境のように台車の交換により直通を実施する場合がある。この場合、接続部にはそのための地上設備が設けられる。
電気方式が異なる場合には、電気方式を一方に合わせて変更するか、複数の異なる電気方式でも走行できる設備を備えた車両(複電圧車や交流直流両用車両等)を投入して対応する。また、電化区間と非電化区間の直通運転を行う場合、気動車列車においてはそのまま、客車列車においては機関車の交換により列車を直通させることができるが、電車はそのままでは非電化区間に直通することができない。この場合、自車にサービス用電源をまかなうための発電機を搭載したり、発電機を搭載した控車(電源車)を連結して機関車牽引により直通運転を実施する例がある。
車両
直通運転を行う車両は、乗り入れ先との協定によって長さや幅、高さ、扉数やその位置等の車体関係のみならず、列車保安設備や加減速度、操縦方法などが細かく定められる。また、複数の保安装置(ATS・ATC等)や列車無線の通信方式、信号方式などに対応するため、こうした設備を重複して搭載している[5]。
なお阪神電気鉄道 - 近畿日本鉄道のように車両長の規格を揃えずに相互乗り入れを実施している事例もある。
輸送・旅客営業面
乗務員や運転指令の訓練、列車案内システムなどの整備が行われる。また連絡乗車券類の発売、乗り入れ先での拾得物取扱いなども必要となる。
日本における相互直通運転
日本における相互直通運転の実施例を示す。境界駅は《駅名》で示し、JR在来線で特急列車のみが直通する線区については斜体で表示する。臨時列車については省略する。
JR線相互
- JR東日本奥羽本線─津軽線←《中小国駅》→JR北海道海峡線─江差線─函館本線(津軽海峡線)
- JR東日本東海道本線←《熱海駅》→JR東海東海道本線
- JR東日本篠ノ井線─中央本線(中央東線)←《辰野駅》→JR東海飯田線
- JR東日本篠ノ井線←《塩尻駅》→JR東海中央本線(中央西線)
- JR東日本信越本線←《直江津駅》→JR西日本北陸本線(定期列車は特急のみ)
- JR東海東海道新幹線←《新大阪駅》→JR西日本山陽新幹線
- JR東海東海道本線←《米原駅》→JR西日本東海道本線(東海車は特急車両のみ乗り入れ)
- JR西日本宇野線─本四備讃線←《児島駅》→JR四国本四備讃線─予讃線・土讃線(瀬戸大橋線)
- JR西日本山陽新幹線←《博多駅》→JR九州九州新幹線
九州旅客鉄道(JR九州)は、東京駅とを結んでいた「はやぶさ」と「富士」が廃止された2009年3月14日以降、2011年3月12日の九州新幹線博多─新八代間開業までの間、JR旅客他社との直通運転が全くない状態となっていた。以前は筑豊本線・日豊本線・鹿児島本線─JR九州山陽本線(関門トンネル)←《下関駅》→JR西日本山陽本線、列車によりさらに宇部線や山陰本線への直通があった。また寝台特急を中心にJR西日本の車掌が九州内でも乗務していた列車があった(1991年3月まではJR東日本の車掌が大分駅まで乗務していた列車もあった)。
JR線と私鉄・第三セクター
★地下鉄関連については後述
- JR東日本東北本線←《盛岡駅》→いわて銀河鉄道線(普通)※
- JR東日本東北本線←《名取駅》→仙台空港鉄道仙台空港線(仙台空港アクセス線、仙台 - 名取 - 仙台空港間)
- JR東日本山手(貨物)線─JR東日本東北本線(宇都宮線)←《栗橋駅》→東武日光線─東武鬼怒川線(特急「日光」、「きぬがわ」、「スペーシアきぬがわ」、「スペーシア日光」、(JR) 新宿 - (栗橋) - 下今市 - 東武日光・鬼怒川温泉間)
- JR東日本川越線─JR東日本埼京線←《大崎駅》→東京臨海高速鉄道りんかい線(川越 - 大宮 - 大崎 - 新木場間)
- JR東日本鹿島線(鹿島神宮駅)←《鹿島サッカースタジアム駅※臨時駅》→鹿島臨海鉄道大洗鹿島線(鹿島神宮 - 鹿島サッカースタジアム駅の1区間のみJRの扱いになる)
- JR東日本東海道本線─伊東線←《伊東駅》→伊豆急行線(特急「踊り子」、「スーパービュー踊り子」、「リゾート踊り子」、普通列車(東海道本線には直通しない。かつては東京からの直通普通列車があった))
- JR東日本東海道本線←《熱海駅》→JR東海東海道本線←《三島駅》→伊豆箱根鉄道駿豆線(特急「踊り子」のみ駿豆線へ直通)
- JR東日本信越本線←《篠ノ井駅》→しなの鉄道線(長野 - 篠ノ井 - 軽井沢間)※
- JR東海関西本線←《河原田駅》→伊勢鉄道伊勢線←《津駅》→JR東海紀勢本線(普通列車は伊勢鉄道車のみ、紀勢本線へも直通する快速「みえ」・特急「南紀」はJR東海車のみ)※
- JR西日本七尾線─北陸本線←《直江津駅》→JR東日本信越本線←《犀潟駅》→北越急行ほくほく線←《六日町駅》→JR東日本上越線(特急「はくたか」、和倉温泉・福井 - 直江津 -(犀潟)-(六日町)- 越後湯沢。普通列車は最大で直江津 - 湯沢間。)
- JR西日本山陰本線←《福知山駅》→北近畿タンゴ鉄道宮福線(特急「はしだて」)
- JR西日本東海道本線─山陽本線←《上郡駅》→智頭急行智頭線←《智頭駅》→JR西日本因美線─山陰本線(特急「スーパーはくと」、「スーパーいなば」また普通列車は智頭急行の車両が因美線智頭駅 - 鳥取駅間片乗り入れしている)
- JR西日本福塩線←《神辺駅》→井原鉄道井原線
- JR西日本因美線←《郡家駅》→若桜鉄道若桜線※
- JR四国牟岐線←《海部駅》→阿佐海岸鉄道阿佐東線
- JR四国土讃線←《後免駅》→土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)
- JR四国土讃線←《窪川駅》→土佐くろしお鉄道中村線※─土佐くろしお鉄道宿毛線(特急「南風」、「しまんと」、「あしずり」)
※が付されているものは、第三セクター側の路線が元JR線であり、特定地方交通線や整備新幹線開業による並行在来線などの理由で経営分離されたものである。
私鉄・第三セクター相互
★地下鉄関連については後述
- 阪神本線─阪神神戸高速線(神戸高速鉄道東西線)←《西代駅》→山陽電気鉄道本線(直通特急等)
- 阪神本線―阪神なんば線←《大阪難波駅》→近鉄難波線―近鉄大阪線―近鉄奈良線(近鉄側では臨時列車ではこの限りではない)
- 運用される車両は阪神9000系・1000系、近鉄1020系・1026系・1252系・5800系・5820系・9020系・9820系と、臨時列車での22600系に限定される。[7]
- 阪神本線は6両編成以下のみ対応のため、それより多い両数の編成は尼崎駅で増解結を行う。
- 近畿日本鉄道の車両は阪神本線神戸三宮駅以西及び阪神本線尼崎駅以東では運用されない。
- 阪神電気鉄道の車両は近鉄大阪線布施駅以東では運用されない。
- 関西での大手私鉄同士の直通運転は前述の#歴史で記載した奈良電気鉄道を1963年に吸収した近畿日本鉄道(京都線)と京阪電気鉄道(本線・宇治線)との1968年の直通運転中止以来41年ぶりであり、なおかつ車両規格を統一せずに行われる直通運転は日本では珍しいケースである。
- 東武伊勢崎線―東武日光線―東武鬼怒川線←《新藤原駅》→野岩鉄道会津鬼怒川線←《会津高原尾瀬口駅》→会津鉄道会津線(快速・区間快速・普通、浅草 - 東武動物公園 - 下今市 - 新藤原 - 会津高原尾瀬口 - 会津田島間)
- 南海高野線←《中百舌鳥駅》→大阪府都市開発泉北高速鉄道線(準急の大半と一部の区間急行・各停、難波 - 中百舌鳥 - 和泉中央間)
- いわて銀河鉄道線←《目時駅》→青い森鉄道線(盛岡 - 目時 - 八戸間)
- 阪急宝塚本線 - 能勢電鉄妙見線 - 能勢電鉄日生線(特急「日生エクスプレス」)
- 2014年8月1日より阪急6000系の1編成が能勢電鉄に譲渡されたことに伴い、片乗り入れから変則的な相互乗り入れに変更となった。ただし、能勢電鉄6000系は阪急宝塚線8両編成車両と共通運用であることと1編成のみしかないため、日生エクスプレスに能勢電鉄車両が充当されることは少ない。また、能勢電鉄6000系は前述の理由で阪急線内での運用が中心であるため、自社線内での運用はほとんどないばかりか、阪急宝塚線宝塚方面や箕面線でも運用される場合もある。
地下鉄関連
首都圏の路線
- 東京メトロ日比谷線・半蔵門線関連
- 日比谷線と他線との直通で運用される車両は、全長18m級8両編成の地下鉄乗り入れ専用編成に限られる。
- 東武伊勢崎線と東京メトロ日比谷線で運用される車両は、ダイヤ乱れやイベントでの臨時列車を除き、東武伊勢崎線北千住以南/東武動物公園以北および東武日光線南栗橋以北では運用されない。
- 半蔵門線と他線との直通で運用される車両は、全長20m級10両編成の地下鉄乗り入れ専用編成に限られる。
- 半蔵門線と他線との直通で運用される車両は、東京急行電鉄の一部の車両(Kマークが貼付されている)を除いてこの4路線すべてで運用できる。ただし、直通編成は東武30000系を除いて10両固定編成のため、構内有効長の関係で東武伊勢崎線曳舟以西/館林以北と東武日光線南栗橋以北へは乗り入れられない[8]。
- 半蔵門線内には東武線側からの列車を折り返すのに十分な設備がないため、東武線から半蔵門線に直通する列車はすべて東急田園都市線に直通する。一方、東急田園都市線から半蔵門線内で折り返す運用は多数存在し、その中には東武車による運用も含まれる。
- 過去には日比谷線と東急東横線との直通運転が存在したが、2013年3月16日のダイヤ改正で直通運用を終了している。
東京メトロ日比谷線←《北千住駅》→東武伊勢崎線(緩行線【内側線】)┬ 東武伊勢崎線(複線区間)┬東武伊勢崎線 東急田園都市線←《渋谷駅》→東京メトロ半蔵門線←《押上駅》→東武伊勢崎線(急行線【外側線】)┘ └東武日光線
- 東京メトロ東西線関連
JR東日本中央緩行線←《中野駅》→東京メトロ東西線←《西船橋駅》┬→JR東日本総武緩行線 └→東葉高速線
小田急多摩線─小田急小田原線←《代々木上原駅》→東京メトロ千代田線(本線)←《綾瀬駅》[10]→JR東日本常磐緩行線
- 東京メトロ有楽町線・副都心線関連
- 東武鉄道・西武鉄道の車両は互いの路線へ直通できない。ただし、西武鉄道の車両が東京地下鉄線小竹向原以北和光市まで運用されることはある。
- 東京地下鉄・東京急行電鉄・横浜高速鉄道の車両は西武池袋線飯能以西と桜台方面の練馬以東では運用されない。[11]
- 東京地下鉄・東京急行電鉄・横浜高速鉄道の車両は通常、東武東上線森林公園以北と上板橋・池袋方面の和光市以南では運用されない。
- 例外として東京地下鉄・東京急行電鉄・横浜高速鉄道の車両は、精算運用時や試運転列車・臨時列車などでは森林公園以北で運用される。[12]
- 東京地下鉄・東京急行電鉄・横浜高速鉄道の8両編成は有楽町線小竹向原駅以南・東武東上線志木以北では運用されない。
- 各社の10両編成は東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい21線内では急行・通勤特急・特急の運用に限られる。
- 定期ダイヤでは、東京急行電鉄・横浜高速鉄道の車両は、8,10両編成とも有楽町線小竹向原駅以南では運用されない。
- 定期ダイヤでは西武狭山線へは直通しない(西武ドームでイベント開催時のみの運用)。
東武東上線←《和光市駅》→東京メトロ有楽町線─┐┌─→東京メトロ有楽町線 西武狭山線─西武池袋線─西武有楽町線←《小竹向原駅》→東京メトロ副都心線←《渋谷駅》→東急東横線←《横浜駅》→横浜高速鉄道みなとみらい21線
東急目黒線←《目黒駅》┬→東京メトロ南北線←《赤羽岩淵駅》→埼玉高速鉄道線 └→都営地下鉄三田線
- 都営地下鉄浅草線関連
- 京浜急行電鉄・京成電鉄・都営地下鉄・北総鉄道・芝山鉄道と直通運転は多岐にわたるが、運用区間は車両ごとに異なる。上記5者の車両はATSと列車無線が全て統一されており、京急の前面貫通扉を有しない車両と京成の動力台車を先頭に配していない車種以外は基本的にどの路線にも入線できる。そのため乗り入れ運用の制限は少なく、臨時の乗り入れ運用が行なわれることがある。
- 京成AE100形(シティライナー)・京成AE形(スカイライナー・モーニングライナー・イブニングライナー)は他社線に乗り入れできない。
- 京急線へは、先頭台車を電動台車とした車両のみ乗り入れ可能。先頭台車が付随台車の京成3500形未更新車・京成3600形8両編成は乗り入れできない[14]。
- 京急800形・2000形・2100形は他社線に乗り入れできない。貫通扉を有していない京急800形・2000形に関しては、同じ京急線でも、品川 - 泉岳寺間へも入線することは不可能である。なお、京急2100形に関しては、貫通扉を有しているので、泉岳寺まで乗り入れている[15]。
- 京成電鉄・北総鉄道の車両は京急本線京急蒲田以南で運用されない[16]。
- 京成電鉄・芝山鉄道の車両は3000形8両編成(アクセス特急用の50番台を含む)・3400形・3500形更新車と3700形を除き北総鉄道(京成成田空港線含む)で運用されない[17]。
- 北総鉄道の車両は京成本線青砥以西・高砂以東、京成成田空港線印旛日本医大以東、芝山鉄道線では運用されない[18]。
- 都営地下鉄の車両は京成本線青砥以西、京成成田以東、東成田線および京成成田空港線印旛日本医大以東、芝山鉄道線では運用されない[19]。
- 京浜急行電鉄の車両は京成本線青砥以西と、京成線内の停車駅予告装置を装備する600形・1000形10次車を除いて原則、京成本線高砂以東で運用されない。600形・1000形10次車共に成田空港線経由成田空港まで運用される[20][21]。なお、都営浅草線泉岳寺以南へ運用されることもある。
- 京成3200形は、最後までC-ATS未対応であったため、浅草線の保安機器が更新されてからは、京成線内のみで運用されていた。
- 京急空港線は羽田駅開業後から一時期まで6両編成までしか入線できなかったため、8両編成の北総車は北総線と京急空港線を直通する運用に入らず、主に浅草線内折り返し列車と京急久里浜方面の長距離運用に使われる変則的な運用であった。
- 京急空港線の羽田空港国際線ターミナル駅に設置されているホームドアは2・3ドア車のみの対応となっているため、4ドアの京急800形は空港線では運用されない。
京急久里浜線┬京急本線←《泉岳寺駅》→都営地下鉄浅草線←《押上駅》→京成押上線┐ 京急空港線┤ ┌──────────────────────────────┘ 京急逗子線┘ │ ┌←《京成高砂駅》→北総鉄道北総線[22]・京成成田空港線[22] └京成本線┴京成東成田線←《東成田駅》→芝山鉄道線
- 都営地下鉄新宿線関連
京王相模原線┬京王線←《笹塚駅》→京王新線←《(新線)新宿駅》→都営地下鉄新宿線 京王高尾線┤ 京王動物園線┘
首都圏以外の路線
- 名鉄小牧線←《上飯田駅》→名古屋市営地下鉄上飯田線
- 運用される車両は名鉄300系および名古屋市交通局7000形に限定される。
- 名鉄犬山線←《上小田井駅》→名古屋市営地下鉄鶴舞線←《赤池駅》→名鉄豊田線─三河線
- 大阪市営地下鉄堺筋線←《天神橋筋六丁目駅》→阪急千里線─京都本線
- 大阪市営地下鉄御堂筋線←《江坂駅》→北大阪急行電鉄南北線
- 大阪市営地下鉄中央線←《長田駅》→近鉄けいはんな線
- 京都市営地下鉄烏丸線←《竹田駅》→近鉄京都線─奈良線
- 北神急行電鉄北神線←《新神戸駅》→神戸市営地下鉄西神・山手線
- 福岡市地下鉄空港線←《姪浜駅》→JR九州筑肥線(筑肥東線)
片方向乗り入れ
JR線同士
隣接している線区についてのみ挙げる。夜行列車については省略。
JR線→私鉄・第三セクター
- JR北海道函館本線─千歳線─室蘭本線─函館本線─江差線─海峡線←JR東日本津軽線→青い森鉄道線→いわて銀河鉄道線←JR東日本東北本線[23]
- JR東日本大湊線→青い森鉄道線
- JR東日本八戸線→青い森鉄道線→いわて銀河鉄道線
- JR東日本花輪線→いわて銀河鉄道線←JR東日本東北本線
- JR東日本東海道本線→JR東海東海道本線→伊豆箱根鉄道駿豆線(特急「踊り子」)
- JR東日本中央本線→富士急行大月線─富士急行河口湖線(中央特快・通勤快速・快速・普通・「ホリデー快速富士山号」)[24]
- JR東海中央本線→愛知環状鉄道線[25]
- JR四国予土線→土佐くろしお鉄道中村線[26]
私鉄・第三セクター→JR線
- 三陸鉄道北リアス線→JR東日本山田線←三陸鉄道南リアス線
- 阿武隈急行線→JR東日本東北本線
- 会津鉄道会津線→JR東日本只見線─JR東日本磐越西線(磐越西線については、快速「AIZUマウントエクスプレス」の延長のみ)
- 鹿島臨海鉄道大洗鹿島線→JR東日本鹿島線(鹿島サッカースタジアム - 鹿島神宮間)
- 小田急小田原線→JR東海御殿場線(松田 - 御殿場間、特急「あさぎり」)
- JR東日本信越本線←北越急行ほくほく線→JR東日本上越線(普通)
- 井原鉄道井原線→JR西日本福塩線[27]
- 錦川鉄道錦川清流線→JR西日本岩徳線
- 肥薩おれんじ鉄道線→JR九州鹿児島本線(普通・快速「スーパーおれんじ」・快速「オーシャンライナーさつま」)
- 松浦鉄道西九州線→JR九州佐世保線(佐世保 - 早岐間)
私鉄・第三セクター→私鉄・第三セクター
- 西武池袋線─西武秩父線→秩父鉄道秩父本線(御花畑 - 長瀞間、影森 - 三峰口間)
- 小田急小田原線→箱根登山鉄道鉄道線(小田原 - 箱根湯本間、特急ロマンスカー・各駅停車)
- 会津鉄道会津線→野岩鉄道会津鬼怒川線→東武鬼怒川線(会津高原尾瀬口 - 新藤原 - 鬼怒川温泉間、快速「AIZUマウントエクスプレス」・「AIZU尾瀬エクスプレス」)
- 新京成電鉄新京成線→京成千葉線
- 山陽電気鉄道本線―阪神神戸高速線→阪急神戸高速線
- 山陽と阪神は相互直通運転を行っているが、阪急は新開地以西に乗り入れない。
- 山陽電気鉄道の車両は阪急三宮以東に乗り入れない。
地下鉄関連
- 京阪京津線→京都市営地下鉄東西線(御陵 - 京都市役所前 - 太秦天神川間)
日本国外の状況
日本国外においては、列車を運行する会社が他社の鉄道路線を走行する契約を線路使用権(せんろしようけん)ということがある。
日本国外においては日本の鉄道事業法に基づいた名称である鉄道事業者という名称がふさわしくないため、本節では別の表記を行う。
営業の範囲
列車運行会社(乗り入れる側)が、他社の所有する路線を走行する場合には線路使用権の契約が定められる。その契約では、前者が後者のどの区間で運行し、営業を行うかが子細に定められる。
前者は後者の路線を走行するが、貨客を問わず営業はしない契約形態もあり、それをオーバーヘッド・トラッケージ・ライト (Overhead trackage rights) またはインシデンシャル・トラッケージ・ライト (Incidental trackage rights) という。
時には、後者は自社での運行を取りやめ、前者の列車のみが運行されることがある。これは、路線の一部をリースさせているのと同義となる。
契約の期間
線路使用権は、必要に応じて一時的な契約であったり、長期に及ぶ場合もある。一時的に線路使用権を設定するときの例としては、災害により自社路線が被災した場合に、被災していない平行他社路線を使用して列車を運行する、というものがある。長期契約の例としては、他社路線を使用したほうが利益が高くなる場合や、他社路線を使用すると短絡できる場合がある。
アメリカ
ユニオン・ステーション(共同使用駅)は線路使用権を持つ例のひとつである。ユニオン・ステーションはたいていの場合、入換専業鉄道が保有しており、線路使用権も入換専業鉄道や、入換専業鉄道に出資している鉄道が使用する。
アメリカ合衆国においては、線路使用権の契約は陸上交通委員会に登録されており、公文書として閲覧できる。
韓国
韓国では、「直通」(직통)という用語は日本と同じ意味としても使っているが、一般的には鉄道や長距離バスなどで「急行」と同意語として使用することが多い。これは運行する区間の中にいる停車場を可及的に省略し、直ちに到達するというニュアンスを持つ用語である。韓国で長距離を運行する大部分の高速バスは「急行バス」(급행버스)がなく、「直通バス」(직통버스)がある。また、仁川国際空港鉄道では急行列車を公式的に「直通列車」(직통열차)と案内している。過去には首都圏電鉄1号線でも急行列車を「直通列車」と言ったが、現在は意味上の混乱を防止するために「急行列車」(급행열차)と変更した[28]。
そして、近来の韓国の鉄道界では「直通」という用語の曖昧さを回避するために、日本での「直通運転」(직통운전)に相当することは「直結運行」(직결운행)または「直結運転」(직결운전)に、「急行」のことは「急行」(급행)または「急行運転」(급행운전)といっている。
運用例
香港
- 軽鉄 (香港):614P←→615P(屯門環状路線)
- 兆康←(行先:614P 屯門埠頭)→鳳地←→景峰←→新墟←→何福堂←→杯渡←→市中心←→安定←→兆麟←→豊景園←→屯門泳池←→兆禧←(行先:614P 兆康)→屯門埠頭←(行先:615P 兆康)→美楽←→蝴蝶←→軽鉄車廠←→龍門←→青山村←→青雲←→鳴琴←→石排←→新囲←→良景←→田景←→建生←→青松←→麒麟←(行先:615P 屯門埠頭)→兆康
効果
テンプレート:節stub 直通運転により、目的地まで乗り換えなしで行けるメリットは少なくない。2013年3月16日に東京地下鉄副都心線を介して直通運転を開始した東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい21線・東武東上本線・西武有楽町線・西武池袋線を例にとると、2013年に川越市を訪れた観光客は630万人を超え、[32]これは川越を舞台にしたNHKの連続テレビ小説「つばさ」が放送された2009年を上回る過去最高のものとなった。[32]川越市の観光課によると、2013年4月から12月は神奈川県からの観光客が全体の約13%を占め、前年比で約6ポイント増えていると言う。[32]一方で横浜市への観光客も増加し、横浜高速鉄道によると、2013年4月から2014年2月までのみなとみらい線内の6駅の利用者数は前年比で約9.4%増加の約6370となった。[32]沿線に大型商業施設を抱えるみなとみらい駅は約20%、[32]元町・中華街駅も約7.6%増加した。[32]みなとみらい線沿線のホテル宿泊者や横浜駅周辺の百貨店利用者も増加している。[32]これに加え、沿線の私立学校の受験者の増加や、不動産価格の上昇も伴い、[32]埼玉や神奈川で沿線の商業面にプラスの効果を生み出している。
脚注
関連項目
- 地下鉄対応車両
- 地下鉄等旅客車
- 東北縦貫線計画
- ミニ新幹線
- 信楽高原鐵道列車衝突事故 - 直通運転に関連する鉄道事故