中百舌鳥駅
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中百舌鳥駅(なかもずえき)は、大阪府堺市北区中百舌鳥町2丁にある、南海電気鉄道、泉北高速鉄道、大阪市営地下鉄の駅。大阪市中心部と堺市南区に広がる泉北ニュータウンとを結ぶ交通の要衝となっており、朝晩の通勤時間には多くの利用客で賑わっている。
目次
利用可能な鉄道路線
特徴
- 南海高野線・泉北高速鉄道線の停車列車は準急、各停のみ。泉北高速鉄道と直通する区間急行は例外であり通過となる。この直通の区間急行は、1987年の御堂筋線中百舌鳥延伸開通とほぼ同じ時期に南海がダイヤ改正をして初めて設定したものであるため、南海の客を御堂筋線に奪われないようにするために設定されたものだと言われているが、あくまで泉北線住民の堺東、難波方面への遠近分離ダイヤであり7時から8時台のラッシュ時に25本中4本しか区間急行は運行されていない。ただし、御堂筋線内の事故など何らかのトラブルで地下鉄のなかもず駅が機能していない場合などは、振り替え輸送対応として、南海が急行を臨時停車させる措置を取ることもある。もっとも、準急、各停のみが停車する現在においても、ラッシュ時には地下鉄と南海・泉北高速との乗り換え客でホーム及び階段などが混雑する状況が続いており、転落などの危険性も高いためと、三国ヶ丘駅と同じ理由などで同駅への急行停車(区間急行以上)は様々な理由が重なって実現していない。
- 工場と田園風景が広がる土地であったが大阪府道28号大阪高石線開通以降、区画整理が進み商業施設も徐々に増加している。
- 地下鉄が延伸開通した1980年代には駅周辺に再開発計画があり、そごうと西武百貨店が出店競争を繰り広げた。しかしその後、バブル崩壊で再開発計画は頓挫。結果として百貨店は建設されず、予定地は売却されてマンションや商業ビルなどが建設された。詳細は堺市の「中百舌鳥副都心計画」を参照。
- 南海(泉北高速)側の駅ホームには、遅くとも1980年代前半に導入されたと思われる旧タイプのソラリ(パタパタ)式発車案内装置が残っている。急行停車駅の発車案内装置のLED化が進み、2011年9月現在、岸里玉出駅以南の高野線の駅としては唯一ソラリ式の表示装置が残存している。
- 読みにくい駅名なので、各社局で案内表記がそれぞれ異なり、同一社局内でも列車方向幕、駅名標、乗車券券面などの場所によって、「中百舌鳥」「なかもず」「中もず」が使い分けられている。地下鉄駅の案内は一般に平仮名表記(なかもず駅)だが、正式には地下鉄駅も漢字表記であって、切符などに中百舌鳥駅と表記される。地下鉄回数カード等の印字は、乗車時(上限3文字)は「中もず」、降車時(上限2文字)は「中百」である。また、泉北高速鉄道線内の駅標示や車両の方向幕などには「中もず」と混ぜ書き表記されていることもある(参照)。
南海電気鉄道・泉北高速鉄道
駅構造
南海高野線と泉北高速鉄道線は当駅で相互直通運転を行っており、両社の共同使用駅で、南海の管轄駅。島式ホーム2面4線と橋上駅舎を有する地上駅。ホーム有効長は10両。ホーム上に待合室が設置されている。
外側の1・4番線を高野線が、内側の2・3番線を泉北高速鉄道線および同線からの乗り入れ列車が使用している。1番線は高野山方面、4番線はなんば方面、2番線は和泉中央方面、3番線は難波方面が使用する。2・3番線ホームも南海高野線列車が入れる構造になっているが、臨時列車や回送列車以外では使われていない。待避可能な構造だが、通過待ちなどは1駅南の白鷺駅で行われている。なんば方にはY線構造の電留線1本が設置してあり、主に泉北高速鉄道線内折返しの各駅停車が使用する。
改札口は連絡通路を挟んで東西2か所ある。西側は1970年の橋上駅舎化時からあるもので、1995年に駅舎が増築された際に東側の改札口ができた。
ホーム | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | テンプレート:Color南海高野線 | 下り | 高野山方面 |
2 | テンプレート:Color泉北高速線 | - | 和泉中央方面 |
3 | テンプレート:Color南海高野線 | 上り | なんば方面(泉北高速線から) |
4 | テンプレート:Color南海高野線 | 上り | なんば方面(北野田方面から) |
隣の駅
- 南海電気鉄道
- テンプレート:Color高野線
- テンプレート:Color快速急行・テンプレート:Color急行・テンプレート:Color区間急行
- 通過
- テンプレート:Color準急行・テンプレート:Color各駅停車
- テンプレート:Color快速急行・テンプレート:Color急行・テンプレート:Color区間急行
- 泉北高速鉄道
- テンプレート:Color泉北高速鉄道線
- テンプレート:Color区間急行(平日高野線直通難波行きのみ)
- 通過
- テンプレート:Color準急行・テンプレート:Color各駅停車(各駅停車は上り1本のみ高野線に直通)
- 百舌鳥八幡駅(南海高野線) (NK58) - 中百舌鳥駅 (SB01) - 深井駅 (SB02)
- テンプレート:Color区間急行(平日高野線直通難波行きのみ)
大阪市営地下鉄
駅構造
島式ホーム1面2線の地下駅。改札口は1か所のみで、朝のラッシュ時にはかなりの混雑となっている。大阪市交通局の駅の中で最南に位置する。
ホーム | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1・2 | テンプレート:Color御堂筋線 | なんば・梅田・千里中央方面 |
隣の駅
- 大阪市営地下鉄
- テンプレート:Color御堂筋線
- 新金岡駅 (M29) - なかもず駅 (M30)
- ()内は駅番号を示す。
利用状況
- 南海電気鉄道 - 2012年度の他社線への連絡旅客を含む[1]1日平均乗降人員は94,100人で、2012年度の連絡旅客を含まない1日平均乗降人員は22,947人[2]、同社の駅(100駅)では12位[2]、高野線(難波-極楽橋間の42駅)では9位[2]である。また準急以下のみ停車する駅では三国ヶ丘に次いで2位[2]。
- 大阪市営地下鉄 - 2013年11月19日の乗降人員は79,324人(乗車人員:40,250人、降車人員:39,074人)である[3]。大阪市営地下鉄・ニュートラムの駅全体では107駅中14位、御堂筋線の駅(江坂駅-なかもず間)では梅田駅、なんば駅、天王寺駅、淀屋橋駅、本町駅、心斎橋駅(四ツ橋駅と合算)、新大阪駅、江坂駅に次いで26駅中9位である。
- 泉北高速鉄道 - 2012年度の他社線への連絡旅客を含む[1]1日平均乗降人員は118,208人である[4]。他社線連絡の数字を含んでいるため、ランキングはない。
各年度の1日乗降・乗車人員数は下表のとおりである。
- 南海、泉北高速鉄道のデータは1日平均である。
- 大阪市営地下鉄のデータは交通量調査に基づく特定の1日である。
年度 | 南海電気鉄道 | 大阪市営地下鉄 | 泉北高速鉄道 | 出典 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
乗降人員 | 順位 | 調査日 | 乗降人員 | 乗車人員 | 乗降人員 | |||
連絡旅客含む[5] | 連絡旅客除く[6] | 連絡旅客含む[7] | ||||||
1998年(平成10年) | 108,231 | - | - | 11月10日 | 69,241 | 35,379 | 139,795 | [8] |
1999年(平成11年) | 103,278 | - | - | - | 135,185 | [9] | ||
2000年(平成12年) | 101,132 | - | - | - | 133,322 | [10] | ||
2001年(平成13年) | 99,036 | - | - | - | 128,736 | [11] | ||
2002年(平成14年) | 97,134 | - | - | - | 126,160 | [12] | ||
2003年(平成15年) | 103,761 | - | - | - | 124,462 | [13] | ||
2004年(平成16年) | 95,111 | - | - | - | 123,158 | [14] | ||
2005年(平成17年) | 95,920 | - | - | - | 124,786 | [15] | ||
2006年(平成18年) | 96,140 | - | - | - | 124,681 | [16] | ||
2007年(平成19年) | 97,288 | - | - | 11月13日 | 79,680 | 40,520 | 124,265 | [17] |
2008年(平成20年) | 97,507 | - | - | 11月11日 | 79,540 | 40,452 | 124,066 | [18] |
2009年(平成21年) | 95,748 | - | - | 11月10日 | 78,599 | 39,880 | 120,595 | [19] |
2010年(平成22年) | 95,597 | - | - | 11月テンプレート:09日 | 77,898 | 39,616 | 119,408 | [20] |
2011年(平成23年) | 94,359 | 22,532 | 12位 | 11月テンプレート:08日 | 81,128 | 41,345 | 118,663 | [21] |
2012年(平成24年) | 94,100 | [2]22,947 | 12位 | 11月13日 | 78,599 | 39,931 | 118,207 | [22] |
2013年(平成25年) | 11月19日 | 79,324 | 40,250 |
駅周辺
公共機関
- 大阪府立大学中百舌鳥キャンパス
- 堺市産業振興センター(じばしん南大阪)
- 堺商工会議所
- 大阪市交通局中百舌鳥検車場[23][24]
商業施設
- 天牛堺書店 中もず店(南海駅構内)
- ダイコクドラッグ なかもず駅前店
- TSUTAYA アミ中百舌鳥駅前店
- エディオン なかもず店
- ライフ なかもず店
- デイリーカナート 中百舌鳥店
- 業務スーパー なかもず店
- サンプラザ パスト中百舌鳥店
- コーナン中もず店(グルメシティ、UNIQLO、ABC-MART、マックハウス、天牛堺書店などが入居する複合施設)
- わんだーらんど なかもず本店
- 古本市場 なかもず店
- イレブン なかもず店
その他
バス路線
路線バス
北口
- 南海ウイングバス金岡
- 53系統、特53号系統 初芝駅前経由 平尾行き
南口
エアポートリムジンバス
深夜急行バス
- 南海深夜急行バス 北口から発車
- 泉北ニュータウン経由 和泉府中駅前行き
歴史
- 1912年(大正元年)10月10日 - 高野登山鉄道(現在の南海高野線)の百舌鳥八幡駅 - 西村駅(現在の初芝駅)間に、同線の中百舌鳥駅新設。
- 1915年(大正4年)4月30日 - 社名変更により大阪高野鉄道の駅となる。
- 1922年(大正11年)9月6日 - 会社合併により南海鉄道高野線の駅となる。
- 1928年(昭和3年)6月22日 - 複線化により相対式2面2線になる。
- 1944年(昭和19年)6月1日 - 会社合併により近畿日本鉄道の駅となる。
- 1947年(昭和22年)6月1日 - 路線譲渡により南海電気鉄道の駅となる。
- 1970年(昭和45年)11月23日 - 百舌鳥八幡寄りに170m移転。橋上駅舎化。2面4線になる。
- 1971年(昭和46年)4月1日 - 泉北高速鉄道線開業。南海の駅が共同使用駅となる。
- 1987年(昭和62年)4月18日 - 大阪市営地下鉄御堂筋線が我孫子駅から路線延伸、その終着駅として同線の中百舌鳥駅開業。
- 1995年(平成7年)4月1日 - 南海側の駅におけるバリアフリー兼増改築工事完成[26]。
その他
1917年(大正6年)当時は全国的にも珍しい女性駅長(松井花子、当時20歳)が勤務している事で特に有名だった[27]。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 南海と泉北高速は相互直通運転している別会社(現在は親 - 子会社の関係)である。よって、たとえホームに下りなかったとしても、別会社の路線を出入りする旅客(連絡旅客)は乗降人員として計上される。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 高野線・乗降人員 - 南海アド ここで表示される中百舌鳥駅の乗降人員は、大阪府都市開発(当時)との連絡旅客は計上されない。
- ↑ 路線駅別乗降人員 - 大阪市交通局、2013年11月19日
- ↑ 泉北高速鉄道ホームページ
- ↑ 泉北高速線への連絡旅客を含む
- ↑ 泉北高速線への連絡旅客を除く
- ↑ 南海高野線への連絡旅客を含む
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink
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- ↑ テンプレート:PDFlink
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- ↑ ただし、検車場への引込線は新金岡駅から延びている。
- ↑ 当駅止まりの回送車は検車場へとつながる引込線に進入することができる。
- ↑ 白鷺駅南口にあった旧南海ホークス2軍本拠地、解体後にマンションを建設。
- ↑ 泉北高速鉄道(当時は大阪府都市開発)が毎年奇数月に隔月(年6回)発行している駅置きの沿線情報誌『ブルーライナー』1995年5月刊行分の誌面より。
- ↑ 『少女画報』大正6年7月(6巻7号)P66
関連項目
外部リンク
- 駅ガイド:中百舌鳥駅 - 大阪市交通局
- 中百舌鳥駅(南海電鉄)