南海バス
南海バス株式会社(なんかいバス)は、南海電気鉄道自動車部より2001年10月に南海電気鉄道の100%子会社として分離し、発足したバス会社。
目次
概要
営業エリアは大阪府南部で路線バス、特定輸送事業を担う。路線バスは主に南海電鉄、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、JR阪和線、近鉄南大阪線の沿線を走り、一部路線では深夜バスも運行している[1]。かつては近鉄長野線富田林駅や喜志駅にも乗り入れていた。なお、南海沿線でも大阪市の大部分は大阪市バス、貝塚市は水鉄バス、北野田駅東部の一部区間は近鉄バスのエリアである。岬町の路線は中日臨海バス(現在は大新東)に譲渡し撤退している。
南海各線沿線及び泉北高速鉄道沿線より高速バス、関西国際空港への空港リムジンバスを運行。また、大阪駅・難波駅より南海高野線沿線及び泉北高速鉄道沿線、中百舌鳥駅から泉北高速鉄道沿線への深夜急行バスも運行。
2008年4月より、深夜バス「関西空港 - 泉佐野駅・日根野線」の運行を開始(上記の深夜バスとは異なる)。
子会社として南海ウイングバス金岡、南海ウイングバス南部がある。これ以外での南海グループのバス会社(和歌山・徳島県内の会社)は南海電鉄の子会社であり、南海バスとは兄弟会社の関係である。
観光バス部門は別途分社化(南海観光バス)していたが、2003年にクリスタル(現ラディアホールディングス・プレミア)に和歌山南海観光バスと共に売却され、クリスタル観光バスの大阪営業所となった。それも更に2007年には大阪バス(旧大阪西鉄観光バス)に買収され、近畿観光バスの大阪営業所になっている。尚、現在もNANKAIのロゴを付けて運行している観光バスが見られるが、それは御坊南海バスの所属車である。
また2007年4月より、大阪市交通局井高野営業所の管理受託をしている。
一般バス路線においては、自社専用の「なんかいバスカード」と、スルッとKANSAI対応カードが利用できる。 また、PiTaPaは2013年度から2015年度の3年間で導入される予定で[2]、2014年4月1日より堺、東山両営業所[3]で導入を開始、同時に導入する阪堺電気軌道との間でICカード利用による乗継ぎ割引を実施するほか、交通系ICカード全国相互利用サービスにも対応している[4][5]。
高速バス路線
近年は首都圏の主要都市(立川、藤沢など)を中心に夜行高速バスが増設されている。なお最近新設された路線はOCAT(湊町ターミナル)、高速京田辺、京都駅八条口、さらに2012年7月から随時「大阪駅前(桜橋口 アルビ前)」を立ち寄るようになっている。なんば発着便であっても堺営業所へ回送で出入りしている。 一部の時刻表や案内においてサザンクロス号、あるいはサザンクロスという愛称で案内されている。車体にもSOUTHERN CROSS のロゴが記載されている。関西地区では阪神バスが運行する「サラダエクスプレス」等事業者で愛称を統一するケースが多く、共同運行の殆どの路線は共同運行相手と異なる愛称を名乗ったり愛称がない路線も存在する。
〔 〕内は共同運行会社。
夜行高速バス
- 堺・なんば - 新宿・東京 「ドリームなんば・堺号」 (南海バス単独運行)
- 神戸・なんば・京都 - 立川・玉川上水 〔山陽バス〕[6]
- なんば・京都 - 長野・湯田中 〔長電バス〕
- なんば・京都 - 秋葉原・成田空港・銚子 〔千葉交通〕
- 堺・なんば・京都 - 藤沢・鎌倉線 〔江ノ電バス藤沢〕
- 堺・なんば・京都 - 柏崎・長岡線 〔越後交通〕
昼行高速バス
- 大阪 - 鳴門・徳島 〔阪急バス、阪神バス、徳島バス〕
- 愛称は運行会社別に名乗っており、南海バスはサザンクロス。
- 明石海峡大橋開通前は、阪神、南海、徳島バスの三社運行であり、大磯港-淡路フェリーボート(現在は廃止)にバスごと乗り込んでいた。
- なんば - 高松 「たかなんフットバス(FOOT BUS)」 〔高松エクスプレス〕
- 本路線のみ、原則としてサザンクロスカラーの車両は用いられておらず、ソラエカラーの限定運用だったが、2010年9月2日より国分寺バスターミナルで夜間滞泊する2往復はサザンクロスカラーに置き換えられた。
- 2012年11月1日より「大阪駅前(桜橋口 アルビ前)」停留所に乗り入れている(ただし上り初発便は除く)。
- 2013年8月21日より南海バス運行便の2往復が3列シート車で運行している[7]。
リムジンバス
- 河内長野駅・金剛駅・泉北ニュータウン・和泉中央駅 - 関西国際空港
- 中百舌鳥駅・堺東駅・堺駅 - 関西国際空港
- 上記2路線は南海バス単独運行で、「Sorae」の愛称がつけられている。
- USJ - 関西国際空港 〔関西空港交通、大阪空港交通、阪神バス、近鉄バス〕
- 茨木 - 関西国際空港 〔関西空港交通、大阪空港交通、近鉄バス〕
- 西宮 - 関西国際空港 〔関西空港交通、大阪空港交通、阪神バス、阪急バス〕
- 東大阪(布施駅・長田駅) - 関西国際空港 〔関西空港交通、大阪バス、近鉄バス〕※2013年11月1日より運行開始[8]。
- 姫路駅 - 関西国際空港 〔関西空港交通、神姫バス〕
- 桜井駅・大和八木駅・高田市駅 - 関西国際空港 〔関西空港交通、奈良交通〕
- 徳島駅前 - 関西国際空港 〔関西空港交通、徳島バス、本四海峡バス〕
- 高松 - 関西国際空港 〔関西空港交通、四国高速バス、JR四国バス〕
- 岡山駅前 - 関西国際空港 〔関西空港交通、両備バス〕
- 名古屋 - 関西国際空港 〔関西空港交通〕
深夜急行バス
- 梅田・なんば - 堺東・泉北ニュータウン・和泉府中
- 梅田・なんば - 金剛・河内長野・林間田園都市
- 中百舌鳥・深井 - 泉北ニュータウン・和泉府中
- 愛称はないが、南海深夜急行バスと呼ばれている。
休止・廃止された路線
- USJ直通バス (なんば、堺、泉北から運行)
- 堺東駅前・堺駅前 - 天保山・南港コスモスクエア線
- 2011年9月1日より堺東駅前・堺駅前 -南港ATC線(堺南港線)として復活。
- 和歌山・泉佐野 - 西船橋・TDL (サザンクロス号) 〔京成電鉄〕
- 和歌山 - 渋谷 (サザンクロス号) 〔東急バス〕
- なんば - 富山 (サザンクロス号) 〔富山地方鉄道〕
- 昼行便・夜行便の両方とも存在していた。一旦廃止されたが現在は阪急バスと共同運行で 梅田 - 富山間に路線再開。(2003年12月24日運行開始)
- なんば - 志賀高原 (サザンクロス号、ナガデンエクスプレス) 〔長野電鉄〕
- 後に 難波 - 湯田中で復活
- 堺 ・なんば - 鹿児島 (サザンクロス号) 〔林田バス〕 <近鉄バス・鹿児島交通(ともに1994年より)>
- 堺 - 松山 (サザンクロス号) 〔西日本JRバス、JR四国バス〕
- 西日本ジェイアールバス、ジェイアール四国バスと共同運行、JR側の愛称:どっきん松山号。1998年に一旦廃止されたが、2003年に松山エクスプレス大阪号として運行再開。南海バスは共同運行に参入せず。
- 堺 - 呉 (サザンクロス号) 〔中国JRバス〕
- なんば - 福井・芦原温泉 (サザンクロス号) 〔京福電気鉄道(現京福バス)、福井鉄道〕
- 一旦廃止されたが現在は阪急バスと共同運行で 梅田 - 福井間に路線再開。(2007年12月22日運行開始)
- 堺東 - 筑前前原 (サザンクロス博多号) 〔西日本JRバス、昭和自動車、JR九州バス〕
- 堺東・なんば - 岡山・倉敷 (サザンクロス号) 〔両備バス〕
- 現在はなんばを起終点とし両備バスが単独運行。
- あべの橋・なんば - 広島 (南海バス単独運行、かつては中国JRバスと共同運行)
- 2013年8月9日廃止(同年8月8日発の便まで運行)
- 泉北 - 伊丹空港 〔大阪空港交通〕
- 2006年5月10日廃止 (同年5月9日まで運行)
- 梅田・なんば - 金剛・狭山ニュータウン・河内長野 (南海深夜急行バス)
- 2008年1月15日に廃止された(運行は同年1月11日まで)が、2009年12月1日に一部経路を変更、美加の台駅・林間田園都市駅まで延長し復活。
- 金剛・泉ヶ丘・和泉中央 - りんくうプレミアム・アウトレット「りんくうプレミアム・アウトレット号」(土日祝のみ運転)
- 2012年1月21日運行開始。Sorae(泉北・河内長野空港線、堺東空港線)のりんくうタウン(りんくうタウン駅前・りんくうプレミアム・アウトレット前※泉北・河内長野空港線のみ)経由化に伴い運行終了。
- 堺・なんば・神戸 - 佐世保・ハウステンボス 〔西肥自動車〕
コミュニティバス路線
運行路線
- おでかけ応援バス (堺市) ※「おでかけ応援カード」を持つ65歳以上の堺市民は1乗車100円で南海バス・近鉄バスを利用できる(「0と5の付く日のみ」から「祝休日や年始3日間を除く月曜日~金曜日」に拡大)[11]
- めぐ〜る (和泉市)
- 大阪狭山市循環バス (大阪狭山市)
- モックルコミュニティバス (河内長野市)
- 日野・滝畑コミュニティバス (河内長野市)
- 岩湧線 (河内長野市)
廃止路線
営業所
- 東山営業所 - 南海ウイングバス金岡に管理委託(同社本社も所在)
- 泉北営業所
- 所 在 地 - 堺市南区桃山台一丁23番2号(最寄停留所 桃山台口)
- 担当路線
- 泉北泉ヶ丘地区線、畑・鉢ヶ峯線、狭山ニュータウン線、金剛団地線、金剛東団地線、泉北栂地区線、泉ヶ丘・ハーベストの丘線
以上、堺ナンバー。2006年10月6日以前の登録は和泉ナンバー。
- 河内長野営業所
- 所 在 地 - 河内長野市錦町25番10号 (最寄停留所 長野車庫)
- 担当路線
- 天野山線、高向線、南青葉台線、河内長野庁舎線、美加の台団地線、岩湧線、小深線、小吹台団地線、小山田線、清見台団地線、千代田線、荘園町線、緑ヶ丘線、南花台・南ヶ丘線、南花台・大矢船西町線、加塩・南ヶ丘線、加塩・大矢船西町線、加塩・南花台循環、河内長野・泉ヶ丘線、河内長野・狭山ニュータウン線
- 空港営業所- 南海ウイングバス南部に管理委託
以上、和泉ナンバー
- 井高野営業所 (大阪市営バス井高野営業所)
- 所在地: 大阪市東淀川区井高野四丁目3番59号
- 大阪市営バスの受託運行を担当。
- 南海バス登録車両はない。
廃止営業所
- 堺営業所金岡車庫 - 南海ウイングバス金岡に管理委託。2013年8月31日をもって廃止。堺ナンバー。
案内所など
- 堺東駅前案内所
- 南海なんば高速バスセンター(スイスホテル南海大阪5F)
車両
日野自動車製が過半数を占め、次いで三菱ふそう製が多く、これに少数の日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)製が加わる構成。各社とも西日本車体工業製の車両が在籍する。過去にはいすゞ製も極めて少数配備されていたが一旦配属が無くなった。その後2010年にCNGエンジン車(エルガ)を2台購入したことでいすゞ車も復活した[14]。近年は大型車よりは中型車の比率の方が高くなってきている。
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南海バスの一般路線用車両
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「堺シャトル」塗色
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「鳳シャトル」赤塗色
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2012年10月27日まで関西国際空港にてピーチ航空の搭乗時に搭乗客を飛行機まで輸送していた空港営業所所属の車両
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高速バス昼行用車両
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高速バス夜行用車両
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高速バス堺・なんば - 新宿・東京線に投入されるダブルデッカー車両
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高速バス堺・なんば・京都 - 鎌倉・藤沢線に投入される日野・セレガ
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関西国際空港行きリムジンバスSorae
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堺市ふれあいバス
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めぐ〜る
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モックルコミュニティバス
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帝産湖南交通へ移籍した三菱ふそう・エアロスター
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帝産湖南交通へ移籍した日野・レインボー
一般路線車
一般路線車は製造年次や使用路線などにより様々なバリエーションがある。一般的な2ドア(ノンステップ・ワンステップは前-中扉、ツーステップは前-後扉)のほか、関西空港内でのシャトルバスや河内長野市内での路線に一部3ドア車が在籍する。3ドア車の場合、ツーステップ車が一般的な時代は中扉を、現在では後扉を平時は締め切りにして運行していることが多い。初期に導入されたノンステップバスにも3ドア車が在籍していた。側面窓も導入時期により様々で、メトロ窓、逆T字窓、上下2段窓とある。後述のシャトルバス・コミュニティバス以外はLED幕装着のワンステップバス(一部ノンステップバスあり)にほぼ統一されている[15]。近年では堺営業所を中心に天然ガス車のノンステップバスが導入されつつある。
同社路線バスでも特徴的なのが、シャトルバス・コミュニティバス用の車両といえよう。「堺シャトル」(堺駅 - 堺東駅)には、ハイバックシート・固定窓・観光タイプ前構を持った専用の日野・レインボーHRが在籍する。これ以前にも、観光タイプの前面を使った日野レインボーRJが導入されていた他、増備車に一台だけ路線タイプの前面を持つ同車種が配備されていた。先代の車両のうち、基本車両はワッショイ2000用輸送に使用後、一部が南海りんかんバスに転属した後早期に廃車となったが、増備車は東山営業所→泉北営業所と転属し、近年まで一般路線用として活躍を続けた。この車両は(若干デザインは違うが)大阪府下最後のNカラー塗装一般車両であった。
また、堺東駅 - 西区役所前間の「鳳シャトル」には、運転開始当初ワンステップバスが使われたが、2003年にはノンステップバス(いずれも日野・ブルーリボンシリーズ)への置き換えがなされた。2006年には南海バスでは初のハイブリッドバスが導入された。元鳳シャトル用のワンステップバスは、空港営業所→南海ウイングバス南部泉南営業所→南海りんかんバスと転属し、現在は一部の車両がグループ会社に移籍しその他は売却された
泉ヶ丘駅 - 近畿大学病院 - 金剛駅を結ぶ「泉北コミュニティバス」(一般に言われるコミュニティバスとは異なる)には、堺シャトル同様ハイバックシート・固定窓を採用した専用の三菱ふそう・エアロスターノンステップバスが使用される。この車両以前は、三菱ふそう・エアロスターの観光マスク仕様が使われていた。塗装は堺シャトルバスの先代車両と同一であった。
いずれもオリジナルの塗装が採用されており、堺シャトルは金色に異人のイラストが描かれ、鳳シャトルは赤地に白・黄地に白・青地に白の3パターンがある。また泉北コミュニティバスは淡い黄色に幾何学模様が描かれているが、これらは1台1台模様パターンが異なっているという凝りようである。通常の車両はLEDの停留所案内が装備されているのに対し、これらの車両は液晶画面による停留所・広告案内が導入されている。
堺南港線は一般路線に分類されているが、路線経路に阪神高速湾岸線を含む関係上、車両のみ高速・空港路線車が使われる。本事象は道路交通法(高速道路走行中は乗客もシートベルト着用義務が発生する)に準拠するための措置で、標準車両の乗客用シートにシートベルトを装着した車両を持たない南海バスとしては、やむを得ない措置と言えよう。なお後述するが、現南港線開通前に土日のみ運行していた旧南港線では、専用カラーに身を包んだワンロマ仕様・ハイパックシートの一般路線車を使用しており、後年同路線が運休すると、一般塗装に変更の上、一般路線車や深夜バスに使用された。この車両は排気ガス規制により引退し、現存しない。2012年度の新型車両ではワンロマ仕様のワンステップバスが増備され、2011年に復活した堺南港ATC線での運用にも就いている。
標準的車両の塗装は、白に赤とオレンジのカーブラインを裾に描いたデザインで、南海電鉄がCIを導入した1990年代に採用された。なおノンステップバスの場合は車体前面・側面・後面にそれぞれ青字の「Non-Step」のロゴが、ワンステップバスには前面オレンジ帯部分に「ワンステップBus」の白抜きのロゴが、アイドリングストップ車は後面と乗り口部分に小型のロゴがそれぞれ掲載される[16]。
それ以前は、車体に大きくオレンジと赤の「N」のイニシャルが入ったデザインだった。さらに前は当時の南海電車の塗装と同じ緑を基調としたデザインであった[17]。
車内の座席は以前は旧塗装時代はグレーに赤・青のストライプが入った座席[18]であったが、後に濃いグレーに黒のチェック柄へと変貌し、更に表示装置がLED化した車両より現行の青地にカラフルな模様の入ったモケットに変わっている。
系統番号制導入以後、行き先方向幕装備車は、乗り継ぎ制度を導入している路線[19]の方向幕を青地白抜き、それ以外の路線を白地青文字で表示している。しかし現在では大半を占めるLED車では両者の区別が無くなっている。
過去は堺・東山・河内長野・空港の各営業所と南海ウイングバス南部・金岡の担当営業所は日野車、泉北・光明池営業所は三菱車と車両のメーカーが営業所によって住み分けられていたが、近年は全ての営業所に両社の車両が存在している。
特に日野車には特殊仕様の車両が数多く存在し、前述のシャトルバス用の他、3扉タイプ2ステップ・ノンステップのブルーリボン、後部にクーラーを増設し外観が多少変更されたレインボー、かつて存在した南港線用にハイバックシートを搭載したワンロマ仕様のブルーリボン、シートベルトを搭載し座席を増やした準ワンロマ仕様のブルーリボンシティ、自家用として購入した2ステップのブルーリボンII、いすゞ・エルガに準じたCNGエンジンのブルーリボンII(これとは別に既製品であるいすゞ車も導入)などが存在する。
小型車には、いすゞ・ジャーニーQが堺営業所に存在していたが、1996年以降日野・リエッセによって置き換えられ、廃車となった。また、淡路交通から購入したいすゞ・キュービックが一時在籍していたが、これも近年廃車が進行し、これの全廃を持って一時期南海からいすゞ車は姿を消した。日産ディーゼル製の小型車も存在するが、現在では特殊用途にのみ使用されている。
90年代はシャトルバスの他、河内長野・泉北両営業所で3扉車が購入されるなどしたが、一般路線では淡路交通や京阪バスから中古車両を購入して一時を凌ぐなど、一部の車両を除いて車両更新には消極的であった。しかし、バリアフリー法や大阪府下での排気ガス規制の施行に伴い旧型のバスの廃車せざるを得なくなったことから、2002年頃より新型のバスを相次いで購入し、府下全体(子会社を含む)で現在までに700台もの車両の置き換えを行っている。
自治体のコミュニティバスは、それぞれの都市によって異なる。基本的には担当営業所に関わらず日野車の小型車が配属されているが、泉北エリアでは三菱製の小型車も存在する。
廃車車両の譲渡
同社は2003年以降、大阪府内全域が排出ガス規制強化地域「大阪府生活環境の保全等に関する条例」に指定されたことなどから、おおむね12年程度で更新している。そのため、同社で役目を終えた車両は全国の地方事業者に譲渡されている。
おもな譲渡先は、塗装を変更しない場合は南海りんかんバス・御坊南海バスへ、塗装を変更した場合は和歌山バス・和歌山バス那賀・熊野交通の和歌山県内の南海グループ各社ほか、帝産湖南交通・ジェイアール四国バス・中国ジェイアールバス・熊本電気鉄道・九州産交バス・東陽バス・日立電鉄交通サービス・北海道中央バス(ワンステップ車のみ)などのグループ外の事業者にも大量に譲渡されている。また、一部の車両はミャンマーなど海外にも輸出されている。
高速・空港路線車
高速路線車は、「サザンクロス」の愛称を持つ。一般路線用では旧塗装といえる「N」のイニシャルが入ったデザインで、「SOUTHERN CROSS」のロゴと南十字星のマークが描かれる。こちらのバスは夜行高速バスと昼行の徳島便の一部に使われている。なおドリームなんば・堺号専用の車両としてダブルデッカーも存在する。
空港路線車には、「Sorae(ソラエ)」という愛称を付けた、白と青の濃淡をまとったデザインが用意される。一部は昼行高速(高松便と徳島便の一部)に用いられるほか、Soraeのロゴが入らないもの、また一般路線車の中にも空港路線塗装を施したものがある。
「Sorae」及び四国線昼行車の車両は日野・三菱・日産ディーゼルの車両が万遍なく配置されているのに対し、「サザンクロス」車両は90年代以降三菱車のみの導入が続き、2007年に日野・セレガが導入されるまでの数年間は、全ての車両が三菱製に統一されていた。
このほか、空港内での輸送用にはラッピングバスなども在籍している。
深夜急行路線車
脚注
関連項目
- 南海バスとは別に、南海電鉄から分離された会社。特に和歌山県内では南海系のバス会社が多い。
- 和歌山バス (旧和歌山営業所、海南営業所、和歌山市近郊)
- 和歌山バス那賀 (和歌山バスの子会社、旧那賀営業所、JR和歌山線沿線周辺)
- 南海りんかんバス (旧橋本営業所、旧高野山営業所、橋本市・高野山など)
- 南海観光バス - 事業譲渡のため、現存しない。事業はクリスタル観光バス(大阪)を経て近畿観光バス(大阪バスグループ)に。
- 当初から南海電鉄の子会社である南海白浜急行バスの解体に伴い誕生した会社。かつて南海バスが電鉄の自動車部門だった時代(南海電鉄バス)に「南海バス」を名乗っていた時期がある。
- 南海電鉄と1961年に資本提携した徳島バスの系統。現在は南海の関連会社を経て子会社となっている。
- 上記理由とは異なる理由で子会社となっている事業者
- その他の事業者
- 帝産湖南交通 - 南海系列では無いが、中古車が転属されている。
- 明光バス - 近鉄グループだが、南海も株を保有。
- 関西空港交通 - 南海電鉄と航空3社(ANA・JAL・旧JAS)の出資で設立。
- 中日臨海バス - 南海ウイングバス南部の不採算路線を譲渡。
外部リンク
テンプレート:Multimedia テンプレート:Sister
テンプレート:南海グループ- ↑ ちなみに他社の深夜バスの設定は基本的に23:00以降に始発停留所を発車する便の場合が多いが、南海バスでは23:31以降となっている。
- ↑ 阪堺線の取組みについて - 堺市
- ↑ 南海バス東山営業所管内 路線図 運賃表 61・特61系統初芝駅前-平尾線 53・特53系統中もず駅前-平尾(南海ウイングバス金岡)東山営業所内の、南海ウイングバス金岡でも利用可能
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 平成26年4月1日よりICカードがご利用頂けます(堺・東山) 南海バス 2014年3月10日
- ↑ 元々この路線は南海が従来より堺・大阪・京都 - 立川線として運行していたが、2010年5月に山陽バスとシティバス立川との共同運行路線であった神戸 - 立川線と統合する形でこの時期に撤退したシティバス立川に代わる形で運行に参入することになったもの(立川側の予約・運行支援はシティバス立川がおこなう)。愛称は、山陽バスは「レッツ号」として現在でも用いており、シティバス立川では「シャルム号」という名称を用いていたが、南海では特に愛称を用いていない。
- ↑ 高速バス「大阪~高松線」3列シート車導入のお知らせ(大阪⇔高松・国分寺)(PDFファイル) - 南海バス
- ↑ 新規リムジンバス路線「関西空港~東大阪線」の開業について(PDFファイル) - 南海バス
- ↑ この他に阪急バス・南国交通陣営のさつま号もあり3路線が競合していた。
- ↑ 『佐世保・ハウステンボス~大阪線』の路線休止について - 南海バス
- ↑ お出かけ応援バス制度(堺市HP)
- ↑ 12.0 12.1 堺市HPでのふれあいバス廃止の告知
- ↑ 但しこの路線は同団地内では一方通行に限定されているため、河内長野営業所管轄の「美加の台団地線」のような両方向循環は存在しない。
- ↑ バスラマ・インターナショナルNo.121(ぽると出版、2010年8月25日発行) ISBN 4-89980-121-4 P.4より。ただし、統合車種の日野・ブルーリボンIIは導入されている。
- ↑ 但し一部の営業所では日野・リエッセが定期運用が行われているところもある。
- ↑ なお、初期のノンステップバスはゴシック書体の「ノンステップバス」の白抜き文字のみが現在のワンステップバスロゴと同じ部分に、ワンステップバスのうち行き先表示が幕のまま導入された車両にはロゴが存在しないものがいたが、何れも後の車両と同じロゴが追加された。
- ↑ 何れのデザインも南海りんかんバスに現在も存在し、御坊南海バスや和歌山バスのシャトルバスは、旧塗装をモデルとした塗装である。
- ↑ このタイプの座席は南海りんかんバスに現在も存在する。
- ↑ かつて同一路線として運行されていた系統が分割されたものが多い。