四国高速バス
四国高速バス株式会社(しこくこうそくバス)は、香川県高松市に本社のある高速バス専業のバス会社である。愛称は四高バス(よんこうバス)。
目次
概説
1988年(昭和63年)の瀬戸大橋開通を期に、香川県の路線バス事業者であるコトデンバス(現在のことでんバス)・琴平参宮電鉄・大川自動車が香川県と他県を結ぶ都市間高速バスの検討を行ったが、香川県の人口規模を勘案すると各社が独自に高速バスを運行することは難しいと判断し、3社が資本金の3分の1ずつを出資して設立した「長距離高速バス専業」の会社である。設立にあたっては、コトデンバス出身の白川統人が、バス2台、乗務員5名という前例のない小規模企業による運行免許取得[注 1]に主導的役割を果たしたという[1]。開業当初の車庫はコトデンバス新橋車庫(高松市福岡町)を貸借していた。
当初の出資3社のうち、琴平参宮電鉄は2009年4月1日にバス事業を大川自動車の子会社である琴参バスに事業譲渡した(その後特別清算)が、琴平参宮電鉄保有の四国高速バス株式の扱いは一旦琴参バスに移された後、出資比率調整のためことでんバスと大川自動車に譲渡され、現在はこの両社の折半出資となっている。また、ことでんバスが現在高松琴平電気鉄道(ことでん)の完全子会社となっている関係上、四国高速バスはことでんの持分法適用会社ともなっている。
沿革
- 1988年12月21日 - コトデンバス(現在のことでんバス)・琴平参宮電鉄・大川自動車の共同出資により四国高速バス設立。
- 1989年10月14日 - 新宿線(ハローブリッジ号)運行開始。
- 1992年
- 1994年11月17日 - 松山線(坊っちゃんエクスプレス)運行開始。
- 1996年4月15日 - 大阪線(さぬきエクスプレス)を高松・坂出 - 阪急梅田間で運行開始。
- 1997年4月1日 - 松山線・高知線(坊っちゃんエクスプレス・黒潮エクスプレス)を予約不要の座席定員制に変更(先着順で満席の場合乗車不可となる)。
- 1999年
- 9月1日 - 土佐電気鉄道・高知県交通が運行している高知 - 福岡線(はりまや号)を坂出駅前通を経由するように変更し、予約発券業務に参加。
- 10月14日 - 高松市郷東町字東新開176番地に新社屋竣工。
- 12月20日 - 神戸線(さぬきエクスプレス神戸)を坂出・高松 - 三ノ宮間で運行開始、大阪線の愛称をさぬきエクスプレス大阪に変更。
- 2001年
- 3月30日 - 京都線(高松エクスプレス京都号)運行開始、大阪線も明石海峡大橋経由に変更。
- 12月20日 - 丸亀バスセンター(丸亀営業所)開設、新宿・横浜・大阪・神戸線の一部便が丸亀始発に。新宿・横浜線も明石海峡大橋経由に変更。
- 2002年
- 2003年
- 2004年12月15日 - 名古屋線(さぬきエクスプレス名古屋)運行開始。
- 2005年7月20日 - 高松市林町に高松中央インターバスターミナル開設、新宿・名古屋線から経由開始。出発便のみ停車。高松中央インター南は到着便のみの停車になる。
- 2006年
- 2007年
- 5月10日 - 高知線(黒潮エクスプレス)を高松中央インターバスターミナル、高松中央ICを経由するように変更し、高松西インター口(八幡)は廃止となる。また座席も全席座席指定制に変更される。
- 6月16日 - 横浜線(さぬきエクスプレス横浜)運行開始(復帰。共同運行会社の相模鉄道が撤退した穴を埋めるため)し、それにあわせて愛称名「トリトン号」を変更した。
- 7月1日 - 福岡線(さぬきエクスプレス福岡)を運行開始。高知 - 福岡線(はりまや号)は坂出駅前通を廃止し、予約発券業務を中止。
- 7月5日 - 高松中央インターバスターミナルの待合スペースを2倍に拡張。
- 12月1日 - 松山線(坊っちゃんエクスプレス)を全便予約定員制に変更。
- 12月10日 - 八幡浜線(さぬきエクスプレス八幡浜)を運行開始。
- 2008年12月1日 - 新宿線(ハローブリッジ号)は横浜経由、八王子終着に経路変更。なお、前日をもって横浜線(さぬきエクスプレス横浜号)廃止。琴平参宮電鉄への予約・発券業務委託も中止。
- 2009年
各営業所(車庫)所在地
高松市に本社・営業所を、丸亀市に運行拠点となる営業所を有するほか、複数の営業窓口を有する(下記)。
丸亀駅・高松駅・ゆめタウン高松・高松中央インターバスターミナルの各バス停にジェイアール四国バス(JR四国バス)との共同発券窓口がある。高松駅、ゆめタウン高松のチケットセンターには、両社それぞれの係員が常駐し、両社の販売システムに対応したチケット発行端末機(発車オ〜ライネット端末、高速バスネット端末、MARS端末)を設置。ゆめタウン高松・高松中央インターバスターミナルには発車オ〜ライネットと接続された自動券売機が設置されている。また、ゆめタウン高松・高松中央インターバスターミナル・善通寺インターバスターミナルでは、48時間無料の駐車場を確保している。
路線
四国高速バスの乗車券は、ことでんバス・大川自動車でも予約・発券可能である。停車バス停留所などの路線の詳細は各項目参照のこと。
ハローブリッジ号
丸亀市・坂出市・高松市と神奈川県横浜市、東京都新宿区・八王子市を結ぶ夜行高速バス路線。西東京バスとの共同運行。四国高速バスが初めて手がけた路線でもある。
- 停車停留所
- 丸亀駅 - 善通寺インターバスターミナル - 坂出駅 - 高松駅高速バスターミナル - ゆめタウン高松 - 高松中央インターバスターミナル - 高速三木 - 高速志度 - 高速津田 - 高速大内 - 高速引田 - 横浜駅西口 - 新宿高速バスターミナル( - 中央道三鷹 - 中央道深大寺 - 中央道府中 - 中央道日野 - JR八王子駅 - 京王八王子駅)
- 四国高速バス運行日は新宿発着(新宿高速バスターミナル - 京王八王子駅間は西東京バス運行日のみの隔日運転)
- 沿革
- 1989年10月14日 - 新宿高速バスターミナル - 坂出駅・高松駅間を京王帝都電鉄との共同運行で運行開始。当時の運行経路は、東京 - 首都高速4号新宿線 - 中央自動車道 - 名神高速道路 - 中国自動車道 - 播但連絡道路 - 山陽自動車道 - 岡山ブルーハイウェイ - 岡山バイパス - 瀬戸中央自動車道 - 坂出 - 高松坂出有料道路 - 高松。
- 1996年10月 - 東京側の運行会社が京王帝都電鉄から西東京バスへ移管。
- 2001年12月20日 - 神戸淡路鳴門自動車道経由にルート変更、大内(高速大内)、丸亀駅停留所を新設、 丸亀バスセンター発着となる。
- 2003年10月1日 - 東京側の運行会社が西東京バスから多摩バスへ移管。
- 2007年3月1日 - 中央道日野停留所停車開始。
- 2007年12月22日 - 中央道三鷹、中央道深大寺、中央道府中、中央道八王子停留所停車開始。
- 2008年9月1日 - 多摩バスの全路線バス事業撤退に伴い、東京側の運行会社が多摩バスから西東京バスへ移管・復帰。
- 2008年12月1日 - さぬきエクスプレス横浜廃止に伴い、丸亀・坂出・高松 - 横浜駅西口・新宿高速バスターミナル・京王八王子駅に路線変更。高速三木停留所停車開始。中央道八王子停留所廃止。
- 2009年4月1日 - 丸亀駅発着に変更。善通寺インターバスターミナル、坂出インターバスターミナル停車開始。丸亀バスセンター、JR坂出駅前停留所廃止。
- 2009年7月17日 - 使用車両をエアロキング(BKG-MU66JS)に変更(1号車のみ)。定員は2階席30人、1階席8人。
- 2010年4月1日 - 坂出インターバスターミナルへの乗り入れを廃止し、坂出駅への乗り入れを開始する。
- 2014年5月1日 - 四国高速バス便による新宿 - 八王子間の運行を終了し、新宿発着となる。西東京バス便は引き続き八王子発着となる。
- 使用車両
- 三菱ふそうエアロキング、エアロバス、日野自動車2代目セレガが使用される。運行開始当初は日野ブルーリボングランデッカを導入しており、日野セレガや三菱ふそうエアロクィーンIが使用された時期もあった。
さぬきエクスプレス福岡
丸亀市・坂出市・高松市と福岡県北九州市・福岡市を結ぶ夜行高速バス路線。西鉄高速バスとの共同運行。2007年7月1日運行開始。
- 運行経路・停車停留所
- 太字は停留所または途中休憩地点。福岡県内のみ及び香川県内のみの利用不可。
- 西鉄天神バスセンター - キャナルシティ博多 - 博多バスターミナル - 呉服町出入口 / 博多駅東出入口 - (福岡都市高速2号線・1号線・4号線) - 福岡IC - (九州自動車道) - 八幡IC - (北九州都市高速4号線) - 黒崎IC(引野口) - (北九州都市高速4号線) - 足立出入口 - 砂津 - 小倉駅前 - 富野出入口 - (北九州都市高速4号線) - 門司IC - (関門橋) - 高速門司港 - (関門橋・中国自動車道・山陽自動車道・瀬戸中央自動車道) - 坂出北IC - 坂出駅 - 丸亀駅 - 善通寺インターバスターミナル - 善通寺IC - (高松自動車道) - 高松中央IC - 高松中央インターバスターミナル - ゆめタウン高松 - 高松駅高速バスターミナル
さぬきエクスプレス名古屋
丸亀市・坂出市・高松市・徳島県鳴門市と愛知県名古屋市を結ぶ夜行高速バス路線。四国高速バスの単独運行(丸亀営業所担当)だが、名古屋側の運行支援を名鉄バスが行っている。
競合路線としてJR東海バスとJR四国バスのオリーブ松山号(名古屋駅 - 徳島駅 - 高松駅 - 坂出駅 - 松山駅 - JR松山支店)があるが、そちらは徳島駅に立ち寄るため所要時間が長くなっており、所要時間面では本路線のほうが優位に立っている。
- 運行経路・停車停留所
- 丸亀駅 - 善通寺インターバスターミナル - 坂出駅 - 高松駅高速バスターミナル - ゆめタウン高松 - 高松中央インターバスターミナル - (高松自動車道) - 高速三木 - 高速志度 - 高速津田 - 高速大内 - 高速引田 - 鳴門西 -(神戸淡路鳴門自動車道・山陽自動車道・中国自動車道・名神高速道路・新名神高速道路・東名阪自動車道・名古屋高速5号万場線・名古屋高速2号東山線)- 名鉄バスセンター
- 沿革
その他の路線(運行中)
- 高松エクスプレス京都号(丸亀・高松 - 京都 昼行6往復、京阪バス・JR四国バス・西日本JRバスと共同運行)
- さぬきエクスプレス大阪(高松 - 大阪 昼行32往復、阪急バス・JR四国バス・西日本JRバスと共同運行)
- さぬきエクスプレス大阪(丸亀 - 神戸・大阪 昼行7往復、JR四国バスと共同運行)
- さぬきエクスプレス神戸(高松 - 神戸 昼行20往復、神姫バス・JR四国バス・西日本JRバスと共同運行)
- 関西空港リムジンバス(高松 - 関西国際空港 昼行7往復、JR四国バス・関西空港交通・南海バスと共同運行)
- 坊っちゃんエクスプレス(高松 - 松山 昼行15往復、伊予鉄道・JR四国バスと共同運行)
- 黒潮エクスプレス(高松 - 高知 昼行14往復、JR四国バス・土佐電気鉄道・高知県交通と共同運行)
以下の路線は発券業務のみを担当。
廃止路線
- さぬきエクスプレス横浜号
- 丸亀市・坂出市・高松市と神奈川県横浜市を結んでいた夜行高速バス。1990年にトリトン号の愛称で相模鉄道と瀬戸大橋高速バスの共同運行により運行を開始し、数回の運行形態変更を経て2008年まで運行された路線であり、ハローブリッジ号と実質的に系統統合される形で路線廃止となった。
- 沿革
- 1990年12月21日 - 相模鉄道と瀬戸大橋高速バスの共同運行でトリトン号として運行開始。当初の運行経路は相鉄高速バスターミナル・横浜駅西口 - (保土ヶ谷バイパス - 横浜新道 - 東名高速道路 - 名神高速道路 - 中国自動車道 - 播但連絡道路 - 山陽自動車道 - 岡山ブルーハイウェイ - 岡山バイパス - 瀬戸中央自動車道) - 坂出駅 - (高松坂出有料道路) - 高松駅
- 1992年7月1日 - 瀬戸大橋高速バスの解散に伴い、相模鉄道と四国高速バスの共同運行に移行。
- 2001年12月20日 - 神戸淡路鳴門自動車道経由にルート変更、大内(高速大内)、丸亀駅停留所を新設、丸亀バスセンター発着となる。
- 2003年5月1日 - 相模鉄道と琴平参宮電鉄の共同運行へ移行(四国高速バスが撤退、琴参バスが参入)。
- 2007年6月16日 - 琴平参宮電鉄と四国高速バスの共同運行へ移行(相模鉄道が運行業務から撤退、予約・発券業務は引き続き受託。四国高速バスが再参入)。相鉄高速バスターミナル乗り入れを廃止し、名称をさぬきエクスプレス横浜に変更。
- 2008年8月31日 - 相模鉄道の高速バス事業撤退に伴い、相鉄の予約・発券業務が終了。
- 2008年12月1日 - 路線廃止、ハローブリッジ号が横浜駅経由となることで実質的に系統統合。
- 使用車両
- 運行開始当初は専用塗装の日野セレガGD独立3列シート(最後列のみ4列シート)車両を導入し、運行が四国高速バスに移った際、その車両を引き続き使用した。その後、トリプルライナー色の日野セレガGD独立3列シート(最後列のみ4列シート)車両とエアロクィーンI独立3列シート(最後列のみ4列シート)車両を導入した。2005年ごろからは、原則三菱ふそうエアロバスまたはエアロクィーンI・独立3列シート(最後列のみ4列シート)車両が使用されていた。
- さぬきエクスプレス八幡浜(高松 - 八幡浜 昼行3往復、伊予鉄南予バスと共同運行) - 2010年4月1日廃止
以下の路線は予約・発券業務のみ行っていた。
車両
高速路線バス専業事業者のため、高速バスタイプ車両のみが在籍する。メーカーは三菱ふそうと日野で、路線網拡大や利用者増加、増備時の事情にあわせて車両の増備を行っているため、車種だけではなく内装の違いなどの差異も多いが、大半の車両は固定窓である。 次の6タイプに大別される。
- 東京線用
- 2階建て 3列シート(一部4列シート) トイレ 乗務員仮眠室あり
- 東京・福岡線用
- 3列シート センタートイレ 乗務員仮眠室あり
- 名古屋線・丸亀-神戸・大阪線(一部)用
- 3列シート リアトイレ 乗務員仮眠室なし
- 関西空港リムジンバス専用車
- 4列シート リアトイレ 直結クーラー式のエアポートリムジン仕様 出入口横に"Airport Limousine"のロゴが入る。この車種は固定窓でない。
- その他路線用車両
- 4列シート センタートイレまたはリアトイレ 関西空港リムジンバス予備車だった1台は固定窓でないリアトイレ車。
- 3列+4列シートから改造された車両もあった。
- 3列+4列シート リアトイレ
- 5列目から4列になる36人乗り 丸亀-神戸・大阪線用として導入
車両へのこだわりが強いことで知られている。新型セレガやエアロエースでフラットな客室床が標準となる以前から、フラットな客室床の採用していた車両が存在する。他にも、カーペットを敷き詰めた客室、センタートイレや固定窓車両の導入、カーナビゲーションシステム搭載などのこだわりが見られていた。しかし、大阪線の大量増発に伴う増備前後から、競合バス会社の参入による価格競争の勃発(高松エクスプレス)もあり、一部車両はコスト重視となり、ハイデッカー車・リアトイレの採用など低コスト化も図られたものもある。その一方、日本バス協会の「高速バスにおけるバリアフリー対応」として推奨された車内案内表示装置はブラウン管またはLCD式のディスプレイ型装置(FM文字放送受信対応)をほとんどの車両に備えている。 新型車両の導入も早く、新型セレガやエアロエースも登場まもなく増備された。
車両の外装は、当初はアイボリーに、3色の帯(四国高速バスの出資3社の各社のイメージカラー。)が直線に入り、新宿線の愛称"HELLO BRIDGE"のロゴが入るデザインだったが、松山線(坊っちゃんエクスプレス)開業用に導入された車両からは、アイボリーに、3色の帯が渦状にデザインされ、車両後部に"TRIPLE LINER"のロゴが入ったものに変更されている。この"TRIPLE LINER"は愛称ではなく、四国高速バスの出資3社をイメージしていた。その後、"Sanuki Express"ロゴに加え、同社のキャラクターマスコットらぴっとくんがデザインされた車両も登場している。
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HELLO BRIDGE セレガGD 新宿線・高知線用(1993年)
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TRIPLE LINER セレガFD 4列シート(3列+4列シートから改造)センタートイレ車(2008年)
備考
- 四国高速バスの株主であるバス会社3社が設立した高速バス会社としてはすでに瀬戸大橋高速バスがあったが、同社は瀬戸大橋開通で影響を受けたフェリー会社(関西汽船・加藤汽船[注 2]が中心)も出資しており、船舶会社の離職者対策会社という性格を持っていた。このことから路線展開に何らかの不都合があったため、株主からフェリー会社をはずした四国高速バスを新たに設立したと見られるが、真相は不明である。
- 四国高速バスの予約センターの受付時間は8:00 - 19:00であるが、株式会社工房の発車オ〜ライネットのサービスの一部として提供している音声認識式電話自動予約システムを導入して営業時間外でも予約受付できるようにした。
関連項目
脚注
注記
出典
外部リンク
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