天神橋筋六丁目駅
天神橋筋六丁目駅(てんじんばしすじろくちょうめえき)は、大阪府大阪市北区天神橋六丁目にある大阪市営地下鉄・阪急電鉄の駅(共同使用駅)である。駅および周辺地域は、天六(てんろく)と呼ばれ親しまれている。
なお、1969年(昭和44年)までは大阪市電が、1975年(昭和50年)までは阪神北大阪線が地上に乗り入れていた。
目次
利用可能な鉄道路線
駅構造
谷町線、堺筋線(阪急千里線)ともに島式ホーム1面2線を有する地下駅である。
堺筋線・阪急千里線ホームは大阪市交通局の管轄駅(大阪市交通局と阪急電鉄の共同使用駅)で、当駅で大阪市営地下鉄と阪急電鉄の乗務員が交代する。当駅を境に終点の北千里駅まで相互直通運転を行っており、同一ホームに発着する。また、一部の列車は淡路駅から京都本線に直通し高槻市駅まで(平日ダイヤの夕方ラッシュ時[1]と土曜・日曜・祝日ダイヤの日中の時間帯[2]は堺筋準急が河原町駅まで[3])運転されている。
平日ダイヤでは堺筋線の約半分の列車が当駅始発・終着であり、北千里駅寄りの逆Y字形の引き上げ線を利用して折り返す。また、早朝・深夜は阪急線方面から当駅終着の列車が存在する。こちらの列車は天下茶屋駅寄りの片渡り線を利用して折り返す。2013年のダイヤ改正で北千里発天神橋筋六丁目行の使用車両が阪急車から市交車に変更され、当駅到着後は柴島寄りの引き上げ線へ回送され、翌日5:12発天下茶屋行(淡路始発当駅どまりからの接続列車)となる。
谷町線ホームは堺筋線より深い位置にある。両線のホームは北改札(谷町線ホーム東梅田駅寄り、堺筋線ホーム淡路駅寄り)付近の連絡通路でつながっている。その他、谷町線ホーム大日駅寄りには東改札、堺筋線ホーム天下茶屋駅寄りには南改札がある。
両ホームは比較的離れているため、谷町線の都島・大日方面と阪急千里線方面との乗り換え以外は、南森町駅での乗り換えが容易である。
のりば
ホーム | 路線 | 行先 | |
---|---|---|---|
谷町線ホーム | |||
1 | テンプレート:Color谷町線 | 東梅田・天王寺・八尾南方面 | |
2 | テンプレート:Color谷町線 | 都島・大日方面 | |
堺筋線・阪急線ホーム | |||
1 | テンプレート:Color堺筋線 | 堺筋本町・日本橋・天下茶屋方面 | |
2 | テンプレート:Color阪急千里線 | 淡路・北千里・高槻市方面 |
付記
- 堺筋線・阪急線の2番線の駅名標には柴島方の駅ナンバリング(HK-87)が表記されていない。
利用状況
- 阪急電鉄 - 2012年度の1日乗降人員は16,390人である。この値には、堺筋線との直通人員、および谷町線との乗換人員を含まない。
- 大阪市営地下鉄 - 2013年11月19日の1日乗降人員は34,047人(乗車人員:17,367人、降車人員:16,680人)である[4]。
- 阪急線との直通人員・乗換人員は109,536人(乗車人員:57,659人、降車人員:51,877人)である。
各年度の1日乗車・乗降人員数は下表のとおり。
- 大阪市営地下鉄のデータは交通量調査に基づいた特定の1日における乗降・乗車人員である。
年度 | 阪急電鉄 | 大阪市営地下鉄 | 出典 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
乗降人員 | 乗車人員 | 調査日 | 乗降人員 | 乗車人員 | ||
1995年(平成 7年) | 20,632 | 10,253 | [5]テンプレート:02月15日 | 49,786 | 25,694 | [6] |
1996年(平成 8年) | 20,935 | 10,345 | - | [7] | ||
1997年(平成 9年) | 21,171 | 10,624 | - | [8] | ||
1998年(平成10年) | 21,190 | 10,520 | 11月10日 | 53,571 | 26,740 | [9] |
1999年(平成11年) | - | - | ||||
2000年(平成12年) | 15,998 | 7,995 | - | [10] | ||
2001年(平成13年) | 17,833 | 9,247 | - | [11] | ||
2002年(平成14年) | 17,950 | 9,328 | - | [12] | ||
2003年(平成15年) | 30,542 | 9,011 | - | [13] | ||
2004年(平成16年) | 17,424 | 9,006 | - | [14] | ||
2005年(平成17年) | 17,823 | 8,995 | - | [15] | ||
2006年(平成18年) | 18,510 | 9,001 | - | [16] | ||
2007年(平成19年) | 18,687 | 8,990 | 11月13日 | 32,791 | 16,813 | [17] |
2008年(平成20年) | 15,240 | 4,898 | 11月11日 | 33,153 | 16,882 | [18] |
2009年(平成21年) | 10,586 | 3,729 | 11月10日 | 33,428 | 16,876 | [19] |
2010年(平成22年) | 11,936 | 3,362 | 11月テンプレート:09日 | 32,545 | 16,493 | [20] |
2011年(平成23年) | 17,059 | 8,546 | 11月テンプレート:08日 | 32,150 | 16,405 | [21] |
2012年(平成24年) | 16,390 | 8,212 | 11月13日 | 34,047 | 17,367 | [22] |
2013年(平成25年) | 11月19日 | 33,241 | 16,990 |
駅周辺
駅の所在地は「天神橋六丁目」、駅名は「天神橋筋六丁目」と異なる。開業当時の地名は天神橋筋六丁目であったが、1976年(昭和51年)の住居表示の実施に伴い町名は「天神橋」に変更された。
商業施設
- 阪急オアシス - 天六阪急ビル取り壊し後、跡地に建設された「ジオタワー天六」1Fに入居
- 天神橋筋商店街 - 日本一長い商店街
- 天五中崎通商店街 - 中崎町駅側へ伸びる商店街
- GEO・GEOカフェ天六店
- スーパー銭湯 なにわの湯
- ライフスポーツKTV
公的施設など
学校
- 辻学園調理・製菓専門学校
- 関西大学天六キャンパス
その他
- 長柄国分寺
- 長柄八幡宮
- 長柄東公園
- 毛馬桜之宮公園
- 淀川リバーサイドタウン
- 天六ガス爆発事故慰霊碑
- 日本生命天六ビル
- 任天堂大阪支店
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)大阪環状線 天満駅 - 南改札口を出て12番出口から徒歩10分程で乗り換えが可能である。案内表示もある。
バス路線
最寄りの停留所は天神橋筋(府道14号大阪高槻京都線)と都島通の交差点付近にある天神橋六丁目(大阪市営バス)、天神橋筋六丁目(阪神バス)となる。大阪市営バスのバス停は駅名と異なり、地名に合わせ「筋」の文字は入らない。以下の路線が乗り入れ、大阪市交通局、阪神バスにより運行されている。
天神橋六丁目(大阪市営バス)
天神橋筋六丁目(阪神バス)
歴史
天神橋駅
1925年(大正14年)10月17日、 新京阪鉄道が大阪側のターミナルとして天神橋駅を置いた。これが現在の天神橋筋六丁目駅の直接のルーツであり、当時の隣駅である長柄駅と共に関西初の高架駅として知られる。なお駅名は所在地の地名(天神橋七丁目)に由来するが、この地名は「天神橋筋」を端折ったものであって[23]、橋としての天神橋は堺筋線北浜駅付近にある。
開業当初は仮駅で開業し、翌年地上7階建ての駅ビルが完成するが、この駅ビルはアメリカのパシフィック電鉄の駅をモデルにしたものと言われ[24]、日本におけるターミナルビルの先駆として名高い。駅の3・4階には「新京阪マーケット」が入っており、安さと品揃えの良さで人気を集めた[25]。このほか、5・6階に新京阪の本社、7階に新京阪会館と北大阪倶楽部が入居しており、新京阪が京阪に合併されると、阪急に戦時統合されるまで当駅に京阪の本社事務所が置かれた[26]。
プラットホームはビルの2階部にあり、櫛型のホーム5面と軌道4線を備えていた。当初はホーム北寄りを降車ホームとし、列車は降車客を降ろして奥に進み、乗車客の取扱いを行っていた[27]。また、2階南側壁面にガラス張りの開口部があり、将来的に南へ延伸することを想定したものとも言われるが[28]、後年のビル改修工事の際に塞がれた。新京阪のターミナルであったことから、戦前には特急や急行はその多くが当駅発着であった。戦時中に新京阪が阪急と統合され京阪神急行電鉄となったのち、戦後1950年に特急が復活した時は当駅発着であったものの、1956年以降はすべて梅田駅発着となり、当駅に発着するのは普通列車のみとなった[27]。
1970年の大阪万博開催に備えて堺筋線が建設され、千里線と相互直通運転を行うことになった。それに合わせて当駅の地下化工事が行われ、工事期間中は天神橋駅に通じる単線の仮設線を設けて工事を行った。地下化後駅ビルは改装され天六阪急ビルとなって存続し、駅のホーム跡もはっきりと認めることができたが、再開発計画に伴い2010年に取り壊された。なお2013年、阪急不動産によって跡地に建てられた、超高層マンション「ジオタワー天六」の居住者用ロビー[29]には、駅階段部に使用されていた大理石が、アクセントパネルとなって保存されている。
- Shinkeihan Railway Tenjin-Bashi Station.JPG
1930年頃の新京阪鉄道天神橋駅
- 阪急天六ビル.JPG
2010年現在の天六阪急ビル
- Former Tenroku stn ruins.jpg
阪急天神橋駅旧駅舎跡 北側開口部
- Geo tower t6 marble panel 01.jpg
階段部の大理石で作られたアクセントパネル
大阪市電と阪神電車
当駅にはかつて阪神電車の北大阪線も乗り入れていたが、これは阪神国道線と同じく路面電車であり、駅も電停に類するものであった。複線の併用軌道が駅手前で単線になり、片側の線路敷を利用して安全地帯が設けられていた。電停ながら、「阪神電車のりば」と書かれた大きな看板が掲げられていた。駅跡は道路となっている。
大阪市電の電停には、1915年から1927年の長柄橋延長までループ線が設けられ、ポールや救助網の昇降など折り返しの手間が省かれていたことが特筆される[30]。
年表
- 1914年(大正3年)8月1日 - 阪神北大阪線天神橋筋六丁目駅 - 野田駅間開業。
- 1915年(大正4年)1月8日 - 大阪市電北浜二丁目駅 - 天神橋筋六丁目駅間開業。
- 1930年(昭和5年)9月15日 - 会社合併に伴い京阪電気鉄道新京阪線の駅となる。
- 1943年(昭和18年)10月1日 - 会社合併に伴い京阪神急行電鉄(現・阪急電鉄)新京阪線の駅となる。
- 1959年(昭和34年)2月18日 - 路線再編に伴い京阪神急行電鉄千里山線(現・千里線)の駅となる。
- 1969年(昭和44年)4月1日 - 大阪市電阪急東口駅 - 守口駅間廃止。市電全廃。
- 12月6日 - 大阪市営地下鉄堺筋線開業、阪急線との相互直通運転開始。これに伴い、阪急天神橋駅は、地下駅の天神橋筋六丁目駅に移転・改称し、阪急線と大阪市営地下鉄堺筋線の共同使用駅となる。
- 1970年(昭和45年)4月8日 - 大阪市営地下鉄谷町線の駅の工事現場で天六ガス爆発事故発生。
- 1974年(昭和49年)5月29日 - 大阪市営地下鉄谷町線東梅田駅 - 都島駅間延伸により同線の天神橋筋六丁目駅開業。乗換駅となる。
- 1975年(昭和50年)5月6日 - 阪神北大阪線廃止。
隣の駅
- 大阪市営地下鉄・阪急電鉄
- テンプレート:Color谷町線
- テンプレート:Color堺筋線・テンプレート:Color阪急千里線
- テンプレート:Color直通特急「ほづ」
- テンプレート:Color準急
- 淡路駅(千里線) (HK-63) - 天神橋筋六丁目駅 (K11) - 扇町駅(堺筋線) (K12)
- テンプレート:Color普通
- 柴島駅(千里線) (HK-87) - 天神橋筋六丁目駅 (K11) - 扇町駅(堺筋線) (K12)
- ()内は路線と駅番号を示す。
- 直通特急「ほづ」は、春・秋の行楽シーズンにのみ運転。
なお戦中の1944年(昭和19年)までは、当駅 - 柴島駅間、新淀川橋梁の南側に長柄駅が存在した。
かつて存在した路線
- 阪神電気鉄道
- 北大阪線
- 本庄中通電停 - 天神橋筋六丁目電停
- 大阪市交通局(大阪市電)
- 天神橋西筋線・長柄橋筋線(天神橋筋線)
- 天神橋筋五丁目電停 - 天神橋筋六丁目電停 - 天神橋筋七丁目電停
- 梅田善源寺町線(守口線)
- 浮田町電停 - 天神橋筋六丁目電停 - 長江国分寺電停
脚注
関連項目
外部リンク
- 駅ガイド:天神橋筋六丁目駅(谷町線) - 大阪市交通局
- 駅ガイド:天神橋筋六丁目駅(堺筋線) - 大阪市交通局
- 天神橋筋六丁目駅(阪急電鉄)
- ↑ 天神橋筋六丁目駅(阪急千里線)の時刻表(平日ダイヤ) - Yahoo!路線情報 - 平日ダイヤ夕方の17:54発のみ各駅停車の設定となる。
- ↑ 天神橋筋六丁目駅(阪急千里線)の時刻表(土曜ダイヤ・日曜祝日ダイヤも同一) - Yahoo!路線情報 - 09:54発 - 15:54発迄の設定。
- ↑ 天下茶屋-河原町間に直通電車 5月から土日祝日に - 朝日新聞、2011年2月22日
- ↑ 路線別駅別乗降人員 2013年11月19日
- ↑ 1996年に行われた調査であるが、会計年度上は1995年度となる。
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- ↑ 阪急電鉄株式会社総務部広報課編 『阪急電車 駅めぐりー空から見た街と駅 京都線の巻ー』、1981年、98頁
- ↑ 電気車研究会編『鉄道ピクトリアル』2011年12月号、2011年、21頁。
- ↑ その後、新京阪鉄道の京阪への合併によって「京阪マーケット」となり、1932年12月からは京阪と白木屋の出資による京阪デパート天六支店となった。以降の詳細は京阪デパートの項目を参照。
- ↑ 『阪急電車 駅めぐりー空から見た街と駅 京都線の巻ー』、99頁
- ↑ 27.0 27.1 『鉄道ピクトリアル』2011年12月号、51頁
- ↑ 京阪梅田線も参照。
- ↑ ロビーはセキュリティエリア内にあり、見学には居住者の許可が必要。
- ↑ 高山禮蔵 『大阪・京都・神戸 私鉄駅物語』、JTBパブリッシング、2005年、99頁。ISBN 4-533-06099-4