阿佐海岸鉄道阿佐東線
|} 阿佐東線(あさとうせん)は、徳島県海部郡海陽町の海部駅から高知県安芸郡東洋町の甲浦駅に至る阿佐海岸鉄道の鉄道路線である。JR牟岐線とともに阿波室戸シーサイドラインの愛称がつけられている。
改正鉄道敷設法により「高知県後免ヨリ安芸、徳島県日和佐ヲ経テ古庄附近ニ至ル鉄道」として建設されていた旧日本鉄道建設公団建設線を完成させて開業した路線である。高知県側の阿佐西線は土佐くろしお鉄道阿佐線として開業した。踏切はなく、全線がトンネルや高架線・盛土区間になっている。甲浦駅で室戸岬・土佐くろしお鉄道阿佐線の奈半利駅、安芸駅へ向かう高知東部交通のバスと接続している。一応、終点の甲浦駅では室戸方面への延伸が可能な様に高架橋が突然途切れる形で終わってはいるが、現在のところ延伸の見通しは立っておらず、地元でも鉄道延伸への期待は皆無に近い。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):8.5km
- 軌間:1067mm
- 駅数:3駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 最高速度:85km/h
運行形態
普通列車が毎時1本程度運行されている。海部 - 甲浦間の列車のほか、宍喰駅にある車庫への運用の都合で、宍喰 - 甲浦間、宍喰 - 海部間の区間運転列車もある。ワンマン運転を行っている。
また、朝の2往復が四国旅客鉄道(JR四国)牟岐線牟岐まで相互直通運転を行っており、車両はJR四国のキハ40系と阿佐海岸鉄道の車両が1往復ずつ使用されている。この直通運転は2008年3月15日のダイヤ改正で一時中止されたが、要望が多いことから2009年12月1日より再開された[2][3]。阿佐海岸鉄道側の直通車両は、再開時点はASA300形のみの使用だったが、後にASA100形の習熟運転も行われたことから、2010年3月以降はASA100形も使用されている。
2011年3月12日改正では、直通運転の本数は変わりないものの、JR四国のキハ185系で運転されていた朝の1往復が、牟岐から特急「剣山3号」となって阿波池田まで直通していた折り返しの上り列車が牟岐までの運転となった(特急「剣山3号」はこの改正で阿南始発に変更、2012年3月改正で牟岐線部分が廃止)ことに伴い、徳島運転所のキハ40系の1両編成となった。
歴史
国鉄再建法施行により1980年に工事が凍結されていたが、この時点でほとんど完成していたことから1988年に徳島県などが阿佐東線の第三セクター会社での引き受けを決定し、阿佐海岸鉄道を設立して工事再開した。なお、国鉄の分割民営化(JR発足)以降に建設工事の凍結が解除された唯一の鉄建公団ローカル線である。
- 1992年(平成4年)3月26日 海部 - 甲浦間が開業。特急「うずしお」が甲浦まで乗り入れ開始。普通列車が朝・夜の4往復を除いて牟岐線牟岐 - 甲浦間直通運転。
- 1994年(平成6年) 宍喰 - 甲浦間の区間運転列車を新設。
- 1998年(平成10年)3月14日 特急「剣山」が乗り入れ開始。
- 1999年(平成11年)3月13日 特急「うずしお」の系統分割に伴い、代わって特急「むろと」が乗り入れ開始。
- 2001年(平成13年)3月3日 普通列車が朝の2往復を除いて阿佐東線内運転に。特急「むろと」の乗り入れ廃止。
- 2006年(平成18年)3月18日 牟岐線接続のない列車の一部を土曜日・休日運休にする。
- 2008年(平成20年)3月15日 特急含め牟岐線直通列車の運行を一時中止。同時に朝の始発を繰り上げ。
- 2009年(平成21年)12月1日 牟岐線直通列車の特急「剣山」(甲浦 - 海部 - 牟岐間は普通列車として運行)の乗り入れを一時的に再開。
- 2011年(平成23年)3月12日 特急「剣山」の乗り入れ廃止。
駅一覧・接続路線
阿佐東線内では海部駅をのぞき営業列車同士の交換はできない。
駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|
AK28 | 海部駅 | - | 0.0 | 四国旅客鉄道:牟岐線(M28) | 徳島県海部郡海陽町 |
AK29 | 宍喰駅 | 6.1 | 6.1 | ||
AK30 | 甲浦駅 | 2.4 | 8.5 | 高知県安芸郡東洋町 |