津軽線
|} 津軽線(つがるせん)は、青森県青森市にある青森駅と青森県東津軽郡外ヶ浜町にある三厩駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
このうち、青森駅 - 新中小国信号場間 33.7 km は、本州と北海道を結ぶ津軽海峡線の一部を構成している。
概要
津軽半島の東部を縦貫する路線である。かつては津軽半島の東側の町村を結ぶローカル線であったが、1988年の青函トンネル開通後は、青森駅 - 新中小国信号場間は本州と北海道とを結ぶ列車が多く通過する路線となった。中小国駅 - 大平駅間にある新中小国信号場で青函トンネルに繋がる北海道旅客鉄道(JR北海道)の海峡線が分岐している。一方、新中小国信号場 - 三厩駅間はローカル線として取り残され、定期列車は1日5往復運行されるのみである。
将来開業する北海道新幹線は本路線と並行する予定だが、経営が別会社のため、並行在来線とはならない。
列車交換設備のある駅は青函トンネル開業に際し(貨物列車との行き違いを考慮し)構内待避線を延伸した(旅客ホーム有効長はそれ以前のまま)。
路線データ
- 管轄(事業種別)・区間(営業キロ)
- 軌間:1067 mm
- 駅数:18(起点駅を含む)
- 信号場数:2
- 全線単線
- 電化区間:青森駅 - 新中小国信号場(交流 50 Hz・20,000 V)
- 閉塞方式:
- 青森駅 - 新中小国信号場間 単線自動閉塞式
- 新中小国信号場 - 三厩駅間 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 保安装置:ATS-SN
- 運転指令所:JR北海道函館指令センター(青森駅 - 新中小国信号場間:CTC)
- 運転取扱駅(駅が信号を制御、運行を管理):三厩駅
- 準運転取扱駅(入換時は駅が信号を制御):蟹田駅
- JR東日本の路線であるが、運行管理はJR北海道管轄の指令所が行っている。
- 踏切などの地上設備指令は、盛岡設備指令管轄。
- 最高速度:
- 青森駅 - 新中小国信号場間 100 km/h
- 新中小国信号場 - 三厩駅間 85 km/h
全線を東日本旅客鉄道盛岡支社が管轄しているが、新中小国信号場の構内は一部設備をのぞき北海道旅客鉄道函館支社が管轄する。
運行形態
広域輸送
津軽海峡線の一部であり、新青森駅 - 函館駅間の特急「白鳥」「スーパー白鳥」や、夜行列車として寝台特急「北斗星」などが運行されるほか、貨物列車も多く運行されている。JR北海道(海峡線)との営業上の分界点は中小国駅、施設上の分岐点は新中小国信号場であるが、運転上の分界点は蟹田駅であり、乗務員の交替はこの駅か青森駅で行なわれる。
- 特急「白鳥・スーパー白鳥」:新青森駅 - 函館駅間
- 特急「北斗星」:上野駅 - 札幌駅間
- 特急「カシオペア」:上野駅 - 札幌駅間
- 特急「トワイライトエクスプレス」:大阪駅 - 札幌駅間
- 急行「はまなす」:青森駅 - 札幌駅間
地域輸送
運転系統は蟹田駅を境に分断されている。気動車による列車を含めて、ワンマン運転は行っていない。
青森駅 - 蟹田駅間については、数多く運転される特急列車や貨物列車の間を縫う形で、秋田車両センターの701系電車を使用して2時間に1本程度の各駅停車が運転されている。また早朝・夜は八戸運輸区所属で一般用のキハ40系気動車(キハ40形、キハ48形)も運転される。この気動車列車のうち朝の1本は、2010年12月4日のダイヤ改正から2014年3月14日まで青い森鉄道線に直通して、蟹田駅→八戸駅間を運行しており、八戸運輸区に車両を入庫させていた。テンプレート:要出典範囲[3]
なお、2010年12月3日までは特急用の485系電車やE751系電車が間合い運用(1990年代前半までは583系電車も使用)で運転されていた。そのため、そうした特急用車両使用の普通列車にはグリーン車が自由席グリーン車として連結され、グリーン券の販売も行われていた。
蟹田駅 - 三厩駅間についてはキハ40系気動車による普通列車のみの運転で、本数は1日5往復である。そのうち1往復が青森車両センターからの出入庫のため青森駅 - 三厩駅間を直通するが、それ以外は蟹田駅 - 三厩駅間の運転である。
2002年12月からは、専用車両を使用した周遊観光列車「きらきらみちのく津軽・八戸」号が不定期で運転されていたが、現在は津軽線に乗り入れていない。2006年5月3日には八戸線で運用している“うみねこ”を使用した「快速終着駅号」が青森駅 - 三厩駅間で運転された。「快速終着駅号」は2007年9月17日にも運転された。
2010年12月4日からは、ハイブリッド車両(HB-E300系気動車)を使用した観光列車「リゾートあすなろ津軽」(2012年10月から「リゾートあすなろ津軽蟹夫」に名称変更した)が土曜日・休日を中心に1往復運行している。
- JRE-701-TsugaruLine.jpg
701系電車(蟹田駅)
- KIHA40 Tsugaru Line.jpg
キハ40系気動車(蟹田駅の留置線で待機中)
- Sabo.JPG
気動車に付けられた行先票(2枚目の写真の車両とは別)。
歴史
改正鉄道敷設法別表第2号に規定する予定線「青森県青森より三厩、小泊を経て五所川原に至る鉄道」で、津軽半島を馬蹄形に巡る鉄道の一部である。このうち、西側の五所川原駅 - 津軽中里駅間は1930年に津軽鉄道線として開業しているが、東側の津軽線の開業は太平洋戦争後の1951年から1958年にかけてである。
津軽線は青函トンネルの本州側の取付け路線として整備され、青森駅 - 新中小国信号場駅間の電化や交換設備の増設が行なわれた。これによって、津軽線は本州と北海道を結ぶ大動脈・津軽海峡線の一部となった。
- 1951年(昭和26年)12月5日:青森駅 - 蟹田駅間 (27.0 km) を津軽線として新規開業。油川駅・奥内駅・後潟駅・蓬田駅・瀬辺地駅・蟹田駅が開業。
- 1958年(昭和33年)10月21日:蟹田駅 - 三厩駅間 (28.8 km) を延伸し全線開業。中小国駅・大平駅・津軽二股駅・大川平駅・今別駅・三厩駅が開業。
- 1959年(昭和34年)11月25日:津軽宮田駅・左堰駅・中沢駅・郷沢駅が開業。
- 1960年(昭和35年)12月10日:津軽浜名駅が開業。
- 1984年(昭和59年)2月1日:全線で貨物営業が廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道が承継。
- 1988年(昭和63年)3月13日:青森駅 - 新中小国信号場駅間が電化。新油川信号場・新中小国信号場が新設。日本貨物鉄道が青森駅 - 新中小国信号場駅 (33.7 km) で第二種鉄道事業開始(4年ぶりの貨物営業再開)。
- 1991年(平成3年)3月16日:三厩駅を「みうまや」から「みんまや」に呼称変更。
駅・信号場一覧
- 普通列車はすべての旅客駅に停車。特急・急行列車の停車駅については「白鳥 (列車)」「はまなす (列車)」の各列車記事を参照。なお寝台特急列車は津軽線内で旅客扱いを行う停車駅は無し。
- 線路(全線単線) … ◇:列車交換可、|:列車交換不可、ᗑ:三厩駅方面同士の列車の交換は不可
- 全駅青森県内に所在
電化状況 | 愛称 | 駅名 | 駅間 営業 キロ |
累計 営業 キロ |
接続路線・備考 | 線路 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
交流電化 | 津軽海峡線 | 青森駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:奥羽本線 青い森鉄道:青い森鉄道線 |
◇ | 青森市 |
(滝内信号所)[* 1] | - | - | | | ||||
新油川信号場 | - | 4.4 | ◇ | ||||
油川駅 | 6.0 | 6.0 | | | ||||
津軽宮田駅 | 3.7 | 9.7 | | | ||||
奥内駅 | 1.8 | 11.5 | ◇ | ||||
左堰駅 | 1.6 | 13.1 | | | ||||
後潟駅 | 1.6 | 14.7 | | | ||||
中沢駅 | 2.1 | 16.8 | ◇ | ||||
東津軽郡 蓬田村 | |||||||
蓬田駅 | 2.3 | 19.1 | | | ||||
郷沢駅 | 2.0 | 21.1 | ◇ | ||||
瀬辺地駅 | 2.3 | 23.4 | | | ||||
蟹田駅 | 3.6 | 27.0 | 北海道旅客鉄道:海峡線(津軽海峡線)(旅客列車乗換可能駅) | ◇ | 東津軽郡 外ヶ浜町 | ||
中小国駅 | 4.4 | 31.4 | 北海道旅客鉄道:海峡線(津軽海峡線)[* 2] | | | |||
新中小国信号場 | - | 33.7 | (津軽線と海峡線の実際の分岐点) | ᗑ | |||
非電化 | |||||||
大平駅 | 3.6 | 35.0 | | | ||||
津軽二股駅 | 11.6 | 46.6 | 北海道旅客鉄道:海峡線(津軽海峡線) (津軽今別駅) | | | 東津軽郡 今別町 | ||
大川平駅 | 2.0 | 48.6 | | | ||||
今別駅 | 2.4 | 51.0 | | | ||||
津軽浜名駅 | 1.7 | 52.7 | | | ||||
三厩駅 | 3.1 | 55.8 | ◇ | 東津軽郡 外ヶ浜町 |
脚注
関連項目
テンプレート:東日本旅客鉄道盛岡支社- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 2.0 2.1 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ↑ テンプレート:PDFlink及び交通新聞社発行の小型時刻表2014年3月号から
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