沼津市
テンプレート:Infobox 沼津市(ぬまづし)は、静岡県の東部、伊豆半島の付け根に位置する市。特例市。
目次
概要
駿河湾に臨む伊豆半島の付け根、愛鷹山の麓に位置する港町である。 東駿河湾地域の中心都市であり沼津都市圏を形成する。
古来、東海道の陸路と海路を繋ぐ交通拠点であり、江戸時代には沼津城が築かれ東海道の宿場町として栄えるなど人・物・情報の交流拠点として、この地域の政治経済や商業、文化の中心的役割を担ってきた。
気候が温暖である他、箱根や伊豆半島や富士山への観光拠点としても便利な立地条件でもあるため、保養地としても発達した。 明治時代から1969年に亘っては、政財界の著名人が別荘を建てて、皇室も沼津御用邸を構えたために、「海の有る軽井沢」とも称された。 井上靖を初めとする文人墨客所縁の地でもある。
水産業が盛んであり、干物の「鯵の開き」、「雑節」の生産は市ごとの統計が廃止される2005年(平成17年)まで日本一の規模であった他、近年では新鮮な魚介類を求め沼津港を訪れる観光客が増加している。 だがここ十数年間では経済状況が悪化し、人口の減少が続いている。
地理
市街地から程近い香貫山は市民の憩いの場となっており、駿河湾に面した千本松原には沼津ゆかりの作家、芹沢光治良や若山牧水らの文学碑が点在する。なお、市街地を流れる狩野川は静岡県を流れる一級河川の中で唯一北上する川である。
富士市との間には浮島沼が広がっている。静岡県下最長の60kmの海岸線は砂浜からリアス式海岸まで変化に富み、それを生かしたレジャースポーツも盛んであり、大瀬崎は全国的に有名なダイビングスポットである。
駿河トラフ(南海トラフの北端の海溝)の東端が市の沖にあるため、深海魚のラブカやタカアシガニ等の水揚げがある一方、プレート境界型の大地震(東海地震)の危険性が指摘されており、国・静岡県・周辺自治体とともに地震対策、特に津波対策に力が入れられている。自主防災組織の活動も活発であるほか、自治体による防災設備の拡充にも力が注がれている。
自然地理
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商業
当市は商圏人口100万人の沼津商圏を擁しており、静岡県東部地域の商業の中心地となっている。特に沼津駅前には商店街、百貨店やアミューズメント施設が集積しており、静岡県東部随一の繁華街となっている。しかしながら、長崎屋、丸井、沼津西武などの大型店の相次ぐ撤退、近年の郊外化の影響などにより当市においても中心市街地の空洞化が進行して往年の活気が無い状態が続いている。
中心市街地の店舗は撤退、閉店が相次ぐ一方で郊外店は増加するという悪循環に陥っている。この状況を打開するために、市は沼津駅の高架化を中心とする沼津駅周辺総合整備事業を掲げているが、駅の高架化に先駆けて完成した再開発ビルイーラdeは集客や周辺への波及効果などの点において、目的を完全には達成できていないのが現状である。
市内の主な商業施設
主な商店街
大規模商業施設
沼津駅周辺 |
沼津市街 |
郊外店 |
本社や拠点を置く主な企業
- 本社
- スルガ銀行本店
- 静岡中央銀行本店
- 沼津信用金庫本店
- ゴトー本社 - メガフランチャイジー
- エヌビーエス - のっぽパンなど、パンの製造。
- フーディアム・インターナショナル本社
- メディアクリエイト本社 - 漫画喫茶「ゆう遊空間」を運営。
- ZOA本社
- 富士急シティバス本社
- 沼津登山東海バス本社
- 国産電機本社
- 東芝機械本社(登記上の本店は東京都千代田区)
- 平成建設本社
- マキタ沼津(旧富士ロビン)本社
- 桃中軒本社 - 駅弁等の製造・販売
- 米久本社
- アルファ本社 - ヒートシンク製造。
- 静岡沖電気工業本社
- アンゼンフーズ本社 - 華点心類・肉加工品の冷凍食品製造。
- 北越東洋ファイバー本社 - バルカナイズドファイバー製造。
- トッパン・エレクトロニクス富士本社
- 三幸興業本社 - 人材派遣。
- トーヨーアサノ本社 - 太平洋セメントグループ。コンクリートパイル製造等。本社機能は東京。
- オートベル本社 - 中古車買取・販売店を静岡県内に展開。
- イカイ本社 - 構内請負、人材派遣、ソフトウェア設計、広告代理、製造、運送事業等。
- エイテック本社 - 釣具の開発・製造・輸入。アルファタックル、オクマなどのブランドを展開。
- 拠点
- リコー沼津事業所 - 北および南プラントの計2ヶ所がある。主に複写機用トナーを扱う拠点。
- 明電舎沼津事業所 - 同社の主力工場。制御装置・電子装置の生産拠点。
- 富士通沼津工場
- 沖電気工業社会システム工場 - 同社の基幹工場の一つ。情報通信システムの研究・開発の拠点。
- 東芝ライテック沼津事業所
- エヌ・イー ケムキャット沼津事業所 - 化学製品製造。
- 東レエンジニアリング沼津工場
- 東レメディカル静岡工場
- 日本AEパワーシステムズ沼津事業所 - 送変電・受変電などの開発、設計など。
- 図書印刷沼津工場
- IHI運搬機械沼津工場
- フジクラ沼津事業所
- 関電工静岡支店
- 矢崎電線沼津工場
- 東京電力沼津支店
マスメディア
- 沼津新聞
- 沼津朝日新聞
- COAST-FM(エフエムぬまづ)(76.7MHz)
- TOKAIコミュニケーションズ(旧ビック東海)(CATV放送事業本部、CATV放送・通信センター)
教育
大学・短期大学
- 東海大学開発工学部
- 東海大学の学部再編により開発工学部の廃止が決定され、開発工学部が置かれる沼津キャンパスは2010年度からの新入生募集を停止する。沼津キャンパスは在学生が卒業する2012年度以降も大学として利用する方針が発表されている。
- 静岡県立大学経営情報学部 沼津エクステンションセンター
高等専門学校
高等学校
市立
- 沼津市立沼津高等学校※中高併設
なお、静岡県立沼津商業高等学校という高校がある。この学校は昭和30年代まで当市内の所在であったが、校地等の関係で昭和40年代に隣の駿東郡清水町に移転し、現在は当市内には所在しない。
中学校
市立
- 沼津市立大平中学校
- 沼津市立今沢中学校
- 沼津市立門池中学校
- 沼津市立長井崎中学校
- 沼津市立戸田中学校
- 沼津市立沼津高等学校中等部※中高併設
私立
- 加藤学園暁秀中学校※中高併設
小学校
市立
- 沼津市立第一小学校(代戯館→沼津兵学校附属小学校)
- 沼津市立第二小学校
- 沼津市立原小学校
- 沼津市立片浜小学校
- 沼津市立大岡小学校
- 沼津市立金岡小学校
- 沼津市立愛鷹小学校
- 沼津市立西浦小学校
- 沼津市立浮島小学校
- 沼津市立大平小学校
- 沼津市立第三小学校
- 沼津市立第四小学校
- 沼津市立第五小学校
- 沼津市立千本小学校
- 沼津市立内浦小学校
- 沼津市立静浦小学校
- 沼津市立静浦東小学校(平成22年静浦小学校と統合)
- 沼津市立静浦西小学校(平成22年静浦小学校と統合)
- 沼津市立開北小学校
- 沼津市立香貫小学校
- 沼津市立今沢小学校
- 沼津市立門池小学校
- 沼津市立沢田小学校
- 沼津市立大岡南小学校
- 沼津市立原東小学校
- 沼津市立戸田小学校
私立
特別支援学校
- 静岡県立沼津視覚特別支援学校(幼、小、中、高)
- 静岡県立沼津聴覚特別支援学校(幼、小、中、高、専攻科)
- 静岡県立沼津特別支援学校(小、中、高)
専修学校
学校法人の施設
- 学習院 沼津遊泳場
学校教育以外の施設
- 自動車教習所
- 東部自動車学校
- 黄瀬川自動車学校
- 公共職業能力開発施設
- 静岡県立沼津技術専門校(愛称:沼津テクノカレッジ)
- 静岡県立あしたか職業訓練校
交通
当市は財界の保養地としても発展したために、鉄道や道路などの交通網の整備が明治の早い段階から推し進められて来た。
東海道本線は当初、箱根を貫通するトンネルの開削技術がなかったことから北の御殿場を通る現在の御殿場線ルートを採用したが、これに伴い25パーミル(1000分の25)の急勾配が発生した。そのため、沼津には勾配を超えるための補助機関車を解結するための機関区が置かれ、結果として同線における重要な駅と位置づけられることになった。
1934年、丹那トンネルの開通により東海道本線のルートが現行のものになった後も、1949年までは同線の電化区間が東京から沼津までであったため、ここで電気機関車と蒸気機関車との付け替えを行った。
鉄道
東海道本線は、沼津 - 東京間に直通乗入れが複数ある。また、特急「あさぎり」も、御殿場線と小田急線を経由し、沼津と新宿を結んでいた。
東海道新幹線を利用する場合は、沼津から三島まで東海道本線で1駅連絡することになる。
なお、市内を通る鉄道は、すべて東海旅客鉄道(JR東海)管轄である。
中心駅:沼津駅
道路
【高速道路】
※新東名高速道路は沼津市を通っているが市内にインターチェンジやジャンクションは存在しない(長泉沼津ICは沼津市でなく長泉町に存在する)
【国道】
【県道】
- 静岡県道17号沼津土肥線
- 静岡県道18号修善寺戸田線
- 静岡県道22号三島富士線
- 静岡県道52号沼津停車場線
- 静岡県道83号沼津インター線
- 静岡県道87号大岡元長窪線
- 静岡県道127号船原西浦高原線
- 静岡県道130号伊豆長岡三津線
- 静岡県道139号原木沼津線
- 静岡県道140号三島静浦港線
- 静岡県道144号下土狩徳倉沼津港線
- 静岡県道145号沼津三島線
- 静岡県道159号沼津港線
- 静岡県道160号千本城内線
- 静岡県道162号沼津停車場東沢田線
- 静岡県道163号東柏原沼津線
- 静岡県道164号西椎路松長線
- 静岡県道165号原停車場線
- 静岡県道166号石川一本松線
- 静岡県道380号富士清水線
- 静岡県道405号足高三枚橋線
バス
- ビーバス南北循環(伊豆箱根バス)
- ミューバス片浜循環・原循環(富士急シティバス)
- 路線バス
- 高速バス (沼津駅北口バスターミナル)
船舶
- 戸田運送船
- 高速船ホワイトマリン:沼津港 - 戸田港 - 土肥港(カーフェリーの運航はない)
軌道
1963年(昭和38年)に廃止された路面電車を、同様に廃止された蛇松線のルートを通ってLRTとして復活しようとする動きがある。
索道
- 淡島ロープウェイ - 日本で唯一の海上ロープウェイである。
空港
市内に空港は無いが以下の2つが主に使用される。
観光
主な史跡・旧跡等
観光地
- 伊豆三津シーパラダイス
- 淡島マリンパーク
- 沼津港深海水族館
- 沼津ぐるめ街道
- 沼津港大型展望水門「びゅうお」
- 大瀬崎 - 大瀬崎のビャクシン樹林 - 引手力命神社 - 大瀬明神の神池
- 戸田温泉 - 沼津市立造船郷土資料博物館(併設:駿河湾深海生物館)
- 井田の明神池
- 我入道の渡し
祭り
- よさこい東海道
- 水祝儀
- 戸田盆踊り大会・海上花火大会
スポーツ
- アスルクラロ沼津 - 静岡県東部のサッカークラブ
- 大瀬崎- スキューバーダイビングのスポット
- イカイ・EPSセパタクロー - 静岡県唯一のセパタクローTEAM日本代表選手所属・山田昌寛・本橋淳・林雅典
当市を舞台とした作品
- 小説
- 映画
沼津に関連する有名人
沼津出身者・沼津市民
政治
経済
文学
芸術
- 原田眞人(映画監督)
- 村山知義(グラフィックデザイナー)
- 山口源(版画家)
- ニコラ・フォルミケッティ (ファッションエディター)
学術
スポーツ
芸能
マスメディア
架空の人物
当市に縁の有る人物
- 文学
- 井上靖と大岡信の両名は、出身地がそれぞれ外の都市である。井上は天城湯ヶ島(現・伊豆市湯ヶ島)出身、大岡は三島出身。共に出身校が旧制沼津中学校(戦後の静岡県立沼津東高等学校)であるため、その理由で井上は生前に、大岡は2003年の文化勲章受章時に、名誉市民が授与されている。大岡は、同時期に出身地である三島市からも名誉市民が授与され、異例の2市同時名誉市民授与となった。
- 太宰治(小説家)
- 三國連太郎(俳優)
- 養父が当市出身。家庭の事情で中学2年まで土肥町に住んでいた関係で、晩年は沼津に住んでいた。沼津の観光大使にも就任した事がある。
- タモリ(タレント)
- 沼津マリーナにヨットを所有し、週末にはクルージングに訪れていた。当市の内浦湾では「タモリ茶碗(カップ)」を冠するヨットレースが行われている。
- 山田邦子(タレント)
- 父が当市出身。観光大使に就任したこともある。
- 芸術
- ニコラ・フォルミケッティ (ファッションエディター)
- 母親が当市出身。沼津第五小学校を卒業。自分にとってのファッションの原点は沼津にあると言っており、「いつになっても僕のホームタウンは沼津」と述べている。来日の際には、必ず沼津まで出向く。
- 政治
- 沼津兵学校の教頭であった。
- 町村信孝(元外務大臣、政治家)
- 出生地が沼津。
- 宮澤喜一(官僚、政治家)
- 大蔵省に入省後、最初に配属された任地であり沼津税務署署長として着任し、在職していた。
その他
- 「ねんねんころりよ おころりよ」の歌詞の子守歌は「沼津地方の子守歌」といわれている[14]。
- 和文通話表で「ヌ」を送る際、沼津のヌという。
- エキセントリック少年ボウイオールスターズに登場する主人公の少年ボウイが操る高速マシーン・エキセントリック号は沼津ナンバーという設定となっている。
- Jアラート(全国瞬時警報システム)を導入している。
脚注
関連項目
外部リンク
- 静岡県沼津市(公式サイト)
- 沼津市観光WEB
- 沼津市 戸田観光協会
- ↑
- ↑ 沼津市公式サイト: 弥生時代
- ↑ 沼津市公式サイト: 狩野川台風
- ↑ 在日米軍施設・区域別一覧 - 防衛省(2013年3月現在、同年11月25日閲覧)
- ↑ 誰か昭和を思わざる 大正ラプソディー (大正2年1〜6月)
- ↑ 宮本憲一『公害対策基本法』佐々木・鶴見・富永・中村・正村・村上編集委員 2005年 259頁-260頁
- ↑ 沼津市の反対運動は、住民向けの学習会が市内各地で模様され、反対運動の原動力となった。反対運動は、革新派だけでなく保守派との連携が沼津市の反対運動の特徴と言われる。そのため、同じ保守派でも市長派と反市長派と対立するようになった。
- ↑ 沼津市公式サイト: ぬまづ自慢 これが一番・これが唯一・産業
- ↑ JAなんすん ぬまづ茶の歴史
- ↑ 沼津市役所 産業立地総合支援サイト 産業振興資料
- ↑ 静岡農政事務所 - 西伊豆戸田のタカアシガニ 産地のあゆみ
- ↑ “西友「沼津店」、WM主力業態に注力 SuCいまだ発展途上”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2004年4月12日)
- ↑ “「西友楽市沼津松長」がオープン”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2000年8月30日)
- ↑ 沼津市公式サイト: この子のかわいさ 沼津地方の子守唄