沼津垣
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沼津垣(ぬまづがき)とは、竹垣の工法の1つ。
静岡県沼津市に伝わるもので、土地の名のついた竹垣は沼津垣と大津垣だけと言われている[1]。駿河湾に面した沼津市付近は西風が強く、それを防ぐために古くから沼津垣が利用されてきた。材料には箱根山に多く自生し、俗に箱根竹と呼ばれる、直径1cmほどの細いメダケを使い、十数本ずつ束ねて杉綾模様で編んでいく[2]。
沼津垣は江戸時代以前から作られ続けていたといわれ、沼津の風景を描いた江戸時代の浮世絵や絵図にも描かれており[3]、この地域で古くから広く利用されていたことがわかる。現在では沼津垣が減り職人も少なくなっているが、沼津御用邸や若山牧水記念館などで目にすることができる[2]。