第41回衆議院議員総選挙
テンプレート:Infobox 衆議院議員総選挙 第41回衆議院議員総選挙(だい41かいしゅうぎいんぎいんそうせんきょ)は、1996年(平成8年)10月20日に行われた日本の衆議院議員総選挙である。本選挙から前回までの衆議院選挙に用いられていた中選挙区制に代わり、小選挙区比例代表並立制が用いられた。また、本選挙では野党第1党が政権交代を目指し、第28回衆議院議員総選挙以来、38年ぶりに衆議院議員定数の過半数を超える候補者を擁立した。
目次
概説
当時はインターネットが一般に普及しはじめた時期に当たり、インターネットを選挙活動に利用することが公職選挙法で禁じている文書図画の頒布に当たるかどうかが問題となった。 テンプレート:Main
選挙データ
解散日
- 1996年(平成8年)9月27日
解散名
- 小選挙区解散
公示日
- 1996年(平成8年)10月8日
投票日
- 1996年(平成8年)10月20日
改選数
- 500議席(前回より11議席減)
選挙制度
- 小選挙区:選挙区で最多得票を得た候補が当選。
- 比例代表:政党得票に応じて各党に比例配分。
候補者数
党派 | 候補 者数 |
小選 挙区 |
比例代表 | 選挙前 勢力 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
合計 | (重複) | 単独 | ||||
自由民主党 | 355 | 288 | 327 | (260) | 67 | 211 |
新進党 | 361 | 235 | 133 | (7) | 126 | 160 |
民主党 | 161 | 143 | 159 | (141) | 18 | 52 |
社会民主党 | 48 | 43 | 48 | (43) | 5 | 30 |
日本共産党 | 321 | 299 | 53 | (31) | 22 | 15 |
新党さきがけ | 15 | 13 | 11 | (9) | 2 | 9 |
民主改革連合 | 2 | 2 | 1 | (1) | 0 | 2 |
自由連合 | 88 | 88 | 50 | (50) | 0 | 2 |
新社会党 | 39 | 37 | 26 | (24) | 2 | 2 |
諸派 | 28 | 28 | 0 | - | 0 | 0 |
無所属 | 85 | 85 | - | - | - | 10 |
合計 | 1,503 | 1,261 | 808 | (566) | 242 | 493 |
- 出所:朝日新聞選挙本部編『朝日選挙大観 第41回衆議院総選挙 第17回参議院通常選挙』(朝日新聞 1997年)、105頁の表「党派別の候補者数」。
同日実施の選挙等
主な争点
政局
選挙結果
投票率
投票率は過去最低で初めて60%を切った。前回選挙(1993年)はそれまでで最も低い67.26%であったが、今回はそれをも大きく下回る結果となった。
- 当日有権者数:97,680,719名
- 小選挙区:58,262,930名 59.65%
- 比例区:58,239,414名 59.62%
- 出所:前掲書、125頁の表「戦後の総選挙の記録」より。テンプレート:-
議席数
党派 | 小選挙区 | 比例代表 | テンプレート:Nowrap | 増減 (+/-) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
得票数 | 得票率 | テンプレート:Nowrap | 議席率 | 得票数 | 得票率 | テンプレート:Nowrap | 議席率 | テンプレート:Nowrap | 議席率 | |||
自由民主党 | 21,836,096 | 38.63% | 169 | 56.3% | 18,205,955 | 32.76% | 70 | 35.0% | 239 | 47.8% | +28 | |
社会民主党 | 1,240,649 | 2.19% | 4 | 1.3% | 3,547,240 | 6.38% | 11 | 5.5% | 15 | 3.0% | -15 | |
新党さきがけ | 727,644 | 1.29% | 2 | 0.7% | 582,093 | 1.05% | 0 | 0.0% | 2 | 0.4% | -7 | |
与党小計 | 23,804,389 | 42.11% | 175 | 58.3% | 22,335,288 | 40.19% | 81 | 40.5% | 256 | 51.2% | +6 | |
新進党 | 15,812,326 | 27.97% | 96 | 32.0% | 15,580,053 | 28.04% | 60 | 30.0% | 156 | 31.2% | -4 | |
民主党 | 6,001,666 | 10.62% | 17 | 5.7% | 8,949,190 | 16.10% | 35 | 17.5% | 52 | 10.4% | ±0 | |
日本共産党 | 7,096,766 | 12.55% | 2 | 0.7% | 7,268,743 | 13.08% | 24 | 12.0% | 26 | 5.2% | +11 | |
民主改革連合 | 149,357 | 0.26% | 1 | 0.3% | 18,884 | 0.03% | 0 | 0.0% | 1 | 0.2% | -1 | |
諸派 | 1,155,108 | 2.04% | 0 | 0.0% | 1,417,077 | 2.55% | 0 | 0.0% | 0 | 0.0% | -4 | |
無所属 | 2,508,810 | 4.44% | 9 | 3.0% | - | - | - | - | 9 | 1.8% | -1 | |
野党他小計 | 32,724,033 | 57.89% | 125 | 41.7% | 33,233,907 | 59.81% | 119 | 59.5% | 244 | 48.8% | +1 | |
合計 | 56,528,422 | 100.00% | 300 | 100.0% | 55,569,195 | 100.00% | 200 | 100.0% | 500 | 100.0% | (欠18) |
- 選挙前の議員定数は511議席(中選挙区制)であったが、小選挙区300議席、比例代表区200議席になり11議席削減された。
- 得票数に関する出典
選挙前に4人いた諸派の議員は自由連合2人、新社会党2人であるが、両党とも立候補者全員が落選した。
党派 | テンプレート:Nowrap | 小選挙区 | 比例代表 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
計 | 前 | 元 | 新 | 女 | 計 | 前 | 元 | 新 | 女 | (復活) | ||
自由民主党 | 239 | 169 | 126 | 11 | 32 | 2 | 70 | 50 | 3 | 17 | 2 | (32) |
新進党 | 156 | 96 | 70 | 6 | 20 | 3 | 60 | 41 | 3 | 16 | 5 | (2) |
民主党 | 52 | 17 | 10 | 3 | 4 | 0 | 35 | 20 | 2 | 13 | 3 | (25) |
日本共産党 | 26 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 24 | 12 | 7 | 5 | 4 | (16) |
社会民主党 | 15 | 4 | 4 | 0 | 0 | 1 | 11 | 7 | 0 | 4 | 2 | (9) |
新党さきがけ | 2 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | (0) |
民主改革連合 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | (0) |
無所属 | 9 | 9 | 4 | 1 | 4 | 1 | - | - | - | - | - | - |
合計 | 500 | 300 | 219 | 21 | 60 | 7 | 200 | 130 | 15 | 55 | 16 | (84) |
- 出所:前掲書、106頁の表「党派別当選者の内訳」。比例代表区の(復活)は小選挙区では落選したが比例区で復活当選した当選者数。
選挙直前に結党した民主党は新党ブームを起こすことなく、解散時勢力を維持するに留まった。また、社民党は改選前の30議席を大きく下回る15議席と惨敗。新党さきがけも9議席から2議席と大敗を喫した。自民党は239議席と復調したが、過半数には届かなかったので社民・さきがけとの連立政権は維持した。しかし、両党は閣外協力となり、組閣は自民単独に戻った。
自民党は単独過半数回復のため、新進党議員の引き抜きを進めた。引き抜きや補欠選挙での勝利などにより、1997年9月5日には総選挙を経ることなく過半数を回復。第42回総選挙直前には、実に32議席増の271議席に膨れあがっていた。こうした議員の引き抜きは、前回の1993年第40回総選挙から横行しており、与党へ与党へと移籍する議員に対する批判も起こった。そのため、第42回総選挙以降は、政党の名前で当選した比例区議員に限り、同じ比例区に立候補した他党への移籍が禁止された(離党して無所属になることと、新党結成は可能)。
新進党は4議席減の156議席と伸び悩んだ。新進党の将来を悲観した議員などが自民党の引き抜きに応じていった。そして、羽田孜らによる太陽党結党などで分裂へと繋がってゆく。
共産党は社民党から離れた左派票の受け皿となり、11議席増の26議席を獲得した。
政党
- 自由民主党 - 239議席
総裁
橋本龍太郎
幹事長
加藤紘一
総務会長
塩川正十郎
政務調査会長
山崎拓
国会対策委員長
村岡兼造
参議院議員会長
坂野重信
派閥
- 社会民主党 - 15議席
党首
土井たか子
幹事長
伊藤茂
政策審議会長
及川一夫
院内総務会長
秋葉忠利
参議院議員会長
日下部禧代子
- 新党さきがけ - 2議席
代表
井出正一
幹事長
園田博之
総務会長(兼 院内幹事)
三原朝彦
政策調査会長
渡海紀三朗
参議院議員会長
堂本暁子
- 新進党 - 156議席
党首
小沢一郎
幹事長
西岡武夫
総務会長
神崎武法
政策審議会長
野田毅
国会対策委員長
中野寛成
参議院議員会長
林寛子
最高顧問
海部俊樹
- 民主党 - 52議席
</div>
代表(国会代表)
菅直人
代表(党代表)
鳩山由紀夫
政策調査会長
簗瀬進
国会対策委員長
赤松広隆
参議院議員会長
菅野久光
- 日本共産党 - 26議席
議長
宮本顕治
委員長
不破哲三
書記局長
志位和夫
政策委員会責任者
聴濤弘
国会対策委員長
寺前巌
参議院議員団長
立木洋
- 民主改革連合 - 1議席
代表
笹野貞子
</div>
議員
この選挙で小選挙区当選
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この選挙で比例区当選
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この選挙で初当選
※初当選者のうち、参議院議員経験者には「※」の表示があります。
自由民主党
新進党
民主党
日本共産党
社会民主党
無所属
この選挙で返り咲き
自由民主党
新進党
民主党
日本共産党
無所属
この選挙で引退・不出馬
自由民主党
新進党
民主党
社会民主党
無所属
この選挙で落選
新社会党・自由連合は全議員が落選し、議席を失った。
自由民主党
新進党
(小選挙区と比例区の重複立候補が原則として許されなかったこともあり、多くの現職議員が落選した)
民主党
日本共産党
社会民主党
新党さきがけ
民主改革連合
新社会党
自由連合
無所属
選挙後の政局
国会
第138特別国会
- 衆議院議長選挙
- 伊藤宗一郎(自民党)-497票 渡部恒三(新進党)-1票 無効-1票
- 衆議院副議長選挙
- 渡部恒三(新進党)-498票 無効-1票
- 首班指名選挙(衆議院議決)
- 橋本龍太郎(自民党)-262票 小沢一郎(新進党)-152票 菅直人(民主党)-51票 不破哲三(共産党)-26票 土井たか子(社民党)-3票 無効-3票
参考書籍
- 朝日新聞選挙本部編『朝日選挙大観 第41回衆議院総選挙 第17回参議院通常選挙』(朝日新聞 1997年)。