十勝沖地震
十勝沖地震(とかちおきじしん)は、北海道の十勝地方の沖合を震源として起こる地震。過去に数回発生しているため、一般的に発生年を付して「○○○○年十勝沖地震」と呼んで区別される。
文書に残る十勝地域の歴史地震は慶長年間の松前藩によるトカチ場所の設置及び、1666年(寛文6年)のビロウ場所の設置以降で、松前藩以前の道東地域に主に居住していたアイヌ人による史料は残されていない[1]。
目次
概要
北海道十勝沖からロシア連邦のカムチャツカ半島沖にかけて千島海溝が存在しているが、この海溝では太平洋プレートが北アメリカプレートの下に年間数cmの速度で沈み込んでいる。このため両プレートの境界で歪みが発生し、その歪みの開放により発生する逆断層型の海溝型地震である。
想定される十勝沖地震のマグニチュード(M)は8前後、発生間隔は約60 - 80年と見られている。これまで M8クラスの地震が1843年、1952年、2003年と繰り返し発生している。400 - 500年程度の間隔で根室沖地震と連動してきた可能性があり、2003年の十勝沖・1973年の根室沖の次の地震が連動した場合の規模はM8.3程度と推定されている[2](後述)。なお、1968年の地震は震源域が「三陸沖北部」に分類されるため、この周期に含まれない[3]。
また、十勝沖では17.5年周期でM7前後のひとまわり小さい海溝型地震や27.3年周期で沈み込むプレート内部で発生するM7-8程度のスラブ内地震(深発地震)も発生する[2]。
500年間隔地震(連動型)
十勝沖地震は、約500年間隔で根室沖地震と連動すると考えられている(千島海溝連動型地震)。2005年には中央防災会議が「500年間隔地震」と命名し、対策を始めた[4]。調査開始初期には連動間隔は300年から600年とされていたが、精度の高い年代測定を実施した結果、500年間隔ではなく100年から800年程度のバラツキがあり、平均発生間隔は400年程度と求められている[5]。
500年間隔地震による津波(痕跡)分布を説明できる断層モデルはM8.5[6]または8.6[7]のプレート間地震が想定されている。
痕跡の発見
津波の痕跡は、北海道大学の平川一臣らのグループが北海道東部の太平洋沿岸で発見し、1998年に発表した[7]。また、平川は道南の森町の地層で、500年間隔地震によるものとみられる紀元前後以降3層の津波堆積物を発見した[8]。平川は震源域が十勝・根室沖だけでなく、三陸沖北部の青森沖まで達することがあった可能性を指摘した[9]。
2000年2月に釧路市春採湖で行ったボーリング調査では、過去9000年間に20回の津波イベントが記録されていた[10]。
発生歴
13世紀と17世紀の大規模な津波の痕跡が確認されているが、松前藩の入植より以前の文献記録がないため、暦年の特定までは至っていない。直近の連動は17世紀初頭とされている[11]。なお、直近の活動については1635年とする説[7]、1611年のこれまで慶長三陸地震とされてきた地震がこれに該当するという説がある一方、発見された津波痕跡が十勝沖地震のものではなく従来の推定より規模が大きい慶長三陸地震のものであるとする説[4]がある。連動型地震では、現在の海岸線から2 - 3km以上が浸水、高さは10 - 15m以上の津波が発生したとみられている[11]。
次の発生時期
前回の連動型の活動時期が1611年で有るならば、既に400年を経過した状態であるため、モーメントマグニチュード (Mw)8.5を越える地震がいつ発生してもおかしくない時期が来ていると考える研究者もいる[5]。
前兆現象
地震像(本震および余震の起こり方)が似ている1952年と2003年の地震では、同じ様な前兆現象が発生していた。しかし、前兆現象として発生するとされている『プレスリップ』(前兆滑り)は、2003年の地震では検出できなかった[12]。
震源域の静穏化現象
1952年十勝沖地震の7年ほど前から震源域付近では小さな地震の頻度が低下する現象がおきていた。また2003年十勝沖地震の際も1990年以降同様の現象がおきていたことが研究者より指摘されていた[13]。太平洋戦争後からの記録によると、大地震発生の数年から十数年前に微小地震の回数が減る「第2種地震空白域」の形成が確認されており、この間にプレートの動きが滞り、強大なエネルギーが蓄積されると考えられている。
深発地震との関係
1952年と2003年の地震では M8 クラスの本震の発生に先立って、プレートのもぐり込み先を震源とする深発地震が増加していた[14]。
主な地震
1843年
天保14年3月26日明方(1843年4月25日)。マグニチュードは地震カタログによって異なり、7.5~8.0[15][16]。『國泰寺日鑑』、『釧路郡役所報告』などに記録がある。 ロシアでは南千島地震としている。釧路から根室にかけて強く揺れ、厚岸で八幡神社が4-5尺ずれ、地割れがあり、江戸でも有感であった。
津波が北海道太平洋側から千島列島に襲来し、厚岸で波高4-5m、番屋やアイヌの家屋が流失した。根室や国後島でも溺死者を出した[17]。
1915年
1952年
概要
- 本震
- 各地の震度
震度 | 都道府県 | 市区町村 |
---|---|---|
6 | 北海道 | 池田町 浦幌村(現・浦幌町) |
5 | 北海道 | 浦河町 帯広市 本別通報所 釧路市 |
4 | 北海道 | 札幌市中央区 函館市 森町 小樽市 岩見沢市 富良野通報所 苫小牧市 日高門別通報所 根室市 |
青森県 | 青森市 むつ市 | |
岩手県 | 宮古市 |
被害
北海道から東北北部で揺れや津波などの被害があり、28人が死亡、5人が行方不明、287人が重軽傷を負った。また、家屋被害は、全壊815棟、半壊1324棟、一部損壊6395棟、流失91棟、浸水328棟、焼失20棟、非住家被害1621棟であった。このほか、船舶被害451隻を出した。
北海道東部の厚岸郡浜中町の中心部霧多布地区では津波により家屋が大多数流出し壊滅した。この時期の流氷及び海氷が津波により押し寄せ、家屋の破壊が甚大になったと考えられている。この地区は8年後の1960年チリ地震津波でも街が壊滅し、死者11名を出す被害を繰り返す事になる。
津波は、厚岸湾が最高で6.5m、青森県八戸市で2mなど。津波警報制度発足後、最初の大津波だった。ただ、前日の3月3日が1933年に起こった昭和三陸地震記念日で警報伝達訓練や避難訓練も多数行われ、防災に大変役立った。
2003年
概要
- 本震
- 発生:2003年(平成15年)9月26日(金)午前4時50分07秒(日本時間)
- 震源:北海道襟裳岬東南東沖80km 北緯41度46.7分、東経144度4.7分、深さ45km。 震源は1952年の巨大地震とほぼ同じ
- 地震の規模:Mj8.0、Mw8.0(気象庁)[18]、Mw8.3(アメリカ地質調査所)[19]
気象庁はこの地震を平成15年(2003年)十勝沖地震と命名した。
この地震の震源付近では1952年3月4日にM8.2の十勝沖地震が発生している。
- 各地の震度
震度 | 都道府県 | 市区町村 |
---|---|---|
6弱 | 北海道 | 新冠町 静内町 浦河町 鹿追町 幕別町 豊頃町 忠類村 釧路町 厚岸町 |
5強 | 北海道 | 厚真町 足寄町 帯広市 本別町 更別村 広尾町 弟子屈町 釧路市 音別町 別海町 |
5弱 | 北海道 | 新篠津村 栗沢町 南幌町 長沼町 栗山町 中富良野町 清里町 北見市 訓子府町 苫小牧市 上士幌町 音更町 清水町 芽室町 |
4 | 北海道 | 石狩市 札幌市中央区 札幌市白石区 千歳市 恵庭市 函館市 上磯町 恵山町 南茅部町 砂原町 森町 知内町 上ノ国町 厚沢部町 北檜山町 小樽市 余市町 真狩村 倶知安町 妹背牛町 秩父別町 北竜町 滝川市 砂川市 奈井江町 浦臼町 新十津川町 雨竜町 岩見沢市 美唄市 三笠市 剣淵町 旭川市 富良野市 上富良野町 南富良野町 東藻琴村 女満別町 美幌町 斜里町 端野町 留辺蘂町 生田原町 丸瀬布町 伊達市 虻田町 洞爺村 白老町 平取町 えりも町 中標津町 羅臼町 根室市 白糠町 |
青森県 | 青森市 五所川原市 平内町 蟹田町 今別町 蓬田村 平舘村 木造町 柏村 稲垣村 車力村 浪岡町 板柳町 金木町 小泊村 藤崎町 尾上町 常盤村 田舎館村 十和田市 三沢市 野辺地町 七戸町 百石町 六戸町 横浜町 上北町 東北町 天間林村 下田町 六ヶ所村 五戸町 名川町 階上町 福地村 南郷村 倉石村 むつ市 川内町 大間町 東通村 | |
岩手県 | 軽米町 大野村 二戸市 浄法寺町 矢巾町 | |
宮城県 | 迫町 |
防災科学技術研究所が設置した強震観測網によれば広尾町広尾と浦幌町直別で震度6強相当(計測震度6.0〜6.3)の揺れを観測した[20]。
- 最大余震
- 発生:2003年(平成15年)9月26日午前6時08分02秒(日本時間)
- 震源:十勝沖 北緯41度42.5分、東経143度41.4分、深さ21km
- 地震の規模:M7.1
- 最大余震の各地の震度
震度 | 都道府県 | 市区町村 |
---|---|---|
6弱 | 北海道 | 浦河町 |
5強 | 北海道 | 新冠町 |
5弱 | 北海道 | 厚真町 静内町 |
青森県 | 野辺地町 むつ市 東通村 | |
4 | 北海道 | 石狩市 新篠津村 札幌市中央区 札幌市白石区 江別市 千歳市 恵庭市 函館市 上磯町 恵山町 南茅部町 砂原町 知内町 厚沢部町 小樽市 滝川市 砂川市 奈井江町 新十津川町 岩見沢市 美唄市 三笠市 栗沢町 南幌町 長沼町 栗山町 中富良野町 伊達市 虻田町 苫小牧市 白老町 えりも町 鹿追町 帯広市 音更町 清水町 芽室町 幕別町 豊頃町 更別村 忠類村 広尾町 |
青森県 | 青森市 | |
岩手県 | 軽米町 大野村 二戸市 玉山村 浄法寺町 矢巾町 |
被害
北海道から東北地方の太平洋沿岸に津波が襲来し、最高で2m55cm(北海道豊頃町・大津で記録)に達した。この津波で、北海道では豊頃町の十勝川河口でサケ釣りをしていた釣り人の男性2名が津波にさらわれ行方不明となり[21]、うち1名の遺体が2005年4月に発見された[22]。また北海道(十勝川など)では、津波が川を10km以上も逆流する現象も発生した。津波による死者・行方不明者の他には今回の地震による犠牲者はいない。
なお、地震発生前日の朝から釣りに行ったまま28日夜になっても帰宅してこなかった帯広市の男性についても捜索対象となったが、後に無事に帰宅していたことが判明した。男性は29日に自分が捜索の対象になっているのをラジオで知り、出掛けていた知床半島から同日午後8時半に帰宅したという[23]。
この地震で政府は地震が発生した当日に官邸内に対策室を設置し、また北海道庁は陸上自衛隊第5師団に災害派遣を要請するなどして対応した。
北海道東部(道東)の各地方都市を結ぶ鉄道・道路・橋梁が各地で多数破損したため、一時道東地方の交通は全面ストップし、その後、主要道路の通行止め解除には数日、完全な復旧には数か月を要した。また町村道のような末端の生活道路の補修には数年を要した。
鉄道に関しては、根室本線直別駅構内を走行中の特急まりも(8両編成)の先頭から2両目の車両が脱線し、乗客39名のうち1名が軽傷を負った、また、同本線の路盤・橋梁・信号施設、駅舎なども破損などの被害が生じ、ダイヤが正常に戻ったのは翌月8日に入ってからであった。
また港湾施設の被害は大きく、釧路港などでは液状化現象が多数発生した。釧路空港は管制塔の天井部分が壊れるなどして管制業務が出来なくなったため閉鎖された。ライフラインでは、厚真町の苫東厚真火力発電所4号機(出力70万kw)が地震により自動停止して発電や送電設備に影響が出、日高・十勝地方を中心に、釧路市と周辺6町の約2万4300世帯などが停電した。
また、地震直後及び2日後に苫小牧市にある出光興産北海道製油所で2基の石油タンクの火災があった。これは、震源からやってきて苫小牧市周辺の堆積平野で増幅された長周期地震動の周期と、石油タンクの固有周期が一致し、石油タンクの内容物が共振するスロッシングと呼ばれる現象が発生し、浮き蓋の上に溢れ出した重油やナフサが浮き蓋と側壁の接触との摩擦で発生した火花に触れて引火することによって引き起こされた。地震後、このような巨大地震によってもたらされる長周期地震動による大規模構造物の被害が注目された。
海底地震計による観測
1952年地震の余震域の最近の地震を観測するため、2002年7月20日から2002年9月20日および2003年8月7日から2003年9月21日まで自己浮上式の海底地震計による観測が行われていた。また、本震発生の4日後の2003年10月1日から2003年11月20日にも大学、気象庁、海洋研究開発機構らの共同調査班による観測が行われた。 震源域に直接設置された海底地震計により、震源から離れた陸上観測点のデータを利用した気象庁一元化データには現れていない微小地震も多く観測された。しかし、柔らかな海底の堆積層上に置かれた地震計であるためマグニチュードの決定精度には欠ける。 一方、直前に微小な群発地震が発生するなど約1カ月前から前兆的な微小破壊を暗示させるデータが得られた。 また、本震の直前のグーテンベルグ・リヒターの式、
- <math>\log_{10} n = a - bM</math>
の係数b値の最尤推定値は0.82であり、一般の地震に比較して小さい値であった。(なお、一般の地震の場合のb値は0.6から1.1の範囲にあり、多くの場合1.0に近い。)つまり、震源域全体の地震活動は比較的静穏で有った[24]。
2008年
概要
- 本震
- 発生:2008年9月11日9時20分51秒(日本時間)
- 場所:北海道襟裳岬 南東沖110km(北緯41度46.56分、東経144度9.06分)
- 地震の規模:M7.1
2003年の地震の震源の近傍で発生した地震で、西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型。2003年の地震で余震があまり発生していなかった場所が今回の震源となった。
- 各地の震度
震度 | 都道府県 | 市区町村 |
---|---|---|
5弱 | 北海道 | 新冠町 新ひだか町 浦幌町 大樹町 |
4 | 北海道 | 南幌町 長沼町 厚真町 むかわ町 浦河町 様似町 えりも町 帯広市 音更町 幕別町 池田町 豊頃町 中札内村 更別村 広尾町 釧路市 白糠町 |
脚注
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 2.0 2.1 テンプレート:PDFlink 地震調査研究推進本部
- ↑ テンプレート:PDFlink 地震調査研究推進本部
- ↑ 4.0 4.1 【津波・活断層地震から十勝を守る】(上)切迫する500年間隔地震 - 十勝毎日新聞、2011年9月
- ↑ 5.0 5.1 テンプレート:PDFlink 産業技術総合研究所
- ↑ 千島海溝プレート間地震の連動が巨大な津波をもたらした(産業技術総合研究所)
- ↑ 7.0 7.1 7.2 テンプレート:PDFlink - 北海道立総合研究機構、地質研究所、2011年5月18日
- ↑ 平川 一臣、原口 強:十勝平野太平洋沿岸の津波堆積物 活断層研究 Vol. 2001 (2001) No. 20 p. i-ii
- ↑ 「500年間隔地震」 巨大津波 道南も 朝日新聞
- ↑ テンプレート:PDFlink活断層・古地震研究報告,No.1 p.233-249, 2001
- ↑ 11.0 11.1 テンプレート:PDFlink - 中央防災会議、2005年6月22日
- ↑ 吉田真吾、加藤 尚之:前駆すべりと地震の最終的サイズとの関係, 地震 第2輯 Vol.58 (2005-2006) No.3 P231-246, テンプレート:JOI
- ↑ http://www.kagakunavi.jp/document/show/53/documents 予測されていた十勝沖地震
- ↑ 茂木清夫:2003年十勝沖地震および1952年十勝沖地震に先行した深発地震活動 (続報), 地震 第2輯 Vol. 57 (2004-2005) No. 3 P 275-278, テンプレート:JOI
- ↑ [理科年表 第85冊 M 7.5]
- ↑ 十勝沖地震地震調査研究推進本部 M 8.0
- ↑ 宇津徳治、嶋悦三、吉井敏尅、山科健一郎 『地震の事典』 朝倉書店、2001年
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ Magnitude 8.3 Hokkaido, Japan region September 25, 2003
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 河口で釣りの男性2人不明 津波にさらわれた可能性も 共同通信 2003/09/26 11:21配信
- ↑ 十勝沖地震犠牲者と判明 DNA鑑定で2年ぶり 共同通信 2005/07/12 03:10配信
- ↑ 行方不明の男性が帰宅 知床で釣り、地震被害なし 共同通信 2003/09/29 14:10配信
- ↑ 海底地震観測が明示した2003年十勝沖地震直前の顕著な現象, 地震 第2輯 Vol. 57 (2004-2005) No. 3 P 291-303, テンプレート:JOI
関連項目
- 地震の年表 (日本)
- 根室半島沖地震 - 東隣の領域で発生する海溝型地震。本地震と連動する可能性がある。
- 釧路沖地震 - 北隣の領域で発生するスラブ内地震。
- 北海道東方沖地震 - 北隣の領域で発生するスラブ内地震。
- 三陸沖地震
- 三陸はるか沖地震 - 1994年に発生した、十勝沖の南隣(三陸沖北部)の地震。
- 東北地方太平洋沖地震 - 2011年に発生した、千島海溝の隣の日本海溝の地震。
- 新冠泥火山
- 浜中町
- 潮風の診療所〜岬のドクター奮戦記〜 - 十勝沖地震津波被害の街へ復興のため派遣される医師と被災住民の実話をドラマ化(派遣された医師もその後の津波により被災する)。
外部リンク
- 気象庁
- テンプレート:PDFlink
- テンプレート:PDFlink 東京大学地震研究所
- テンプレート:PDFlink 総務省消防庁
- 2008年9月の地震活動の評価地震調査研究推進本部 地震調査委員会
- 髙清水康博、北海道の津波堆積物研究の現状と課題:17世紀巨大津波による堆積物の研究を中心に 地質学雑誌 Vol.119 (2013) No.9 p.599-612