小樽市
テンプレート:Infobox 小樽市(おたるし)は、北海道後志地方北部に位置する市。
目次
概要
人口は道内第7位。石狩湾に面し、古くから港湾都市として発展した。歴史的建造物が数多く、観光都市としても人気が高い。
後志管内では唯一の市であり管内総人口の過半数を抱えるが、後志総合振興局は内陸の倶知安町に置かれている。保健所政令市の一つ。かつて最盛期の1960年代には人口は20万人前後をかぞえ、札幌市からJR快速列車で30分強であることから、隣接する札幌市のベッドタウンとしての役割も持つ。しかし、人口は減少傾向にあり、2010年4月12日に総務省から過疎地域として指定され、同年の国勢調査では約13万2千人まで減少した。
地理
後志支庁北部、日本海沿岸に位置する港町である。市域の南部は山地で、標高は高くないがところどころで海岸まで険しく迫る。市街が傾斜地まで展開しており、「坂の街」と呼ばれ、坂の代表的なものに船見坂(ふなみざか)や地獄坂がある。沿岸部を函館本線が走る。
- 山岳:朝里岳(1280.8m)、和宇尻山(856m)、於古発山(708m)、天狗岳(683m)、毛無山(市の南西境、650.4m)、天狗山(市の東部、536.7m)、毛無山(市街の南方、548.4m)、天狗山 (市街の南西方、532.5m)、石倉山(500.9m)
- 河川:星置川、キライチ川、銭函川、張碓川、朝里川、勝納川、塩谷川、於古発川(妙見川)、入船川(コンクリ河川化)
- 湖沼:オタルナイ湖(朝里ダム)
気候
夏の暑さはそれほど厳しくない。30℃を超える日は平均で5日しかなく、過去に35℃を超えたことはない。冬は、日本海側特有の気候で、北海道の中でも降雪量が多く、毎年最大で1m以上の積雪量が観測されるが、寒さはそれほど厳しくはなく、-20℃前後まで冷え込む事はほぼ皆無であり、-10℃以下になる日も、非常に少ない。また、1月の最低気温の平年値も-6℃前後で、札幌市よりも1℃ほど高い。
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歴史
「おたる」の地名はアイヌ語の「オタ・オル・ナイ」(砂浜の中の川)に由来する[1]。しかしこの言葉は現在の小樽市中心部を指したものではなく、現在の小樽市と札幌市の境界を流れる星置川の下流、小樽内川(現在の札幌市南区にある小樽内川とは別)を示していた。河口に松前藩によってオタルナイ場所(場所請負制を参照)が開かれたが、冬季に季節風をまともに受ける地勢ゆえに不便な点が多かったため、風を避けられ、船の係留に適当な西方のクッタルウシ(イタドリが生えるところ)に移転した。しかしオタルナイ場所の呼称は引き続き用いられ、クッタルウシと呼ばれていた現在の小樽市中心部が、オタルナイ(小樽内、尾樽内、穂足内)と地名を変えることになる。現在の小樽市域にはこの他、於古発(オコバチ)川以西のタカシマ場所、塩谷以西のヲショロ場所も開かれていた。これら三場所は、後にそれぞれ小樽郡、高島郡、忍路郡となっている。また、これら三場所と渡島国や道外の間には北前船の航路も開かれていた。
20世紀半ばまでは石狩地方で産出された石炭の道外への輸送や、ロシアとの交易で栄え、1920年頃までは、札幌の人口よりも多く、函館に次ぎ道内第二位の人口があった。しかし1960年代以降、石炭需要の低下と北海道内の炭鉱の閉山、ロシア貿易の衰退、太平洋側の苫小牧港や近隣の石狩湾新港の整備により港としての機能は衰え、人口も最盛期より35%も減少している。
- 年表
- 1596年:渡島福山の住人の八木勘右衛門が、オタルナイに入る。文献上最初の和人入植である。
- 1690年:オタルナイ場所の小樽稲荷神社とタカシマ場所の高島稲荷神社が創祀される。
- 1674年:オショロ場所に蝦夷大国主神社(忍路神社の前身)が創建される。
- 1774年:タカシマ場所の恵美須神社(小樽市指定歴史的建造物第58号)が創建される。
- 1780年:オタルナイ場所の銭函村以北の鎮守として豊足神社の前身である尊伝稲荷神社が創祀されている。
- 1857年:オタルナイ場所の海雲山龍徳寺(小樽市指定歴史的建造物第60号)が開山される。この他、同時期にタカシマ場所の妙龍寺も開山。
- 1859年:オタルナイ場所にて水天宮(小樽市指定歴史的建造物第50号)が創祀される。
- 1857年 - 1861年: 箱館奉行の許可を得た小樽場所請負人恵比須屋半兵衛によって小樽-銭函間道路が開削される。
- 1862年:オショロ場所に徳源寺(小樽市指定歴史的建造物第59号)が開山される。
- 1865年:幕府はオタルナイを村並とする。人口、1,143人と記録されている。
- 1869年:北海道後志国とともに小樽郡、高島郡、忍路郡が置かれる。
- 1880年:手宮 - 札幌間に北海道最初の鉄道「幌内鉄道」(のちの手宮線・函館本線)が開通
- 1899年:北海道区制施行(現在の区制とは異なり、当時の本州の市制よりも自治権の弱い体制である。)
- 1901年9月10日:現在の市章となる区章を制定する。[2]
- 1903年:小樽 - 余市間に鉄道が開通する。現:小樽駅である小樽中央駅が開設する
- 1914年:第一期埋立事業(小樽運河)起工
- 1916年:人口:102,106名。マラリア患者数:39名。
- 1920年:第一回国勢調査で、小樽区の人口108,113名で、札幌区の人口102,580名よりも多かった。この頃以前は、道央圏人口第一位だった。
- 1922年:市制施行、小樽市
- 1925年:第二回国勢調査で、小樽区の人口124,734名で、札幌区の人口145,060名に追い抜かされる。この頃以降、道央圏人口第一位の地位を、札幌に譲る。
- 1940年:高島町、朝里村を合併する
- 1945年:7月15日に空襲を受ける。
- 1958年:塩谷村を合併。人口:204,377名。このころが、人口最大時であり、その後徐々に人口を減らす。
- 1965年:開基100年記念式典を行う
- 1968年:函館本線の小樽 - 滝川間が電化される。
- 1975年:石狩町(現石狩市)の一部(石狩湾新港西部、現・銭函4 - 5丁目)を編入
- 2004年:市政初の実質的な赤字予算が市議会で可決
- 2010年:道内の人口10万人以上の市で初めて、過疎地域の指定を受ける(市町村合併に伴う「過疎地域とみなされる市町村の区域」を除く)。なお、人口10万人以上の市で過疎地域の指定を受けた道外の市には、小樽市と同時に指定された福岡県大牟田市がある。
経済
産業
観光業。往時の繁栄をしのばせる近代建築が市街のいたるところで散見され、観光資源となっている。小樽運河は全国的に知名度が高い。映画やテレビドラマの舞台として頻繁に登場することから、中国、韓国、台湾など近隣諸国からの観光客が急増している。
立地企業
- 株式会社エフエム小樽放送局
- 和弘食品株式会社
- 株式会社かま栄
- 北海道中央バス株式会社
- 北海道ワイン株式会社
- 北の誉酒造株式会社
- 北海製罐株式会社小樽工場(旧本社)
- 新日本海フェリー株式会社本店
- 北海道保証牛乳株式会社桂岡工場
金融機関
- 小樽市は、北洋銀行発祥の地である。
※日本銀行小樽支店もおかれていたが、2002年(平成14年)9月をもって閉鎖された。
農協・漁協
- 新おたる農業協同組合(JA新おたる)小樽事業所
- 小樽機船漁業協同組合
- 小樽市漁業協同組合
生活協同組合
- 全労済小樽支所
郵便
- 小樽郵便局(集配局):銭函地区の一部(4・5丁目)を除く市内全域
- 朝里郵便局
- 銭函郵便局
- 塩谷郵便局
- 蘭島郵便局
※銭函地区の一部(4・5丁目)は石狩郵便局が集配エリアとなっている。
宅配便
行政
市長
官公庁
警察
消防
国の機関
- 札幌地方裁判所小樽支部
- 札幌家庭裁判所小樽支部
- 小樽簡易裁判所
- 法務省札幌法務局小樽支局
- 法務省札幌矯正管区札幌刑務所小樽拘置支所
- 法務省札幌入国管理局小樽港出張所
- 札幌地方検察庁小樽支部、小樽区検察庁
- 財務省北海道財務局小樽出張所
- 財務省函館税関小樽税関支署
- 国税庁札幌国税局小樽税務署
- 農林水産省北海道農政事務所小樽統計・情報センター
- 農林水産省横浜植物防疫所札幌支所小樽出張所
- 農林水産省動物検疫所北海道出張所小樽分室
- 林野庁北海道森林管理局石狩森林管理署小樽森林事務所
- 厚生労働省小樽検疫所
- 厚生労働省北海道労働局小樽労働基準監督署
- 厚生労働省北海道労働局小樽公共職業安定所
- 国土交通省北海道開発局小樽開発建設部
- 海上保安庁第一管区海上保安本部
- 海上保安庁第一管区海上保安本部小樽海上保安部
- 自衛隊札幌地方協力本部小樽地域事務所
姉妹都市・提携都市
- 姉妹都市
地域
人口
隣接する自治体・行政区
教育
大学
公共職業能力開発施設
短期大学
- 小樽短期大学(2008年3月閉校)
専修学校
- 市立小樽病院高等看護学院
- 小樽歯科衛生士専門学校
- 小樽文化服装専門学校
- 小樽看護専門学校
- 小樽市医師会看護高等専修学校
- 専門学校国際インテリアアカデミー(休校中)
- 小樽理容美容専門学校(2010年3月閉校)
高等学校
- 道立高等学校
- 私立高等学校
国立海上技術学校
中学校
- 忍路
- 塩谷
- 長橋
- 北山
- 末広
- 西陵
- 菁園
- 松ヶ枝
- 向陽
- 潮見台
- 桜町
- 望洋台
- 朝里
- 銭函
- 石山(2002年(平成14年)3月閉校)
- 東山(2002年(平成14年)3月閉校)
- 住吉(2002年(平成14年)3月閉校)
私立
小学校
- 忍路中央
- 塩谷
- 高島
- 幸
- 長橋
- 北手宮
- 手宮西
- 手宮
- 色内
- 稲穂
- 花園
- 緑
- 最上
- 入船
- 奥沢
- 天神
- 潮見台
- 桜
- 望洋台
- 豊倉
- 朝里
- 張碓
- 桂岡
- 銭函
- 桃内(1990年(平成2年)3月閉校)
- 堺(2006年(平成18年)3月閉校)
- 量徳(2012年(平成24年)3月閉校)
- 祝津(2013年(平成25年)3月閉校)
- 若竹(2013年(平成25年)3月閉校)
住宅団地
- 道営住宅桜団地
- 道営住宅最上団地
- 道営住宅新光団地
- 道営住宅桜町団地
- 道営住宅銭函団地
- 道営住宅若竹団地
- 道営住宅塩谷団地
- 道営住宅塩谷B団地
- 道営住宅高島団地
- 道営住宅新光53団地
- 道営住宅オタモイ西団地
- 道営住宅桜東団地
- 道営住宅入船第二団地
- 道営住宅望洋団地
- 道営住宅銭函西団地
- 道営住宅奥沢中央団地
- 城西しらかば団地
市議会
定数は28人。
構成
会派 | 議席数 |
---|---|
自由民主党 | 9 |
公明党 | 5 |
日本共産党 | 5 |
民主党・市民連合 | 4 |
一新小樽 | 4 |
無所属 | 1 |
北海道議会議員
小樽市単独で1つの選挙区(小樽市選挙区)を有し、定数は3人。任期は、2015年(平成27年)4月29日まで。
- 池田隆一(民主党)
- 佐藤禎洋(自由民主党)
- 八田盛茂(無所属)
(選挙での得票順)
交通
交通機関
鉄道
路線バス
人力車
自転車タクシー
- 自転車タクシーも走っている。
道路
港湾
文化財
重要文化財(建造物)
- 旧日本郵船株式会社小樽支店
- 旧手宮鉄道施設6件
登録有形文化財
- JR小樽駅本屋
- JR小樽駅プラットホーム
選択無形民俗文化財
- 松前神楽 - 道指定無形民俗文化財でもある。松前神楽小樽ブロック保存会
史跡
- 手宮洞窟 - 小樽市手宮洞窟保存館
- 忍路環状列石
道指定
市の文化財
- 日本銀行旧小樽支店
- 木造聖観音立像 - 浅草観音寺蔵
- 向井流水法 - 向井流水法会、日本泳法の一つ
- 高島越後盆踊りの行事 - 高島越後踊り保存会
- 忍路鰊漁撈の行事 - 忍路鰊場の会
- 北海道鉄道開通起点 - 小樽市総合博物館敷地内
関連
- 小樽市指定歴史的建造物を参照のこと
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・観光スポット
- 小樽運河と煉瓦倉庫街
- 堺町通り
- 色内、日銀通り
- 日本銀行旧小樽支店金融資料館、旧北海道銀行本店、旧三井銀行小樽支店、旧北海道拓殖銀行小樽支店、小樽市総合博物館分館(小樽文学館・小樽美術館)
- メルヘン交差点
- 旧共成(現小樽オルゴール堂)
- 築港
- 祝津
- 朝里川温泉
- 毛無峠
- 旭展望台
- 手宮洞窟
- オタモイ海岸(オタモイ遊園地跡)
- 天狗山
- 忍路環状列石
- 地鎮山環状列石
施設
- 小樽カントリー倶楽部
- スノークルーズ・オーンズ
- おたるドリームビーチ
- 小樽市営桜ヶ丘球場 - クラブチーム・小樽野球協会のホームグラウンド
- 小樽市望洋サッカー・ラグビー場 - 社会人サッカークラブチーム・小樽フットボールクラブのホームグラウンド
- 小樽市総合体育館
- 小樽市民会館
- 市立小樽図書館
- 小樽温泉 オスパ
- 小樽天然温泉 湯の花
社寺
- 小樽高野山日光院(北海道三十三観音霊場7番札所)
- 大網山精周寺(北海道三十三観音霊場8番札所)
祭り
- おたる祝津にしん祭り(5月)
- 小樽さくら祭り(5月)
- 小樽うまいもん祭り(6月)
- おたる☆浅草橋オールディーズナイト(7月)
- マリン・フェスタin小樽(7月)
- おたる潮まつり(7月)
- 小樽堺町ゆかた提灯まつり(8月)
- 北海道ジャズ in 小樽(8月)
- 小樽クラシックカー博覧会(8月)
- ライジング・サン・ロックフェスティバル(8月)
- ~真夏の~北運河サウンドエナジー(8月)
- 北の収穫祭ワインカーニバルinおたる(9月)
- 音座なまらいぶ小樽(10月)
- おたる産しゃこ祭(11月)
- 小樽ゆき物語(12月-1月)
- 小樽雪あかりの路(2月)
- 小樽多喜二祭(2月)
名物・名品
通信
市外局番はほとんどの区域で0134。
- 小樽市中心部は21 - 25、27、29、31 - 34、41、42
- 塩谷、オタモイ地区は26、28
- 朝里、新光、桜町、望洋台地区は51、52、54
- 銭函、星野町、桂岡地区は61、62(注)
- 蘭島、忍路地区は64、65
(注)石狩湾工業地域に含まれる銭函4〜5丁目は0133-60-xxxx、0133-62-xxxx、0133-64-xxxxで石狩市と同じ。
出身人物
政界・官界・経済界
学術・文化・芸術
芸能・マスコミ
|
スポーツ
スキー選手
()内はオリンピック出場年
|
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その他の競技
- 高鐵山孝之進 - 大相撲元関脇
- 力駒雄偉 - 大相撲元十両
- 相田暢一 - アマチュア野球選手・指導者・審判員、元早稲田大学野球部監督、野球殿堂入り
- 仲川翠 - 元プロ野球選手、北海道高等学校体育連盟・同野球連盟会長
- 菅野誠一 - 合気道家
- 北上知恵美(未来) - 女子プロレスラー
- 高橋洋子 - 総合格闘家
- 小野留嘉 - 元騎手・調教師
- 菅原義正 - ラリードライバー
その他
ゆかりある人物
小樽を舞台とした作品
小説
- 若い詩人の肖像(伊藤整著、講談社文芸文庫、1956年)
- 黄色い風土(松本清張、1959年)
- 小樽 北の墓標 / 西村京太郎
- 帰らざる街、小樽よ / 西村京太郎
- 小樽発15時23分の死者 / 津村秀介
- 小樽「古代文字」の殺人 / 吉村達也
- 小樽殺人事件 / 内田康夫
- 小樽の反逆-小樽高商軍事教練事件 / 夏堀正元
- 小樽デスマッチ / 宗田理
- 海猫屋の客 / 村松友視
- タイム屋文庫 / 朝倉かすみ
- 煌浪の岸、煙波、小樽ビヤホール、海明け、螢火、ちぎり屋 / 蜂谷涼
- 小樽運河殺人事件 / 木谷恭介
- 小樽・カムイの鎮魂歌 / 鯨統一郎
- 失恋探偵ももせ / 岬鷺宮
随筆
映画
- 恋人たちの時刻(澤井信一郎監督)
- 激走トラッカー伝説(細野辰興監督)
- Love Letter(岩井俊二監督)
- はるか、ノスタルジィ(大林宣彦監督)
- ハルフウェイ(北川悦吏子監督)
テレビドラマ
漫画
ゲーム
歌謡曲
その他
脚注
注釈
参照
参考文献
関連項目
外部リンク
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