北川悦吏子
北川 悦吏子(きたがわ えりこ、1961年12月24日 - )は、日本のテレビドラマの脚本家、映画監督、エッセイスト。岐阜県美濃加茂市出身。岐阜県立加茂高等学校普通科、早稲田大学第一文学部哲学科東洋哲学専修卒業。血液型B型。情報科学の研究者・北川高嗣は実兄[1]。
目次
来歴・人物
早稲田大学卒業後、広告代理店に入社してコピーライターを目指すも、雑用ばかりの環境に嫌気が差し退社。その後、にっかつ撮影所に入社。脚本家の佐治乾に師事しながらプロットライターや製作アシスタントなどに従事した後、1989年に『月曜 女のサスペンス』(テレビ東京系)の一編『赤い殺意の館』で脚本家デビュー。過去にはペンネームの「月島水樹」名義で執筆した作品もある。
1991年に放映された『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)の「ズンドコベロンチョ」で注目を集める。1992年、『素顔のままで』(フジテレビ系)が大ヒット。『あすなろ白書』(フジテレビ系)などの恋愛ドラマのヒット作を連発し、“恋愛の神様”と呼ばれる。
2000年に『ビューティフルライフ』(TBS系)で第18回向田邦子賞、第8回橋田賞を受賞。
エッセイストとしての著作、『君に話した言葉』などの詩集も多数。『10 minute diary』は『ヤングユー』にて漫画化、ウェブサイトにてドラマ化され、ウェブドラマ第4話では、北川自身が初のメガホンを取り、監督デビューを飾った。2009年2月21日に公開された映画『ハルフウェイ』では、岩井俊二、小林武史らを共同プロデューサーに迎え、初の劇場公開作品となった。
B'z、松任谷由実、小田和正、スピッツなどの大ファンとして知られ、いずれも北川のドラマの主題歌を担当している。また、T.M.Revolutionの西川貴教とは、過去に西川の写真集で対談したことをきっかけに、『ビューティフルライフ』に西川が出演。その後、2004年にフジテレビで放映されたノンフィクション番組『T.M.Revolution 西川貴教の真実』のナレーターを務め、他にも、西川本人が編集に携わった『月刊カドカワ』に登場したことがある。
作品リスト
脚本作品
テレビドラマ
- 世にも奇妙な物語シリーズ(1991年 - 1996年、フジテレビ系列)
- 第2シーズン「忘れられたメス」(1991年)
- 第2シーズン「ズンドコベロンチョ」(1991年)
- 第2シーズン「伝言板」(1991年)
- 第2シーズン「つまらない男」(1991年)
- 第2シーズン「大蒜(にんにく)」(1991年)
- 第2シーズン「未来の思い出」(1991年)
- 第2シーズン「三日間だけのエース」(1991年)
- 第2シーズン「佐藤・求む」(1991年) ※両沢和幸との共同脚本
- 1990年冬の特別編「昔みたい」(1990年)
- 1991年春の特別編「もう一人の花嫁」(1991年)
- 1991年冬の特別編「午前3時のノック」(1991年) ※笠原邦暁との共同脚本。
- 1993年真夏の特別編「隣の声」(1993年)
- 1996年秋の特別編「すみません、握手してください」(1996年)
- ぼくが医者をやめた理由(1990年、テレビ東京系) ※大森一樹との共同脚本。
- Panasonicスペシャル 「もっと、ときめきを -ふたりまでの距離-」(1992年、日本テレビ系)
- 素顔のままで(1992年、フジテレビ系)
- その時、ハートは盗まれた(1992年、フジテレビ系)全5回
- チャンス!(1993年、フジテレビ系) ※両沢和幸(沢村一幸)、岡田惠和、田辺満との共同脚本。北川は1、4、7、10、12話を担当。
- あすなろ白書(1993年、フジテレビ系) ※柴門ふみ原作
- "あすなろ白書"をもう一度(1993年、フジテレビ系)
- 君といた夏(1994年、フジテレビ系)
- 愛していると言ってくれ(1995年、TBS系)
- ロングバケーション(1996年、フジテレビ系)
- 最後の恋(1997年、TBS系)
- Over Time-オーバー・タイム(1999年、フジテレビ系)
- ビューティフルライフ(2000年、TBS系)
- Love Story(2001年、TBS系)
- 空から降る一億の星(2002年、フジテレビ系)
- オレンジデイズ(2004年、TBS系)
- たったひとつの恋(2006年、日本テレビ系)
- 素直になれなくて(2010年、フジテレビ系)
- ドラマスペシャル お母さんの最後の一日(2010年、テレビ朝日系) ※原作も担当
- イロドリヒムラ(2012年、TBS系) ※北川は第1話「小さな恋の物語」を担当。
- スペシャルドラマ 月に祈るピエロ(2013年、TBS系) ※原作も担当
映画
- ハルフウェイ(2009年公開、シネカノン配給) 脚本・監督を担当
- 天国への郵便配達人 主演:ジェジュンfrom東方神起(日韓共同作品・2010年5月29日公開)
- 新しい靴を買わなくちゃ(東映・2012年公開) 脚本・監督を担当
舞台
- 彼女の言うことには。 主演:真矢みき(2012年)
作品名 | 主なキャスト | ノベライズ | |
---|---|---|---|
単行本 | 文庫本 | ||
『素顔のままで』</br>(1992年4月13日 - 6月29日、フジテレビ系) | 安田成美、中森明菜 | 『素顔のままで』</br>(1992年、フジテレビ出版) | 『素顔のままで』</br>(1995年、角川文庫) |
『君といた夏』</br>(1994年7月4日 - 9月19日、フジテレビ系) | 筒井道隆、いしだ壱成 | 『君といた夏(WE ARE ALL ALONE)』</br>(1994年、角川書店) | 『君といた夏』</br>(2001年、角川文庫) |
金曜ドラマ『愛していると言ってくれ』</br>(1995年7月7日 - 9月22日、TBS系) | 豊川悦司、常盤貴子 | 『愛していると言ってくれ シナリオ集』</br>(1995年、角川書店) | 『愛していると言ってくれ』</br>(1997年、角川文庫) |
『ロングバケーション』</br>(1996年4月15日 - 6月24日、フジテレビ系) | 木村拓哉、山口智子 | 『ロングバケーション』</br>(1996年、角川書店)</br>『ロングバケーション-ベスト・ダイアローグ』</br>(1996年、角川書店) | 『ロングバケーション』</br>(1998年、角川文庫)</br>『ロングバケーション』〈上・下〉</br>(2004年、新風社文庫) |
金曜ドラマ『最後の恋』</br>(1997年7月11日 - 9月19日、TBS系) | 中居正広、常盤貴子 | 『最後の恋』〈上・下〉</br>(1997年、角川書店) | 『最後の恋』</br>(1999年、角川文庫) |
『Over Time-オーバー・タイム』</br>(1999年1月4日 - 3月22日、フジテレビ系) | 反町隆史、江角マキコ | 『オーバー・タイム』</br>(1999年、角川書店) | 『オーバー・タイム』</br>(2001年、角川文庫) |
東芝日曜劇場『ビューティフルライフ』</br>(2000年1月16日 - 3月26日、TBS系) | 木村拓哉、常盤貴子 | 『ビューティフルライフ シナリオ』</br>(2000年、角川書店) | 『ビューティフルライフ』</br>(2002年、角川文庫) |
日曜劇場『Love Story』</br>(2001年4月15日 - 6月24日、TBS系) | 中山美穂、豊川悦司 | 『Love Story』</br>(文芸シリーズ、2001年、角川書店) | 『Love Story』</br>(2003年、角川文庫) |
『空から降る一億の星』</br>(2002年4月15日 - 6月24日、フジテレビ系) | 明石家さんま、木村拓哉 | 『空から降る一億の星』</br>(2002年、角川書店) | 『空から降る一億の星』</br>(2004年、角川文庫) |
日曜劇場『オレンジデイズ』</br>(2004年4月11日 - 6月20日、TBS系) | 妻夫木聡、柴咲コウ | 『オレンジデイズ』</br>(2004年、角川書店) | 『オレンジデイズ』</br>(2006年、角川文庫) |
土曜ドラマ『たったひとつの恋』</br>(2006年10月14日 - 12月16日、日本テレビ系) | 亀梨和也、綾瀬はるか | 『たったひとつの恋』</br>(2006年、ヴィレッジブックス) | 『たったひとつの恋』</br>(2006年、角川文庫) |
映画『ハルフウェイ』</br>(2009年2月21日公開) | 北乃きい、岡田将生 | 『ハルフウェイ』</br>(2009年、幻冬舎文庫) | |
木曜劇場『素直になれなくて』</br>(2010年4月15日 - 、フジテレビ系) | 瑛太、上野樹里 | 『素直になれなくて』</br>(2010年、扶桑社) | |
映画『天国への郵便配達人』</br>(2010年) | ジェジュン、ハン・ヒョジュ | 『天国への郵便配達人』</br>(2010年、ディスカヴァー・トゥエンティワン) | |
スペシャルドラマ『お母さんの最後の一日』</br>(2010年9月11日、テレビ朝日系) | 常盤貴子 | 『お母さんの最後の一日』</br>(2010年、角川書店) | |
映画『新しい靴を買わなくちゃ』</br>(2012年) | 中山美穂、向井理 | 『新しい靴を買わなくちゃ』</br>(2012年、幻冬舎文庫) |
原作作品
- テレビドラマ
- 世にも奇妙な物語 1991年秋の特別編「40年」(1991年) ※脚本:金子成人 主演:八千草薫
- 大人は判ってくれない「花束」(1991年) ※脚本:野依美幸 主演:岸本加世子
- オムニバス・ムービー
- 10 minutes diary(2006年)
その他の著作
単行本
- チャンス!(1993年、ワニブックス)
- 曇っててホッとした日(1995年、学習研究社)
- 恋愛道(1996年、マガジンハウス)
- 毎日がテレビの日(1997年、扶桑社)
- NOW and THEN 北川悦吏子-北川悦吏子自身による全作品解説+54の質問(1997年、角川書店)
- ボーイフレンド(1998年、角川書店)
- 恋のあっちょんぶりけ(1999年、マガジンハウス)
- 君に話した言葉(1999年、PHP研究所)
- 車いすとハイヒール(2000年、角川書店)
- 恋愛の神様(2000年、角川書店)
- おんぶにだっこ(2000年、角川書店)
- 恋をする人しない人(2000年、PHP研究所) - 柴門ふみとの共著
- あなたの笑顔をおぼえてしまった(2001年、角川書店)
- ぼくらがドラマをつくる理由(2001年、角川oneテーマ21) - 土井裕泰、植田博樹、高井一郎との共著
- 君がそばにいた(2001年、幻冬舎)
- やさしいあなた(2003年、小学館)
- 愛について(2003年、角川書店)
- すぐ泣く君(2003年、小学館) - MAYA MAXXとの共著
- 恋愛指南書(2004年、角川書店)
- 生きるのに必要な、29のこと。(2004年、大和書房)
- このケータイからは、あなたにメールしてない、私。(2009年、ソニーマガジンズ)
- だけど、それはまだ物語の途中(2009年、幻冬舎)
- のんちゃんのふとん(2010年、角川書店)
- 愛のこと。恋のこと。(2011年、世界文化社)
文庫本
- 恋につける薬(1998年、角川文庫)
- 恋愛道(1999年、角川文庫)
- 冷たい雨(1999年、角川文庫)
- 毎日がテレビの日(2000年、角川文庫)
- ボーイフレンド(2000年、角川文庫)
- 恋(2001年、角川文庫)
- おんぶにだっこ(2001年、角川文庫)
- 恋愛の神様(2002年、角川文庫)
- 恋のあっちょんぶりけ(2002年、角川文庫)
- その時、ハートは盗まれた(2002年、角川文庫)
- 恋をする人しない人(2003年、角川文庫) - 柴門ふみとの共著
- 世にも奇妙な物語-北川悦吏子の特別編(2003年、角川文庫)
- 10 minute diary テン・ミニット・ダイアリー(2005年、角川文庫)
- 会いたい(2006年、角川文庫) - MAYA MAXXとの共著
- 恋に似た気分(2008年、角川文庫)
コミック化
- チャンス(1)(1993年、講談社コミックスミミ) 画・小野佳苗
- チャンス(2)(1994年、講談社コミックスミミ) 画・小野佳苗
- てのひらに月(2005年、集英社)
- ハルフウェイ(2009年、マーガレットコミックス) 画・山口いづみ
- 天国への郵便配達人(2010年、講談社) 画・鳴海涼
電子書籍
- 空から降るツイート(2010年、電子書籍「AiR」正式版に収録)
メディア出演
- ワールドビジネスサテライト スミスの本棚(テレビ東京系)
- アシタスイッチ(TBS系列、2012年11月25日) - 又吉直樹と対談
- ミュージック・ポートレイト「北川悦吏子×斎藤工」(NHK Eテレ、2013年5月16日(第1夜)、2013年5月23日(第2夜)) - 斎藤工と対談
脚注
外部リンク
- 北川悦吏子オフィシャルブログ「でんごんばん」(2011/4/6に「今日のこと。」からタイトル変更)
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