重要港湾
重要港湾(じゅうようこうわん)は、日本における港湾の一区分。港湾法第2条第2項において「国際海上輸送網又は国内海上輸送網の拠点となる港湾その他の国の利害に重大な関係を有する港湾で政令で定めるもの」と定義されており、2012年4月現在103港が指定されている。昭和25年(1950年)の港湾法制定時に重要港湾の制度が新設された。
概要
重要港湾は海上輸送網の拠点と位置づけられているが、後背地に工業地帯を有しているものが多く、日本の産業政策上、重要性の高い港湾が重要港湾とされる傾向が強いことを示している。重要港湾の整備を促進するため、整備費用に係る国庫補助金は地方港湾のそれと比べて、高率に設定されている。
重要港湾が備えるべき港湾施設等は必ずしも法令等で明示されていないが、例えば係留施設を見ると、地方港湾では物揚場(-4.5m未満の係留施設)が主流であるのに対し、重要港湾では物揚場もあるが岸壁(-4.5m以上の係留施設)が主体となっているように、一般により高スペックの港湾施設が重要港湾には必要だとされている。
重要港湾の中でも特に地域拠点となる重要な港湾については国際拠点港湾(旧・特定重要港湾、18港)に昇格、さらに上位に国際ハブ港として国際戦略港湾(京浜、阪神の5港)の指定を受ける。
新たな港湾開発などや港湾統合などで、港数は時代とともに変動している。近年では1999年6月に中津港(大分県)が地方港湾から重要港湾に昇格。逆に2000年4月には石狩港(北海道)、大湊港(青森県)、福井港(福井県)、八幡浜港(愛媛県)、青方港(長崎県)、水俣港(熊本)の6港が港格と利用実態との乖離などの理由で地方港湾に格下げされた。ただ、このときの格下げは地元の反発が強かったため、旧運輸省が特定地域振興重要港湾制度を創設、一定の配慮を示している。
重要港湾一覧
※カッコ内は港湾管理者/重要港湾指定年月日
北海道
東北
関東
中部
近畿
中国
四国
- 宇和島港(愛媛県/1960年6月9日)
- 松山港(愛媛県/1951年1月19日)
- 今治港(今治市/1951年1月19日)
- 東予港(愛媛県/1964年4月1日)
- 新居浜港(新居浜港務局/1951年9月22日)
- 三島川之江港(愛媛県/1971年4月1日)
九州・沖縄
- 長崎港(長崎県/1951年1月19日)
- 佐世保港(佐世保市/1951年1月19日)
- 厳原港(長崎県/1951年9月22日)
- 郷ノ浦港(長崎県/1959年6月11日)
- 福江港(長崎県/1951年9月22日)
- 鹿児島港(鹿児島県/1951年1月19日)
- 志布志港(鹿児島県/1969年4月1日)
- 川内港(鹿児島県/1970年5月1日)
- 西之表港(鹿児島県/1960年6月9日)
- 名瀬港(鹿児島県/1954年7月2日)
- 那覇港(那覇港管理組合/1972年5月15日)
- 運天港(沖縄県/1972年5月15日)
- 金武湾港(沖縄県/1974年4月23日)
- 中城湾港(沖縄県/1974年4月23日)
- 平良港(宮古島市/1972年5月15日)
- 石垣港(石垣市/1972年5月15日)