幻冬舎
テンプレート:Infobox 株式会社幻冬舎(げんとうしゃ)は日本の出版社。
目次
概要
角川書店の有力編集者であった見城徹が、当時の社長・角川春樹のコカイン密輸事件をきっかけに退社し、仲間5人と1993年11月12日に設立した。出版社を設立するよう見城に勧めたのが五木寛之であり、社名も五木の命名による(五木が提示した3案から見城が選んだ)[1]。幻冬舎のマークに描かれている「槍を高くかざした人間」のモデルは見城本人で、自らポーズをとって描かせたものである。
1994年3月25日、初の単行本6点を出版。創業したばかりの出版社であるにも関わらず、五木寛之、北方謙三、篠山紀信、村上龍、山田詠美、吉本ばなな、という人気作家揃いの内容であった[2]。
1997年4月10日、幻冬舎文庫を一挙62冊同時刊行[3]、センセーショナルに創刊した。
事業は書籍・文庫が主体であるが、月刊誌・季刊誌も発売している。系列子会社発行・幻冬舎発売の出版物も数多い。
過去に、アウトロー作品を対象とした「幻冬舎アウトロー大賞」を開催していた。(現在は中止)
2008年5月TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」との共同プロジェクトによりあらすじと第一話のみ応募する10代限定の文学新人賞「蒼き賞」を行う。
2009年3月吉本興業との共同プロジェクトにより「幻冬舎よしもと文庫」が創刊。吉本所属の芸人が、さまざまな出版社から出してきた小説やエッセーの文庫化にあたり、幻冬舎が新レーベルを立ち上げて一本化することで合意した。
東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目に本社がある。2007年に本社ビルの正面に当る敷地に新館ビルを建設。
2010年10月29日にMBO(マネジメント・バイアウト)の実施を発表した。しかし、投資ファンドのイザベルリミテッドが市場で買い進め、同年12月6日に筆頭株主になったことが、関東財務局に提出された大量保有報告書及び変更報告書により判明した[4]。公開買い付け(TOB)を行っているTKホールディングスは、イザベルリミテッドに対抗して、同年12月13日にTOBの買付け価格を220,000円から248,300円に変更し、同時に買付予定数の下限を18,300株から13,725株に変更し、買付期間も9営業日延長し2010年12月28日までとすることを発表した[5][6]。その後、MBOは成立[7]。上場廃止となった[7]。
系列子会社
事業のジャンルごとに細分化された子会社を多数有する。発売社はいずれも幻冬舎。
- 幻冬舎コミックス - 漫画出版・BL系文庫・ノベルズ
- コミック部門から撤退したソニー・マガジンズのコンテンツを引き継ぐ形で創立され、事業を実施した15年間に14冊のミリオンセラーが出ている。
- 幻冬舎ルネッサンス - 自費出版
- 幻冬舎エデュケーション - 知育教材
- 株式会社gift - 雑誌「DRESS」の編集
- 幻冬舎メディアコンサルティング - 企業ブランディング。経営者新書を発行している。
- 幻冬舎総合財産コンサルティング - 金融相談
- ジーエフエス - カフェ運営
2003年には日本スポーツビジョンを子会社化し、スポーツのライセンスビジネスに乗り出したが[8][9]、5ヶ月後の2004年3月、同社の民事再生法適用を申請、特別損失10億円を計上した[10]。
ライブドアと出版分野で業務提携を行い、子会社の幻冬舎ルネッサンスを通じて、ライブドアパブリッシングを合弁で設立している。また、サイバーエージェント系の出版社アメーバブックス新社にも資本参加し、販売を受託している。2013年現在、ライブドアパブリッシングも、アメーバブックス新社もすでに解散している。
沿革
- 1993年11月12日 - 株式会社幻冬舎を東京都新宿区に設立。
- 2001年10月1日 - 株式会社幻冬舎コミックスを設立。
- 2003年1月30日 - 株式を店頭公開。
- 2011年3月16日 - 上場廃止。
主なベストセラー
- 『13歳のハローワーク』(村上龍)
- 『ニート』(玄田有史・曲沼美恵)
- 『ダディ』(郷ひろみ)
- 『大河の一滴』(五木寛之)
- 『弟』(石原慎太郎)
- 『ふたり』(唐沢寿明)
- 『キッパリ!』(上大岡トメ)
- 『永遠の仔』(天童荒太)
- 『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論シリーズ』(小林よしのり)
- 『解夏』(さだまさし)
- 『1リットルの涙』(木藤亜也)
- 『Rozen Maiden』(PEACH-PIT)※幻冬舎コミックスより出版
- 『陰日向に咲く』(劇団ひとり)
発行雑誌・書籍レーベル
雑誌(自社発行・発売)
- 『GINGER』(ジンジャー) - 20~30代女性向けファッション雑誌。
- 『GINGER L。』(ジンジャーエール) - 文芸誌。『GINGER』の姉妹誌。季刊。女性向けとされる。
- 『GOETHE』(ゲーテ) - 男性向けビジネス・カルチャー情報誌。
- 『papyrus』(パピルス) - 文芸誌だが、タレントやスポーツ選手が多く登場。かつて見城が手がけていた『月刊カドカワ』に近い。
- 『PONTOON』(ポンツーン) - 月刊PR小説誌。
休刊
- 『星星峡』 - 月刊PR小説誌。
雑誌(他社発行・幻冬舎発売)
- 『DRESS』(ドレス) - 40代女性向けファッション雑誌。子会社の株式会社gift編集・発行。
書籍
漫画雑誌・ウェブコミック
※幻冬舎コミックスより出版
横領事件
2009年5月、元経理部社員による横領事件が発覚。着服は2001年8月から2009年3月の8年間で9億1230万円。同社会計システムを操作し、取引先に同社の書籍を出荷したように装い、架空の売掛金を計上していた[11]。
脚注
外部リンク
テンプレート:Publishing-stub- ↑ 塩澤実信『出版社大全』、838頁。
- ↑ 塩澤実信『出版社大全』、840頁。
- ↑ 企業情報(沿革) | 株式会社 幻冬舎
- ↑ 主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ(幻冬舎 2010年12月7日プレスリリース)
- ↑ 株式会社TKホールディングスによる買付条件等の変更後の当社普通株式等に対する公開買付けへの賛同及び応募の推奨に関するお知らせ(幻冬舎 2010年12月13日プレスリリース)
- ↑ TKホールディングスは、2010年12月29日の公式発表で、多くの既存株主からのTOB応募がありTOBは成功したことを発表した。しかし、株主総会で重要案件を否決可能な議決権ベースで3分の1以上の株式を取得しているイザベルリミテッドがTOB参加に拒否しているため、MBOの成立は不透明な状況が依然として続いている。
- ↑ 7.0 7.1 テンプレート:Cite web
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