千歳市
テンプレート:Infobox 千歳市(ちとせし)は、北海道石狩振興局管内にある市である。北海道の空の玄関である新千歳空港を擁し、市域の西部には支笏湖がある。物流拠点としても発展している。
また、自衛隊の町といった側面もある。陸上自衛隊第7師団と航空自衛隊第2航空団が存在し、人口9万人のうち、約3万人が自衛隊関係者といわれている。2007年(平成19年)7月7日には沖縄県でのF-15訓練の一部を航空自衛隊千歳基地に移転する事が正式表明された。東千歳駐屯地、北千歳駐屯地、千歳基地の合計定員は9100人で、隊員の家族やOBを含めると、市内人口の26%を占める[1]。
目次
概要
かつてこの地はアイヌ語で「シ・コツ(大きな窪地、又は谷)アイヌ語ローマ字表記:si-kot」と呼ばれていたが、音の響きが「死骨」に通じることが憚られたため、当時この地に多くの鶴がいたことにちなみ「鶴は千年、亀は万年」の言い伝えによる縁起を担いで1805年(文化2年)に「千歳」と命名された。旧称は現在に至るまで、「支笏湖」などにその名を留めている。
千歳市は3つの一番があり、世界一、日本一、北海道一である。それぞれテンプレート:要出典、日本一は、自衛隊の規模、隊員数が一番、北海道一は、平均年齢が北海道で一番若い市町村である。これは、自衛隊日本一と密接に関係している。東千歳駐屯地は、面積、隊員数とも日本一であり、約4000人が勤務している。
市内の北栄小学校はスクールバンドが有名で全国大会常連校であり、千歳小学校はアンカレッジの小学校と隔年で交流留学を実施している。市内の小学校の6年生は、鹿児島県指宿市と相互交流の一環として、夏に千歳の児童が指宿市に、冬に指宿の児童が千歳市にホームステイを実施している。成果は、毎年10月に発表されている。
千歳市の水道は、名水100選に選ばれたナイベツ川湧水から引かれている。ただし、人口増加に伴い新興住宅地は、えにわ湖や夕張のシュープル湖から水道が供給されている。名水100選を記念して千歳市蘭越に名水ふれあい公園が作られた。ここで名水ナイベツ川湧水を汲むことができる。また、千歳市の水道水を「しゃっこい千歳の水」として販売することも発表された。支笏湖は透明度日本一を5年連続達成している。[2]。
地理
石狩支庁南部に位置する。西部は支笏湖を囲む山岳地帯、東部に石狩平野が広がり、東縁部には馬追丘陵がある。人口は中部の鉄道沿線に集中している。
- 山:漁岳(1,318m)、恵庭岳(1,320m)、紋別岳(866m)、フレ岳(1,046m)、風不死岳(1,103m)、樽前山(1,041m)、丹鳴岳(1,040m)、イチャンコッペ山(829m)、モラップ山(507m)
- 河川:千歳川、内別川、美々川、遠浅川、長都川、ユカンボシ川、勇舞川
- 千歳川は日本海に、遠浅川、美々川は太平洋にそそぎ、千歳市は、石狩平野の分水嶺に位置する。
住宅地
新興住宅地
勇舞地区, 向陽台などがある
住宅団地
- 北栄団地
- 道営住宅やまとの杜団地(A棟~D棟)
- 遠軽団地
気候
気候は大陸性であり、札幌市などと比べると太平洋側気候の影響が強くなり、降雪量は少ない一方、曇天が多い札幌に比べると冬は晴れる日が多いため冬季の冷え込みは厳しく、1月と2月の最低気温の平年値はそれぞれ−13.9℃、−13.4℃と札幌よりも約7度も低くなっている。1月や2月は気温が-20℃を下回ることも少なくなく、1996年2月2日には-30.3℃を観測[3]している。一方、夏は涼しく、最高気温の極値は、2011年8月11日に観測された34.2℃と北海道の中でも低い方である。真夏でも日中に30度を超えることはほとんど無く、朝晩も涼しく快適な気候となっている。降水は夏季に集中し、最も多い8月の降水量は177.6mmである。年間降雪量は201㎝、2月の降雪量は57cmと、札幌(597cm・147cm)や恵庭(576cm・159cm)の半分以下に過ぎず、雪が少ないのが特徴であり、これは新千歳空港立地理由の一つとなっているテンプレート:要出典。例年、晩冬の2月中旬から3月上旬にかけて低気圧の影響で猛吹雪となることもあるテンプレート:要出典。1957年以降で記録された最高気温極値は2011年8月11日の34.2度、最低気温極値は1966年1月19日の-30.7度である。 テンプレート:Weather box
人口
隣接している自治体・行政区
石狩振興局
沿革
ウサクマイ遺跡群から出土していることから、平安時代には皇朝十二銭のひとつ富寿神宝が流通していたようである。江戸時代、松前藩によってシコツ場所が開かれた。これは後にユウフツ場所に編入されている。
- 1658年 今の千歳神社の近くに弁天堂が建つ。
- 1803年 今の千歳神社の前身である「思古津稲荷大明神」が建立される。
- 1805年 羽太正養(箱舘奉行)により「千歳」と命名される。
- 1869年 北海道11国86郡が置かれ、現在の千歳市に相当する地域は胆振国千歳郡に含まれた。
- 1872年〜1873年 : 札幌本道(後の国道36号)が建設された。
- 1880年 千歳郡各村戸長役場が開庁する。管轄は千歳村、烏柵舞村(うさくまい)、長都村、蘭越村、漁村、島松村。
- 1897年 漁、島松の両村が漁村外一ヶ村戸長役場(現在の恵庭市)として分離し、千歳郡各村戸長役場から千歳村外三ヶ村戸長役場となる。管轄は千歳村、烏柵舞村、長都村、蘭越村。
- 1915年 千歳、烏柵舞、長都、蘭越の各村を合わせて千歳村とし、二級町村制を施行する。
- 1926年 8月に北海道鉄道が開通し、千歳停車場(千歳駅)と美々停車場(美々駅)が設置される。千歳飛行場の前身となる着陸場が村民の無償の労力提供により整備され、10月に小樽新聞社の飛行機「北海1号機」(酒井憲次郎が操縦)が初めて着陸した。
- 1939年 4月、一級町村制を施行する。11月、海軍航空隊が開庁し、着陸場は海軍の飛行場となる。
- 1942年 町制施行、千歳町。
- 1943年 北海道鉄道が鉄道省(日本国有鉄道の前身)に買収され、国鉄(現・JR)千歳線となる。
- 1951年 千歳飛行場(千歳空港)で民間航空事業が再開され、千歳・羽田間に民間航空機が就航。
- 1958年 市制施行、千歳市。
- 1988年 新千歳空港・A滑走路が開業し、千歳飛行場の民間航空事業は新空港へ移管。
- 2011年 新千歳空港国際線ターミナルオープン・ターミナル改装
行政
- 当初予算規模(2004年度)
- 一般会計 : 378.9億円
- 特別会計 : 171.9億円
- 企業会計 : 138.2億円
歴代首長
財政
平成18年度
- 財政力指数 0.77
- 標準財政規模 185億8770万円
- 一般歳入 467億4744万円
- 一般歳出 460億4971万円
- 市職員数 685人(うち消防職員131名)
- 性質別歳出のうちの人件費割合 14.6%
- 地方債現在高 361億7981万円
20年度の財政は黒字であり、約14億の余剰金を市の貯蓄に回している。
公共機関
防衛
- 陸上自衛隊北部方面隊第7師団(東千歳駐屯地、北千歳駐屯地)
- 陸上自衛隊北部方面隊第1特科団(北千歳駐屯地)
- 陸上自衛隊北部方面隊第1高射特科団(東千歳駐屯地)
- 陸上自衛隊北部方面隊第1電子隊(東千歳駐屯地)
- 陸上自衛隊北部方面隊北部混成団(東千歳駐屯地)
- 陸上自衛隊北部方面隊指揮所訓練支援隊(東千歳駐屯地)
- 陸上自衛隊北部方面隊東千歳駐屯地業務隊北千歳駐屯地業務隊(東千歳駐屯地)(北千歳駐屯地)
- 陸上自衛隊北部方面隊北部方面後方支援隊第101高射直接支援大隊(東千歳駐屯地)
- 陸上自衛隊北部方面隊北部方面後方支援隊第101特科直接支援大隊(北千歳駐屯地)
- 航空自衛隊航空総隊北部方面航空方面隊第2航空団(千歳基地)
- 防衛省技術研究本部札幌試験場
- 防衛省情報本部東千歳通信所
医療
- 千歳市民病院
- その他 - 医院17施設、小児科8施設、歯科45施設
上下水道
警察
- 千歳警察署
- 駅前交番、住吉交番、本町交番、新富交番、向陽台交番、支笏湖駐在所、泉郷駐在所、空港警備派出所
消防
- 千歳市消防本部
- 千歳市消防署
- 富丘出張所、祝梅出張所、西出張所、向陽台出張所、支笏湖温泉出張所
姉妹都市
- テンプレート:Flagicon 鹿児島県指宿市
- テンプレート:Flagicon アンカレッジ市(アメリカ合衆国、アラスカ州)
- テンプレート:Flagicon 長春市(中華人民共和国吉林省の省都。副省級市)
- テンプレート:Flagicon コングスベルグ市(ノルウェー王国)
教育
大学
私立
専修学校
- 日本航空専門学校
- 千歳リハビリテーション学院
高等学校
道立
- 北海道千歳高等学校
- 北海道千歳北陽高等学校
- 北海道千歳高等支援学校
中学校
公立
|
- 千歳市立真町中学校(平成24年3月閉校)
- 千歳市立勇舞中学校(平成24年4月開校)
小学校
公立
|
|
幼稚園
|
|
経済
新千歳空港を中心に10箇所の工業団地があり、230社を超える企業が集積している。
立地企業
農協
- 道央農業協同組合(JA道央)千歳支所
- 祝梅支店
- 東千歳支店
銀行
信用金庫
信用組合
- 北央信用組合:千歳支店 ほか
労働金庫
- 北海道労働金庫千歳支店
郵便
- 千歳郵便局(集配局):東部地区を除く全域
- 支笏湖郵便局
※東部地区は三川郵便局(由仁町)が集配エリアとなっている。
宅配便
出身有名人
- 宇野章午(UHBアナウンサー)
- 忍足亜希子(女優)
- KEI(イラストレーター。初音ミクキャラクターデザイン等)
- 清水泰而(ミュージシャン・怒髪天)
- 今野宏美(声優)
- 佐藤友哉(小説家)
- 石井幸喜(元プロボクサー、日本初のアマチュア世界選手権銅メダリスト)
- 佐藤誠(プロ野球選手 ソフトバンク所属。生まれは山形県)
- 真鶴照久(力士)
- 琴千歳幸征(力士)
- 千代大海龍二(力士)(出生地、出身は大分市)
- 成田智志(作家)
- 島みやえい子(歌手)
- 伊藤羽仁衣(ファッションデザイナー。HANY WEDDING代表)
- 小娘(シャオニャン)(北海道の千歳市発、千産千唱アイドルユニット)
- 井村仁(ノイズ演奏家・MOLESTER・グラフィックデザイナー)
- 高遠菜穂子(ボランティア活動家)
- ヤマザキマリ(漫画家)
- 伏見寅威(プロ野球選手オリックス・バファローズ所属)
交通
空港
鉄道
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
この他、王子製紙が明治期に敷設した森林鉄道の廃線跡が千歳市街と支笏湖を結ぶサイクリングロード(下記の北海道道872号支笏湖公園自転車道線)として整備されている
バス
そのほか市内と「東千歳地区」及び「長都・中長都・釜加地区」を結ぶ地域バスが運行されている。
新千歳空港連絡路線のみ乗り入れ
タクシー
- 千歳市エリア
主なタクシー会社
- 北都交通(ハイヤー事業部千歳営業所)
- 金星自動車(千歳自動車)
- さくら交通
- さわやか無線センター
- 千歳昭和交通
- 千歳交通
- つばさ交通 ほか
道路
マスメディア
- NHK札幌放送局 千歳報道室
- 千歳民報社(苫小牧民報系)
- 株式会社朝日新聞社 千歳支局、新千歳空港分室
- 株式会社北海道新聞社 千歳支局、新千歳空港記者室
- 株式会社毎日新聞社 千歳通信部
- 読売新聞社 千歳通信部
- えにわ・ちとせ情報紙 朝日新聞えにわ・ちとせ版 NEWSAR
- 株式会社メディアコム 生活情報紙ちゃんと
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
文化財
重要文化財(美術工芸品)
- 土面 - 北海道千歳市真々地町ママチ遺跡第三一〇号土坑墓出土、千歳市立図書館蔵、国保有、縄文後期から晩期にかけて造られた。東日本遺跡から約50点出土している。
- 動物形土製品 - 北海道千歳市美々四遺跡出土、千歳市立図書館蔵
史跡
重要無形民俗文化財
- アイヌ古式舞踊 - 千歳アイヌ文化伝承保存会、蘭越生活館
市の文化財
- 男性土偶
- 磨製石棒
- 蕨手刀 - 以上3件、千歳市立図書館蔵
- 千歳神社境内 釜加神社 弁財天御厨子 - 千歳神社
- 駅逓看板
- 山線鉄橋 - 道内最古の鋼橋。空知から支笏湖畔に移設。
- 泉郷獅子舞 - 泉郷獅子舞保存会
- アイヌの伝統的芸能と工芸技術
- 美々貝塚
- ナイベツ川湧水(名水100選)
観光スポット
- 支笏湖(湖畔、モーラップ、幌美内(ポロピナイ)) - 深度、透明度において日本で2番目、最北端の不凍湖
- オコタンペ湖(北海道3大秘湖の一つ)
- 名水ふれあい公園(名水100選、無料給水あり、冬季閉鎖)
- 千歳湖
- 苔の洞門・美笛の滝
- 樽前山(山頂は苫小牧市域だが主な登山口は千歳側にある)
- 不風死岳
- 紋別岳
- 恵庭岳(山頂付近は、恵庭市と千歳市の境界未調整区域)
- モーラップキャンプ場
- 美笛キャンプ場
- 支笏湖温泉
- 丸駒温泉
- 支笏湖いとう温泉
- 千歳サケのふるさと館(道の駅サーモンパーク千歳)
- 箱根牧場(千歳市東丘)
- 千歳アウトレットモール・レラ
- 千歳市温水プール
- 新千歳モーターランド
- 青葉公園
- 花茶
- インディアン水車
- 防災学習館そなえーる
- そなえーる サバイバル体験地区・アスレチック公園(湧き水あり)・キャンプ場
祭事・催事
- 千歳・支笏湖氷濤まつり
- JAL千歳日航マラソン - JALの現役キャビンアテンダントが参加するマラソン大会、ボランティアサポートにおいてもキャビンアテンダントが参加する。
- 千歳夏まつり(7月中〜9月3日まで) - 夏祭りは、市内各地で色々なイベントがあり、最後は千歳神社祭(9月1日〜3日)で終了する。
- 千歳基地航空祭
- 東千歳駐屯地創立記念祭 5月下旬〜6月上旬
- 北千歳駐屯地創立記念祭 6月
- ふるさとポケット 9月上旬
- インディアン水車祭り 9月中旬
- 支笏湖紅葉祭り 10月上旬
- 千歳市指宿市青少年交流事業
- 8月千歳市児童指宿市にホームスティ
- 12月指宿市児童千歳市にホームスティ
脚注
関連項目
外部リンク
- 行政
- 観光