飛地
飛地(とびち、飛び地)とは、一つの国の領土や行政区画の内、地理的に分離している一部分である。土地の一部が「他所に飛んでいる」と見られることからこう呼ばれる。
目次
概説
Aの領域がA以外の領域によって、複数に分断されている状態にあるとする。Aの主要地域以外のその他の領域が飛地である。ある領域を飛地と呼ぶかどうかは、その行政単位の地形・政治・交通などの状況によって判断される。もっとも、その判断も意見が分かれることがしばしばある[1][2]。以下に、ケースごとの飛地について概説する。
- 飛地が内陸部で他の行政単位に完全に囲まれているケース
ある行政単位Aに対して、別の行政単位Bが近傍に存在しているとする。そこで、Bの内部領域にAの領域が存在し、かつ、そのB内部のAの領域が完全にBの領域で囲まれているとき、その囲まれた領域はAの飛地である。このケースに限っては、ほとんどの者がこれを飛地と認め、そのことには異論がないことが多い[2]。なお、ここでは仮に、本土と飛地を分断する行政単位を単一のBとした。が、本土と飛地を分断する行政単位は複数であってもよい。例えば、行政単位Aに対して、複数の行政単位BとC(及びD、E、F…)の領域によって分断された飛地もある。これは以下のケースでも同様である。日本の和歌山県北山村が例として挙げられる。Googleマップ
ある行政単位Aが、同一の陸地に複数の領域をもつとする。そして、Aの本土は内陸にあり、一方で、Aの本土以外の領域が水域に面しているとする。かつ、それらのAの複数の領域が、別の行政単位Bの領域によって分断されているとする。そのとき、Aのこれらの領域は、本土と飛地の関係にあるといえる。この場合も、上記と同じく多数の者が飛地であると認める事が多い。パレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区(本土)に対するガザ地区(飛地)が例として挙げられる。Googleマップ
- 本土と飛地が同一の陸地に所属し、飛地が水域に面しているケース2
前述のケース1と似ているが、ある行政単位Aが、同一の陸地に複数の領域をもつとする。そして、それらのAの複数の領域について、本土を含めたすべての領域が水域に面しているとする。かつ、それらのAの領域が、別の行政単位Bの領域によって分断されているとする。このときも、上記と同じく、Aの複数の領域は、本土と飛地の関係にあるといえる。しかし、この場合は、飛地と呼ぶかどうかについては議論の余地がある場合が多い[1]。例えば、アメリカ合衆国におけるアラスカ州は飛地であると判断されることが多い。Googleマップ 一方で、同じ条件を満たすトルコのイスタンブルがあるトラキア地方は、本土と海峡を介して近接しており、飛地とはみなさないことがある。Googleマップ
- 本土と飛地が水域で分断されているケース
上記のケースに当てはまらず、本土と飛地が同一の陸地に所属しないケースである。これが飛地かどうかについては、微妙なケースである。以下にさらにケースを細分化する。
ある行政単位Aが、複数の島にわたって複数の領域をもつとする。そのとき、Aの所属するある一つの島において、その島に存在する行政単位がAだけの場合は、その島は飛地と呼ばれることはまずない。例えば、広島県廿日市市における厳島、東京都における伊豆大島などは飛地ではない。Googleマップ
上記の通り一般的に島は飛地ではない。しかしながら、その島に複数の行政単位の境界線が通っている場合は、飛地となり得る。具体的には、ある島の対岸に、複数の行政単位AとBが存在するとする。AとBが、その島にも領域を有しており、その島内にそれらの境界線が引かれている場合は、飛地の可能性がある。例えば、大阪府の関西国際空港の空港島とそれを分断する対岸の自治体(泉佐野市・田尻町・泉南市)は、空港島をめぐって交通が分断されていることもあって、飛地を構成しているといえる可能性がある。Googleマップ また、瀬戸内海において岡山県と香川県の県境で分断された井島なども、場合によっては飛地とみなされることもある[2]。Googleマップ
上記の通り境界線を持つ島は飛地である可能性がある。しかしながら、島に境界線がなくても、飛地となる可能性もある[2]。この場合は島である必要はなく、本土と海峡や川などによって分断されているだけの領域も含まれる。例えば、茨城県猿島郡の境町は、利根川北岸が本土であるが、町の境界線が利根川を越えて南岸側にもかかっている。この境町の利根川南岸の領域は、飛地と呼べる可能性がある。Googleマップ しかしながら、仮定の話ではあるが、もしも、この利根川南岸の領域が、本土と橋などで連絡した場合は、これを飛地として扱うかは意見の分かれるところである。一方で、逆に、橋ができたが故に、飛地とみなされる可能性が出た例もある。長崎県の松浦市には、福島という島がある。福島には境界線はなく、上記の原則にあてはめれば、飛地ではない。しかし、1967年に福島と佐賀県伊万里市に間に橋がかけられた。これにより、松浦市の本土から福島へは、伊万里市を通らねばならなくなったため、福島は松浦市の飛地と呼べる可能性がある。Googleマップ なお、2008年時点で、陸路・海路とも、福島と伊万里市を結ぶ交通手段はあるが、福島と松浦市は直接結ばれていない[2]。
- 二重飛地
主に上記の「飛地が内陸部で他の行政単位に完全に囲まれているケース」などの飛地において、発生しうる現象が、二重飛地である。ある行政単位Aの飛地が、A近傍の別の行政単位Bの領域の内部にあるとする。このBの内部にあるAの飛地のさらに内部に、Aの飛地に囲まれたBの領域が存在する場合がある。その場合、このBの領域は「飛地に周囲を囲まれた飛地」であり、二重飛地と呼ばれる[2]。例としては、大阪府・兵庫県の大阪国際空港内における、豊中市内部にある池田市の飛地の内部にある豊中市の二重飛地などがある。Googleマップ
飛地ができる要因
封建制下においては、同一の君主の所領が各所に分散していることは珍しくなかった。国民国家形成の際に旧来の領邦の境界を引き継ぐこともあり、その際に領土や行政区画に飛地が残ったという事例がヨーロッパ・インド・日本に多いようである。
その他の要因としては以下のようなものがある。
- 河川の流路変更によるもの(アメリカ合衆国ホーコン・トラクトなど)。
- 境界線を策定した際に、緯度・経度などを一律に基準としたため、海や湖に阻まれて行き来できない場所が飛び地化したもの(アメリカ合衆国ロバーツ岬、ノースウエスト・アングルなど)。
- 境界線を策定した際に、住民の民族や宗教を基準としたため発生したもの(ガザ地区、ナヒチェヴァン自治共和国、東パキスタン(現バングラデシュ)など)。
- 領土の買収によるもの(アメリカ合衆国アラスカ州など)。
- 貿易・防衛拠点として確保した後、周囲の国に返還されなかったもの(スペインのセウタ、イギリスのジブラルタルなど)。
- 領土の一部が他国に併合されるもしくは独立により発生したもの(ブルネイのテンブロン地区、東プロイセン、ロシア連邦のカリーニングラード州など)。
- 隣接しない国家・市町村の合併により発生したもの(アラブ連合共和国、アラブ共和国連邦など)。
- 入植地(新田など)。
- 集落ごとの入会地設定やため池の設置などによるもの。
上記のようにして形成されたものの多くは、飛地と呼ばれる。しかしながら、飛地が植民地である場合には、領土という観点では飛地であっても、飛地と呼ばないのが普通である。例えば、かつてのインドはイギリスの飛地であるとはいえない[1]。
上記のように、飛地は生成される一方で、解消されたり、再生成されたりする動きもある。例えば、日本では、住居表示の実施、土地区画整理等に伴う行政区画の変更、市町村合併などにより、飛地は次第に解消される場合もあるが、合併交渉の破綻により細分化される事例もある。
国家の飛地
- テンプレート:Flagicon アゼルバイジャン
- ナヒチェヴァン自治共和国 - 北東にアルメニア、南西にイラン(東アゼルバイジャン州、西アゼルバイジャン州)が隣接
- テンプレート:Flagicon アメリカ合衆国
- アラスカ州 - 東にカナダユーコン準州、東南にブリティッシュコロンビア州、西にベーリング海峡
- ポイントロバーツ[3] - 先端部だけがアメリカ合衆国ワシントン州に属する。これは、アメリカとカナダ(当時はイギリス植民地)が北緯49度を国境線と決めたため、49度線を南に飛び出した岬の先端部分のみがアメリカ領になったもの。
- テンプレート:仮リンク - ウッズ湖に面した先端部だけがアメリカ合衆国ミネソタ州に属する。これもポイントロバーツ同様、北緯49度を国境線と定めた際に飛地が形成された。付近に次項のノースウエスト・アングルが存在する。
- ミネソタ州レッドレイク・インディアン居住区(ノースウエスト・アングル)- 周囲はカナダとウッズ湖。
- プロビンス岬 - シャンプレーン湖に突き出した先端部のみがアメリカ合衆国バーモント州に属する。
- プロビンス島 - テンプレート:仮リンクに浮かぶ島。大半がケベック州マゴグに属するが、南端の一角のみバーモント州オーリンズ郡に属する。
- テンプレート:Flagicon アラブ首長国連邦
- ナワ - 周囲はオマーン(マダ)。なお、この連邦内東部には、各首長国の領域が混在しており、フジャイラやラアス・アル=ハイマ首長国の主たる領域が分断されているなど、飛地がいくつか存在する。
- テンプレート:Flagicon アンゴラ
- テンプレート:Flagicon イギリス
- テンプレート:Flagicon イタリア
- カンピョーネ・ディターリア - 周囲はスイス、ルガーノ湖に面する。
- テンプレート:Flagicon インド/テンプレート:Flagicon バングラデシュ
- クチビハール - インド・バングラデシュ双方の飛び地が、複雑かつ大量に交錯する地帯。
- テンプレート:Flagicon ウズベキスタン
- テンプレート:Flagicon オマーン
- テンプレート:HRV
- ドゥブロヴニク=ネレトヴァ郡の大部 - 周囲はボスニア・ヘルツェゴビナ(ネウム)。
- テンプレート:Flagicon スペイン
- テンプレート:Flagicon タジキスタン
- テンプレート:Flagicon 東ティモール
- オエクシ=アンベノ - 周囲はインドネシア(東ヌサ・トゥンガラ州)、北はサヴ海。
- テンプレート:GER
- テンプレート:PSE
- テンプレート:Flagicon ブルネイ
- テンプレート:Flagicon ベルギー /テンプレート:Flagicon オランダ
- テンプレート:Flagicon ロシア
- カリーニングラード州 - 北にリトアニア、南にポーランド(ヴァルミア・マズールィ県)が隣接する。
過去に飛地だった地域
- テンプレート:Flagicon アメリカ合衆国
- テンプレート:UAR
- テンプレート:OMA
- テンプレート:Flagicon スイス
- テンプレート:Flagicon 韓国
- テンプレート:DEU1933 / テンプレート:PRU
- 東プロイセン - ホーエンツォレルン家が治めるブランデンブルク選帝侯領とプロイセン公国(のちの東プロイセン)が、17世紀に段階的に統一国家プロイセン王国となり、飛地化。1772年、第一次ポーランド分割により間のポーランド領がプロイセン領西プロイセンとなり解消するが、第一次世界大戦によりかつての西プロイセンはポーランド回廊としてポーランド領となり、東プロイセンは再び飛地化。第二次世界大戦中はポーランド西部がドイツに併合され、再度解消。第二次世界大戦後、東プロイセンは隣接するポーランドとソビエト連邦に二分して割譲され、国家単位では飛地とはならなかったが、ソビエト連邦領は隣接するリトアニアではなくロシア共和国の一部とされたため、連邦内共和国単位で飛地となった。
ソビエト連邦崩壊によってリトアニアが正式に独立した後は、ロシア連邦の飛地「カリーニングラード州」となり、再び国家単位の飛び地として復活した。
- 東プロイセン - ホーエンツォレルン家が治めるブランデンブルク選帝侯領とプロイセン公国(のちの東プロイセン)が、17世紀に段階的に統一国家プロイセン王国となり、飛地化。1772年、第一次ポーランド分割により間のポーランド領がプロイセン領西プロイセンとなり解消するが、第一次世界大戦によりかつての西プロイセンはポーランド回廊としてポーランド領となり、東プロイセンは再び飛地化。第二次世界大戦中はポーランド西部がドイツに併合され、再度解消。第二次世界大戦後、東プロイセンは隣接するポーランドとソビエト連邦に二分して割譲され、国家単位では飛地とはならなかったが、ソビエト連邦領は隣接するリトアニアではなくロシア共和国の一部とされたため、連邦内共和国単位で飛地となった。
- テンプレート:PRU
- テンプレート:Flagicon 西ドイツ
- テンプレート:Flagicon パキスタン
- テンプレート:Flagicon パナマ
- テンプレート:Flagicon 南アフリカ共和国
行政区画の飛地
以下に挙げる飛地はあくまで代表的な例であり、これ以外の小さな飛地は多数存在する。
アメリカ合衆国
大韓民国
- 京畿道安山市大阜島
- 仁川広域市江華郡
- 橋でつながっている先は京畿道金浦市。もともとは京畿道所属であったが、1995年に仁川広域市へに編入されたため飛地になった。
- 大邱広域市達城郡多斯邑、河濱面
- 全羅北道完州郡伊西面
中華人民共和国
ドイツ
日本
- 山形県寒河江市大字中郷
- 山形県西村山郡大江町大字左沢
- 周囲は寒河江市大字柴橋。
- 茨城県龍ケ崎市馴馬町(女化神社)
- 周囲は牛久市女化町。
- 茨城県結城市大字結城(結城ガーデン)
- 栃木県那須塩原市板室字三斗小屋温泉(三斗小屋温泉)
- 栃木県佐野市仙波町
- 栃木県河内郡上三川町
- 周囲は下野市。
- 栃木県足利市羽刈町
- 栃木県栃木市藤岡町下宮
- 群馬県みどり市大間々町大間々
- 周囲は桐生市相生町。
- 埼玉県行田市大字小敷田
- 周囲は熊谷市池上、上之。約1キロメートル四方の範囲に狭い飛地が20箇所程度点在している。
- 埼玉県深谷市横瀬
- 周囲は群馬県伊勢崎市境平塚、境島村。
- 埼玉県北本市大字高尾
- 周囲は鴻巣市原馬室。
- 埼玉県熊谷市妻沼小島
- 周囲は群馬県太田市(東方は古戸町、北方は牛沢町、西方は堀口町、押切町)。
- 埼玉県上尾市大字平方
- 周囲は川越市大字東本宿、下老袋。
- 埼玉県久喜市樋の口
- 周囲は白岡市篠津。
- 埼玉県久喜市菖蒲町柴山枝郷
- 周囲は白岡市柴山。
- 埼玉県さいたま市西区大字宝来
- 周囲は上尾市大字平方、川越市大字古谷上。
- 埼玉県さいたま市岩槻区大字笹久保新田
- 周囲は同市緑区大字高畑、大字上野田。
- 埼玉県東松山市大字田木
- 周囲は坂戸市大字片柳。
- 埼玉県比企郡吉見町大字中曽根
- 周囲は熊谷市小八林、箕輪、冑山。
- 埼玉県比企郡嵐山町大字川島
- 周囲は比企郡滑川町大字水房。
- 千葉県我孫子市根戸の一部。
- 周囲は柏市。(柏市根戸、柏市布施)
- 千葉県船橋市丸山、藤原(一部)
- 周囲は鎌ケ谷市。
- 千葉県船橋市潮見町
- 東京都練馬区西大泉町
- 東京都府中市新町2丁目の一部
- 東京都稲城市矢野口(よみうりランド内読売ジャイアンツ室内練習場)
- 東京都西多摩郡瑞穂町大字殿ヶ谷(横田基地)
- 周囲は武蔵村山市大字岸。
- 東京都西多摩郡瑞穂町大字二本木
- 周囲は埼玉県入間市大字二本木。
- 神奈川県川崎市麻生区岡上
- 神奈川県小田原市曽比
- 周囲は南足柄市。
- 新潟県刈羽郡刈羽村大字油田、黒川
- 富山県中新川郡上市町黒川
- 周囲は滑川市小森、本江。
- 富山県南砺市岩武新
- 福井県三方郡美浜町久々子
- 山梨県南都留郡富士河口湖町船津
- 周囲は富士吉田市新倉。
- 山梨県南都留郡富士河口湖町勝山
- 周囲は富士吉田市上吉田。
- 長野県上伊那郡南箕輪村北沢
- 長野県佐久市平林
- 周囲は南佐久郡佐久穂町。
- 三重県伊勢市小俣町明野
- 三重県伊勢市小俣町新村
- 周囲は多気郡明和町明星、度会郡玉城町世古。
- 三重県伊勢市上地町
- 周囲は度会郡玉城町富岡。
- 三重県度会郡玉城町
- 周囲は伊勢市小俣町新村・小俣町明野。大仏山公園スポーツセンターの一角。
- 三重県尾鷲市須賀利町
- 京都府久世郡久御山町佐古(三郷山財産区)
- 京都府久世郡久御山町市田東観世
- 周囲は宇治市小倉町西遊田、安田町五反坪・鵜飼田。巨椋池干拓田の中。
- 京都府八幡市八幡長町、八幡樋ノ口、川口高原
- 京都府綴喜郡井手町大字田村新田小字平ケ谷
- 周囲は木津川市山城町綺田。
- 京都府相楽郡笠置町笠置
- 周囲は木津川市加茂町山田、北。
- 大阪府池田市空港(大阪国際空港のターミナル近辺など)[4]
- 大阪府摂津市大字別府
- 大阪府摂津市鳥飼1丁目1-15(大阪府立摂津支援学校/とりかい高等支援学校の校舎部分)
- 大阪府茨木市大字小坪井(名神高速道路・中国自動車道・近畿自動車道吹田JCT/IC、大阪府道2号大阪中央環状線の一部)
- 周囲は大阪府吹田市青葉丘北、青葉丘南、清水
- 大阪府豊中市石橋麻田町
- 周囲は池田市石橋、箕面市瀬川
- 大阪府豊中市蛍池西町3(大阪国際空港の駐機場近辺)[4]
- 周囲は池田市空港。隣接する池田市空港も飛地であり、豊中市の飛地は「飛地に囲まれた飛地」の二重飛地である。
- 大阪府四條畷市雁屋西町[5]
- 周囲は寝屋川市河北中町。
- 大阪府堺市西区築港浜寺西町
- 堺市に属する埋立地。隣接する高石市を経由しなければこの場所へ行けない。
- 大阪府高石市南高砂
- 高石市に属する埋立地。隣接する泉大津市を経由しなければこの場所へ行けない。
- 大阪府泉大津市綾井、および大字名不明の各所(国道26号西、泉北有料道路高架下、雇用葛葉住宅内の数箇所)
- 大阪府貝塚市と泉南郡熊取町
- 互いに、複数の飛地が存在する。
- 大阪府泉佐野市泉州空港北[7]
- 大阪府泉南郡田尻町泉州空港中[7]
- 関西国際空港の内の田尻町域に属する部分。町内から直接この場所へ行けない。
- 大阪府泉南市泉州空港南[7]
- 関西国際空港の内の泉南市域に属する部分。市内から直接この場所へ行けない。そればかりか、この場所は全域が国際貨物ターミナルなどがある制限区域のため、一般人は足を踏み入れることすらできない。
- 兵庫県伊丹市小阪田 (大阪空港駅近辺)[4]
- 周囲は大阪府池田市空港と大阪府豊中市蛍池西町3。隣接する豊中市蛍池西町3は池田市に囲まれた飛地である。府県にまたがる飛地である。
- 兵庫県川西市満願寺町[4]
- 周囲は宝塚市。
- 奈良県北葛城郡河合町大字佐味田
- 周囲は広陵町大字寺戸。
- 和歌山県東牟婁郡北山村(全域)、
- 和歌山県新宮市熊野川町玉置口、熊野川町嶋津
- 周囲は三重県熊野市、奈良県吉野郡十津川村。北山村と同じく都道府県を跨ぐ飛地。
- 和歌山県東牟婁郡太地町大字太地字夏山
- 周囲は東牟婁郡那智勝浦町。
- 和歌山県橋本市高野口町名倉(一部)
- 広島県広島市安芸区矢野
- 広島県尾道市浦崎町、百島町
- 周囲は福山市。
- 広島県大竹市栗谷町奥谷尻
- 周囲は廿日市市大野奴メリ谷。
- 福岡県北九州市小倉南区空港北町
- 北九州空港の内の北九州市域に属する部分。市内から直接この場所へ行けない。
- 熊本県荒尾市本井手
- 熊本県荒尾市原万田
- 周囲は福岡県大牟田市船津町。背景は本井手の飛地と同じ。
- 鹿児島県阿久根市鶴川内
- 周囲は出水市野田町上名。
- 鹿児島県志布志市有明町野神(大隅カントリークラブ)など
- 周囲は大崎町野方。「飛地」という名称のバス停がある。
- 鹿児島県曽於郡大崎町井俣
- 周囲は志布志市有明町原田、野神。
市町村合併(平成の大合併)による飛地事例
いずれも非隣接自治体同士が合併したための飛地である。飛地になる予定も含む。
既合併・既編入
- 北海道釧路市(2005年10月11日新設合併)(釧路市、阿寒町、音別町)
- 音別地区が飛地。
- 北海道伊達市(2006年3月1日編入合併)(伊達市、大滝村)
- 大滝地区が飛地。
- 北海道沙流郡日高町(2006年3月1日新設合併)(門別町、日高町)
- 旧・日高町地区が飛地。合併前の門別町役場が新しい日高町役場になったため。
- 青森県北津軽郡中泊町(2005年3月28日新設合併)(中里町、小泊村)
- 小泊地区が飛地。
- 青森県五所川原市(2005年3月28日新設合併)(旧・五所川原市、金木町、市浦村)
- 市浦地区が飛地。
- 青森県東津軽郡外ヶ浜町(2005年3月28日新設合併)(蟹田町、平舘村、三厩村)
- 三厩地区が飛地。
- 群馬県高崎市(2006年1月23日編入合併)(高崎市、倉渕村、箕郷町、群馬町、新町:後に榛名町も編入)
- 新町地区が飛地。
- 群馬県桐生市(2005年6月13日編入合併)(桐生市、新里村、黒保根村)
- 新里地区・黒保根地区が飛地。
- 新潟県長岡市(2010年3月31日編入合併)(長岡市、川口町)
- 川口地区が飛地。
- 岐阜県可児市(2005年5月1日編入合併)(可児市、兼山町)
- 兼山地区が飛地。
- 岐阜県大垣市(2006年3月27日編入合併)(大垣市、上石津町、墨俣町)
- 上石津地区、墨俣地区が別々の飛地。
- 徳島県三好市(2006年3月1日新設合併)(三野町、池田町、山城町、井川町、東祖谷山村、西祖谷山村)
- 三野地区が飛地。
- 鹿児島県奄美市(2006年3月20日新設合併)(名瀬市、笠利町、住用村)
- 笠利地区が飛地。
見た目は飛び地ではないものの、実質的な飛び地
- 青森県平川市(2006年1月1日新設合併)(尾上町、平賀町、碇ヶ関村)
- 群馬県みどり市(2006年3月27日新設合併)(勢多郡東村、笠懸町、大間々町)
- 東地区は大間々地区と隣接しているものの、山地により隔てられており、桐生市黒保根地区を経由しないと行き来ができない。
- 新潟県上越市(2005年1月1日編入合併)(上越市、中郷村、柿崎町、大潟町、頚城村、吉川町、板倉町、清里村、三和村、名立町、安塚町、浦川原村、大島村、牧村)
- 長野県飯田市(2005年10月1日編入合併)(飯田市、上村、南信濃村)
- 上村地区・南信濃地区はほかの地区と隣接しているものの、山地により隔てられており、喬木村を経由しないと行き来ができない。
- 和歌山県伊都郡かつらぎ町(2005年10月1日編入合併)(かつらぎ町、花園村)
- 山口県萩市(2005年3月6日新設合併)(萩市、須佐町、田万川町、川上村、旭村、むつみ村、福栄村)
- 須佐地区とむつみ地区は隣接しているものの、山地により隔てられており、須佐・田万川両地区から阿武町を経由しないとほかの地区と相互に行き来ができない。
合併によるその他の飛地
- 北海道檜山振興局管轄区域
合併以外の事情により発生した飛地
- 茨城県取手市小堀(おおほり)
- 埼玉県八潮市大字浮塚の一部
- 三重県桑名市長島町老松
- 木曽岬干拓地の完成に際し一部区域を長島町に割り当てたために飛地発生。
- 愛媛県今治市の岡村島
- 長崎県松浦市の福島
- 長崎県松浦市の鷹島
- 沖縄県国頭郡今帰仁村の古宇利島
- 架橋により名護市と陸続きになった。橋の開通前は、村の中心部付近の港までフェリーが運航していた。
過去に飛地だった地域
合併により解消された飛地
- 青森県むつ市宇曽利湖、恐山菩提寺周辺
- 青森県弘前市大字国吉(他)(旧・東目屋村)
- 福島県福島市立子山
- 群馬県高崎市倉渕地区(旧・倉渕村)
- 埼玉県川口市新郷地区(旧・新郷村)
- 埼玉県上福岡市南台
- 神奈川県相模原市 旧相模湖町・津久井町地区
- 長野県飯田市座光寺
- 静岡県静岡市清水区蒲原
- 静岡県浜松市篠原町(一部)
- 新潟県新潟市岩室地区(旧・西蒲原郡岩室村)
- 福井県丹生郡朝日町大谷寺(越知神社室堂・奥の院周辺)
- 三重県一志郡三雲町米ノ庄地区
- 滋賀県東浅井郡湖北町延勝寺の一部及び伊香郡高月町片山の一部
- 兵庫県津名郡淡路町浦、仮屋、久留麻、釜口
- 和歌山県那賀郡打田町龍門山の周辺
- 広島県福山市内海町、内海町イ、内海町ハ、内海町ロ
- 周囲は沼隈町。2005年2月1日の合併(沼隈町の福山市編入)により解消。
- 広島県呉市下蒲刈町(下蒲刈島)
- 山口県新南陽市高瀬・和田地区
- 香川県三豊郡大野原町青岡
- 徳島県麻植郡山川町字西野峰
- 佐賀県東松浦郡浜玉町鳥巣
- 長崎県佐世保市浅子町、旧小佐々町地区
- 鹿児島県鹿児島郡西武田村大字武の一部
- 鹿児島県鹿児島市東桜島地区
- 鹿児島県薩摩郡宮之城町柊野
- 鹿児島県出水市荘
- 鹿児島県出水郡高尾野町江内
- 鹿児島県川辺郡坊津町秋目。
- 周囲は笠沙町、大浦町。2005年11月7日の合併(南さつま市誕生)により解消。
- 沖縄県那覇市首里(旧・首里市)
- 真和志市の那覇市編入により解消。
合併以外の事情により解消した飛地
自治体単位の飛地
郡部単位の飛地
- 日本における郡部単位の飛地を参照。
江戸時代の藩の飛領
フランス
- オート=ピレネー県の一部
- 周囲はピレネー=アトランティック県。
- ヴォクリューズ県:ヴァレア小郡
- 周囲はドローム県。
- コート=ドール県:メヌセール村
- 周囲はニエーヴル県とソーヌ=エ=ロワール県。
ボスニア・ヘルツェゴビナ
- スルプスカ共和国
- ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦(国家であるボスニア・ヘルツェゴビナ共和国とは別)とブルチコ行政区により領域がほぼ二等分されている。
過去に飛地だった地域
- 分割占領時代のドイツのアメリカ軍占領地区:ブレーメン州
- 周囲はイギリス軍占領地区。米英仏占領地区を領土とする西ドイツの成立により解消。
- 分断国家時代のドイツおよび東西ドイツ時代の連合軍占領地区:旧ベルリン西域(米英仏3ヶ国)の北・中・南の3分割で占領。