荒尾市

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荒尾市(あらおし)は、熊本県北西部にあるである。

面積は57.15km²。西は有明海に面し、北は福岡県大牟田市と境を接している。熊本・福岡両県内ではグリーンランド(旧三井グリーンランド)や、近代化遺産万田坑があることで知られている。

地理

九州中部熊本県の北西端にあり、熊本市から北西に約40km、福岡市から南に約70kmの場所に位置する。

市東端の小岱山(筒ヶ岳 501.4m)から西へなだらかな丘陵が起伏しながら有明海へと下っている。

北隣の福岡県大牟田市とは、ともに三井三池炭鉱の街として発展してきた歴史がある。DID県境を越えて連続(連坦)し、両市を中心とした都市圏大牟田都市圏)を形成するなど、炭鉱が閉山した現在でも密接な関係にある。このため、大牟田市との越境合併を望む意見も存在する。なお、大牟田市の中に荒尾市の飛地が3ヶ所存在する。

県境に位置するため、金峰山送信所を通じて熊本県の民放4局とNHK熊本放送局は勿論のこと、大牟田中継局を通じて福岡県の民放5局とNHK福岡放送局を受信することも可能であり、地デジ化以降は地域によっては佐賀長崎県からのテレビ放送さえ鮮明に受信出来るようになった。熊本県では長らく民放が少なかったこともあり、市内では福岡県の民放を視聴するために、多くの世帯が大牟田局にもアンテナを向けている。

隣接する自治体

人口

テンプレート:人口統計

緑ヶ丘周辺の宅地開発が成功し、マンションも林立するなど、あらおシティモール周辺では人口が増加している。そのため、近隣の各市町に比べて人口の減少率は低く、近年はほぼ横ばい傾向にある。

地名

  • 荒尾(旧荒尾町)
  • 大島(旧荒尾町)
  • 宮内(旧荒尾町)
  • 宮内出目(旧荒尾町)
  • 原万田(旧荒尾町)
  • 万田(旧荒尾町)
  • 川登(旧八幡村)
  • 菰屋(旧八幡村)
  • 野原(旧八幡村)
  • 金山(旧府本村)
  • 樺(旧府本村)
  • 府本(旧府本村)
  • 上井手(旧平井村)
  • 上平山(旧平井村)
  • 下井手(旧平井村)
  • 平山(旧平井村)
  • 本井手(旧平井村)
  • 一部(旧有明村)
  • 蔵満(旧有明村)
  • 増永(旧有明村)
  • 牛水(旧清里村)
  • 高浜(旧清里村)
  • 水野(旧清里村)
  • 大平町1丁目~3丁目(1960年、宮内出目より発足)
  • 大島町3丁目~4丁目(1970年、大島より発足)
  • 桜山町1丁目~4丁目(1970年、蔵満・一部より発足)
  • 昭和町(1970年、大島より発足)
  • 大正町1丁目~2丁目(1970年、万田・大島より発足)
  • 西原町1丁目~3丁目(1970年、万田・原万田・大島より発足)
  • 日の出町(1970年、万田・大島より発足)
  • 四ツ山町1丁目~3丁目(1970年、大島より発足)
  • 八幡台1丁目~4丁目(1976年、野原・樺・川登より発足)
  • 緑ケ丘1丁目~4丁目(荒尾・川登・平山・本井手より発足)
  • 住吉町(1998年、宮内・宮内出目・万田より発足)
  • 東屋形1丁目~4丁目(2003年、荒尾・宮内より発足)

市議会

概要

定数は22人。

構成

会派 議席数
新政改革クラブ(自民系) 7
少勇会(保守系) 7
新社会党 4
清風会(保守系) 2
公明党 2
日本共産党 1

2012年1月13日現在)

歴史

鎌倉時代武蔵七党の一つで関東御家人小代氏玉名郡野原荘の地頭職を得て下向、小岱山の麓に居城を構えた。戦国時代には豊後大友氏に属し、肥後の有力国人となった。

江戸時代細川忠利豊前小倉藩から肥後熊本藩へ移封したとき、豊前上野の陶工源七と八左衛門が小岱山の麓に窯を開き小代焼を創始した。小代焼は2003年(平成15年)に国の伝統的工芸品に指定されている。

筑後三池藩との国境に熊本藩高瀬奉行所の岩本番所が置かれていた。

1898年(明治31年)、三井鉱山によって万田坑の開削が始められた。

近現代

産業

かつては大牟田市とともに三井三池炭鉱により栄えた。しかしながら1960年代からの石油へのエネルギー転換に伴う石炭の需要低下、1997年の最終的な閉山による人口の減少、炭鉱離職者対策、その他雇用対策が目下の最大の課題である。

農産物としては、(荒尾ジャンボ梨)の栽培が盛んである。

  • 市内総生産 1,169億円(2004年度)

まちづくり

荒尾市は、2004年(平成16年)から、食をテーマに第1次産業から第3次産業までが連携し、地域活性化と雇用拡大を図る地域再生プロジェクトに取り組んでいる。この中で、商店街の空き店舗を活用し地域住民が中心となった農産物直売所兼研究拠点施設「青研(青空研究室)」が焼酎・ワイン・みかんジュースなどの特産品開発や生鮮品販売で成果を上げ、注目されている。

地域

行政

  • 市長:前畑淳冶(2003年1月18日~、3期目)
  • 市議会議員 22人

警察

  • 荒尾警察署
    • 荒尾駅前交番
    • 緑ヶ丘交番
    • 府本駐在所
    • 八幡駐在所

消防

教育

高等学校

中学校

小学校

特別支援学校

  • 熊本県立荒尾支援学校

交通

空港

距離的には佐賀空港が最も近く、次いで熊本空港が近いが、空港連絡バスが福岡空港行のみの運行となっていることや、空港自体の利便性が高いため、福岡空港を利用する市民が多い。

鉄道路線

かつてはこのほかに荒尾市営電気鉄道があったが、1964年に廃止された。

バス

九州産交バスグループ(産交バス)が荒尾市内路線、荒尾市と長洲町長洲港)を結ぶ路線、荒尾市と玉名市玉東町を結ぶ路線を運行している。

西日本鉄道グループの西鉄バス大牟田大牟田市と荒尾市中心部を結ぶ路線、グリーンランドと大牟田駅を結ぶ路線、市北東端の庄山と大牟田市・南関町を結ぶ路線を運行している。また福岡空港と荒尾市内を結ぶ高速バス路線も運行している。

かつては荒尾市交通局(荒尾市営バス)が市内を運行していたが、2005年4月1日に廃止され、路線は産交バスに譲渡された。

道路

高速道路

市内に高速道路は通っていない。九州自動車道南関ICが最も近い。

一般国道

県道

主要地方道
一般県道

その他

  • 自転車専用道路 - 旧荒尾市電の鉄道廃線跡を利用して整備されている自転車専用道路で、緑ヶ丘(旧山の手ストア前)から境崎(多田隈整形外科裏)間

文化

方言

荒尾地方の方言は古語が現代まで存続したものが多い[3]

  • イカメシカ(非常に厳しい)
  • インマ、イマンタイ(今に、そのうちに)
  • ウン、ウンナ(対称語でおまえ、きさま)
  • エスカ(恐ろしい、こわい)
  • エンチ(家の内、家)
  • オゴル(叱る、人をとがめる)
  • オドマ、オドン(我々、我等)
  • オメク、オラブ(大声で叫ぶ)
  • オンブクルル(溺れる)
  • カテテ(仲間に入れて)
  • カバシカ(香ばしい、香りが良い)
  • クベル、クブル(火に入れて燃やす)
  • クルル、クレル(与える)
  • ゲナ、ゲニャ(~のようだ)
  • コジラカス(話がもつれる)
  • コスカ(悪賢い、ずるい)
  • コソバシカ(くすぐったい)
  • ゴツ、ゴタル(~のようだ)
  • コシコ(これくらい:少ない)
  • サルク、サロク(歩き回る)
  • スッドカ(抜け目が無い)
  • タマガル(びっくりする)
  • チョチョクラカス(馬鹿にする)
  • トツテムナカ(途方もない)
  • ニクジ(悪口を言う)
  • ネマル(食品が腐る)
  • ハマル(覚悟を決める)
  • ヒダルカ(空腹である)
  • フノヨカ(運が良い)
  • マバイカ(まぶしい)
  • ミコナス(見くびる)
  • ムゾカ(かわいい)
  • ムゾカル(かわいがる)
  • ワライコクル(笑い転げる)

観光

名所・旧跡、観光・レジャースポット

ファイル:Arao NobaraHachimangu.JPG
荒尾市野原八幡宮大祭(通称「のばらさん」)。毎年10月15日に開催される“一ヶ月早い七五三
ファイル:Iwamotobashi.JPG
岩本橋。熊本県指定重要文化財
  • 野原八幡宮 - 荒尾市野原1529
  • 荒尾干潟(平成24年7月3日ラムサール条約に登録、単一干潟として国内でも有数の広さをほこり、国内でも最大規模のシギ・チドリ類飛来地)
  • 万田坑(万田坑施設への入場は有料、四カ国語による音声ガイド、施設ガイド有り)
  • 荒尾市宮崎兄弟の生家
  • 荒尾市宮崎兄弟資料館
  • 荒尾競馬場地方競馬)(廃止)
  • 小岱山県立自然公園
  • グリーンランド(九州最大級の遊園地。ジェットコースターなどのアトラクションの数は約80で日本一)
  • ウルトラマンランド円谷プロダクションが直営するウルトラシリーズテーマパーク)(2013年9月1日閉園)
  • 七面山妙厳寺 (荒尾市樺 秋の紅葉の名所)

特産品

  • 荒尾梨(ジャンボ梨として新高梨が有名)
  • 小代(岱)焼
  • 有明海苔
  • メロンパン
  • 荒尾かぶれ

観光大使

荒尾市応援隊長

  • 西村赤音(平成24年7月2日荒尾市から任命)

荒尾市のご当地アイドル

  • MJK(平成24年5月13日に行われた最終公開オーディションで結成、8月4日のあらお荒炎祭でデビュー)

荒尾市のゆるキャラ

ホームページ、ブログ

  • まるごとあらお(熊本県荒尾市観光情報サイト)
  • 荒尾市ばしっとっと(荒尾市職員ブログ)

荒尾市出身の著名人・有名人

百選

荒尾市が舞台となった作品

脚注

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外部リンク

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  1. 「内務省告示第166号」『官報』1942年3月30日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  2. 本土空襲墜落機調査
  3. 『荒尾は古語の宝庫』 著者:猿渡幸男