阪神電気鉄道
阪神電気鉄道株式会社(はんしんでんきてつどう、英称:Hanshin Electric Railway Co., Ltd.)は、大阪と神戸を結ぶ鉄道を運営している大手私鉄。略称は「阪神」、「阪神電鉄」、「阪神電車」。キャッチコピーは「“たいせつ”がギュッと。 阪神電車」。阪急阪神ホールディングスの完全子会社であり、阪急阪神東宝グループの企業である。
目次
会社概要
1905年に営業を開始しており、都市間電気鉄道(インターアーバン)としては日本で最も古い。2009年3月現在の鉄道事業の営業キロは48.9km、バス事業の営業キロは1,979.8km。また、プロ野球球団「阪神タイガース」の親会社でもある。
2006年6月19日に村上ファンドによる買収問題を発端とする株式公開買い付け (TOB) が成立し、阪急ホールディングスの連結子会社 (64.76%) となった。同年10月1日には阪神電気鉄道株1株につき阪急ホールディングス株1.4株を割り当てる株式交換を実施し、阪急阪神ホールディングス(阪急ホールディングスから商号変更)の完全子会社となった。詳しくは「阪急・阪神経営統合」を参照のこと。
本社所在地は大阪府大阪市福島区海老江一丁目1番24号。他に東京事務所が東京都千代田区有楽町一丁目5番2号 東宝ツインタワービル5階にある。開業当初の本社は兵庫県尼崎市に置かれており(尼崎車庫・工場と併設)、梅田に移転したのちに現在地に移転している。そのため、在阪大手私鉄5社で唯一、大阪府・大阪市以外に本社を構えていたことがあったということになる。 阪神本線では、尼崎、石屋川に車庫がある。
歴史
1899年(明治32年)6月に、社名を摂津電気鉄道株式会社として社長に外山脩造を迎えて設立。同年7月に阪神電気鉄道株式会社に改称し、1905年(明治38年)4月に神戸(三宮) - 大阪(出入橋)間の営業を開始した。
年表
- 1899年(明治32年)
- 1902年(明治35年) 東証・大証に上場。
- 1905年(明治38年)4月12日 本線 神戸(三宮) - 大阪(出入橋)間が開業。
- 1914年(大正3年)8月18日 北大阪線開業。
- 1924年(大正13年)1月20日 伝法線(現在の阪神なんば線)開業。
- 1926年(大正15年)7月1日 甲子園線開業。
- 1928年(昭和3年)4月1日 阪神国道電軌を合併し、国道線とする。
- 1929年(昭和4年)4月14日 尼崎海岸線開業。
- 1933年(昭和8年)
- 1943年(昭和18年)11月21日 武庫川線開業。
- 1949年(昭和24年)11月17日 阪神国道自動車(阪国バス)を合併。
- 1954年(昭和29年)
- 1957年(昭和32年)4月17日 百貨店事業を分離独立する形で、株式会社阪神百貨店が設立。
- 1958年(昭和33年)7月24日 ジェットカー5001形(初代)営業運転開始。
- 1962年(昭和37年)12月1日 尼崎海岸線廃止。
- 1968年(昭和43年)4月7日 神戸高速鉄道が開業。山陽電気鉄道と相互直通運転開始。
- 1970年(昭和45年)7月1日 日本初の電機子チョッパ制御装置(力行のみ)採用の7001・7101形営業運転開始。
- 1975年(昭和50年)5月6日 国道線・甲子園線・北大阪線全線廃止。
- 1977年(昭和52年)12月27日 全線を軌道法に基づく軌道から地方鉄道法に基づく鉄道に変更。
- 1983年(昭和58年)4月30日 全車両の冷房化完了。日本の民鉄界で初。
- 1988年(昭和63年)4月1日 元町 - 西代間の第2種鉄道事業(第3種鉄道事業者:神戸高速鉄道)開始。
- 1992年(平成4年)5月18日 本社を梅田から野田阪神ビルに移転。
- 1995年(平成7年)
- 1996年(平成8年)
- 3月20日
- 石屋川車庫が復旧。9000系営業運転開始で震災前の車両数に復旧。
- スルッとKANSAI対応「らくやんカード」発売開始。
- 3月20日
- 1998年(平成10年)2月15日 梅田 - 山陽姫路間に直通特急を運転開始。
- 2001年(平成13年)3月10日 9300系営業運転開始。
- 2005年(平成17年)10月1日 株式交換により、株式会社阪神百貨店を完全子会社化。
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)10月1日 神戸高速鉄道へ委託していた神戸高速線(東西線)の駅業務・運行業務を引き継ぐ。
- 2011年(平成23年)9月1日 全線各駅において、構内終日全面禁煙化[2]。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)
鉄道事業
路線
明治時代、開業にあたって官鉄線(旧国鉄東海道本線)との競合を危惧する鉄道作業局側の反対から私設鉄道法での認可が得られず、この問題を回避するため、鉄道作業局・内務省共同所轄の軌道法準拠による電気軌道として特許を申請した。これは当時の内務省幹部であり、土木工学の大家として都市交通について造詣の深かった古市公威から「線路のどこかが道路上にあればよかろう」との了解を得たことで実現した。その経緯からと集客を目的として西国街道沿いの集落を結ぶルートを選択した名残で各駅間が平均 1 km と短く、駅の数は多い。
京都電気鉄道、名古屋電気鉄道、大師電気鉄道、小田原電気鉄道、豊州電気鉄道、江之島電気鉄道、宮川電気、東京電車鉄道、東京市街鉄道、東京電気鉄道、大阪市営電気鉄道、横浜電気鉄道、土佐電気鉄道に続く日本で14番目の電鉄運営事業者であり、開業当初の線区が現在も存続するものとしては日本で3番目に古い。大阪と神戸という大都市を結んで、日本における都市間電気鉄道(インターアーバン)の先駆けにもなった鉄道でもある[5]。
電気を表徴する稲妻でレール断面を菱形に囲んだだけの、開業以来変わらぬシンプルな社紋に、その歴史が現れている(社紋は右の画像を参照。大手私鉄で円形をモチーフにした社紋を採用したことがないのは、2014年現在阪神だけである)。
1920年にメインの路線である本線に並行して、阪神急行電鉄(阪急)が神戸本線を開業させると、乗客獲得競争を繰り広げるようになった。それは、車内でハンカチを乗客に無料配布するといった身近なものから、他社の営業活動をお互いに妨害するという過激な事態にも及んだ(詳しくは「阪神急行電鉄」を参照)。阪神はこの頃から、大阪 - 神戸間の多頻度運転を進めることになり、「待たずに乗れる阪神電車」と言うキャッチフレーズがよく知られるようになった。2006年の経営統合後の阪急は兄弟会社(兄的存在)であり、共存共栄・棲み分けがはかられている。2014年7月には尼崎工場で阪急の車両を改造するため、阪神の線路上を阪急の車両が走っている[6][7]。
1975年に国道線など軌道線区間を全廃して以降の総営業キロは40.1km、第二種鉄道事業区間の神戸高速線および阪神なんば線延伸区間を含めても48.9kmで、1990年に相模鉄道が大手私鉄の仲間入りをするまでは、大手私鉄の中で営業距離が最も短かった。なお、1975年以前の大手私鉄で営業キロ数が最短の事業者は京王帝都電鉄(現・京王電鉄)であった。
保有路線は以下の通り。阪神なんば線の開業に伴い、関西の大手私鉄5社(阪神・阪急・京阪・近鉄・南海)のうち、京阪を除く3社とJRや地下鉄を介さずに直接乗り換えることが可能になった。
現有路線
- 本線:梅田駅 - 元町駅
- 阪神なんば線:尼崎駅 - 大阪難波駅(西九条 - 大阪難波間は第2種・西大阪高速鉄道が第3種)
- 武庫川線:武庫川駅 - 武庫川団地前駅
- 神戸高速線:元町駅 - 高速神戸駅 - 西代駅(第2種・神戸高速鉄道が第3種)
廃止路線
- 北大阪線:野田駅 - 天神橋筋六丁目駅
- 国道線:野田駅 - 東神戸駅間
- 甲子園線:上甲子園 - 甲子園駅 - 浜甲子園駅 - 中津浜駅
- 尼崎海岸線:出屋敷駅 - 東浜駅
- 武庫川線: 武庫川駅 - 武庫大橋駅 - (国鉄)西ノ宮駅(武庫大橋 - 西ノ宮間は国鉄直通の貨物列車のみ運行)
未成線
他社線との直通運転
- 山陽電気鉄道:1998年2月15日から阪神梅田 - 山陽姫路間を神戸高速鉄道東西線(現:阪神神戸高速線)を経由して直通特急が相互直通運転している。それ以前は阪神からは山陽電気鉄道本線須磨浦公園駅まで、山陽電気鉄道からは阪神本線大石駅までの乗り入れ。
- 近畿日本鉄道:2009年3月20日から阪神なんば線・近鉄難波線を経由して、阪神本線神戸三宮 - 近鉄奈良線近鉄奈良間で相互直通運転している。また、2014年3月22日から近鉄の特急車両による団体向け臨時列車の運行が神戸三宮 - 近鉄志摩線賢島間で開始された[8][9]。同年5月17日には初めて近鉄名古屋線近鉄名古屋 → 阪神本線甲子園間でも運転が行われている[10]。
- Sanyo-5030.JPG
山陽5030系(魚崎駅)
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近鉄9020系(大石駅)
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近鉄特急22600系Ace(エース)(大石駅)
相互直通運転では、通常は鉄道運転業務上や車両管理上、他社と形式や車両番号が重複しないように対処している。しかし、神戸高速鉄道乗り入れ開始時の経緯から、阪神の在籍車では5000番台(5001形など)が直通する山陽5000系列と一部重複する車両番号となっている。また2009年3月20日からは西大阪線延伸に伴う近鉄との相互乗り入れ開始に伴い、同社奈良線在籍の近鉄5800系と5820系も直通運用に充当され、3社の5000番台形式車が阪神線上を走ることになった[11]。また近鉄1252系や9820系なども乗り入れるようになったため、1000/9000番台形式も重複する。
なお、阪急電鉄・神戸電鉄にも5000系電車(阪急5000系電車・神戸電鉄5000系電車)が存在するため、神戸高速鉄道には、直通運転に参加している4社すべての鉄道会社の5000系電車が乗り入れている。阪神3000系が廃車される2003年までは、3000系も4社すべてが保有していた。また2000系も4社とも神戸高速鉄道に乗り入れていた。
京阪電気鉄道の開業時には大阪市電を経由して、阪神が京阪天満橋駅まで、京阪が阪神梅田駅まで直通する構想があり、阪神1形電車と京阪1形は寸法・性能ともほぼ同一で設計されていた。だが後に比較的大型の路面電車を走らせることになる大阪市電は、まだ小型車のみで運行しており、乗り入れるなら市電と同じサイズでと要望があったため、折り合いがつかずに頓挫した[12]。
共同使用駅
元町駅は2010年10月1日より阪神と神戸高速鉄道の共同使用駅から阪神の単独駅となった。
車両
創業以来、廃車・現存に関わらず鉄道友の会が制定した賞(ブルーリボン賞・ローレル賞)を受賞した車両がない。いずれの賞も受賞した車両がない大手私鉄は、阪神と相模鉄道のみである(2009年6月現在)。
走行性能
車両は1960年代以降、高速走行性能に優れる急行・特急など優等列車用車両と、高加減速性能重視の普通列車専用車両に二分される。
阪神の路線はJR神戸線や阪急神戸線といった競合路線と比べても駅間距離が短く、普通用の車両は所要時間の短縮や、優等列車ダイヤの遅延防止を目的として、特に高加速・高減速性能(加速度・減速度ともに最大 4.0 - 4.5 km/h/s。地下鉄車両の場合は加速度が最大 3.3 km/h/s 程度)が求められており、一方、急行用の車両は高速性能が求められるため、他の大手私鉄の一般的な通勤電車と同様の性能(加速度が2.6 - 3.0 km/h/s)となっている。急行系が長らく採用されて来た朱色とクリームの車体塗装から「赤胴車」(ステンレス車体の1000系・9000系も含む)、普通系は同じように青とクリーム(5500系は色を変更)の車体塗装から「青胴車」もしくはその高加速・高減速性能ゆえに初期車両に付いた愛称から「ジェットカー」と呼ばれている。
各形式の解説中、営業最高速度が急行用車両 106 km/h 、普通用車両 91 km/h となっているのは、運転曲線がATSの検知誤差を考慮して認可最高速度よりも4km/h減で引かれていることによるが、実際には遅延時を中心に、優等列車は110km/h、普通列車は95km/hでの運転も行われている。
車体
旧性能車時代は車体長さ・幅とも小さめの車両が使われており、当時の車両を現在では「小型車」と呼ぶ。正面の尾灯が左右段違いに付いている、貫通扉が二枚折りのガラス戸であるなど、特徴あるデザインだった。新性能車の導入にあわせて寸法は大型化され、現在の車両はいずれも近隣の京阪・阪急・山陽に類似した全長19m級の3扉車で、先頭車前面には貫通路が設けられている。
地方鉄道法による免許の交付を受けるまでに製造された鉄道線の車両(軌道法による特許の時代、つまり新設軌道線時代に新造された車両)は、車体側面の窓の下部に保護棒が取り付けられていたが、それらの車両のほとんどは廃車となっており、現存するものはわずかとなっている。
ステンレス車体の採用については三回の時期に隔てられており、初回が5201形(2両のみの試作的製造)、二回目が9000系(阪神大震災による代替車両の急造に迫られた結果、ステンレス車用の製造ベースしか開いていなかった)三回目が1000系となる。ただし1000系の後も普通鋼車体の5550系が新造されており、今後の新造通勤車をステンレスなどの無塗装車体で統一するかなどの方針は、2010年現在公表されていない。
9000系までの両開き扉を持つ車両は、扉の開口幅は他社より広く1400mmを標準としていた。
機器
車体デザインは全般的にオーソドックスな前面貫通型・3扉であるのに対し、早期における軽量高性能車・高減加速車の開発、電機子チョッパ制御の実用化、冷房化の推進など技術面の功績から、永らく「技術の阪神」として評価が高い。
電動機・パンタグラフは東洋電機製造(以前は制御器も納入していた)製で、制御器のメーカーは東芝と三菱電機である。日立製作所の製品は納入していない。制御器に関しては、直流整流子電動機の時代において電機子チョッパ制御、界磁チョッパ制御、界磁添加励磁制御という省エネルギー効果のある制御方式を一通りすべて採用している。
保有車両数が少ないことが有利に働き、戦前から車内放送装置を全車両に設置していた。1950年代後半から新性能車が各社に登場したが、他の鉄道事業体では1980年代にもまだ大都市近郊で旧性能車が活躍していたのに対し、阪神では(鉄道線の旅客用車両に限定すれば)1966年という非常に早い時期に旧性能車が淘汰された。また新性能車と同時に、車体は新性能車に準じた構造だが走行機器を旧性能車から流用した、旧性能機器流用車も多くの鉄道事業者で製造されたが、大手私鉄において阪神だけは7801・7901形の中間車の一部に旧性能車の台車を流用したのみで、旧性能機器流用車は製造していない。
連結器にアメリカのヴァン・ドーン社のバンドン式密着連結器を現在でも採用しているのは阪神のみであった(小型車時代には急行用車にはバンドン式を、普通用にはトムリンソン式密着連結器を、と2種の連結器を併用していた)。また日本国内の鉄道車両の平均的な連結器取り付け位置よりも235mm低い、645mmの位置に連結器が取り付けられていたのも特徴である。2006年から5001形5013号車を皮切りに、近畿日本鉄道の車両と共通の回り子式密着連結器への換装が開始され、換装後の連結面高さは840mm(近鉄では880mm)となっている。そのままで取り付けを行うと車体裾と干渉するおそれがあるため切り欠きをしているが、8000系についてはこの切り欠き加工を実施していない。これは他の形式・系列と比べて車体裾高さが少し高いためだが、近年の検査時に切り欠き加工を実施した8000系が存在する。
補助装備など
1970年代末には赤胴車が全車冷房化され、遅れていた青胴車も1983年には全車冷房化と、驚異的な早さで他社に先駆けて冷房化率100%を達成した。冷房装置は主に国鉄AU13型に準じた分散式を採用していたが、その後の新系列車両では集約分散式へと変化している。
普通列車については、1968年までは早朝・深夜の途中駅止まりを除き、表示板自体を取り付けず全くの無表示であったが、同年4月7日の神戸高速鉄道開業によるダイヤ改正より「梅田 - 元町」などの表示板を前面に掲出するようになった。当初は発駅・着駅が書かれた表示板を使用していたが、神戸高速線に普通列車を直通させるようになった1987年12月13日改正以降は、取り換え作業を簡素化するため駅名部分が差し込み式となった表示板を使用した。ただし現在はすべての車両が方向幕もしくはLEDとなっており、表示板のみを使用する車両は全廃されている。
列車種類選別装置は一貫して東芝製のものが使われており、車上子は先頭車の左側面の先端に付けられている。この車上子の銘板には最新型の車両でも、東芝の旧ロゴマークである傘マークが使われている。列車種類選別装置は自動列車停止装置 (ATS) や列車無線と違って、神戸高速線に直通する各社の共通規格ではなく、乗り入れしている山陽電気鉄道や近鉄の車両にも取り付けられている。運転台にある設定機器については、当初は種別ごとに定められた記号に合わせるチャンネル式であったが、現在は種別ごとに設けられたボタン式(山陽電気鉄道や近鉄の車両は全車ボタン式)またはタッチパネル式モニタから選択する方式(1000系・9000系・5550系のみ)である。列車種類選別装置により、踏切の作動時間の最適化を図っている。
列車無線は1952年に国際電気(現・日立国際電気)製の誘導無線が導入された。1977年には現在の空間波無線が導入されている。
本線で使用する急行系車両は、山陽電鉄本線の大塩駅上りホームや、有効長が5両編成までの駅・ホームに臨時停車する際でのドアカットに対応するため、山陽電気鉄道や近鉄の乗り入れ車両の一部を含めて乗務員室にドアカットスイッチが標準装備されている。なお、神戸三宮駅3番線降車ホームが廃止された現状では、阪神線内において常時使用する機会はなくなっている。ただし、近鉄車両のドアカットスイッチは2014年3月現在も撤去されずに、乗り入れ対応の全編成に装備されたままになっている。
車両番号
かつては他の多くの鉄道会社と同様に、車両に「系列」の概念が存在しなかった。1980年代前半までは必要に応じ、複数グループの形式を自由に併結して編成を組む形を取っており、他社のような系列の考えが必要なかったため、7801形などの形式で呼称していたのである。つまり小田急電鉄や京成電鉄、西日本鉄道など現在でも「形」を使用している会社と同様、公式には「系」ではなく「形」を使用していた。3000系以降は1984年落成の8701・8801・8901形と7890・7990形をのぞき、同一グループの形式だけで編成を組むようになったため、「系」で呼ぶようになっている。
車体外側の車両番号表記には独特の縦長ゴシック体が用いられている。同じ書体はかつての子会社であり、阪神の車両の大半を製造していた武庫川車両が製造を担当した、京福電車のモボ600番台や2000番台とえちぜん鉄道の車体にも用いられている。なお、車番は妻面にも書かれており、この事例は他の大手私鉄では京成のみである。
分類について
現用車は通常、急行用車両と普通用車両を基本に分類するが、本項では便宜上、以下の4種類を基本に分類することとする。
- 後期大型車(8000系以降から現在製造中の系列)
- 前期大型車(5131・5331形以前)
- 開業以来の吊り掛け駆動による小型車
- 併用軌道線(国道線・甲子園線・北大阪線の阪神電鉄社内における総称)向け車両
以下掲載している全車両において、製造初年度が新しい車両は上、古い車両は下に配置している。
後期大型車
本線においては4両か6両の固定編成で運用され(9000系と1000系は阪神なんば線開業後、尼崎駅で増解結し、自社車両および近鉄車両による8連、10連の列車を運行)、系列把握は他社並に容易である。
急行用車両
普通用車両
前期大型車
この世代は近畿日本鉄道や神戸電鉄と同様、多種の形式が存在しており、大手私鉄の新性能車としては複雑な部類に入るとされている(阪神は大手私鉄としては路線規模が小さいが、路線の長さと車種の多さは比例しない)。主な理由は以下の通り。
- 何世代にもわたって、同様のスタイルで車両を製造していた(厳密には正面の周囲や、初期急行用車両の窓配置がかなり異なる)。
- 同じ時代に作られた系列でも、急行用車両と普通用車両、両運転台と片運転台、2両運転可と1両運転可など作り分けがあった。
- 新車が出る場合、系列番号の1000位か100位が増加して行くのが一般的であるが、阪神では3000, 5000, 7000台の番号の増減が不規則に見られがちであった(ちなみに6000台は使用した実績がない)。
- 前述通り1 - 2両単位の形式が自由に組み合わされて4 - 6両編成を組成していた(現在でも7000番台車についてはこのような運用を行うことがある)。
- 8000系製作以前の急行用車両はほとんどが新造後に改造され、別番号に改番されていた。
そこで前期大型車については下記の表を使用し、製造年や改造年により、同世代の急行用車両と普通用車両などの把握を容易にしているので、参照されたい。
- 急行用車両と普通用車両で製造年が違う場合、その枠内で最も製造年の早い形式を記載。
- 改造した系列は改造後も改造初年でなく、製造初年の順に配置している。
- +印は改造か廃車による消滅形式。
製造初年 | 普通用車両 | 急行用車両(製造時) | 急行用車両(改造後) | 急行用車両の 窓配置(片運転台) |
---|---|---|---|---|
1981年 | 5131形・5331形 | |||
1974年 | 5001形(2代目) | |||
1969年 | 5261形+ | (ここより上はすべて同じ) d1D3D3D2 | ||
1963年 | 5261形+・5311形+ | d1D4D4D2 | ||
1958年 | 5231形+・5151形+ |
7601・7701形+ |
d1D22D22D2 | |
1954年 | 5001形(初代)+ | 3011形+ | 3561・3061形+ | d1D3D3D1(3扉改造後) |
事業用大型車
小型車
全車除籍済。
事業用小型車及び電動貨車
全車除籍済。
- 101形(有蓋電動貨車)
- 111形・112形・121形 (貨車)(無蓋電動貨車)
- 151形(救援車)
- 155形(救援車)
- 67・69形(散水車)
併用軌道線(国道線・甲子園線・北大阪線)車両
路線廃止により全車廃車。
車両基地
関西の大手私鉄で唯一、車両基地を一般に公開するイベントを開催したことがない(他社では鉄道の日イベントは車両基地で行われるが、「はんしんまつり」は西宮駅のエビスタ西宮で開催される)。ただし、「わくわくトレイン」や「石屋川エクスプレス」といった事前応募制の貸切臨時列車を運転して車両基地を公開したことはある。
乗務員区所
- 西宮列車所(梅田 - 西宮)
- 元町列車所(西宮 - 元町)
2008年3月18日現在は以下の通り。
- 東部列車所《尼崎》(梅田 - 尼崎、武庫川線、阪神なんば線)
- 尼崎車庫構内に事務所がある
- 西部列車所《石屋川》
- 石屋川車庫構内に事務所がある。
- 西部列車所西宮交代所《西宮》
運賃
大人普通旅客運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[13]。
キロ程 | 運賃(円) | 加算運賃加算後 |
---|---|---|
初乗り4km | 140 | 200 |
5 - 8 | 190 | 280 |
9 - 13 | 240 | 330 |
14 - 18 | 270 | 360 |
19 - 24 | 280 | 370 |
25 - 30 | 300 | 390 |
31 - 34 | 320 | 410 |
神戸三宮 - 元町間は上表に関係なく130円の特定運賃。強調した金額は阪急の回数券を引き換えて利用できる区間(詳細は後述)。
神戸高速線は阪神が第2種鉄道事業者となる区間も含めて別途運賃が設定されている。神戸高速線の運賃の詳細は「神戸高速線#運賃」を参照。本線と跨って乗車する場合は、神戸三宮駅を境界として運賃を合算する形になる。
加算運賃
阪神なんば線の西九条駅 - 大阪難波駅間(他の区間と連続して利用する場合も含む)を利用する場合、上表の運賃に90円(初乗り区間は60円)が加算された加算運賃加算後欄の額が適用される。
回数券の取り扱い
2007年4月1日より、阪急電鉄と運賃が同額となる区間(2014年4月1日改定時点では190円、270円、280円、320円、370円)のすべての回数券については、相互利用が可能となった。ただしそのままでは乗車できず、阪神の回数券については阪急線で乗車の際は前もって赤色の新型券売機で引き換える必要がある。2009年3月20日より新規に出現した270円区間でも、2014年4月1日から旧180円、260円、270円、310円区間の190円、270円、280円、320円区間のほか370円区間でも同様の取り扱いを開始した。
通勤定期での選択乗車制度
通勤定期券を使用する場合、以下に挙げる3つの場合で選択乗車が可能となっている。
- 阪神本線の神戸三宮駅 - 梅田駅間を含む定期券を持っている場合、阪急神戸本線の神戸三宮駅と梅田駅で乗降可能。逆に阪急神戸本線の神戸三宮駅 - 梅田駅間を含む定期券を持っている場合、阪神本線の神戸三宮駅と梅田駅で乗降可能。どちらにおいても神戸三宮駅と梅田駅の間の駅での乗降は別途運賃が必要[14]。
- 阪神本線、阪神神戸高速線の神戸三宮駅 - 高速神戸駅間を含む定期券を持っている場合、阪急神戸本線、阪急神戸高速線の神戸三宮駅・花隈駅・高速神戸駅で乗降可能。逆に阪急神戸高速線の神戸三宮駅 - 高速神戸駅間を含む定期券を持っている場合、阪神線の神戸三宮駅・元町駅・西元町駅・高速神戸駅で乗降可能。本項に限り、通勤定期券だけでなくIC通学定期券にも適用される[14]。
- 阪神なんば線の九条駅 - 大物駅を含む定期券を持っている場合、阪神本線の梅田駅でも乗降可能。逆は不可。また、福島駅 - 杭瀬駅間での乗降には別途運賃が必要となる[14]。
近鉄線との連絡乗車券
近鉄との連絡乗車券は近鉄奈良線系統の一部の駅と大阪線の大阪上本町から桜井までしか発売できないため(下記参照)、運賃表に記述のない駅へ行く場合はその最寄り駅までの乗車券を購入し、車内か降車する駅で精算することとなる。近鉄と阪神なんば線新区間の各駅への連絡乗車券はタッチパネル方式の新型自動券売機でしか購入できない。花隈駅をのぞく神戸高速線では近鉄との連絡乗車券は発売されていないので大阪難波駅までの乗車券購入後、車内か降車する駅で精算することとなる。PiTaPaやICOCAなどの全国相互利用対応の交通系IC乗車カード、らくやんカードなどスルッとKANSAI対応磁気カードはそのまま利用できる。
連絡乗車券発売対象区間は以下の通り。
なお、連絡回数券は阪神線と神戸高速線・山陽電鉄線・神戸電鉄線間で利用できるものしか発売されておらず、阪神なんば線と近鉄線両方で回数券を利用したい場合は、大阪難波駅の改札を出て入り直さなければならない。
乗車カード・企画乗車券
以下の各項目を参照。
- STACIAカード
- CoCoNet PiTaPaカード - 2007年9月で発行を終了し翌10月からSTACIAカードに移行。
- らくやんカード
- どこでもパス
- 阪急阪神1dayパス
- 高野山1dayチケット
- 奈良・斑鳩1dayチケット
- いい古都チケット
かつて「ハープカード」という独自のプリペイドカードを発売していたがスルッとKANSAIに加入時に「らくやんカード」に切り替える形で発売終了し、2010年3月頃に自動券売機および自動精算機での利用も終了した。
IC乗車カード
阪神電気鉄道ではPiTaPaやICOCAをはじめとした交通系全国相互利用IC乗車カードを利用することができる。2014年3月21日現在連絡する路線では新開地駅以北の神戸電鉄線ではPiTaPaとICOCA以外は利用はできないが[15]、西代駅以西の山陽電鉄線と大阪難波駅以東の近鉄線では利用はできる。
旅客案内
駅の案内・放送
- 1990年から駅自動放送でシンセサイザーによる接近・発車メロディが演奏されており、発車メロディと通過列車接近メロディはオリジナル、停車列車接近メロディの曲には『線路は続くよどこまでも』が使われている。作曲・編曲は西浦達雄によるものであったが、2009年1月からは向谷実によるものに変更されている。停車列車接近メロディは従来の『線路は続くよどこまでも』のアレンジを変更したものに、発車メロディは上り・下りとも同一のメロディとなっている。元町駅と桜川駅(桜川駅1番線では、このあとに近鉄用の信号扱所からの出発承認合図器音(ブザー音)が流れる)の発車メロディは予告用のみが流れている。また、同時に放送の案内の音声も更新している。なお、頭端式ホーム(梅田駅の全ホーム、神戸三宮駅の2番線)では以前より入線時はメロディを省略、放送フォーマットも独特のものとなっている。
- 列車到着時の放送は「大阪梅田行き特急」という風に種別を後に持ってくるが、阪神本線の各駅停車のみは「各駅停車・高速神戸行き」と種別を頭に付ける(車内放送でも同様)。ただし、列車到着前の乗車位置案内では各駅停車でも種別を後につける文体になる。
- 列車到着時には、本線・なんば線千鳥橋駅以西・武庫川線では「白線の内側へお下がりください」とアナウンスされるが、なんば線西九条駅・桜川駅・ドーム前駅・九条駅では「黄色い線の内側へお下がりください」とアナウンスされている。これは、なんば線の新駅と西九条駅ホーム延伸部分では白線が設置されていないため。
- 発車時の自動放送は、本線では梅田駅・神戸三宮駅・元町駅、阪神なんば線では桜川駅、武庫川線の起終点駅のみ採用している(阪神なんば線開業前は尼崎駅西大阪線ホームと西九条駅でも使用されていた)。それ以外の駅では発車時に自動鳴動する放送はないが、野田駅・尼崎駅・甲子園駅・西宮駅・芦屋駅・御影駅にはホーム上のスイッチにより鳴動する手動の発車ベル及び放送が用意されている(これ以外にも設置されている駅はある)。優等列車と普通列車の接続が行われる場合、優等列車発車時に必ず普通列車乗務員がホームに降りて放送を鳴動させるためほぼ確実に流れる(野田駅・甲子園駅では停車時間の関係により使用されない場合がある)。また、ドーム前駅・九条駅・西九条駅でも発車ベル及び放送(こちらは乗務員や駅員が操作するものではない。ベルの音色とアナウンスの内容や声質は同じ)が用意されており、必要な場合に使用される。
車内放送
- 梅田駅を車内放送で案内する場合「大阪、大阪梅田、終点です。」と放送する。また昼間時には「大阪梅田」のあとに「阪神百貨店前」が追加される。
- JRとの乗換駅である梅田駅や野田駅、神戸三宮駅では競合関係にあるためか過去はJRへの案内が省略されていたが、2009年のダイヤ改正より案内を行うようになってきた(並行する阪急でも2013年12月21日の京都線ダイヤ改正までは放送されていなかった)。
- 福島駅を車内放送で案内する場合「福島、ラグザ大阪・ホテル阪神前です。」と放送する。
- 尼崎センタープール前駅を車内放送で案内する場合「センタープール前、尼崎センタープール前です。」と放送する。これは尼崎駅との区別を明確にするためである。
- 甲子園駅を車内放送で案内する場合、現在は「甲子園、甲子園球場前です。」と放送する。かつては「甲子園、甲子園野球場です。」と車内、甲子園駅構内でアナウンスされていた。
- 西宮駅を車内放送で案内する場合、昼間時のみ「西宮、エビスタ西宮前です。」と放送する。ただし十日えびすの期間中は「西宮、西宮戎です。」と案内される。
- 全駅でどちらの扉が開くか案内する。また、通過運転を行う区間では、到着放送の結びに到着駅名の再案内を行う(例:「西宮、エビスタ西宮前です。各駅停車ご利用の方は左側、4番線の電車にお乗り換えください。阪神バスご利用の方はお乗り換えください。次は、芦屋にとまります。出口は左側です。西宮です。」)。
- 野田駅、甲子園駅、西宮駅到着時には「阪神バスご利用の方はお乗り換えください。」と案内する。これは阪神電鉄バス時代から行われている。尼崎にも阪神バスが乗り入れているが、乗り換え案内がない。
- 御影駅に到着する際には、「六甲山へお越しの方はバスにお乗り換え下さい。」と案内する。これは六甲山のレジャー施設の開発運営を阪神電鉄が行っているためである。ただし御影駅前には阪神バスではなく神戸市交通局バスが乗り入れている。また西宮と違い、阪神百貨店が入居する施設である「御影クラッセ」の案内は行われていない。
- 阪神なんば線(神戸三宮、新開地始発の奈良行き快速急行を含む)の列車については、行先、種別の前に「西九条、難波方面」を付け加えて放送することが多い。
- 2012年3月20日のダイヤ改正前まであった阪神なんば線内の各駅に停車する奈良行の快速急行(同改正で快速急行の全列車が「尼崎 - 西九条間ノンストップ運転」となった)の尼崎到着時の車内案内は「大阪難波まで各駅に停車」と「鶴橋まで各駅に停車」と両方あり、必ずしも統一はされていなかった。ただし事実上は近鉄奈良線の鶴橋まで各駅に停車するため後者も誤りではない。
- かつては普通列車に限り、駅到着直前の放送は原則として行わず、各駅を出発後「次は、●●、●●です。出口は●側です。」を1回のみ放送していたが、2009年3月20日以降は普通列車でも駅到着直前の放送が行われている。
- 快速急行に関しては、神戸三宮駅での駅アナウンスにおいては「三番線の電車は、奈良行き快速急行です。停車駅は、魚崎…尼崎、阪神なんば線、難波までの各駅と日本橋…」と、「阪神なんば線」をつけて放送する。2012年3月のダイヤ改正まで平日昼間に阪神なんば線千鳥橋 - 大物間の各駅に停車していた列車でも、「停車駅は、阪神なんば線、尼崎までの各駅と武庫川…」と案内していた。
- 奈良方面行きの大阪難波駅、尼崎方面行きの桜川駅の車内案内は近鉄の乗務員が担当している。
- 武庫川線の列車はワンマン運転のため、阪神で唯一車内自動放送による案内がされている。武庫川団地前行きでは行先を「団地前行き」と案内し、終点到着時には「次は、団地前、武庫川団地前です。」と放送する。
- 2014年より運転を開始した近鉄22600系電車による貸切列車が御影駅を通過する際は、上りでは石屋川駅手前で、下りでは住吉駅手前で「間もなく、御影駅を通過します。電車が揺れますのでご注意ください。」と放送を行う。また、上りでは乗務員交替となる桜川駅(乗客は下車不可能)で、下りでは乗客の下車する各駅で「阪神電車をご利用頂きありがとうございました」と放送を行う。
駅名標・駅の案内サイン
- かつては、旧国鉄に準じた「丁子矢印」形式の駅名標であったが、平仮名は使用されず漢字のみが記載されているものであった。その後同じく「丁子矢印」形式であっても、上部よりローマ字の大文字、平仮名で駅名が書かれ、前後の駅は平仮名のみが記載されたものが使用された。
- 1970年代に入ると、京阪電気鉄道や南海電気鉄道にも見られたタイプの駅名標に代わり、当初は白地に黒色、のちに白地に青色で駅名、前後の駅は青色地に白文字で記載されている物が長らく設置されていたが、2009年1月下旬より全線で青がベースで白文字の新しい駅名標に統一されている(阪神なんば線の西九条駅から福駅までのホーム延長部分の駅名標は最初から設置、尼崎駅西大阪線ホームにあった旧駅名標も阪神なんば線開通日に新しい駅名標に交換された)。
- 2014年3月には、翌月4月1日より導入する駅ナンバリングに対応した駅名標(駅名横に駅番号を追加したもの)への取り換えが行われ、デザインも若干変更された。
- 「縦書きタイプ」の駅名標(ホームの上屋柱などに取り付けるタイプのもの)を設置している駅は1つもなかったが、阪神なんば線の2009年に開業した駅(九条・ドーム前・桜川)およびリニューアル後の神戸三宮駅に設置されたほか、神戸高速線内にも古い縦書き駅名標が存在する。
- 駅名標・車内案内表示器の英字表記は京阪と同様一文字目が大文字で、以降が小文字となっている(例:三宮→Sannomiya、画像も参照)。しかし、車両(最新の1000系や5550系も)や発車案内装置の種別・行先表示では、未だにすべて大文字のみとなっている(例:特急→LTD.EXP.、奈良→NARA)。
- 駅の発車標は1990年代から3色LED式(野田駅・元町駅のみ液晶式)が使われており、阪神なんば線延伸開業前の2008年からはフルカラーLED式の設置もしくは更新が行われている。それ以外では、字幕式が尼崎駅で阪神なんば線延伸開業前まで使われたほか、甲子園駅の東改札口にソラリー式が唯一残されている。また、甲子園駅・西宮駅・御影駅・神戸三宮駅(大阪方面行き)の各島式ホームでは、従来の左右のりば独立したものに代えて直近4列車を一括で表示する大型のものが設置されている。この他、主要駅の駅改札口にも直近2〜4列車が表示されるフルカラーLED式のものが設置されている。
- 阪神新駅名票.JPG
阪神の駅名標(駅ナンバリングが入る前)
- CA3B0001.JPG
以前の駅名標。一部の駅(主に、阪神大震災前後に高架化または改良工事が行われた駅)のみでしか導入されなかった。
- 阪神旧駅名標.JPG
以前からの駅名標。ほとんどの駅には下に広告が入っている。
- Hanshin Fukushima eqm.jpg
福島駅のみの独自の駅名標(現在は一番左の様式のものに取り替えられている)
駅ナンバリング
2014年4月1日より、阪神全駅で駅ナンバリングを導入した。最初に発表した時点では近畿日本鉄道と協議中であったため『近畿日本鉄道管理の大阪難波駅を除く』としていた[4]が、最終的には大阪難波駅も同日より導入することになった。路線記号は「HanShin」から「HS」となる[17]。導入に先駆けて同年2月頃より一部車両の車内案内表示で駅ナンバリングが表示されており[18]、3月に入り駅名標や車内の路線図が新しいものに交換された。
- 本線 梅田駅 (HS 01) - 元町駅 (HS 33)
- 神戸高速線 西元町駅 (HS 34) - 西代駅 (HS 39)
- 阪神なんば線 大阪難波駅 (HS 41) - 出来島駅 (HS 49)
- 武庫川線 武庫川団地前駅 (HS 51) - 東鳴尾駅 (HS 53)
数字は阪神本線・神戸高速線が00 - 30番台、阪神なんば線が40番台、武庫川線が50番台となり、大物駅、尼崎駅、武庫川駅は本線の駅ナンバリングが付与され、西代駅では山陽の駅番号であるSY 01も付与される。
駅名標への駅ナンバリングの記載については、大阪難波駅(近鉄仕様)は隣の桜川駅のみ記載、西代駅(山陽仕様)は阪神・山陽両方が記載されている。
方向幕の色
- 特急 直通特急 区間特急 (赤地に白文字で、新形式車の前面は黒地に赤文字で「 特急 」「 直通特急 」「 区間特急 」、LED表示は前面・側面とも赤地に白文字)
- 直通特急 (黄地に青文字)
- 快速急行 (水色地に白文字で、近鉄線内は特急と同じ赤地に白文字で「 快速急行 」に変わる)
- 急行 区間急行 (白地に赤文字で、新形式車の前面は黒地に橙文字で「 急行 」、LED表示は前面・側面とも橙地に白文字で「 急行 」)
- 準急 区間準急 (緑地に白文字)
- 普通 (紺地に白文字)
- 回送 試運転 臨時 貸切 (白地に黒文字で、LED表示は側面の行き先部分に黒地に白文字で「 回送 」「 試運転 」「 臨時 」「 貸切 」で、種別部分は表示なし)
- 行き先はすべて「 梅田 」(白地に黒文字)で、新形式車の前面とLED表示の前面・側面とも「 梅田 」(黒地に白文字)となる。
方向板
- 行き先は四角で、起点と終点の両方が入っており、本線系は青文字、支線系は黒文字で縦書きとなっていた。最終まで使用されたタイプは行き先を交換できる方式となっていた。武庫川線はワンマンになる直前までは緑地に白文字の行き先に両方の行き先に波で結ぶ形となっていた。これは普通で使用されたほか、赤胴車では方向幕が設置されている車両は普通の行き先幕が入っておらず、「普通」の表示で方向板が使用されていた。このような形式は普通車の方向幕設置車と非設置車が混結される場合でも同様となっていた。特急は黄色の翼形のマークと併用していた。ただし高校野球の時期は高校野球の専用マークに特急が入っていたのを使用していた。
- 急行は四角で上半分は赤文字で「急行」が縦書きで、行き先は青文字横書きで下に入る。
- 準急は四角で上半分は赤文字で「準急」が縦書きに、両方に青の帯が入ったもので、行き先は縦書き、「尼崎行」は横書きとなっていた。
- 丸形は縦書きの回送・試運転・貸切・工事のほか、A・Bというものもあった。いずれも白地に黒文字。このほかに白地に赤丸と黒文字「急」や、カモメをモチーフとした快速急行、うずしお、競艇マーク(準急と準急のないバージョン両方あり)、梅田甲子園ノンストップ特急、団体用の「もみじ」、「あおば」などもあった。
- 8000系などの新形式車両で使用される前面左側窓のマークは運行開始直後からしばらく使用された直通特急「大阪ライナー」(青地に黒文字、川の流れを示すマーク)、「姫路ライナー」(赤地に白文字、白鷺のマーク)と、タイガースバージョン(黄地に黒文字、タイガースマーク)もあった。他にタイガースマーク(直通特急でも使用)、高校野球(直通特急では2013年春までは未使用で、夏以降からは使用)、区間特急梅田行きなどもあった。
- Hanshin-5261.JPG
5261形で使用されていた方向板。行き先を交換できるタイプだった。
- 阪神3561.jpg
3561形の方向板。行き先と特急マークを併用していた。特急マークは高校野球仕様のもの。
- 阪神電気鉄道7846.JPG
翼形の特急マーク。方向幕になってからも特急マークは2000系の全車廃車直前まで使用されていた。
その他特記事項
運行情報
- 2005年12月19日よりウェブサイト上での運行情報提供が開始されているが、これは日本の大手私鉄では最も遅かった。
野球開催時の輸送体制
- 甲子園球場でのプロ野球、高校野球の試合開催時には大阪梅田・難波方面(臨時特急が中心)・神戸三宮方面(急行が中心)共に断続的に臨時列車が運転される。甲子園球場の存在が阪急阪神ホールディングス全体においても大きな収入源であり、阪神タイガース及び高校野球の人気チームの勝敗は阪神電鉄の収支に大きな影響を与えている。西武ドームを保有し、ライオンズの親会社である西武鉄道も、阪神電鉄の野球開催時の輸送体制を模範としている。
乗務員と運転業務
- 乗務員は乗務中制帽のあご紐を留める。ただし、通過列車監視などのためにホームに出る際はあご紐を留めなくても良い。
- 地下線やトンネル内、夜間をのぞき、阪神では日中地上線を走るときは室内灯を消灯して運転する。
- 運転士・車掌ともに近鉄の車両に乗務する場合「近鉄備品」と書かれた黄色のタグのついたバッグを携帯する。
公衆無線LAN
阪神の各駅と神戸高速線各駅に2013年3月現在公衆無線LANが設置されている。利用できるのはauのau Wi-Fi SPOTとワイヤ・アンド・ワイヤレスのWi2 300(au Wi-FiとWi2 300とともにSSIDは「Wi2premium_club」のみ)、SoftBankのソフトバンクWi-Fiスポット (SSID:0001 softbank)、NTTドコモのdocomo Wi-Fi (SSID:docomo) となっている。なお利用できるSSIDは上記の3つとHS_wifiが検出される。このうちHS_wifiは利用の用途は不明で、セキュリティが掛かっているため利用はできない。これらは阪神の駅だけではなく、阪神甲子園球場にも設置されている。また阪神の駅や施設だけではなく、阪急阪神グループの駅や、商業施設にも拡大する予定となっている[19][20]。2013年2月28日からはauとソフトバンクに加え、NTTドコモのdocomo Wi-Fiも利用できるようになった[21]。アイテック阪急阪神が運営に当たっており、阪神のほか、阪急・北大阪急行・能勢電鉄(SoftBankとドコモは除外)の各路線でも展開されている。
バス事業
以前は阪神電鉄バスとして直営で運行しており、大手私鉄直系のバスの中で最後までバス事業の分社化が行われなかったが、採算の悪化により2005年12月14日に子会社として阪神バス株式会社を設立し、翌2006年6月から阪神西宮発着の一般バス路線および三宮 - HAT神戸の路線を同社に移管した。 また、2009年4月1日に簡易会社分割方式により、残りのバス路線もすべて阪神バスへ譲渡された[22]。これにより、関西の大手私鉄各社はすべての会社がバス事業についてすべて子会社による運営に切り替わった。
旅行業
阪神電気鉄道は、長年航空事業部門として阪神航空のブランドで旅行業を展開していた。ホームページ等では、航空事業と記載されているが、運営しているのは旅行事業である。1948年(昭和23年)から営業を開始した。以前は同ブランドで航空貨物代理店(フォワーダー)も営んでいたが、1999年に「阪神エアカーゴ」として分社している。
国土交通大臣登録第1種旅行業で登録番号は第33号と古い歴史を持つ。関西大手私鉄の鉄道系旅行業者では唯一の直営での運営である。店舗も、大都市圏(首都圏・関西・名古屋地区)のみで展開しているため規模は小さいものの、ヨーロッパ旅行ツアーを中心に展開している。
阪急阪神ホールディングスの一員となったため、旅行事業(阪神エアカーゴも)については旧阪急系の阪急交通社と重複することから、2008年4月1日に阪急交通社、阪急エクスプレス、阪神エアカーゴとの4社を中心に阪急阪神交通社ホールディングスを傘下とする企業グループに再編、このときに阪神航空も阪神電気鉄道から独立し阪神航空株式会社となった。
不動産事業
阪神電鉄は、創業から10年後の1909年から不動産事業の展開を始めている。 阪神電鉄では不動産事業本部を擁しており、宅地・住宅の開発・分譲のほか、不動産鑑定業務、ハービスOSAKAやハービスENTなどの阪神西梅田開発、エビスタ西宮やウイステなどの商業施設の開発・運営を行っている。
村上ファンドが阪神電鉄株式を取得し始めたのは、阪神電鉄が阪神甲子園球場やハービスOSAKA、ハービスENTなどを保有していることに着目したからであるように、グループ内で優良資産を多数保有している。
宅地・住宅の開発・分譲については、阪神沿線を中心に沿線開発等を手掛けているが、阪神沿線以外でも手掛けている。分譲住宅事業に関してはほぼ建売住宅であり、分譲マンション事業に関してはほぼJVである。ただし、阪急東宝グループとの経営統合後は分譲マンション事業はほとんど手掛けておらず、現在は分譲住宅事業のみ行っている(分譲マンション事業は阪急不動産、分譲住宅事業は阪神電気鉄道、と棲み分けしている)。
主な分譲物件は以下のとおり。
- 分譲戸建事業
- 東加古川住宅地(加古川市)
- 土山稲美住宅地
- 塩屋とびお台(神戸市垂水区塩屋北町、1982 - 2006)
- 播磨美原台(兵庫県揖保郡太子町、1991 - )
- 神戸・花山手(神戸市北区花山中尾台、1994 - )
- 武庫川リバーサイド(西宮市小曽根町、1998 - 2002)
- 芦屋・春日町(芦屋市春日町他、2000)
- 苦楽園三番町(西宮市苦楽園三番町、2003)
- 神戸・石屋川(神戸市東灘区御影塚町、2002)
- 神戸・新在家(神戸市灘区浜田町、2002)
- コートヴェール芦屋(芦屋市海洋町、2003)
- 神戸・西灘公園(神戸市灘区都通、2003)
- 神戸・石屋川公園(神戸市東灘区御影塚町、2003)
- カルチェリベルテ学園都市(神戸市西区学園東町、2003)
- 潮芦屋住宅事業コートヴェール芦屋・パークサイドレジデンス芦屋(芦屋市南浜町、JV、2004)
- 潮芦屋住宅事業コートヴェール芦屋・ビーチフロント芦屋(芦屋市南浜町・涼風町、JV、2005)
- ハピアガーデン武庫川(西宮市上田東町、JV、2006)
- 箕面小野原レジデンス(箕面市小野原西、JV、2008 - 2010)
- ハピアガーデン東加古川(加古川市野口町、2009 - )
- 王寺スカイヒルズ(奈良県北葛城郡王寺町南元町、JV、2009 - )
- ハピアガーデン四季のまち(大阪市西淀川区中島、2010 - )
- ハピアガーデン寝屋川市幸町 駅の手公園通りの街 (寝屋川市幸町、2012-)
- 分譲マンション事業
- シップス本山(神戸市東灘区本山南町、JV、1999)
- ローレルスクエア南甲子園(西宮市南甲子園、JV、2001)
- クレアフォート西宮 酒蔵通り(西宮市浜町、JV、2002)
- エイヴィスタワー西宮(西宮市田中町、JV、2002)
- レフィナード甲子園(西宮市甲子園浦風町、JV、2002)
- コスモ六甲ガーデンフォート(神戸市灘区新在家北町、JV、2003)
- カルチェリベルテ学園都市(神戸市西区学園東町、JV、2003)
- ハピアレジデンス南堀江(大阪市西区南堀江、2003)
- ジークレフ御影(神戸市東灘区御影中町、JV、2004)
- ラセラ高槻(高槻市富田丘町、JV、2004)
- 御影タワーレジデンス(神戸市東灘区御影中町、JV、2008)
- ジオ甲子園口一丁目(西宮市甲子園口一丁目、JV、2008)
同じグループの阪急電鉄では、宅地・住宅の開発・分譲については主に子会社の阪急不動産が担っており、阪急電鉄本体が直接に住宅開発を手掛けることは少ないが、一方で阪神電鉄では本体が直接手掛けている。また現在では箕面小野原レジデンスやジオ甲子園口一丁目など、阪急電鉄や阪急不動産とのJVも見られるようになっている。
スポーツ・レジャー事業
レジャー事業は古くから活動しており、最初期のものに1907年(明治40年)開設の香櫨園遊園地がある(1913年(大正2年)閉鎖)。全国中等学校優勝野球大会(現・全国高等学校野球選手権大会)(夏の高校野球)の会場も誘致し、鳴尾球場(現在廃止。タイガース二軍球場とは別のもの)と阪神甲子園球場を相次いで建設している。その後甲子園球場を本拠地とする阪神タイガースを創立し、また甲子園球場では選抜高等学校野球大会(春の高校野球)も開催されている。また甲子園地区や六甲山地区の開発にも携わり、阪神間モダニズムの一翼を担った。
現在でも直営の施設を持っているが、大部分の施設の運営は子会社の六甲山観光株式会社に委託されており、子会社が所有している施設もある。
現在の主な直営施設
- 阪神甲子園球場(阪神タイガース本拠地、春・夏の高校野球開催)
- 六甲高山植物園
- 六甲山人工スキー場
- ホール・オブ・ホールズ六甲
子会社によるもの
- ラフィット(フィットネスクラブ・株式会社ウエルネス阪神)
- リゾ鳴尾浜(複合スパリゾート・株式会社鳴尾ウォーターワールド - 西宮市と阪神電鉄が中核として出資している第三セクター)。
閉鎖されたもの
- 香櫨園遊園地
- 鳴尾運動場 - 鳴尾競馬場を改造したもの。場内に鳴尾球場があった。
- 南甲子園運動場 - 戦前に全国中等学校蹴球選手権大会と全国中等学校ラグビーフットボール大会が開催されていた。
- 甲子園プール - 1万人収容スタンドがあった公認プールで、甲子園球場の西側にあった。
- 甲子園阪神パーク - 2003年に閉鎖した遊園地。跡地はららぽーと甲子園となる。
関係企業
阪急阪神東宝グループに属する全企業の一覧は「阪急阪神東宝グループ」を参照。
- 阪急電鉄
- 阪急百貨店(エイチ・ツー・オー リテイリング、イズミヤ)
- 東宝
- 阪神グループ
- 阪神タイガース
- 阪神百貨店
- 大阪ダイヤモンド地下街株式会社
- 阪神ホテルシステムズ - ザ・リッツ・カールトン大阪の経営
- 阪神コンテンツリンク - ビルボードライブ(東京六本木、大阪梅田、福岡天神)運営主体
- ベイ・コミュニケーションズ - ケーブルテレビ局
- 阪神ケーブルエンジニアリング - ケーブルテレビ局の設計、施工、保守管理業務等
- Be Happy!789(FMキタ) - コミュニティFMラジオ放送局
- 山陽自動車運送
- 阪神車両メンテナンス - 武庫川車両工業より継承
- 阪神不動産
- 西大阪高速鉄道
- 六甲山観光 - 2013年に六甲摩耶鉄道が阪神総合レジャーと合併して社名変更
- 神戸高速鉄道 - 阪急阪神ホールディングスグループ
- 山陽電気鉄道
- 神姫バス
- 京福電気鉄道 - かつては阪神の車両が譲渡されたり自社発注車に阪神との共通点が見られるなど、関係が深かった。だが1960年代より京阪電気鉄道が関係強化に乗り出した結果、現在京福および分社化した叡山電鉄は、京阪の100%子会社となっている。
- 近畿日本鉄道
- 大阪シティドーム - 京セラドーム大阪運営会社
- 朝日放送 - ANN準キー局。阪神との関連が深く、同社会長の坂井信也が朝日放送の取締役を務めている。また、2007年から2011年まで同局のアニメ・特撮番組である「仮面ライダーシリーズ」と「プリキュアシリーズ」のキャラクターを使って夏休み期間中にスタンプラリー(阪急・能勢電鉄と共催)を行っていた。現在では一部車両の中扉の浜側右側に番組宣伝のポスターを出稿している。サイズは昔阪急が、現在でも山陽電鉄が採用している正方形サイズの広告枠。
- 関西テレビ放送 - FNN/FNS準キー局。筆頭株主はフジ・メディア・ホールディングスでその持分法適用会社でもあるが、元来阪急系(阪急東宝グループ)の会社であり阪急との経営統合後関連が深くなった。
- 東京巨人軍(読売ジャイアンツ) - 戦前の一時期に、大阪タイガースの親会社でありながら出資していた。当時は無協約時代で、球団の親会社が他球団に出資しても問題なかった。
関連施設
- ハービスOSAKA
- ホテル阪神 - 阪急阪神第一ホテルグループ
- ウイステ
- アンスリー - 南海電気鉄道・京阪電気鉄道と共同経営していたコンビニエンスストア。阪急との経営統合により、阪神の駅にある店舗についてはアズナスに切り替わっている。
CM・提供番組
CM
1995年までは朝日放送のABCテレビとABCラジオで提供番組を持ち、CMが放送されていたが、阪神・淡路大震災発生後は自粛に入りその後は阪神パーク甲子園住宅遊園のCMが放送された時期があったが、1998年頃の直通特急運行開始の時期、2009年の阪神なんば線開通の時期にそれぞれCMが放送されていた。その後はラジオCMのみとなっていたが、2014年に入り、「阪神沿線物語」でテレビCMが2009年の阪神なんば線開通の時期以来5年ぶりに放送されることとなった[23]。このCMではHD制作となったが、2009年以前のCMは全てSD制作となっていた。2014年のテレビCMに出演する人は女優の佐藤江梨子とお笑い芸人のハマカーンが出演する。ラジオについてはグループ会社のエフエムキタではスポット枠や提供枠を持っており、朝日放送では後述の提供番組で放送されている。2011年から2013年まで放送されていたCMは列車到着メロディを使用したCMが放送されていた。
阪神沿線物語シリーズCM出演者
現在の提供番組
- サンテレビボックス席(サンテレビジョン放送分・阪神甲子園球場での阪神タイガース戦のみ)
- ABCフレッシュアップベースボール
- 伍芳(ウー・ファン)のふらっと阪神沿線
- 駅ぶら街ぶら 阪神沿線 - 阪神沿線の各駅周辺を訪ねる、5分間のミニ番組。阪神グループのケーブルテレビ局・ベイ・コミュニケーションズが制作。同局および阪神・近鉄・山陽沿線のケーブルテレビ各局にて放送(提供クレジット表示はなし)。
過去の提供番組
- スポーツ・パレード - かつてABCラジオで放送されていた提供番組。
- ANNニュースレーダー→たいむ6(1983年の放映枠拡大時から)→ニュース・ウェーブ→600ステーションABC→ABC News Report→ワイドABCDE〜す - かつてABCテレビで放送されていた提供番組。阪神・淡路大震災発生に際しCMを自粛し、そのまま撤退している。
- 渡辺篤史の建もの探訪 - ABCテレビのみで提供していた。住宅情報番組のため当時あった阪神パーク甲子園住宅遊園のCMが中心だった。
- おはよう朝日です - 一時期スポンサーに付くことがあった。
- 沿線散歩 - 「ときめき沿線ドラマティックロード」の前番組
- 三月の花嫁 on ドラマティックロード(FM大阪)
- 正木明のエコ・スタイル(ラジオ関西制作)
- ABCフレッシュアップベースボール
- MBSタイガースライブ
- ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です(朝9時25分頃のニュースコーナー)
- ABCニュース
脚注
関連項目
- 阪急・阪神経営統合
- ザ!鉄腕!DASH!! - TOKIOのメンバーが阪神の5500系電車と競争する企画があった。
- 電車唱歌(阪神電車唱歌)
外部リンク
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テンプレート:阪急阪神東宝グループ- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪神電気鉄道、2008年8月1日。
- ↑ 阪神電車のすべての駅を9月1日から終日全面禁煙化します阪神電気鉄道プレスリリース 2011年7月5日
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪神電気鉄道、2013年7月1日。
- ↑ 4.0 4.1 テンプレート:PDFlink - 阪急阪神ホールディングス、2013年4月30日
- ↑ 大師電気鉄道がその最初の営業区間の開業時期(1899年)で先行するが、同社は当初川崎大師参詣を主目的として開業しており、これが品川 - 神奈川間を結ぶ本格的なインターアーバンとなったのは阪神開業後の1905年12月24日であったため、インターアーバンとしての開業では阪神が日本初となる。
- ↑ あれ?阪神線路に阪急車両 史上初、ファン興奮 - 神戸新聞NEXT、2014年7月17日
- ↑ 1949年に阪急今津線暴走事故で阪急の車両が阪神の路線を走行したことがある。
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪神電気鉄道、2014年1月23日。
- ↑ 三宮―賢島間に初の直通列車 阪神と近鉄、観光シフト - 朝日新聞、2014年3月22日。
- ↑ テンプレート:PDFlink - 近畿日本鉄道、2014年4月18日
- ↑ 同様の事例は東武伊勢崎線において東京地下鉄/東京急行電鉄の車両と自社車両で8000番台の形式の重複という例がある。
- ↑ 高山禮蔵『大阪・京都・神戸 私鉄駅物語』JTBパブリッシング、2005年、p.103-104
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪急阪神ホールディングス、2014年3月4日。
- ↑ 14.0 14.1 14.2 定期券 - 阪神電気鉄道(2013年2月24日閲覧)
- ↑ PiTaPaエリアの全国相互利用サービス対応路線について
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪急阪神ホールディングス、2010年9月13日。
- ↑ ちなみに路線記号のHSは北総鉄道北総線でも使用されている。
- ↑ 駅ナンバリング導入日の2014年4月1日に三宮駅が神戸三宮駅に改称することから、LEDの行き先表示車両では一部に神戸三宮の表示になったものもある。
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪急阪神ホールディングス、2012年3月8日。
- ↑ 阪神電車の一部駅構内および阪神甲子園球場で「ソフトバンクWi-Fiスポット」を提供開始 - ソフトバンクモバイル、2012年4月16日。
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪神電気鉄道、2013年2月27日。
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪神電気鉄道、2008年12月5日。
- ↑ ~佐藤江梨子さんがお笑いコンビ「ハマカーン」と共に、阪神沿線の魅力を発信〜テレビCM「阪神沿線物語」の放送を1月14日から開始します。 阪急阪神ホールディングス 2014年1月7日