10
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10(十、じゅう、とお)は、自然数または整数において、9 の次で 11 の前の数である。日本語の訓読みでは、十倍を意味する語尾を「そ」と読む(例:三十を「みそ」と読む)。漢字の「十」は音読みを「ジッ」もしくは「ジュウ」と発音する(下記参照)。英語の序数詞では、10th、tenth となる。ラテン語では decem(デケム)。
性質
- 合成数であり、正の約数は 1, 2, 5, 10 である。
- 十進法の基数。
- 4番目の三角数である。1つ前は 6、次は 15。
- 3番目の三角錐数である。1つ前は 4、次は 20。
- 4番目の半素数である。1つ前は 9、次は 14。
- 102 + 1 = 101 であり n2 + 1 の形で素数を生む。
- √10 は自然数の平方根では円周率 [[π|テンプレート:Π]] に最も近い。√10 = 3.16227766 ≈ テンプレート:Π
- 九九では 2 の段で 2 × 5 = 10 (にごじゅう)、5 の段で 5 × 2 = 10 (ごにじゅう)と2通りの表し方がある。
- 10! = 3628800 である。10 以上の数の階乗は 100 = 102 の倍数であり、この性質があるのは 1, 6, 8, 9, 10, 12, … である。
漢字「十」の音読み
漢字「十」の音読みは、当用漢字音訓表には「ジュウ」と「ジッ」が掲載されている。「ジュウ」は通常の呉音だが、「ジッ」のような促音で終わる漢字音は本来ならありえず、これはイレギュラーに発生した慣用音である。なお漢音はあまり使われないが「シュウ」である。
「ジッ」という漢字音は、「実行(ジッコウ)」のような字音での促音化ならありふれている。「ジッ」も本来は字音での促音化であった。その証拠に、「ジッ」で終わる語はない。「十」の本来の、歴史的仮名遣いでの呉音は「ジフ」だった。この音は「ジク」や「ジツ」のように、熟語音では頻繁に促音化し「ジッ」になった。
「ジフ」の「フ」は入声を表したものであり、「十」という漢字が日本に導入された頃の中国語(中古音)では dzyip(ジプ)のような発音だった。その証拠に、日本語・北方語以外の漢字圏の多くの言語では入声音が存続している。例えば現代朝鮮語では십(sip、シップ)である。このため、/‐t/(‐ツ) や /‐k/(‐ク)で終わる他の入声音と同様に、促音化を起こしたのである。日本語には本来閉音節(子音で終わる音)がないため、語尾に母音の u を補うと「ジプ」となるが、拗音や濁音の表記法が未発達な時代には、仮名では「シフ」と宛てて表現するほかなかった。後ろにp音、k音、t音などの詰まる音が来る際には、本来の発音が想起され「十把(じっぱ)」「十個(じっこ)」「十頭(じっとう)」など、「ジッ」という発音となる。しかし、それ以外の音が来た場合、例えば「十枚」の読み表記は「しふまい」となり、音便化されて「ジューマイ」と発音される。「ジュウ」の読みはこれに由来する。中世に唇音退化によるハ行子音の消失と二重母音の長母音化が起こり、「ジフ」は「ジュウ」に変化した。「ジュウ」という漢字音は促音化を起こさないので、「ジッ」はどんな音が促音化したのか分かりにくくなり、音訓表では独立した漢字音として認められた。
さらに江戸時代以降、拗音の表記法の未整備や、人的交流の活発化による他地方の方言の影響から、主に江戸や関東地方において「ジッ」の読みが「ジュッ」と発音されることも多くなった。現在では東京方言の影響の大きさもあって、後者の「ジュッ」の読みも多くの地方で使われており、NHK でも認められている[1]。
同様の現象は /‐p/(つまり歴史的仮名遣いで「‐フ」)入声で終わっていた漢字音では他でも起こりえた。「十」の大字として用いられる「拾」は音訓表には「ジュウ」(と「シュウ」)しかないが、歴史的仮名遣いでは「ジフ」で促音化を起こしえ、拾得(唐代の僧侶の名)は「ジットク」と読む。「合」は「ガフ」「カフ」の促音化が合併(ガッペイ)・合戦(カッセン)などに残っており、現在では「ガッ」「カッ」が慣用音として認められている。ただし他の類型もあり、「立」は「リフ」の促音化「リッ」から誤った原音「リツ」が逆成され、現在では「リツ」が慣用音として認められている(「リッ」は「リツ」の促音化とされ独立した慣用音としては認められていない)。これらの現象は「フツ相通」と呼ばれ、ほかに「雑」(雑巾・雑居)「納」(納入・納豆)「入」(入院・入唐)などにも見られる。
その他 10 に関すること
- 人間の手指の数は、通常は両手を併せて10本である。しかし、まれに手指が12本の人がおり、この遺伝形質は優性である。
- 多くの文明において、標準的な記数法として十進法が採用されている。人間が指折り数える習慣に由来する。
- 原子番号 10 の元素はネオン (Ne) である。
- 小惑星番号10番の小惑星はヒギエアである。
- SI接頭辞では、10 倍は da(デカ)、テンプレート:Sfrac は d(デシ)である。
- 一般には、10 の接頭辞は deci(拉)、deca(希)。
- これらの接頭辞は、ラテン語のdecem (10) とギリシャ語のdeka (10)、ラテン語の decimus (テンプレート:Sfrac) に由来する。また、英語や西語では、小数や十進法を decimal というが、これも decimus (テンプレート:Sfrac) に因んでいる。
- 十角形をデカゴン (decagon)、十面体をデカヘドロン (decahedron)、十人組をデクテット (dectet) という。
- ローマ帝国の銀貨・デナリウス (denarius) は、本来はラテン語で「十個一組」「10 単位」を意味する。
- 10 倍を十重(とえ)やデキュプル (décuple) という。
- 英語ではデケイド (decade) を 10 を単位とする一群に用い、主に 10 年を指す。
- 非常に大きな数や絶対値が 0 に近い数は、10n や 10−n を用いて表されることもある(常用対数)。例: 845000 = 8.45 × 105, 0.00017 = 1.7 × 10−4
- 10 日間を旬という。 1 か月(≒ 30日)の テンプレート:Sfrac。
- 十年紀 - 10 年を単位とする期間。
- 国際連合では、10 年単位で世界的に問題解決を促す期間である国際の十年を設定。
- 慣用表現では、10 は「多く」「全部」の比喩として使われることもある。例:「一を聞いて十を知る」「十把一絡げ」「十人十色」「十徳ナイフ」
- また、10 は「終わり」「限り」を意味することもある。例:「一から十まで」
- 漢数字「十」は、Shift_JIS においてコンピュータプログラムの動作不良の原因となる文字(通称「ダメ文字」)の一つ。
- タロットの大アルカナで X は運命の輪。
- 易占の六十四卦で第10番目の卦は、天沢履。
- サッカーにおいてはエースナンバーであり、俗に言う司令塔あるいはエースストライカーが背番号10を付けるのが通例である。
- 東京六大学野球、少年野球、ソフトボールでは背番号10は主将が付ける番号である。
- 背番号10を永久欠番にしている日本プロ野球球団には、中日ドラゴンズ(服部受弘投手)、阪神タイガース(藤村富美男内野手)、東北楽天ゴールデンイーグルス(ファンのための背番号)がある。
- 十脚類 (decapod) - エビやカニやイカなど、10 本の足を持つ動物。
- en:10 (film) - 1979年公開の映画。日本での題名は『テン』。
- テンパズル - 乗車券の4桁の数字を使って 10 を作る遊び。
- モーセの十戒 - キリスト教の神がモーセに与えた戒律。
- 十種競技 - 陸上の複合競技。
- オリエンタルラジオのDVD作品の一つ。
- タシテン たして10にする物語 - ニンテンドーDS用のゲームソフト。
- ダビング10は、コピー回数に制限を設けた仕組み。元々はコピーワンス制度。
- 4ビット表記において 10 = (1010)2 と 1, 0 が交互に並んでいる。
- 男子100メートル走の日本記録は10秒00。
- 国道10号は福岡県北九州市~大分県大分市~宮崎県宮崎市~鹿児島県鹿児島市を結ぶ。
- 都営地下鉄新宿線は地下鉄10号線である。
- 10 (cali≠gariのアルバム) - cali≠gari のアルバム。
- オリジナル10(Jリーグ発足当時の参加全10クラブの総称)。
- 第10代ローマ教皇はピウス1世(在位:142年?~155年?)である。
- クルアーンにおける第10番目のスーラはユーヌスである。
テレビのチャンネル
- NNN系列準キー局の読売テレビ(近畿広域圏)とTXN系列のテレビ愛知は、地上デジタルのリモコンID番号に 10 を使用している。
- BSデジタルにおいて、スターチャンネルはリモコンID番号に 10 を使用している。
- ANN系列のテレビ朝日(関東地方)、NNN系列の読売テレビの他、NNN系列の山形放送と南海放送、JNN系列の山陰放送・宮崎放送・琉球放送のアナログテレビ親局のチャンネル番号は 10。
十個一組で数えるもの
- 十界:地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界・声聞界・縁覚界・菩薩界・佛界。
- 十方:東・西・北・南・天・地・北東・南東・北西・南西。即ち、六方に四隅を加えた方位の総称。
- 十干:甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸。
- 十家:陰陽家・儒家・墨家・法家・名家・道家・縦横家・雑家・農家・小説家。
- 十志:律暦・礼楽・刑法・食貨・郊祀・天文・五行・地理・溝洫・芸文。漢書における10冊の歴史書の総称。
- 十哲:
- 十徳:仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌・忍・畏。
符号位置
参考文献
関連項目
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- 0 - 10 - 20 - 30 - 40 - 50 - 60 - 70 - 80 - 90 - 100
- 11 - 12 - 13 - 14 - 15 - 16 - 17 - 18 - 19
- 紀元前10年 - 西暦10年 - 1910年 - 平成10年 昭和10年 大正10年 明治10年
- 名数一覧
- 国鉄キハ10系気動車 国鉄10系客車 国鉄C10形蒸気機関車
- 10号線 - 地下鉄10号線
- 10-FEET
- 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000 100000000