白鳥 (列車)
テンプレート:Mbox 白鳥(はくちょう)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)・北海道旅客鉄道(JR北海道)が新青森駅 - 函館駅間を、奥羽本線・津軽海峡線(青森駅~函館駅の間の津軽線・海峡線・江差線・函館本線の総称)を経由して運行している特急列車である。
本項では、同一経路で運行されている特急「スーパー白鳥」(スーパーはくちょう)とともに、青森県と北海道を結ぶ列車の沿革および、大阪駅 - 青森駅・上野駅間で運転されていた同名の「白鳥」についても記述する。
津軽海峡線・奥羽本線「白鳥」「スーパー白鳥」
概要
現行の青森県と北海道を連絡する特急「白鳥」「スーパー白鳥」は、2002年12月に東北新幹線が八戸駅まで開業したのを機に、八戸駅での東北新幹線との接続、及び津軽海峡線の快速「海峡」の置き換え目的で、八戸駅・青森駅 - 函館駅間で運転を開始した。
「海峡」は青函トンネルが開通した1988年に運行を開始していたが、運転開始より15年が経過した時点では、専用客車である50系客車とED79形電気機関車の老朽化が進行していたこと、機関車入れ替えや速達化の限界など、客車特有の作業の煩雑さが問題となっており、これらの問題を抜本的に改善するため、東北新幹線八戸駅延伸を機に「海峡」を廃止して、青函間直通の昼行旅客列車を全列車特急化することが決定された。従来運行されていた特急「はつかり」の分も含め、列車本数は従来分を確保することとし、「はつかり」と「海峡」の時間帯が接近している列車については統合した。
2010年12月4日、東北新幹線の新青森駅までの全通にあわせ、新青森駅で東北新幹線と接続する特急として新たに運行を開始した[1][2]。
列車名は北海道亀田郡七飯町の大沼に飛来する渡り鳥のハクチョウ(オオハクチョウないしはコハクチョウ)が由来とされており、一般公募により決定された。「白鳥」と「スーパー白鳥」の列車名の違いは、使用車両の違いによるものである。「スーパー白鳥」のヘッドマークには、駒ヶ岳をバックに大沼を飛ぶ白鳥の姿が描かれている。
運行概況
2014年3月15日現在の運行概況は次の通り[3]。定期列車は全列車が新青森駅 - 函館駅間で運転されており、「白鳥」が2往復、「スーパー白鳥」が8往復設定されている。ただし臨時列車の「白鳥」は、1往復のみ青森駅 - 函館駅間で運転されている。
新青森駅で東北新幹線「はやぶさ」・「はやて」に接続するダイヤを組んでおり、号数も基本的に接続する「はやぶさ」・「はやて」に合わせている。日中の列車は、函館駅で特急「北斗」・「スーパー北斗」に接続し、函館駅では対面乗り換え(函館駅5・6番のりばおよび7・8番のりば[注 1])が考慮されている。
列車番号は号数+4000M。「白鳥」と「スーパー白鳥」の基本的な停車駅に差異はないが、車両性能の違いから「スーパー白鳥」の所要時間が5分程度短い。
停車駅
新青森駅 - 青森駅 - 蟹田駅 - (津軽今別駅) - 木古内駅 - (五稜郭駅) - 函館駅
- ( )は一部の列車が停車。
- 津軽今別駅は、定期列車の「白鳥」(下り93・17号、上り22・96号)のみ停車。また、8名以上のグループで利用する場合、1か月前に申請すると通過する列車を臨時停車させることができる[4]。
- 五稜郭駅は朝夕の4往復(下り93・21・25・27号、上り14・16・20・98号)のみ停車。
使用車両・編成
白鳥・スーパー白鳥 | ||||||||||||||
テンプレート:TrainDirection | ||||||||||||||
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「白鳥」はJR東日本の青森車両センターに所属する485系電車の3000番台が、「スーパー白鳥」はJR北海道の函館運輸所に所属する789系電車の0番台、増結用として785系電車の300番台が使用されている。
グリーン車は函館・新青森駅方の1号車半室、自由席は2・3号車でそれ以外は指定席である。基本は6両編成で運転され、多客時には青森駅方に2両増結し8両編成となる。
785系電車は、2010年12月4日の東北新幹線全線開業日に使用が開始された。これは保留車となっていた2両を改造し789系0番台の塗装に合わせた[注 2]ものである。「スーパー白鳥」増結時の7・8号車として、789系0番台に併結して運用されている。
計画当初、JR北海道は自社運行分として781系電車を海峡線に転用する案も持っており実際に試運転も行われたが、問題点の多さから結果的にJR北海道では新型車両を投入し、JR東日本は「はつかり」用車両を継続使用することになった。
運行開始当初は、JR東日本運行分が国鉄色の485系により運行される場合もあり、2001年3月2日まで大阪駅 - 青森駅間で運行されていた先代「白鳥」のヘッドマークがそのまま掲出されていた[注 3]。
JR北海道運行分の789系は5両編成だったが、八戸駅 - 青森駅間の混雑が著しく特別企画乗車券で指定席の確保ができない乗客が自由席に流れ込み、自由席の混雑に拍車をかけていたことなどの理由から、2006年3月18日に中間車両を新造し485系と同じ6両編成になった。しかし2 - 5号車の座席種別はどちらの列車も同じであるものの、グリーン車の位置が「スーパー白鳥」は1号車・「白鳥」は6号車と異なっていたため[5]、2010年12月4日のダイヤ改正で「白鳥」の方向転換を行って統一を図った。
なお、新青森駅 - 青森駅の1駅間だけ奥羽本線に乗り入れる関係で、青森駅で列車の進行方向が変わる。八戸駅発着時代でも、同駅 - 青森駅で東北本線(現在の青い森鉄道線)に乗り入れていた関係で、青森駅で列車の進行方向が変わっていた。
JR北海道789系電車の座席テーブル裏(テーブル収納時の表面)には、青函トンネル出入りの時刻とトンネル最深部及び竜飛定点(旧・竜飛海底駅)の通過時刻が掲出されている。
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JR東日本485系3000番台による「白鳥」
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JR北海道789系0番台による「スーパー白鳥」
車内販売
車内販売は全区間でJR東日本の関連会社である日本レストランエンタプライズ (NRE) 盛岡営業支店青森営業所が担当する。但し、平成26年4月より下りのスーパー白鳥25号、27号と上りのスーパー白鳥14号、16号では実施されていない[6]。
乗車制度の特例
テンプレート:Main 特急列車を利用するには特急料金が必要だが、蟹田 - 木古内間は特例として乗車券だけで特急列車に乗車できる。これは同区間に普通列車が全く運行されていないためで、当該特例区間内の駅間での普通車自由席を利用した場合に限られる。特例区間内であっても指定席やグリーン車を利用した場合、自由席であっても特例区間外にまたがって乗車した場合は、実際に乗車した全区間の特急料金が必要となる。この特例は「青春18きっぷ」「北海道&東日本パス」などの「普通列車に限って利用可能」という特別企画乗車券でも適用される。
また、新青森 - 青森間にも同様の特例が両駅相互間の普通車自由席に乗車する場合に限り適用される。ただし、同区間でも普通車指定席やグリーン車に乗車する場合や、新青森駅から青森駅を越えて津軽海峡線(津軽線)の函館駅方面の特急列車に通して乗車する場合には、新青森 - 青森間の特急券も必要となる。以前は「青春18きっぷ」「北海道&東日本パス」にはこの特例は適用されなかったが、2012年夏季より適用されるようになった。
臨時列車
ドラえもん海底列車
海峡線の吉岡海底駅では、「ドラえもん広場」を設置するなど、藤子・F・不二雄の漫画・アニメ『ドラえもん』とタイアップした企画が行われていた。これに合わせて、列車にも内外装に「ドラえもん」に登場するキャラクターなどを入れた編成が使用されることがあった。
快速「海峡」が運行されていた時期には「海峡」用の客車(50系客車および14系客車)の一部にペイントを施すなどして運転していたが、「海峡」廃止後は781系を改造した「ドラえもん海底列車」(ドラえもんかいていれっしゃ)が臨時特急として運転された。2006年3月18日に北海道新幹線工事のため、吉岡海底駅見学コースは休止され[7]、「ドラえもん海底列車」も同年8月27日を最後に運転終了となった[8]。
「ドラえもん海底列車」は往復乗車が原則であり、吉岡海底行は吉岡海底駅のみで降車、函館行は吉岡海底駅のみで乗車可能であった。吉岡海底駅では車両を留置することも折り返すこともできないため、蟹田 - 吉岡海底間を回送して運転し、蟹田駅で折り返していた。
全車指定席で定員制のため、乗車券のほかに指定席特急券・海底駅見学整理券が必要で、整理券はJR北海道管内のみどりの窓口、「ツインクルプラザ」(本州に所在する「JR北海道プラザ」を含む)、もしくは道内の旅行会社で発売していた。ただし、仙台駅・盛岡駅・秋田駅・青森駅・弘前駅・八戸駅 - 本八戸駅間・三沢駅を発駅とする「函館・大沼フリーきっぷ」を併用して利用する時に限り、JR東日本の発売箇所で海底駅見学整理券を発行していた。
函館近郊からは海底駅見学整理券がセットになった「吉岡海底駅往復きっぷ」が発売されており、「ドラえもん海底列車」乗車の時に限り指定席が利用できた。「吉岡海底駅では安全上の理由から2号車と4号車のドアのみ開く」とアナウンスがあるが、実際はすべての車両のドアが開いた。ただし乗降は2・4号車のみであり、その他の乗降ドアにはロープを張ることにより使用を制限していた。
- 停車駅
- 吉岡海底駅 - 木古内駅 - 五稜郭駅 - 函館駅
さくらエクスプレス
弘前さくらまつりの開催時期に合わせて弘前 - 函館間で運行された臨時列車。2000年から毎年運転されていたが、2011年からは函館 - 札幌間を中心に「道南さくらエクスプレス」が運転されることになり、本列車は設定されなくなった。
2000年度はキハ183系気動車を改造したお座敷車両(6000番台)だったが、翌年からノースレインボーエクスプレスとなった。この際、青函トンネル内では気動車は防火対策上自走することが禁止されているため、青森駅 - 函館駅間はED79形電気機関車に牽引されて運転されている。そのため、列車番号上は青森駅 - 函館駅間は客車列車扱いとなり、気動車を表す「D」のアルファベットは付加しない。
青森 - 函館間では、車内で映画を上映ほかオーディオサービスを実施していた。
- 停車駅
- 弘前駅 - 青森駅 - 木古内駅 - 五稜郭駅 - 函館駅
- 運転開始当初は上磯駅にも停車していた。
ねぶたエクスプレス
青森ねぶたに合わせて青森駅 - 函館駅間で運行される臨時特急列車で、2005年から運行されている。
2006年までは「ドラえもん海底列車」に使用される781系電車6両編成を使用して全車指定席・全車禁煙車として運転されていた。2007年以降は下り(青森発函館行)のみの設定となり、789系6両編成での運転となっている。
- 停車駅(2005年・2006年実績)
- 青森駅 → 木古内駅 → 五稜郭駅 → 函館駅
※ 2005年・2006年は上磯駅にも停車していた。
ハーバー函館
JR東日本秋田支社が主体となって運転された臨時列車。運転当初は急行「ハーバー函館」でのちに「ハーバーレインボー」に改称し、その後、特急「ハーバーレインボー」になった。なお、「ハーバーレインボー」時代に1往復だけ大館 - 洞爺間で運転されたことがある。また夏祭りシーズンは「夏祭りエクスプレス」として運転されたこともあった。車両はJR北海道の「ノースレインボーエクスプレス」を使用していた。その後、特急「ハーバー函館」を数回運転したが、この時はJR東日本青森運転所(当時)の485系1000番台6両編成で運転された。
ダイヤは基本的に秋田発土曜日朝、函館発日曜日の昼であったが、秋田発金曜日の晩発で函館着土曜日の朝着だったこともあった。
青森県対北海道連絡列車沿革
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青函連絡船代替快速「海峡」
- 1988年(昭和63年)3月13日:海峡線が開業。青函連絡船代替および津軽海峡線内の地域輸送列車として青森駅 - 函館駅間を運行する客車快速列車「海峡」が運転開始。東北新幹線に接続して盛岡 - 青森間を運行していた485系電車によるエル特急「はつかり」のうち2往復が函館駅まで延長。
- 1991年(平成3年):「はまなす」にB寝台車の連結を開始。
- 1995年(平成7年)3月1日:「海峡」1往復を毎日運行ながら季節列車化。また、このころまでに、5両編成での運転が主体となる。
- 1996年(平成8年)3月:「はつかり」にリニューアル工事を施した485系3000番台の使用を開始。
- 1997年(平成9年)3月22日:「海峡」の1往復(旧4・13号)を「はつかり」に格上げし、「海峡」は季節列車を含めて7往復に減少。また、この時青森始発の「海峡」1号を「はつかり」41号に、函館駅で夜行快速列車「ミッドナイト」に接続する列車を「はつかり」21号から「海峡」13号に立て替えるなど、ほぼ2002年11月30日までダイヤ自体は踏襲される。この改正で1・14号の1往復が臨時列車に格下げ。これ以降「海峡」の地位は単なる青函間連絡列車という地位に甘んじる結果となる。てこ入れの一環として、50系客車「海峡」の一部列車にカラオケ個室を設けた車両を設置(末期は非連結)。
- 津軽海峡線の開業当初にあった「青函トンネルブーム」は数年で収束し、以後の利用者は年々減少傾向にあった。
- 1998年(平成10年)3月:津軽海峡線開業10年を記念して映画『ドラえもん のび太の南海大冒険』とのタイアップを行い「ドラえもん海底列車」の運転を開始し、以後2002年まで毎年継続。運行中は牽引する機関車にも毎年さまざまなペイントが施された。
- 2000年(平成12年)3月11日:特急「はつかり」の一部を「スーパーはつかり」に変更。また、「はつかり」のエル特急指定を解除。
青森県・北海道連絡特急の登場
- 2002年(平成14年)12月1日:東北新幹線盛岡 - 八戸間開業により、次のように変更[9]。
- 2004年(平成16年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)3月18日:「白鳥」・「スーパー白鳥」が全車両禁煙になる[12]。
- 2008年(平成20年)3月15日:「白鳥」3号を木古内駅に停車拡大。「白鳥」・「スーパー白鳥」全列車が木古内駅に停車するようになる[13]。
- 2010年(平成22年)12月4日:東北新幹線の全線開業により、運転区間が新青森駅 - 函館駅間に変更[14]。蟹田駅が全列車停車駅となる[2]。
- 2012年(平成24年)5月13日・14日:「スーパー白鳥95号」と「白鳥96号」が、弘前 - 新青森間で延長運転を実施[15]。なお、この年以降、春の大型連休期間は、該当の列車が弘前までの延長運転を実施[注 4]。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)3月15日:知内駅の営業終了に伴い[18]、知内駅への停車を終了[19]。
日本海縦貫線の「白鳥」
運行概況
大阪 - 青森・上野を結んでいた特急「白鳥」は1961年10月に運転を開始。大阪 - 直江津間は青森発着編成と上野発着編成を併結した多層建て列車として運行された。混乱を防止するため国鉄内部では青森発着編成を「青森白鳥」、上野発着編成を「信越白鳥」と区分していた。また、「青森白鳥」は大阪 - 青森間(当時1052.9km)を走るという、昼行特急列車としては日本一の走行距離を有する列車となった。また大阪発基準で「青森白鳥」が下り、「信越白鳥」が上り列車となる。
- 青森白鳥
- 信越白鳥
青森では青函連絡船深夜便を介し北海道内の特急「おおぞら」に接続。
- 青森以北の深夜便に接続するダイヤは連絡船の便名をとって「1便接続」と呼ばれたが、接続列車の列車番号も1D(「はつかり」・「おおぞら」)、2001D(「白鳥」)など下一桁が1で統一されており、以後廃止されるまで踏襲された。
1965年10月1日のダイヤ改正で上野白鳥を「はくたか」と系統分離した後、青森白鳥は単独で運行されたが、国鉄分割民営化を経て2001年3月3日のダイヤ改正により、大阪 - 金沢間は「雷鳥」、金沢 - 新潟間は「北越」に、新潟 - 青森間は「いなほ」に系統分割され廃止された[20]。
列車名は新潟県北蒲原郡水原町(現・阿賀野市)の瓢湖(ひょうこ)に飛来する白鳥とされていた[注 5]。
停車駅
- 運転開始時
- 大阪白鳥(大阪 - 青森間)
- 大阪駅 - 京都駅 - 米原駅 - 敦賀駅 - 福井駅 - (大聖寺駅) - 〔動橋駅〕 - 金沢駅 - 高岡駅 - 富山駅 - 直江津駅 - 長岡駅 - 新津駅 - 鶴岡駅 - 酒田駅 - 秋田駅 - 大館駅 - 弘前駅 - 青森駅
- 信越白鳥(直江津 - 上野間)
- 直江津駅 - 長野駅 - 軽井沢駅 -横川駅 - 高崎駅 - 上野駅
- ( )は大阪行きのみ停車、〔 〕は青森・上野行きのみ停車
- 2001年3月運転終了時
- 大阪駅 - 新大阪駅 - 京都駅 - (近江今津駅) - 敦賀駅 - 武生駅 - 鯖江駅 - 福井駅 - 芦原温泉駅 - 加賀温泉駅 - 小松駅 - 松任駅 - 金沢駅 - 高岡駅 - 富山駅 - 魚津駅 - 糸魚川駅 - 直江津駅 - 柏崎駅 - 長岡駅 - 東三条駅 - 新津駅 - 新潟駅 - 新発田駅 - 中条駅 - 坂町駅 - 村上駅 - あつみ温泉駅 - 鶴岡駅 - 酒田駅 - 象潟駅 - 仁賀保駅 - 羽後本荘駅 - 秋田駅 - 東能代駅 - 鷹ノ巣駅 - 大館駅 - 弘前駅 - 青森駅
- ( )は大阪行きのみ停車
使用車両
車両は前年の1960年に開発され東北本線特急「はつかり」に投入されたキハ81系の改良型となるキハ82系新造車が充当された。
- キハ81系は初の特急形気動車であり開発期間が短かったことも災いし初期故障を頻発させたことからマスコミから「はつかり、がっかり、事故ばつかり」と揶揄された。そのためキハ82系では故障防止のために入念な試運転などが行われた。しかし1963年の冬期には豪雪によって運転不能となる事態が発生しマスコミから「瀕死の白鳥」と書き立てられたこともあった。
青森編成・上野編成ともに同一のキハ82系標準とされる1等車(現・グリーン車)・食堂車各1両を連結した6両編成で組成された。それぞれの有効時間などの兼ね合いで両編成とも食堂車は日本食堂(現・日本レストランエンタプライズ)により営業された。編成ごとのメニューの相違から、当該列車をよく利用する客は気分や好みで使い分けをしたり、味の比較を行った乗客もいたエピソードも残っている[21]。
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1972年10月に白新線・羽越本線の電化により485系電車に置換えられた当時は「運行距離世界最長の電車列車」と称された。
- 「白鳥」485系編成(1972年10月2日現在)[25]
テンプレート:TrainDirection | ||||||||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
クハ</br>481 | モハ</br>485 | モハ</br>484 | モハ</br>485 | モハ</br>484 | サシ</br>481 | モハ</br>485 | モハ</br>484 | モハ</br>485 | モハ</br>484 | サロ</br>481 | サロ</br>481 | クハ</br>481 |
青森運転所 |
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- その他
1998年1月29日大阪発、翌30日青森発「白鳥」は583系10両編成で運転され、臨時「日本海」などに次ぐ3電源直通運転となった[26]。
降雪や暴風など列車が大幅に遅れた場合には、途中区間から特発として他区所の485系を用いた「白鳥」を見ることができた。その一例を示す[27]。
- 485系3両編成(南秋田運転所・かもしか編成)による「白鳥」(秋田 → 青森)
- 485系9両編成(上沼垂運転区)による「白鳥」(新潟 → 大阪)[注 6]
能生騒動
運行開始当初、単線による列車待ち合わせのため、北陸本線能生駅(当時・西頸城郡能生町、現・糸魚川市)に「白鳥」が運転停車するダイヤが組まれたが、誤って駅の時刻表や一般の時刻表に発車時刻が掲載された。これが一漁村である能生駅に新しい特急列車が客扱い停車をすると伝わってしまい、地元はたちまちお祭り騒ぎになってしまった。
運転開始日に大勢の人が「白鳥」を出迎えたが、停車するだけでドアを開けずにそのまま走り去ってしまい、出迎えた地元の人々は愕然とした。騒動は国鉄の不祥事としてマスコミによって日本中に伝えられ[28]、「能生(のう)はNO!」などという流行語も生まれた。
- 能生駅#能生騒動も参照のこと。
沿革
- 1961年(昭和36年)10月1日: ダイヤ改正によりキハ82系気動車で大阪 - 直江津 - 青森・上野の特急「白鳥」運転を開始。
- 1962年6月:北陸トンネル開通記念切手の図柄にトンネルを走行する「白鳥」を採用。
- 1963年4月20日:上野編成の運用を向日町運転所へ移管。
- 1965年(昭和40年)10月1日:ダイヤ改正により上野発着列車を上野 - 金沢間の「はくたか」として分離。「白鳥」は大阪 - 青森間の運転になる。また新津 - 新発田間は白新線経由となり、新潟駅での客扱を開始。
- 1972年(昭和47年)10月2日:白新線・羽越本線電化完成により大阪 - 青森間の全線電化が完成。「白鳥」は青森運転所(現・青森車両センター)所属の485系電車に置換えられて電車化。
- 1975年(昭和50年)3月10日:ダイヤ改正で山科 - 近江塩津間を前年開業の湖西線経由に変更[注 7]。
- 1978年(昭和53年)
- 1982年(昭和57年)11月15日:ダイヤ改正により、金沢 - 青森間の急行「しらゆき」を発展的解消させ、福井 - 青森間で1往復を増発。増発分は青森運転所所属の485系9両編成(グリーン車1両連結)が担当し、「白鳥」は計2往復となる。
- 1984年(昭和59年)11月1日:大阪発着の2・3号に連結されていた食堂車の営業を休止・脱車。
- 1985年(昭和60年)3月14日:ダイヤ改正で福井 - 青森間「白鳥」1・4号を「北越」・「いなほ」の2列車に系統分割。再び1往復となる。
- 車両運用を向日町運転所に移管のうえ、普通車1両減車の10両編成とする[30]。
- 1986年(昭和61年)11月1日:ダイヤ改正で日本海縦貫線に関係する特急車両配置基地の見直しを行った結果、車両配置を上沼垂運転区(現・新潟車両センター)に移管のうえ、普通車1両減車の9両編成とする[30]。
- 民営化後に上沼垂所属車は指定席車のシート交換とピッチ拡大・自由席車を簡易リクライニングシートに統一などのグレードアップ改造と塗色変更などを施工。
- 1988年(昭和63年)3月13日:青函トンネル開通に伴うダイヤ改正で「白鳥」の対北海道接続[注 9]が従来の青函連絡船から青森 - 札幌間の夜行急行「はまなす」に変更。
- 1990年(平成2年)3月10日:前述のアコモ改良の進捗に伴い、アコモ改良編成が毎日充当されるようになる[31]。
- 1997年(平成9年)3月:車両配置を京都総合運転所(現・吹田総合車両所京都支所)に移管。
- 1999年(平成11年):秋田 - 青森間の車内販売営業廃止。
白鳥 | ||||||||||||||||||
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廃止日の編成は4号車を除いて全車自由席 |
脚注
注釈
出典
参考文献
- 寺本光照『国鉄・JR列車名大事典』中央書院、2001年。ISBN 4-88732-093-0。
関連項目
外部リンク
- 特急白鳥(485系) 車両の紹介 - 北海道旅客鉄道
- 特急スーパー白鳥(789系) 車両の紹介 - 北海道旅客鉄道
- JR東日本車両図鑑 485系白鳥・つがる - 東日本旅客鉄道
テンプレート:JR北海道の優等列車 テンプレート:日本海縦貫線の列車 テンプレート:京阪神対北陸・東北地方優等列車
テンプレート:Navbox- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ 2.0 2.1 テンプレート:Cite press release
- ↑ 『JR時刻表』2012年3月号、交通新聞社。
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- ↑ 18.0 18.1 テンプレート:Cite press release
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- ↑ -平成13年3月 ダイヤ改正について- I 在来線特急・急行(インターネットアーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2000年12月8日
- ↑ 「仰天列車 鉄道珍車奇車列伝」 藤崎一輝、秀和システム
- ↑ 『80系気動車物語』草原社
- ↑ 『鉄道ファン』2001年5月号、交友社、2001年、p.74
- ↑ 24.0 24.1 『鉄道ファン』2001年5月号、交友社、2001年、p.76
- ↑ 『鉄道ファン』2001年5月号、交友社、2001年、p.79
- ↑ 『鉄道ファン』2001年5月号、交友社、2001年、p.84
- ↑ 『鉄道ファン』2001年5月号、交友社、2001年、p.137
- ↑ 「ぬか喜びの特急停車 北陸線能生駅 国鉄が不手際」- 朝日新聞 1961年10月3日朝刊
- ↑ 『鉄道ファン』2001年5月号、交友社、2001年、p.80
- ↑ 30.0 30.1 『鉄道ファン』2001年5月号、交友社、2001年、p.81
- ↑ 『鉄道ファン』2001年5月号、交友社、2001年、p.83
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