スイッチバック
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スイッチバック(テンプレート:Lang-en)とは、険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路である[1][2][3]。またそうしたスイッチバック設備(道路、鉄道線路)を走行する運転行為をスイッチバックと呼ぶことがある。さらに、勾配があるかどうかによらず、分岐器を設けて線路を鋭角的に接続し列車を2線路の接続点で折り返し運転するために設けられたスイッチバック式停車場(スイッチバック駅)と呼ぶことがある[4]。Switchback stationの類語として折り返し駅(reversing station)があるが、折り返し駅(reversing station)の場合は「列車が継続して先に進むために敷設された、進行方向を反転しなければならない場所」を指す[5]。
目次
概要
スイッチバックとは、急斜面を登るために多数(または複数)の鋭角カーブを有するzig zagに敷かれた道路または鉄道線路、または上下(縦方向)にうねった軌道であり、主に米国で用いられる[6][7][2][3]。北米英語でのswitchbackには、hairpin bend(180度の急カーブ)の意味もある[6]。イギリス英語や旧語でのswitchbackは、roller coasterを指す[6][2][3]。いずれの場合も、switchbackを行為の表現で用いる場合は「(縦方向・横方向に係わらず)ジグザグに進む動作」である[2][3]。
日本語の主な国語辞書においても、「スイッチバック」はおおむね「急勾配を伴う地形における折り返し式(ジグザグ運転を伴う)鉄道線路」の意味が記載されている[8][9][10]。日本の鉄道書籍においても同様の例が見られ、青木栄一は、自著の中で「スイッチバック線」「スイッチバック駅」を「後退と前進を伴うもの」としている[11]。
一方、停車場の分類としてスイッチバック停車場と折り返し停車場を別個に記載している例がある[12]ものの、勾配地の如何によらず分岐器を設けて線路を鋭角的に接続し列車を2線路の接続点で折り返し運転するために設けた停車場を「スイッチバック式停車場」と称する例もある[4]。
また日本の鉄道趣味誌では、平地において線路敷設の経緯などから折り返しとなるような線路配置となったものを指して「都市形スイッチバック」[13]や「平地形スイッチバック」[14]などの語句の使用例もある。
なお、日本の古書では、スイッチバックを「鋸歯軌道」と記載している鉄道工学書籍が見られる[15]。
スイッチバックの分類
スイッチバックの分類方法は、その構造や歴史的経緯などから様々である。大島登志彦は、スイッチバックを設置形態別に4種類に分類している[13]。
- 通過不可能形
- 勾配に伴って建設されるもので、本線上で列車の進行方向を逆転させる構造となっており、スイッチバックが設置されている停車場に停車せずに通過することはできない。2回折り返しをするスイッチバックの場合、アルファベットのZの字の形に登坂していく。大きな標高差を稼ぎやすいが、本線上の逆走が必要で物理的な無理が生じること、通過列車の運転上の効率が悪いといった欠点があり、幹線鉄道には不向きであるとされる[13]。
- 通過可能形
- 勾配上にある本線から折り返し線が引き出されており、その折り返し線上に停車場が設けられている形態である。このため、停車場に用のない列車は折り返しをせずに本線上を通過することができる。通過不可能形に比べて列車の運行効率がよいため、幹線鉄道向きである。開通当初に駅・信号場のなかった場所に折り返し線を追加する形で設置されることがある。機関車牽引の列車が電車化されたり、貨物列車の運行が廃止されたりすると、勾配上で列車を停車させて発進させることに問題がなくなるため、本線上にプラットホームを移設することで多くが廃止されている[13][16]。
- 折り返し形
- 単にその地点で列車が折り返すだけの構造で、箱根登山鉄道の例のように山岳地帯に伴うものと、線路の建設時の経緯による平地形(都市形)スイッチバックのものがある[13]。
- 終着駅形
- 路線の終着地点において、一段高いところ、あるいは低いところに駅を設置する目的で、折り返しとなる設備を設置したものである[13]。
これ以外の分類方法として、例えば祖田圭介は、まず山岳スイッチバックと都市形スイッチバックに大別した上で、本線の単線・複線の別、折り返しの回数、通過の可否、設置上の特徴などでより細かく分類している[14]。
一旦終着駅扱いとなり、直ぐに折り返して他線区の別列車扱いとなるような運用はスイッチバックと呼ばず、進行方向を変えてさらに別方向に運転を継続するような形態のみをスイッチバックと呼ぶテンプレート:要出典。
長所・短所
スイッチバックの長所としては、同じく勾配の克服技術であるループ線に比べて路線の距離を短縮でき、工費も工期も節約できるということが挙げられる[13]。また、トンネルを建設することでも勾配を克服することができるが、古い時代の土木技術では長大トンネルの建設は困難であり、峠越えに際してはできるだけ峠を登って高い位置に短いトンネルを設けることが求められたため、スイッチバックが採用される理由となった。これは一方で、長大トンネル掘削技術の進歩に伴って、新たに採用されるスイッチバックが減少するという結果にもつながっている[16]。
スイッチバックの短所は、以下の様な多くの制限を受け得ることである。
- 列車の長さが折り返し部分の線路の有効長によって制限を受ける。
- 機関車方式の列車では、列車最後尾への機回しをせずに後退運転をするのは危険である。プッシュプル方式で解決可能であるが、速度が制限されることが多いテンプレート:要出典。
- 折り返しを繰り返すために、所要時間が延びる[15]。
スイッチバック式停車場
スイッチバック式停車場(switchback station)は、急勾配の登坂目的で設置されたスイッチバック設備の途中に設けられた鉄道駅(停車場)のことである。このスイッチバック式停車場には、従来の勾配上の駅に設置されたスイッチバック式停車場の技術に準じ、勾配の有無によらず、分岐器を設けて線路を鋭角的に接続し列車を2線路の接続点で折り返し運転するために設けられた鉄道駅(停車場)も含めている[1][13][17]。
主な駅
- アルゼンチン
- トレン・デ・ラス・ヌーベス(Tren de las Nubes)
- オーストラリア
- カラムンダ・スイッチバック(Kalamunda Zig Zag) - 2回折り返し
- ラプストン・スイッチバック(Lapstone Zig Zag) - 2回折り返し
- リスゴー・スイッチバック(Lithgow Zig Zag、Zig Zag Railway)
- マンダリン・ウェア・ブランチ鉄道(Mundaring Weir Branch Railway)
- 中国
- フランス
- フロワシー・ドンピエール・ライト鉄道(Froissy Dompierre Light Railway)
- ドイツ
- 使用中
- ラウエンシュタイン(Rauenstein) - ヒンターラント線(Hinterlandbahn)
- ラウシャ(Lauscha) - ゾンネベルク(Sonneberg) - プロブスツェラ(Probstzella)線
- エルンストタール・アム・レンシュタイク(Ernstthal am Rennsteig) - エルンストタール(Ernstthal) - プロプスツェラ(Probstzella)間の廃止によって形成
- レンシュタイク(Rennsteig) - レンシュタイク線(Rennsteigbahn)イルメナウ(Ilmenau) - テマル(Themar)間
- ミハエルシュタイン(Michaelstein) - リューベラント線(Rübelandbahn)
- ヴルツバッハ(Wurzbach) - ザールフェルト(Saalfeld) - ブランケンシュタイン(Blankenstein)
- 使用停止
- シリングスフュルスト(Schillingsfürst)
- レンツキルヒ(Lenzkirch)
- エルム(Elm)(1914年にディシュテルラーゼントンネル(Distelrasen-tunnel)によって置き換え)
- シュタインヘレ(Steinhelle) - メーデバッハ(Medebach)間
- フランクフルト・アム・マインのマインシュピッツェ(Mainspitze)駅、1846年から1848年まで、マイン・ネッカー鉄道(Main-Necker-Eisenbahn)のフランクフルト仮ターミナルまで連絡するために使用された
- エルトバッハ(Erdbach) - ヴェスターヴァルトクヴェア線(Westerwaldquerbahn)
- 使用中
- インド
- ダージリン・ヒマラヤ鉄道 - 全部で6つのスイッチバックがあり、多くは開業当時からのものであるが、1940年代に1つ追加され、さらに少なくとももう1つが暴風雨による被害の対策として一時的に設置されていた。
- 日本
- 韓国
- パキスタン
- ペルー
- 台湾
- ミャンマー
- Thazi - Kalaw間に4箇所のスイッチバック
- アメリカ合衆国
- グレート・ノーザン鉄道のカスケード(Cascade)に1900年まで8箇所のスイッチバックが存在、カスケードトンネルによって置き換えられ、その後さらに長いトンネルに置き換えられた。
- キャス・シーニック鉄道(Cass Scenic Railroad)、ウェストバージニア州(West Virginia) - 2箇所のスイッチバックと11%の勾配、使用中
日本のスイッチバック停車場
日本に現存するスイッチバックを、大島の4分類に分けて示す[13]。テンプレート:要出典範囲。
通過不可能形
通過可能形
- 常紋信号場(石北本線)※
- 姨捨駅(篠ノ井線)
- 桑ノ原信号場(篠ノ井線)
- 初狩駅(中央本線):1966年、複線化に伴い旅客ホームを本線上に移設し、旅客列車のスイッチバックは解消したが、スイッチバックは貨物列車(現在は砕石輸送列車)用として残されている。
- 二本木駅(信越本線)
- 鐘釣駅(黒部峡谷鉄道本線):編成長大化によりスイッチバック駅となった。
- 中在家信号場(関西本線)※
- 滝山信号場(山陰本線)※
- 坪尻駅(土讃線)
- 新改駅(土讃線)
折り返し形
この形態のスイッチバックは勾配に伴うものと、路線の形成経緯によるものがあり、後者の形成過程には様々な要因が存在する。例えば、十和田南駅や会津若松駅のように市街地に駅をつくるためや、既設の駅に乗入れるための線形上の要因、遠軽駅や新可児駅のように別々に形成された2路線が後に統合された例などがある。ヨーロッパの都市中央駅、ターミナル駅にはこのスタイルの駅が多い。
- 遠軽駅(石北本線)
- 十和田南駅(花輪線)
- 大曲駅(秋田新幹線) - 線路名称上は田沢湖線と奥羽本線だが、運転上は一体。
- 会津若松駅(磐越西線)
- 柏駅(東武野田線)
- 飯能駅(西武池袋線)
- 藤沢駅(小田急江ノ島線)
- 出山信号場(箱根登山鉄道鉄道線)
- 大平台駅(箱根登山鉄道鉄道線)
- 上大平台信号場(箱根登山鉄道鉄道線)
- 富士山駅(富士急行大月線・河口湖線) - 線路名称上2路線にまたがるが、運転上は一体。
- 塩尻駅(中央本線)※
- 上市駅(富山地方鉄道本線)
- 知立駅(名鉄三河線)※
- 新可児駅(名鉄広見線)※
- 大垣駅(養老鉄道養老線)※
- 一畑口駅(一畑電車北松江線)
- 伊万里駅(松浦鉄道西九州線)※
- 早岐駅(佐世保線)
塩尻駅は中央本線の中間駅であり、もともとは方向転換駅ではなかった。しかし東京側からの中央東線も名古屋側からの中央西線も、塩尻駅で分岐する篠ノ井線へ直通する流れとなっており、中央西線と篠ノ井線を直通する列車にとっては塩尻駅で折り返し運転となっていた。そこで1982年5月に塩尻駅を移転し線路を付け替えて、中央東線からも中央西線からも篠ノ井線へ直通運転できる配置とした。これに伴い、中央本線という路線としては塩尻駅で折り返す形態となった[18]。
終着駅形
かつてスイッチバックが存在した停車場
通過不可能形
路線名 | 駅名 | 解消された年 | 解消の理由 | その他特記事項 |
---|---|---|---|---|
夕張鉄道 | 錦沢駅 | 1975年 | 路線廃止に伴う廃駅 | |
草軽電気鉄道 | 二度上駅 | 1960年 | 路線区間廃止に伴う廃駅 | |
東三原駅 | 1962年 | 路線廃止に伴う廃駅 |
通過可能形
路線名 | 駅名 | 解消された年 | 解消の理由 | その他特記事項 |
---|---|---|---|---|
宗谷本線・北見線 | 南稚内駅 | 1952年 | 駅移転 | |
夕張線登川支線 | 楓駅 | 1967年 | 駅移転 | 1981年、路線廃止により廃駅 |
根室本線 | 狩勝信号場 | 1966年 | 線路のルート変更により信号場廃止 | |
新内信号場 | ||||
東北本線 | 西岳信号場 | 1966年 | 複線化に伴い廃止 | |
滝見信号場 | 1967年 | |||
吉谷地信号場 | 1949年 | |||
岩泉線 | 押角駅 | 1972年 | 本線上へのホーム移設 | 2014年、路線廃止により廃駅(2010年より不通) |
山田線 | 大志田駅 | 1982年 | 本線上へのホーム移設 | |
浅岸駅 | ||||
奥羽本線 | 赤岩駅 | 1990年 | 改軌工事に伴う本線上へのホーム移設 | いずれもかつては通過不可能形であったが、改築により通過可能形とした。 |
板谷駅 | ||||
峠駅 | ||||
大沢駅 | ||||
磐越西線 | 中山宿駅 | 1997年 | 本線上へのホーム移設 | 1963年、もともとは通過不可能形であったものを改築し、通過可能形とした。 |
足尾線 | 間藤駅 | 1970年 | ||
東武伊香保軌道線 | 元宿駅 | 1956年 | 路線廃止に伴う廃駅 | |
六本松駅 | ||||
大日向診療所前駅 | ||||
水沢駅 | ||||
草軽電気鉄道 | 万座温泉口駅 | 1962年 | 路線廃止に伴う廃駅 | |
篠ノ井線 | 潮沢信号場 | 1988年 | 新線付替えによる信号場廃止 | |
羽尾信号場 | 2008年 | 信号場廃止 | ||
信越本線 | 松井田駅 | 1962年 | 駅移設 | 日本で最古のスイッチバック駅 |
熊ノ平駅 | 1966年 | 信号場への降格と同時にスイッチバック解消 | ||
御代田駅 | 1968年 | 駅移設 | 現・しなの鉄道線 | |
関山駅 | 1985年 | 本線上へのホーム移設 | ||
中央本線 | 笹子駅 | 1966年 | 複線化に伴う本線上へのホーム移設 | |
勝沼駅 | 1968年 | 複線化に伴う本線上へのホーム移設 | 現・勝沼ぶどう郷駅 | |
韮崎駅 | 1972年 | 1970年、複線化に伴い旅客ホームを本線上に移設し、旅客列車のスイッチバック解消。 1972年、貨物営業廃止によりスイッチバック解消。 | ||
穴山駅 | 1971年 | 複線化に伴う本線上へのホーム移設 | ||
長坂駅 | 1972年 | 1966年、複線化により複線スイッチバック駅となる。 1972年、貨物営業廃止に伴いホームを移設し、スイッチバックを解消。 | ||
東塩尻信号場 | 1983年 | 信号場ではあるが、仮乗降場として旅客も扱った。 | ||
御殿場線 | 谷峨駅 | 本線上へのホーム移設 | ||
富士岡駅 | 1968年 | |||
岩波駅 | ||||
岳南鉄道線 | 左富士信号所 | 1982年 | 信号所廃止 | |
田宿信号所 | ||||
北陸本線 | 新保駅 | 1962年 | 北陸トンネル経由の新線移行により廃駅 | |
大桐駅 | ||||
葉原信号場 | 北陸トンネル経由の新線移行により廃止 | |||
山中信号場 | ||||
北陸本線(→柳ヶ瀬線) | 刀根駅 | 1957年 | 柳ヶ瀬線移行時に全線一閉塞化され、スイッチバック解消 | 1964年、路線廃止に伴い廃駅 |
和歌山線 | 北宇智駅 | 2007年3月 | 駅構内改良工事によるホーム移設 | |
日田彦山線 | 呼野駅 | 1983年 | 本線上へのホーム移設 | |
長崎本線 | 本川内駅 | 2002年 | 本線上へのホーム移設 | |
鹿児島交通枕崎線 | 上日置駅 | 1971年 | 無人化によりスイッチバック解消 |
折り返し形
路線名 | 駅名 | 解消された年 | 解消の理由 | その他特記事項 |
---|---|---|---|---|
留萠本線・羽幌線 | 東留萠信号場 | 1941年 | 新線付替えにより廃止 | |
花巻電鉄軌道線・鉄道線 | 西花巻駅 | 1960年代後半 | 駅移転 | 1969年路線廃止により廃駅 |
仙北鉄道登米線 | 米谷駅 | 1968年 | 路線廃止に伴う廃駅 | |
外房線 | 大網駅 | 1972年 | 駅移転 | |
外房線・内房線 | 千葉駅 | 1963年 | 駅移転 | 両国方面からの直通のみ |
東海道本線 | 横浜駅 (現・桜木町駅) |
1915年 | 別ルート建設に伴う終端駅化 | |
静岡鉄道駿遠線 | 新藤枝駅 | 1964年 | 路線短縮に伴う終端駅化 | 1970年路線廃止により廃駅 |
遠州鉄道鉄道線 | 遠州馬込駅 | 1985年 | 新線付替え・路線高架化により廃駅 | |
越後交通長岡線 | 西長岡駅 | 1993年 | 路線短縮に伴う終端駅化 | 1995年路線廃止により廃駅 |
越後交通栃尾線 | 上見附駅 | 1973年 | 路線短縮に伴う終端駅化 | 1975年路線廃止により廃駅 |
東濃鉄道駄知線 | 駄知駅 | 1972年 | 路線休止に伴う使用停止 | 1974年路線廃止に伴い正式に廃駅 |
西濃鉄道昼飯線 | 美濃大久保駅 | 2006年 | 路線廃止に伴う廃駅 | |
福井鉄道南越線 | 岡本新駅 | 1971年 | 路線短縮に伴う廃駅 | |
東海道本線 | 膳所駅 | 1889年 | 湖東線全通に伴い解消(方向転換駅化) | 日本最古の折り返し型スイッチバック駅 |
京阪京津線 | 浜大津駅 | 1981年 | 石山坂本線浜大津駅(東口)との統合に伴い解消 | スイッチバックは京津線から石山坂本線直通電車のみ。直通電車は双方のホームに停車していたがそれ以外は徒歩連絡となっていた。ただし統合後は直通電車は廃止された。 |
播電鉄道 | 播電龍野駅 | 1934年 | 路線廃止に伴う廃駅 | |
尾道鉄道 | 諸原駅 | 1957年 | 路線廃止に伴う廃駅 | |
筑肥線 | 東唐津駅 | 1983年 | 新線付替えに伴う駅移転 | |
熊本電気鉄道藤崎線 | 藤崎宮前駅 | 1954年 | 路線短縮に伴う終端駅化 | |
宮之城線 | 薩摩永野駅 | 1987年 | 路線廃止に伴う廃駅 | |
大隅鉄道 | 鹿屋駅 | 1938年 | 駅移転 |
終着駅形
路線名 | 駅名 | 解消された年 | 解消の理由 | その他特記事項 |
---|---|---|---|---|
赤谷線 | 東赤谷駅 | 1984年 | 路線廃止に伴う廃駅 | 路線終点がスイッチバック構造の珍しい駅だった。 |
越後交通長岡線 | 寺泊海水浴駅 | 1966年 | 路線短縮に伴う廃駅 | |
長野電鉄長野線 | 湯田中駅 | 2006年 | 構内改良工事によるスイッチバック解消 | 勾配により、スイッチバック無しでのホーム延長が困難な為の構造だった。(例・鐘釣駅) |
加速線
概要
スイッチバックに類似したものとして、「加速線」と呼ばれるものがある[14]。
停車場自体が勾配上にあるか、停車場の構内を出た直後から勾配が続く場合、停車した列車が十分な加速をする前に上り勾配にかかってしまい、登坂に必要な力が得られない場合がある。このような場合、停車場の下り勾配側に水平(ないしは駅・信号場に向かって若干の下り勾配)の引上線を設置することがあり、これを「加速線」と呼ぶ。停車場から上り勾配方へ進行する列車は、いったん加速線に待避し、加速線上で十分な速度を得てから上り勾配に向かう[14]。
停車場の下り勾配方のみに引上線があり、上り勾配方には引き込み線がないことが、スイッチバックとの構造上の違いである。また、その性質上、加速線を利用するのは勾配を上る列車だけで、下る列車は利用しない[14]。
第二次世界大戦中に、輸送力増強のために従来の建設規程を上回る勾配の場所にも行き違いのための信号場が増設される例が相次ぎ、その際にこの加速線を採用するところがあった。こうした信号場を戦時形信号場と呼ぶ[14]。
加速線のあった駅・信号場
- 仁山駅(函館本線) - 利用はされていないが、加速線はそのまま残っている。
- 奥中山高原駅(IGRいわて銀河鉄道) - 東北本線の優等列車削減で現在は使用されていないが、中線に残っている。
- 東山信号場(函館本線) - 現:東山駅
- 大沢駅(上越線) - 1966年複線化に伴い廃止
- 下牧信号場(上越線) - 1966年複線化に伴い廃止
- 新府信号場(中央本線) - 現:新府駅
- 友田信号場(東海道本線) - 現:金谷駅 - 菊川駅間 2007年3月現在は築堤のみ残存している。明治時代の建設当時は、菊川から登坂してきた列車が失速して本線上に立ち往生してしまうケースが想定されたため、これに対応するために設置された。1949年の電化後まもなく廃止。
- 167信号場(台湾の旧山線)- 既に廃止された。
一般営業線以外のスイッチバック
一般営業されている路線ではない鉄道で、富山県において砂防工事に使用されている国土交通省立山砂防工事専用軌道には、2006年時点で38か所のスイッチバックが存在している。特に樺平連絡所付近には連続18段という類を見ない規模のものである[19]。
自動車でのスイッチバック
テンプレート:See also テンプレート:要出典範囲。ただし、自動車は鉄道と比較して路面とタイヤの間の摩擦が大きく、登坂能力や機動性に富んでいるため、鉄道のように緩斜面でスイッチバックを必要とせず[注釈 1]、一般的ではない。
道路用語としてのスイッチバックのひとつにつづら折れがある。これは線形の曲線の半径を極小化したヘアピンカーブを連続させたジグザグ状の道路であり、車両はこの間、常に道路上を前に進むためにカーブ地点で進行方向を反転させる[2][3]。テンプレート:要出典範囲。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
- 鉄道技術用語辞典(公益財団法人 鉄道総合技術研究所 提供)
- I love Switch Back(個人趣味ホームページ)
- 『保線統計. 昭和3~5年度』(国立国会図書館デジタル化資料)昭和5年度末現在の停車場一覧
- ↑ 1.0 1.1 テンプレート:Cite book
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 ランダムハウス英和大辞典
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 プログレッシブ英和中辞典
- ↑ 4.0 4.1 鉄道総研用語集の「スイッチバック式停車場」の項目を参照、テンプレート:Cite web
- ↑ Jackson, Alan A. (2006). The Railway Dictionary, 4th ed., Sutton Publishing, Stroud, p. 285. ISBN 0-7509-4218-5.
- ↑ 6.0 6.1 6.2 オックスフォード現代英英辞典 第8版(オックスフォード大学出版局発行)
- ↑ コウビルド新英英辞典 2008年(日本出版貿易発行)
- ↑ 広辞苑 第5版(岩波書店発行)
- ↑ 大辞林 第2版(三省堂発行)
- ↑ 大辞泉 増補・新装版(小学館発行)
- ↑ 青木栄一著『鉄道の地理学』2008年(WAVE出版発行)
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 13.0 13.1 13.2 13.3 13.4 13.5 13.6 13.7 13.8 テンプレート:Cite journal
- ↑ 14.0 14.1 14.2 14.3 14.4 14.5 テンプレート:Cite journal
- ↑ 15.0 15.1 テンプレート:Cite book
- ↑ 16.0 16.1 テンプレート:Cite journal
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