競艇場

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住之江競艇場の競走水面(左はメインスタンド、右は案内展示の大きさとして世界第3位である「ボートくん」、中央奥は発走ピット)

競艇場(きょうていじょう)とは、競艇を開催するための施設であり、現在では日本に24場、韓国に1場併せて25場が存在する。なお日本にはナイター競走開催のためにナイター設備が設置されている場もある。

日本の競艇場の概要

「競艇場」とはモーターボート競走法第4条の規定に基づき国土交通大臣の許可を受けて設置されたモーターボート競走場の通称である。各競艇場はそれぞれ事業施行者や設置者が定める例規に基づきそれぞれ正式名称があり、正式に「○○競艇場」という名称を持つ施設は福岡競艇場など一部の施設に過ぎない。

一般に日本では浜名湖競艇場びわこ競艇場などの海面や湖面を利用したコースと住之江競艇場尼崎競艇場などの人工的に水面を作ったコースとに分けることが出来る。海面や湖面を利用したコースの場合、満潮・干潮によって水面が変化してレース展開が左右される競艇場では、スポーツ紙あるいはボート専門新聞などで、その競艇場周辺の満潮・干潮の時刻を掲載している。

1997年平成9年)度より競艇の呼称が「競艇」へ正式に一元化された[1](それ以前は「競艇」の他に、「ボート」や「モーターボート競走」などとも呼ばれていた)ことを受け、「競艇場」と呼ばれるようになった。しかし、2010年(平成22年)からは統一呼称が「ボートレース」に変更されることになり、それぞれの競艇場は「○○ボートレース場」(愛称は「BOAT RACE ○○」)というレース場名を使用するようになった。

それぞれの競艇場には場立ちの予想屋(場によってはアドバイザーと呼ぶ)がいて、レースの予想や解説をしている。また、だいたい100円で予想した買い目を教えてくれる。

すべての競艇場でレースの開催日にはファンサービスが充実している。競艇場によっては現役の選手とボートに乗ってコースを周回することも出来る。(ペアボートなど)|

日本の競艇場一覧

電投 競艇場 地区 所在地 アクセス
01# 桐生競艇場 関東 群馬県みどり市 岩宿駅JR)・阿左美駅東武)・新桐生駅(東武)
02# 戸田競艇場 埼玉県戸田市 戸田公園駅(JR)・川口駅(JR)・高島平駅(地下鉄)・成増駅(東武)
03# 江戸川競艇場 東京都江戸川区 平井駅(JR)・船堀駅(地下鉄)・西葛西駅(地下鉄)
04# 平和島競艇場 東京都大田区 平和島駅京急)・大森駅(JR)
05# 多摩川競艇場 東京都府中市 競艇場前駅西武)・府中本町駅(JR)・多磨霊園駅京王
06# 浜名湖競艇場 東海 静岡県湖西市 新居町駅(JR)
07# 蒲郡競艇場 愛知県蒲郡市 蒲郡競艇場前駅名鉄)・三河塩津駅(JR)・蒲郡駅(JR・名鉄)
08# 常滑競艇場 愛知県常滑市 常滑駅(名鉄)
09# 津競艇場 三重県津市 津駅(JR、伊勢鉄道近鉄)・津新町駅(近鉄)
10# 三国競艇場 近畿 福井県坂井市 芦原温泉駅(JR)・あわら湯のまち駅えちぜん鉄道
11# びわこ競艇場 滋賀県大津市 浜大津駅京阪)・大津京駅(JR)・大津駅(JR)
12# 住之江競艇場 大阪府大阪市住之江区 住之江公園駅(地下鉄)
13# 尼崎競艇場 兵庫県尼崎市 尼崎センタープール前駅阪神
14# 鳴門競艇場 四国 徳島県鳴門市 鳴門駅(JR)・徳島駅(JR)
15# 丸亀競艇場 香川県丸亀市 丸亀駅(JR)
16# 児島競艇場 中国 岡山県倉敷市 児島駅(JR)
17# 宮島競艇場 広島県廿日市市 競艇場前駅(臨時駅・広電)・宮島口駅(JR)
18# 徳山競艇場 山口県周南市 櫛ケ浜駅(JR)
19# 下関競艇場 山口県下関市 長府駅(JR)
20# 若松競艇場 九州 福岡県北九州市若松区 奥洞海駅(JR)
21# 芦屋競艇場 福岡県遠賀郡芦屋町 遠賀川駅(JR)
22# 福岡競艇場 福岡県福岡市中央区 天神駅(地下鉄)・西鉄福岡(天神)駅西鉄
23# 唐津競艇場 佐賀県唐津市 東唐津駅(JR)
24# 大村競艇場 長崎県大村市 大村駅(JR)

各競艇場の詳細及び特徴

桐生競艇場
ドラキリュウナイター実施。日本最北端かつ日本一標高が高い所にある競艇場で冬場になると上州山脈からの強風が時により強く吹き付ける。競艇界において初めてナイター競走を開催した競艇場。施行者はみどり市。
戸田競艇場
戸田公園大橋から1マークが眺められる。すなわち日本一、橋が近い競艇場。1996年賞金王決定戦競走を大阪府の住之江競艇場に代わって開催した競艇場。施行者は戸田競艇組合埼玉県都市競艇組合
江戸川競艇場
日本で唯一、一級河川中川)を競走水面としている競艇場でスタンドからは自立電波塔としては世界一の高さを誇る東京スカイツリーを望める。そのため干潮と満潮による水流の影響を最も受けやすく、待機行動も特徴がある。施行者は、東京都六市競艇事業組合東京都三市収益事業組合。全国競艇場の位置としては最も東にある。
平和島競艇場
東の「都市型競艇場」。大井競馬場と隣接している。ピットの隣にある二段滝や当競艇場を囲むビル群は競艇ファンには余りにも有名。1991・2000・2014各年に賞金王決定戦競走を大阪府の住之江競艇場に代わって開催した競艇場。施行者は府中市
多摩川競艇場
中央自動車道を挟んで直ぐ近くに日本を代表する競馬場の東京競馬場がある。施行者は青梅市東京都四市競艇事業組合
浜名湖競艇場
水面は日本の競艇場唯一の汽水。アクセスの最寄駅から競艇場が見える事から別名・日本一、駅が近い競艇場と呼ばれている(更には近くを東海道新幹線が通っている)。施行者は浜名湖競艇企業団。
静岡県内に立地する公営レース場において、当所のみが名古屋を中心とした「東海」エリアに組み入れられている(静岡県の場合、競輪は南関東、オートレースは関東の枠組みに含まれている。これはそれぞれのレースを主管する官庁の管轄が影響している)。
蒲郡競艇場
ムーンライトレース実施。初めてSGをナイター競走として開催した(2002年の第48回モーターボート記念競走)。2006年春以降、全開催がナイター競走。施行者は蒲郡市(2009年度までは岡崎市も施行者だった)。
常滑競艇場
中部国際空港が直ぐ近くにある。施行者は常滑市と半田市
津競艇場
演歌歌手の鳥羽一郎が当競艇場の名誉執行委員長を務めている。鳥羽の実弟、山川豊も将来的に名誉執行副委員長に就任する予定。冬場になると桐生同様に鈴鹿山脈からの強風が強く吹き付ける。施行者は津市。
三国競艇場
本州日本海側で唯一の競艇場。施行者は武生三国モーターボート競走施行組合。
びわこ競艇場
日本で唯一、競艇場名が平仮名の場。向こう側には近江富士、1マーク側には大津港又は浜大津、2マーク側には比良山系等が望める。施行者は滋賀県。
住之江競艇場
全国の競艇場の中で最もSG開催数が多い競艇場(別名・「競艇のメッカ」)。都市型競艇場並びに関西の公営競技場では初となるナイター競走として住之江シティーナイターレース開催。2マークの向こう側には2014年の春に開業したあべのハルカスの展望台・ハルカス300が見える。施行者は大阪府都市競艇組合と箕面市
尼崎競艇場
向正面の案内表示の後に当競艇場への連絡駅である、阪神本線尼崎センタープール前駅と外向場外発売場のボートピアセンプルがある。施行者は尼崎市と伊丹市
鳴門競艇場
大型映像装置の大きさは住之江競艇場に次ぐ。当競艇場を挟み撃ちする形で小鳴門橋と小鳴門大橋の2つの斜張橋がある。2014年から2016年までは将来、起きる南海地震への対策も考えて津波防護柵を作る為に使用しない予定。施行者は鳴門市と松茂町ほか2町競艇事業組合。
丸亀競艇場
ナイター競艇場としては最も新しい競艇場でブルーナイター実施。場外発売場のボートピアまるがめとは目と鼻の先で、直線距離で約500メートルしかなく、実質的な外向発売所となっている。施行者は丸亀市と香川県中部広域競艇事業組合。
児島競艇場
すぐ近くに本州四国を結ぶ瀬戸大橋がある。施行者は倉敷市と備南競艇事業組合。
宮島競艇場
スタンドから日本三景の一つである「安芸の宮島」が望め、天候次第つまり運が良ければ世界遺産である厳島神社の大鳥居が見える。広島電鉄宮島線の駅が併設されている。施行者は宮島競艇施行組合。
徳山競艇場
すぐ近くに太華山がある。施行者は周南市。モーニング競走を行っている。現在、競艇払戻金史上最高額である68万2760円が出た競艇場。
下関競艇場
ナイターレースの誕生のきっかけとなる薄暮競走の誕生の地。施行者は下関市。
若松競艇場
パイナップルナイター実施。西日本の競艇場として初のナイター競走を開催した競艇場で競艇の最高峰クラスのSGの日本最古の歴史・伝統を誇る全日本選手権競走では記念すべき第1回記念大会が開催されダービー・生誕の地とも言われている。芦屋競艇場とは、競艇場同士の直線距離が日本一短い競艇場。交通の便として此処から車で約35 - 40分行くと海上空港の北九州空港に着く。施行者は北九州市と中間市行橋市競艇組合。
芦屋競艇場
若松競艇場とは、競艇場同士の直線距離が日本一短い競艇場。すぐ近くを遠賀川が流れる競艇場。また、全国初のモーニング競走を行った競艇場。施行者は芦屋町。
福岡競艇場
西の「都市型競艇場」であり、バックストレッチに福岡高速道路、すぐ近くに福岡ソフトバンクホークスの本拠地の福岡 ヤフオク!ドーム、毎年11月に大相撲九州場所が開催される福岡国際センター世界水泳2001・福岡大会や世界バレー2006が開催されたマリンメッセ福岡等がある。2007年には賞金王決定戦競走を九州の競艇場で初めて開催した。施行者は福岡市と福岡都市圏競艇等事業組合。
唐津競艇場
女性レーサー(寺田千恵)がSGで史上初めて優勝戦進出を果たした競艇場。モーニング競走を行っている。施行者は唐津市。
大村競艇場
場内に「競艇発祥の地」と書かれた石碑が有る日本で最も西更に最も南にある競艇場。場内から離着陸する飛行機が見られる。大村では2010年を目途にナイター競走を実施する予定であったが、状況の変化等により中止となった。施行者は大村市。

かつて存在した競艇場

狭山競走場
現在の大阪府大阪狭山市に存在していたが、経営難や水面として利用していた狭山池の干ばつが要因となり、1956年4月10日に閉鎖、住之江競艇場へと移転された。
半田競艇場
愛知県半田市に存在していたが、1959年9月26日伊勢湾台風により壊滅状態となり閉鎖、廃止される事となった。半田市は現在、常滑競艇場で競走を開催。
大森競艇場
のちの平和島競艇場
府中競艇場
のちの多摩川競艇場
阿佐美沼競走場
のちの桐生競艇場

移転した競艇場

競艇開始から約10年を経過した昭和30年代後半には、各競艇場の施設が老朽化し不備な点も生じていたため、施設の改善が問題視されるようになった。このため、運輸省の勧奨により同省、全国モーターボート競走施行者協議会、全国モーターボート競走会連合会、日本モーターボート選手会の代表に学識経験者等をもって構成する「施設改善調査会」を設置し、各場の実態調査と改善を促進することとなり、1963年(昭和38年)3月から5月にかけて23場の調査を行い、必要な改善勧告を行った。これにより、昭和40年代には各地で競艇場の施設改善が活発化し、開設当初、河川を利用して設置された競艇場の多くは、この勧告を受けて、より公正安全な競走が実施可能な場所へ移転する計画が具体化し、1968年には4月に浜名湖、7月に三国、1969年には4月に芦屋、6月に津の各競艇場がそれぞれ移転、新設された。

浜名湖競艇場
静岡県浜名郡舞阪町(現・浜松市西区)の弁天島乙女園に存在していたが、レースコース近くに一般航路があり、漁船、遊覧船等の通行があること。浜名湖特有の流砂の障害に対して、レースコースの水深維持が困難であることから、施設改善調査会の勧告を受け、1968年3月19日の開催を最後として閉場した。なお、現在の競艇場施設は1968年4月3日に竣工式を行い、翌4月4日より使用されている[2]
三国競艇場
福井県坂井郡三国町(現・坂井市三国町)の九頭竜川河口の河川敷地に存在していたが、1966年4月に九頭竜川が一級河川に昇格することに伴い建設省より撤去移設を指示されたため、1968年6月30日付で廃止された。なお、現在地の競艇場施設は1968年6月28日に完成し、同年7月9日より使用されている[3]
芦屋競艇場
福岡県遠賀郡芦屋町遠賀川河口に存在していたが、1966年4月に遠賀川が一級河川に昇格することに伴い建設省より撤去移設を指示されたこと、1967年1月運輸省告示第27号による「モーターボート競走場の構造及び施設の規格」に合致した施設とする必要があることから現在地に移転することとなった。1969年3月に完成し、同年4月10日より使用されている[4]
津競艇場
三重県津市岩田川河口に存在していたが、漁船の航行、干潮浮遊物等種々の問題があったこと、ファンの増加に従って狭くなってきたこと、「モーターボート競走場の構造及び施設の規格」に合致した施設とする必要があることから現在地に移転することとなった。1969年6月29日より使用されている[5]
唐津競艇場
佐賀県唐津市松浦川河口付近に存在していたが、市街地に隣接し、施設が狭く、騒音や交通渋滞の問題があったため、昭和40年代中頃から移転計画が進められ、松浦川河畔の現在地に移転することとなった。1975年3月13日より使用されている[6]

ナイター競艇の内容

番号はナイター開始順。

No. 開催場 有場都市 ナイター名称 照明塔の詳細 開業時期 ナイター開催時期
1 桐生競艇場 群馬県みどり市(旧・桐生市) ドラキリュウナイター 照明は横長で支柱は1本 1997秋 通年(2010年度までは4月から12月中旬)
2 蒲郡競艇場 愛知県蒲郡市 ムーンライトレース 照明は横長で支柱は1本 1999夏 通年
3 若松競艇場 福岡県北九州市若松区 パイナップルナイター 照明は横長で支柱は1本 2004春 通年
4 住之江競艇場 大阪府大阪市住之江区 シティナイター 照明は横長で支柱は2本 2006夏 4月から11月
5 丸亀競艇場 香川県丸亀市 ブルーナイター 照明は逆三角形で支柱は2本 2009春 通年

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韓国の競艇場

脚注

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  1. 宮島競艇 今昔 年表編 - Miyajima Kyotei Freaks(宮島競艇フリークス)
  2. 「競艇沿革史」浜名湖競艇事業団
  3. 「競艇沿革史」三国競艇施設株式会社
  4. 「競艇沿革史」芦屋町外二ケ町競艇施行組合
  5. 「競艇沿革史」社団法人三重県モーターボート競走会
  6. 「全施協50周年記念誌」