北九州空港

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テンプレート:Infobox 空港 北九州空港(きたきゅうしゅうくうこう、テンプレート:Lang-en-short)は、福岡県北九州市小倉南区空港北町と京都郡苅田町空港南町に跨る人工島に位置する空港海上空港)である。ターミナルビルや空港事務所は北九州市側に所在する。国際航空輸送網又は国内航空輸送網の拠点となる空港として空港法第4条1項5号に該当する空港として政令で定める空港に区分されている。

概要

2006年3月16日に「新北九州空港」として開港した海上空港である。小倉南区曽根にあった(旧)北九州空港(1944年開港)の実質的な移転である(旧空港は開港前日の3月15日に運用終了)が、名実共に「北九州空港」となるのは2008年の空港法改正のときである。空港島は北側が北九州市小倉南区、南側が京都郡苅田町に跨がるが、空港施設の大半は北九州市側に位置している。本土とは地域高規格道路である新北九州空港道路福岡県道245号新北九州空港線)で結ばれており、苅田町側からアプローチすることになる。

スターフライヤーが本空港をハブ空港(本拠地)と位置づけており、本社を空港敷地内に置いているほか、2006年3月22日からは、北九州5:30発羽田7:00着の早朝便を就航させ、全国の国内定期旅客便でもっとも早い始発便、もっとも遅い最終便が運航される空港となった。また、同年8月22日から、国内で9番目、九州では最初の24時間空港として運用している。

年間利用客数は、国内1,173,177人、国際94,792人(2012年度)[1]。周辺には既に山口宇部空港大分空港福岡空港があり、利用客の獲得競争が起きている。しかし、北九州市内在住者の羽田便の利用について見ると、北九州空港が57%であるのに対し、福岡空港が42%と、アクセスや便数などの面で利便性が高い福岡空港の利用も多い[2]。なお、福岡空港が1本の滑走路の運用で2012年に発着数が限界を超えた[3]ため、当空港や佐賀空港との機能分担を期待する意見もあったが、2000年の航空法改正で各航空会社の経営判断で路線の新設・増便・減便・廃止が出来るようになったため、政治的に福岡空港の路線を当空港に移転させる構想も頓挫した[4]

また、開港前の2006年に放送された上戸彩主演のフジテレビ系連続ドラマ『アテンションプリーズ』第1話のロケーション撮影が行われたり、米倉涼子主演の映画『交渉人 THE MOVIE』がエプロンで行われたりと、映像作品への露出が多い。

建設の経緯

テンプレート:See also (旧)北九州空港は、太平洋戦争のさなかに大日本帝国陸軍の飛行場として建設されたという経緯もあり、滑走路が大型ジェット機の離着陸のできない1,600mと短い上、滑走路の延長を行おうにも三方を山に、もう一方を曽根干潟に囲まれていることもあって拡張が困難な状況にあった。また、地形上の発生が多く、欠航率が25%と高かった。このような問題を解消すべく、北九州市が1971年に(旧)北九州空港の代替としての新空港の建設を国に要望。1981年に第4次空港整備において新規事業採択され、1994年に新北九州空港として政令指定を受け、新空港の建設が行われた。

空港整備の事業スキームとしては、国土交通省周防灘の沖合3kmの位置に関門航路浚渫土砂の処分施設として新門司沖土砂処分場・苅田沖土砂処分場を建設し、北九州市がこれを流用して全長4,125m、全幅900m、面積373haの空港島を建設し、大型機の離着陸可能な2,500mの滑走路を持つ海上空港を建設することになった。前述の通り空港島の護岸築造や埋め立て土砂投入費用は関門港の港湾整備事業(事業費1,500億円)として行われたこともあり、滑走路など空港本体の建設費は1,042億円と、関西国際空港(1兆5,461億円:第一期事業)、中部国際空港(7,680億円)など他の完全埋め立てによる海上空港と比較して割安に建設された[5]

この計画策定に於いて、1990年、防衛庁(当時)が「海上自衛隊小月航空基地の空域と近接し、運用に支障が出るため滑走路方位はその影響が少ない東西方向とすべきである」と主張、南北方向の滑走路建設計画に反対を表明した(空域問題)。このため、北九州市長の末吉興一の仲介の元で当時の運輸省と防衛庁の間で調整が行われ、「完成後の運用空域に制限を設ける」ことが条件として付加されて政治決着が図られ、南北方向の滑走路での建設が決まった[6]

歴史

  • 1974年 - 港湾審議会において苅田沖土砂処分場計画が決定。
  • 1977年 - 埋立第1期工事に着手。
  • 1992年 - 新空港建設に関する空域問題が築城管制圏への進入不可等の条件付で決着。
  • 1994年 - 空港本体工事に着手。
  • 2006年3月16日 - 開港。
  • 2008年6月18日 - 北九州空港へ改称。空港法改正により、4条1項5号に該当する空港として政令で定める空港に区分される。
  • 2013年4月1日 - 福岡航空測候所北九州空港出張所閉鎖。
  • 2013年5月11日 - 貨物便の日本貨物航空が、ソウル/仁川発 当空港経由 東京/成田行き便を就航開始。九州地方に所在する空港では唯一の大型貨物機の発着地となった。

施設

ターミナルビル

  • 1階(到着ロビー含む)
  • 2階出発ロビー(制限区域内含む)
  • 3階
    • 飲食施設
      • そば店、ラーメン店、レストラン、立ち飲みスタンド
    • マッサージ店
    • 足湯施設(有料)を併設した展望デッキ

2006年4月より、当港を発着する便の航空券に旅客施設使用料として100円が上乗せされている。

その他の施設(空港島内)

テンプレート:Gallery

拠点・焦点都市としている航空会社

就航路線

ファイル:StarFlyer Airbus A320-200 at New Kitakyushu airport.jpg
スターフライヤー
エアバスA320-200型機

航空会社が2社以上の場合、最前の航空会社の機材・乗務員で運航する共同運航便(コードシェア便)

国内線

かつての定期就航路線

(北九州空港発)就航路線別旅客数/順位[9]
行き先 旅客数 国内線順位
東京国際空港 約111万人 上位18位

国際線

ファイル:KitakyushuAirport JejuAir Counter.JPG
空港内の済州航空カウンター

貨物便

かつて、ギャラクシーエアラインズが東京/羽田線、大阪/関西線へ就航していたが、会社清算に伴い廃止となった。2010年10月から就航した揚子江快運航空の運休により定期貨物路線はなくなったが、チャーター便、臨時寄港便などによる大型貨物機が就航している。

日本貨物航空が、2013年5月11日から当空港への寄航を定期便化する計画を国土交通省へ申請した。これにより、貨物定期便の運航が再開された。大型貨物専用機の定期便は、九州地方の空港で唯一となっている。

現在就航中の航空会社

    東京/成田 → 台北/桃園 → 北九州空港 → 東京/成田

ファイル:NCA KKJ01.JPG
日本貨物航空B747-400F
北九州空港

貨物便の就航実績のある航空会社

Sea & Air 輸送

2013年11月24日NASAJAXAが共同開発した人工衛星(GPM主衛星)の輸送に北九州空港が利用された[11]。この輸送が北九州空港と空港島の護岸を使った初のSea & Air輸送となった。

輸送経路はアンドルーズ空軍基地からアメリカ空軍の大型輸送機C-5 ギャラクシーによる空輸で北九州空港へ、空港島の護岸から内航船で種子島まで海上輸送、打ち上げが行われる種子島宇宙センターまで陸送[12]というものであった。なお、北九州空港での空港ランプから護岸までは、特殊車両で陸上輸送された。

交通機関

道路

空港の開港にあわせて、2006年2月26日から東九州自動車道の一部区間(北九州JCT - 苅田北九州空港IC)が供用開始。新北九州空港道路も同年3月5日から供用開始となった。

バス

運行本数・運賃・所要時間等の詳細は、該当項目か公式サイトで最新情報を確認されたい。連絡バスには北九州空港エアポートバスの共通呼称が用いられている。開港以来、頻繁に路線再編が行われている。

北九州空港エアポートバス
一般路線バス
  • 苅田駅 - 北九州空港「ソラッピー」(太陽交通
  • 中津駅 - 北九州空港<くろかんくんライナー>(西鉄バス北九州)※2014年4月26日~2015年3月29日の土曜・日曜・祝日に運行[13]
※苅田駅・行橋駅 - 北九州空港(西鉄バス北九州)の路線は、2009年9月30日をもって、若松戸畑 - 北九州空港(西鉄バス北九州)の路線は、2010年3月31日をもって、下関門司港 - 北九州空港(サンデン交通)は、2011年3月31日をもってそれぞれ廃止された。また折尾・黒崎 - 北九州空港は2011年3月27日までは北九州市交通局も運行していた。

ICカードへの対応については、「nimoca」が、2009年2月22日からエアポートバスの西鉄運行分全便で利用できるようになり、同年6月23日からは一般路線にも導入された。

乗合タクシー

早朝・深夜の時間帯に運航されるスターフライヤー便には連絡バスが無いため、これらの便に合わせて乗合タクシー(要予約)が運行されている。(北九州空港のホームページ等参照)

鉄道

最寄駅はJR日豊本線朽網駅、苅田駅だが、ともに普通列車しか停車しない。特急列車ソニックにちりん、にちりんシーガイア)利用の場合は、上りは行橋駅、下りは小倉駅(一部下曽根駅)で普通列車乗換となる。最寄駅や小倉駅から空港までは連絡バスが利用できる。

連絡鉄道構想

現在、空港島と小倉駅を結ぶ空港連絡鉄道の建設可能性について検討されている。鹿児島本線新門司経由で延伸する案、山陽新幹線を新門司経由で延伸する案、日豊本線を下曽根駅経由で延伸する案などあるが、いずれの案も現時点では旅客が少ないため、採算が見込めず実現は困難視されている。

航空管制

北九州空港は、航空管制(進入管制)を福岡航空交通管制部(福岡市)が受け持つレディオ空港(空港には管制機能無し)であったが、計器出発・進入経路が山口宇部空港や海上自衛隊小月航空基地(下関市)と重複しており、これらの空港や基地に到着機や出発機がある場合は離着陸(計器進入や計器出発)ができなかった。また、空港建設決定時の制限事項として「空港のすぐ南側にある航空自衛隊築城飛行場の管制圏に立ち入ることが出来ない」ことが定められていたため南側からの計器進入方式が設定出来ず、これらの理由から悪天候時には運航ダイヤに頻繁な遅延が生じていた。

このような状況を改善すべく、2007年10月1日より、空港に管制官が配置されており、飛行場管制も開始されている[14]。空港の出発・到着機に対しレーダーによる管制ができるよう、さらに2008年3月13日より航空自衛隊築城基地が担当する管制空域を拡大され、ターミナルレーダー管制が導入されている[15][16]。このため開港直後に多発した運航遅延は、現状程度の運航状況では殆ど遅延の発生が見られない程度に解消されている。

それぞれの管制を担当する機関は次のとおり。

  • 2014年4月1日0000(JST)からは、北九州空港の飛行場管制に変更がある
    • 7時45分~22時15分までは、北九州TWR
    • 22時15分~22時45分までは、福岡空港からのリモート運用

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:Airport-info

テンプレート:日本の空港
  1. テンプレート:Cite press release
  2. テンプレート:Cite news
  3. テンプレート:Cite news
  4. テンプレート:Cite news
  5. テンプレート:Cite report
  6. テンプレート:Cite web
  7. ヒマワリは北九州市の花である。
  8. 2014年5月現在、原則JALエクスプレスの機材・乗務員で運航している
  9. テンプレート:Cite press release上位50位までを記載
  10. http://www.hongkongairport.com/flightinfo/chi/cargo_dep.html cargo departure on 9/11/2012
  11. JAXAとNASAが共同開発の人工衛星「GPM主衛星」、日本に到着!
  12. JAXAとNASA共同開発の人工衛星、スーパーギャラクシーで北九州に到着 - Flyteamニュース(2013年11月26日付)
  13. 4.26(土)より 北九州空港~中津線「くろかんくんライナー」を期間限定で運行!
  14. テンプレート:Cite press release
  15. テンプレート:Cite press release
  16. テンプレート:Cite news