駅自動放送

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テンプレート:半保護 テンプレート:Ambox テンプレート:複数の問題 駅自動放送(えきじどうほうそう)とは、鉄道駅における自動アナウンスのことである。

概要

従来、駅係員が放送室などから列車の行先・停車駅などの放送を行っていたが、駅係員の介入をなくして自動化したものである。駅係員がのりば別に放送を行うには限界があり、業務の効率を上げるために導入しているといえる。また、近年は運行管理システムと連動して、遅れ時分や列車の運転休止についても放送するなど、旅客に対するサービスは向上している。

放送は列車がある地点を通過することにより始まるのが一般的で、軌道回路を使用して列車を検知したり、赤外線などのセンサーで列車を検知することにより、自動放送制御装置が動作して放送を行う。

旧型の自動放送装置では放送内容1文を登録するものであったが、ダイヤ改正などにより列車の情報が変わった場合などで新しい放送文が必要になると新しく追加登録する必要があり、装置の容量を超えてしまうこともあった。このため文節毎に種別や行先など必要な情報の登録を行い、これを合成して出力されるものもある。

啓発放送では一文を登録して、一定時分間隔で放送を行うことが多い。駅係員により録音された放送が出力されるのも自動放送といえる。

放送内容

都市部では日本語での案内のほか、英語でも放送を行う駅もある。また、放送の冒頭や接近放送のあとにはメロディーか冠されることもある。一方、地方では単に「列車がまいります」などと、接近だけを知らせる放送を行う駅もある。

  • 予告放送
    • 次にどの列車が来るのかを予告する。事業者によって放送しない駅もある。通過列車や当駅止まりの列車も放送されるが、これを省略して次に到着する営業列車を放送することもある。種別、行先、停車駅や編成両数、乗車位置などが放送される。
    • (例)本日も、JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の1番線の列車は、9時31分発 湘南新宿ライン 東海道線直通 普通 平塚行きです。この列車は、15両です。
  • 接近放送
    • 列車の到着・通過を知らせ、旅客に注意を促す。
    • (例)まもなく 9番のりばに、18時30分発 新快速 米原方面 敦賀行きが 12両でまいります。危ないですから 黄色い点字ブロックまでお下がり下さい。前4両は 敦賀行き、後8両は 米原行きです。9番のりばに 電車がまいります。ご注意ください。
  • 到着放送
    • 駅名連呼を行い、乗り換えや到着した列車の行先などを案内する。
    • (例)新大阪、新大阪です。新大阪、新大阪です。東海道線と地下鉄線はお乗り換えです。この電車は、10時27分発、のぞみ10号 東京行きです。次の停車駅は京都です。
  • 停車放送
    • 時間調整や通過待ちなどの停車中に放送する。列車の種別・行先などが簡単に放送される。
    • (例)2番のりばの列車は、22時52分発、特急ドリームにちりん 宮崎空港行きです。
  • 発車放送
    • 列車が発車することを知らせる。
    • (例)5番線から、L特急スーパーカムイ39号が発車します。まもなく、ドアが閉まりますからご注意ください。次の停車駅は、岩見沢です。
  • 啓発放送
    禁煙や駅美化の放送のほか、選挙の投票を呼びかける[1]放送もある。

担当人物

分類

放送文章の語句の順序などにより以下に分類することができる。

ATOS型放送

ATOS型放送は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅で使用されている、自動放送のタイプの一つについて、鉄道ファンが使用する通称である。主に、東京圏輸送管理システム(ATOS)が導入される際に、このタイプの音声になることが多いため、この通称が用いられる。このATOS型放送をATOSそのものだと勘違いしている人が多く、ATOS型放送をATOS非導入線区で導入した際「○○駅にATOSが導入された」と言われる場合があるがこれは明らかな間違いである。ATOS中央装置を稼働させ、配下に駅連動装置を接続して運転整理を行っているATOS導入線区は首都圏の一部線区のみである(ATOS導入線区東京圏輸送管理システム(ATOS)を参照のこと)。

ATOS導入線区においては、ATOS中央装置から配信を受けた列車情報をもとに放送がなされているので、ダイヤ混乱時でも駅係員の操作を介することなく正確な行先放送が可能である。

担当アナウンサーは男声が津田英治、女声が向山佳比子

なお、線区別のATOS中央装置が未設置または稼働しておらず、駅連動装置単独での稼働時(分かりやすくいえば「オフライン状態」。)にATOS放送が使用されている状態を「スタンドアローン」という。将来ATOS導入線区になる予定がなくても、駅連動装置がATOS用の派生シリーズであって放送がATOS型であれば「スタンドアローン」ということがある(仙台駅木更津駅など)。ATOS中央装置とは接続されていないため、ダイヤ混乱時に放送内容を反映させるためには駅係員の入力が必要である。

かつては、大宮駅松戸駅取手駅西船橋駅宇都宮駅もこの形であった。初期の放送は音声の継ぎ接ぎが酷かったが、台詞のパーツをまとめることで順次改良している。しかし、それゆえ台詞によって収録時期が異なっているので、放送の途中で発音が不自然に変化することがある。

放送文例

路線によって言い方に違いがある。常磐線以降に導入された後期の改良型放送を通称常磐ATOS型放送ということがある。

  • 前期型の接近放送(東海道・横須賀線まで)
(メロディ)
まもなく、○番線に
(当駅始発)※始発列車の場合
種別
○○ 行きが、参ります。(後に「○○行きが、参ります。」や「○○行きが参ります。」に変更)(○○は行先)
危ないですから、黄色い線の内側までお下がりください。(後に「危ないですから、黄色い線までお下がりください。」に変更)
この 列車(電車)は、(○つドア)○両 です。
ホームの、○○ 寄りには止まりません。
この 列車は、○○ で、前(後)寄り ○両、切り離しとなります。
  • 後期型の接近放送(常磐線以降・前期型も順次変更)
(メロディ)
まもなく、○番線に
(当駅始発)※始発列車の場合
種別
○○行きが参ります。(○○は行先)
危ないですから、黄色い線までお下がりください。
この列車(電車)は、(○つドア)○両です。
グリーン車は足元の数字、○番と○番でお待ちください。(「グリーン車がついております。」も一部で使用)
ホームの、○○寄りには 止まりません。
この列車の、前(後)寄り、○両は、○○止まりとなります。
  • また、一部の駅では列車到着前に次発列車の予告放送が流れる。
本日も、JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。
今度の、○番線の、列車(電車)は
○○時 ○○分 発
種別
○○ 行きです。(2005年頃からは「○○行きです。」に変更)(○○は行先)
(この後、両数案内などの案内が流れる)
  • また、一部の駅では列車到着時に到着放送が流れる。
○○~、○○~。(前期型は「○○、○○ です。」)(○○は駅名)
ご乗車、ありがとうございます。
(一部駅では「○○線 は、お乗り換えです。」のように乗り換え案内が流れる)
  • 終着駅の場合の到着放送
○○~、○○~。(前期型は「○○~、○○~、終点 ○○ です。」)(○○は駅名)
本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。(前期型では「本日も、ご利用いただきまして~」と流れる)
お忘れ物のないよう、ご注意ください。
(一部駅では乗り換え案内が流れる)
  • 終着駅では、折り返し列車到着前の接近放送でこのような案内が流れる。
(メロディ)
まもなく、○番線に
当駅止まりの、列車(電車)がまいります。
危ないですから、黄色い線までお下がりください。
(折り返す場合)
この電車(列車)は、(○両です。)折り返し、○○時 ○○分 発
種別
○○ 行きと、なります。(○○は行先)。
(回送の場合)
この列車(電車)には、ご乗車になれませんので、ご注意下さい。

※上記は一例であり駅や路線によって設定変更により、より詳細な放送、また簡略化した放送が可能。

東海道型放送

東海道型放送(とうかいどうがたほうそう)とは、日本の鉄道駅で使用されている、自動放送のタイプの一つについて、鉄道ファンが使用する通称である。主に、列車集中制御装置(CTC)導入路線で使用されている。

かつて、JR東日本東海道線で多く使用されていたことからこの名がつけられたものの、ATOSなど他の放送タイプに置き換えられ、現在では首都圏の一部駅・路線を除き余り使用されなくなってしまっている。

なお、東海道本線JR東日本区間で使われていた(熱海駅は現在も使用中)放送は、ATOSに劣らないくらいの放送であったため「超詳細型」とも呼ばれる。

担当アナウンサーは男声が村山明、女声がよしいけいこ空港第2ビル駅成田空港駅では英語放送も使われている(ATOS導入前の新宿駅3・4番線の成田エクスプレス発車時や房総型放送導入前の成田駅でも英語放送が使われていた)。

JR東日本管内での東海道線以外の線区では、統一的放送(ATOS、仙石型など)の導入や、装置の老朽化による更新などで次第に減少傾向にある。

放送文例

(メロディ)まもなく ○番線に、(種別)(行先)が 到着します(まいります)。黄色い線(の内側)までお下がりください。


主な使用箇所

  • 東日本旅客鉄道
    • 東海道本線:熱海駅のみ。同駅はすべてよしいけいこによるアナウンス。
    • 伊東線伊東駅のみ。熱海駅に同じ。
    • 横浜線:全駅に導入されている。(八王子駅では中央線ホームを除き、すべてよしいけいこによるアナウンス。)
    • 京葉線:女性アナウンサーが沢田敏子。接近チャイムもこの路線以外ではほとんど聞けないので「京葉型」と呼ばれることもある。蘇我駅は本来の東海道型だったが、システム更新によりアナウンサーが変更され、現在は房総型放送である。(後述
    • 青梅線西立川駅 - 青梅駅間で使用。
    • 成田線空港第2ビル駅成田空港駅。すべてよしいけいこによるアナウンス。両駅ともに英語放送も使われている。かつては成田駅でも使用されていたが、システム更新によりアナウンサーが変更され、現在は房総型放送である。(後述
    • 八高線拝島駅・八王子駅。かつては高麗川駅でも使用されていた。
    • 相模線海老名駅原当麻駅橋本駅。なお、導入当初は全駅ともこの放送であったが、放送装置更新時にそれ以外の駅は仙石型に変更された(なお上溝駅ユニペックス前期型茅ヶ崎駅ではATOSが使われている)。
    • 常磐線友部駅いわき駅赤塚駅。全てよしいけいこによるアナウンスである。かつては土浦駅佐貫駅東海駅日立駅勝田駅水戸駅でも使用されていた。東日本大震災以前は浪江駅も東海型放送であり、常磐線で唯一、村山明によるアナウンスが使用されていた。
    • 中央本線辰野駅のみ。2008年3月までは、竜王駅でも使用されていた(後に仙石型に変更)。
    • 両毛線伊勢崎駅桐生駅佐野駅栃木駅。なお、伊勢崎駅では一度仙石型放送に変更されたが、現在では再び東海道型放送に戻されている。武蔵野線のPRC化を除けば、仙石型放送が東海道型放送に変更されたのはこれが初めてである。
    • 高崎線 新町駅のみ。かつては宮原駅 - 倉賀野駅間の全ての駅で使用されており、一部の駅では女性アナウンサーが沢田敏子であった。その後、倉賀野は2003年末に仙石型放送に変更、宮原 - 神保原は一部の駅で仙石型放送に変更された後に2005年1月までにATOS放送に統一された。
    • 内房線袖ヶ浦駅のみ。かつては長浦巌根以外の蘇我駅 - 君津駅のすべての駅で使用されていたが、2001年に木更津がATOS放送に、それ以外の駅は2004年から2006年にかけて#房総型放送に変更された。
    • 上越線水上駅のみ。すべてよしいけいこによるアナウンス。かつては渋川駅新前橋駅でも使用されていた。
    • 武蔵野線:接近メロディや放送のイントネーションなどが異なるため、「武蔵野型」や「新東海道型」などと呼び区別する向きもある。東海道型そのものは、八王子支社で使われていた事があり(「黄色い線の内側まで下がってお待ちください」という初期の言い回し。時期は不明だが、カンノ型放送に変更される)、放送装置交換後(1999年頃)からPRC化(2003頃)までは大宮支社管内の駅では本来の東海道型だった(しかも西船橋方面が男声、府中本町方面が女声と逆であった)。なお2012年1月にATOSが導入されたため、この放送は消滅した。


  • 東海旅客鉄道
    • 東海道本線(静岡地区)

房総型放送

千葉支社内の比較的大きな駅で使用されている放送。担当アナウンサーは女声のみで長谷由子(男声は存在しない。)。

千葉支社でも一部の駅で東海道型が使用されていたが、放送機器が更新されると大部分がこの放送に変わるため、千葉支社の駅では採用数が増えつつあり、千葉支社での東海道型の後継機種と思われる。尚、物井駅では簡易型が現在でも残っている。既に袖ヶ浦・空港第2ビル・成田空港以外で東海道型を使用していた駅では房総型へ更新されている。

また、接近メロディは統一されたメロディが使用されている(東海道型放送の時から、このメロディであった駅も存在する(佐倉など)。千葉支社以外では八王子駅のみ現存)。さらに、成田では英語の放送も使用されている。

放送文例

  • 「まもなく、○番線に、(○○方面)(種別)○○行きが、到着します。黄色い線まで、下がってお待ちください。この電車は、○両編成で、まいります。」
  • 「○番線から、○○行きの(種別)電車(列車)が、発車します。ドアが閉まります。ご注意ください。」

仙石型放送

もともとは仙石線に主に使われていた。男声は山田吉輝、女声は戸谷美惠子

近年では、放送装置が更新されるとたいていこの放送に替わるため、ATOS対象外線区で採用駅が増えつつある。ATOS線区の駅でもATOS導入直前にこの放送に替えられることが多いため、ATOS機器が故障していると詳細型放送が流せなくなり、この放送になることが多い。

首都圏内の駅で使用されているのは、言い回しが改良されている。近年は音声を再収録した新タイプのものが導入されている。

また、大半の駅では行き先を言わないものが主に使われているが、川越線や青梅線などのごく一部の駅では「○○方面行き」といった簡易な行き先を言うものも存在する(これは、ユニペックス型やカンノ型も同様である。)。

放送文例

  • 「まもなく、○番線に、(上りまたは下り)電車(列車)が参ります。(あぶないですから、)黄色い線までお下がりください。」
  • 「(○番線(の)、)(発車します。)ドアが閉まります(から、)。ご注意ください。」

総武暫定型放送

1998年頃から導入された放送で、総武線がATOS化される際に放送音源として大量に導入されたためにこう呼ばれている。総武線以外では宇都宮線横須賀線などでも放送音源として一部の駅で導入された。しかし総武線以外では少数派だったこともあり、ATOSの導入や、「黄色い線まで」という言い回しの統一などのために仙石型放送などに変更され、この放送は現存していない。男声は不明・女声は豊田真由美

カンノ型放送

常磐線や青梅線・川越線水戸線・中央本線(中電区間)などに放送音源として導入された放送。しかし最近ではATOS化や放送装置更新時に仙石型などに変更され、次第に減少傾向にあるが、最近新潟支社で新型放送として新たに導入する駅がある(塩沢駅など)。また、接近放送冒頭には4点チャイムが流れるが、青梅線青梅以北(一部除く)では青梅線専用メロディーが使用されている。

小山型放送

ATOS導入前の横浜駅東海道線・横須賀線ホームや小山駅で使用されていた放送。それ以外では常磐線伊東線、千葉支社の一部の駅でも使用されていたが、現在はATOS化や放送装置更新により仙石型放送などに変更され、大部分が消滅してしまい、数駅に残っているのみである。

アナウンサー

  • タイプ1: 男声:那波一寿 女声:佐久間陽子
  • タイプ2: 男声:那波一寿 女声:不明
  • タイプ3: 男声:不明 女声:佐久間陽子
    • 長野支社で使われていたタイプ。中央本線南小谷駅など多くの駅で使用されたが、東邦電気工業製の自動放送に置き換えられ消滅した。もうこのタイプの男声は聞くことができない。

永楽型放送

国鉄時代に主流だった放送。アナウンサーは時期により異なる。

首都圏

1980年代 - 1990年代にかけて国鉄 - JRの非常に多くの駅で採用された。1990年代後半になると多くの駅が別のタイプに交換されたが、京浜東北線や宇都宮線ではその後もしばらく導入が続けられた。その後首都圏では永楽型は下火になり、ほとんどがATOS型放送に取って代わられた。現在は、伊豆箱根鉄道駿豆線三島二日町駅伊豆仁田駅原木駅牧之郷駅の4駅で国鉄時代に首都圏に導入された初期型のものが使用されている。また、スピーカーも「TOAラッパ」や「ユニペックスラッパ」といったラッパ型のものが使用されていて国鉄時代の雰囲気をよりいっそう出している[2]

東北地方

東北地方のJR東日本路線では、スタンドアローン型のATOSが導入された仙台駅とその周辺の駅を除いて、現在でも放送機器が交換されると、たいてい永楽型になる。しかし、最近では主要駅で長谷由子の新放送に変更される駅がある。一方、JR東北本線から転換された青い森鉄道の一部駅にも永楽型の簡易放送が存在する。

新潟地区

あまり数は多くないものの、若干存在する。

JR西日本エリア

JR西日本では、金沢支社管内・米子支社管内とSUNTRAS導入路線、広島支社管内の主要駅を除き、永楽型放送が主流である。 2011年2月頃から順次、接近放送中の「危険ですから、ホームの内側にお下がりください」「黄色い線までお下がりください」が、「危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください」という言い回しに統一された。

私鉄

かつて新京成電鉄相模鉄道(女声のみ)、京王電鉄で広く使われたが、現在は大半が新型放送に交換された。青い森鉄道や、伊豆箱根鉄道駿豆線の4駅ではまだ初期型を使用中。またゆりかもめは2006年の豊洲延伸時に女声のみ交換し、男女ともに永楽型の担当者となった。

アナウンサー

アナウンサーは何度か交代している。

  • タイプ1: 不明、不明
    • 国鉄時代に導入されたものがほとんどである。JR化後も多くの駅で使われていたが、発車メロディやATOS導入に伴う機器更新のほか、旅客サービス向上に伴う詳細放送導入で、1990年頃を境に使用駅が激減した。首都圏での現在の使用駅は長浦駅のみで、ここでは国鉄時代から現在に至るまで、この放送を使用している。なお長浦駅では女声のみ使われており、このタイプの男声は最後まで残っていた相生駅津軽線でも変更や更新が行われ、現在では聞くことができない。
  • タイプ2: 片山光男、河本俊美
    • JR化後に導入されたものも多い。宇都宮線京浜東北線で多用されていたタイプ。いずれの路線もATOS導入によって現在では聞けない。京浜東北線・宇都宮線の一部駅では列車接近放送の冒頭にムーン・リバーを流していたが、ATOS化や放送機器更新で消滅した。京王電鉄の一部や、ゆりかもめなどで使用されているものはこのタイプに近い。この放送は東京近郊区間では数駅に残るのみだが、仙台地区を除く東北地方、SUNTRAS導入路線を除く近畿地方では現在も多くの駅で使用されている。
  • タイプ3: 片山光男、長瀬祐子(アクターズユニオン所属)
  • タイプ4: 不明、不明
    • 最近首都圏で登場したタイプ。箱根ヶ崎駅などで使用されている。列車接近放送の冒頭に、フジテレビの『めちゃ×2イケてるッ!』でも使用されている2点チャイムを採用している。(このチャイムはタイプ2でも使用されている。)

ユニペックス型放送

1990年頃から発車メロディの導入に伴い、山手線を始めとする都内の大部分の駅や、常磐線で大量に導入された放送。列車接近放送冒頭の2点チャイムは、駅によって再生速度が異なっていた。金町駅では独特な接近メロディが使用されていた(1番線のメロディーは北神急行電鉄の車内放送冒頭メロディーに使われており2番線のメロディーは明覚駅岡崎駅でも使われている)。また、一部の駅では朝の時間帯にチャイムの後に「おはようございます!」とアナウンスしていた。

首都圏

使用されていたほとんどの駅がATOSの導入区間であったために急激に使用駅が減った。また近年、ユニペックス製の放送装置を使用している駅の多くが放送装置更新で、別タイプの放送装置(仙石型など)に替えられるようになり、ユニペックス製の放送装置を使用している駅自体も次第に減少している。放送自体は、現在では辛うじて数駅で残っているのみで、近郊区間で残るのは上溝駅西川越駅北千住駅2番線(下りの戸閉め放送のみ)、明覚駅、軽井沢駅(新幹線ホーム)である。例外では早朝・深夜の水道橋駅柏駅コンコースの禁煙放送、品川駅臨時ホーム(7・8番線 戸閉め放送のみ)で使われる事もある。また、製造時期が古い装置は放送の始まりと終わりに「ボツッ」と音がするのが特徴であり、西日暮里駅大塚駅で確認することが出来る(ただし放送自体はATOS放送である)。

東北地方

永楽電気製に次ぐ勢力であったが、最近では永楽型に更新されるようになり、徐々に数を減らしている。なお、東北地方では男声は存在しない。

新潟地区

鶴岡駅新津駅長岡駅で使われている。

アナウンサー

九州旅客鉄道

九州では主要駅で自動放送が使用されているが、女声放送と男声放送の両方があるのは、博多駅黒崎駅南福岡駅(通過放送のみ)、鳥栖駅肥前山口駅早岐駅大分駅のみである。

放送文例

案内放送 :(チャイム)「○番のりば、○○:○○発(普通列車、快速、準快速○○から快速の、(エル)特急□□○○号)○○行きは、○両編成です。」(□□は、特急の名称)

この後に
  • 快速、準快速の場合「(快速・準快速)○○行きの○○までの停車駅は、○○・○○・○○です。」
  • 特急の場合「(エル)特急□□○○号○○行きの自由席は、○号車から○号車です。指定席は、○号車から○号車です。グリーン車は、○号車です。(エル)特急□□○○号○○行きの停車駅は、○○・○○・○○です。」

接近前放送 :(チャイム)「まもなく○番のりばに、○○:○○発(普通列車、快速、準快速○○から快速の、(エル)特急□□○○号)○○行きが、○両編成で入ります。」

この後に
  • 普通、快速、準快速の場合「乗車口は、足元に表示しています。」
  • 特急の場合「各号車番号・乗車位置は、軒下に表示しています。」

接近放送 :(ベル)「○番のりばに、○○:○○発(普通列車、快速、準快速○○から快速の、(エル)特急□□○○号)○○行きの到着です。危険ですから、黄色い線の内側まで下がってお待ち下さい。」

自動放送がある駅

※放送の内容等については上記の放送形態(例)に記載。

その他について

  • 標準放送の駅の使用スピーカーは全てUNI-PEXソノコラムスピーカーSC-15JA及びSC-10JAである。
  • 標準放送タイプのと旧、準標準放送タイプは発車放送の発音が多少異なる。(「ドアにご注意下さい」が若干遅いテンポで、「○○行きが発車します」のところも微妙に異なる。)
  • 旧標準放送タイプと準標準放送タイプは放送時の発音が同じだが準標準放送タイプには標準放送と同じように案内放送がある。旧標準放送の駅は「普通列車」を「各駅停車」と放送し、案内放送はなく、接近放送と到着放送と発車放送のみである。(接近予告放送がある駅もある)
  • 熊本駅、ハウステンボス駅は、案内放送があり、接近前放送もあるが、停車中放送がない。
  • 小倉駅は、案内放送・接近前放送・停車中放送もあるが、快速の停車駅案内が存在しない。特急は存在する。
  • 大分駅は、案内放送・接近前放送・停車中放送がある。そのうえ、案内放送・接近前放送・停車中放送では、チャイムではなくメロディーが流れる。
  • 筑肥線唐津線伊万里駅久保田駅唐津駅間の中間駅に導入されているタイプは接近放送のみで、その接近放送も標準放送タイプの接近前放送と接近放送を折衷したような内容になっている。
(チャイム)「まもなく、○番のりばに、○○時○○分発、普通列車 ○○行きが○両編成で到着します。黄色い線の内側でお待ち下さい。」
  • 接近放送のみの放送が、福岡・北九州地区の駅で更新が進んでいる。(普通のみ停車する駅も含む)
  • 博多駅と小倉駅には接近・発車の自動放送時に鳴るベルに加え、駅員による手動で鳴らすベルがある。
  • ○○行きの部分のパーツがない場合、発車放送では「○番のりばから○○列車 ドアにご注意下さい」となることがある。その他の案内放送では○○行きの部分が省略される。

その他の放送

東京メトロ・東京臨海高速鉄道・東京モノレール・ゆいレール

関連項目

脚注

  1. 大阪市交通局など。
  2. 伊豆箱根鉄道に残る放送は全て女声であるが、かつては赤羽駅などで男声も存在した。
  3. 音楽CD「東京メトロ副都心線 駅発車メロディ&駅ホーム自動放送」(品番:TECD-21596 制作:株式会社スイッチ 発売:株式会社テイチクエンターテイメント) 添付解説書

外部リンク