山岳路線
山岳路線(さんがくろせん)とは山岳に敷設された鉄道などの路線であるテンプレート:要出典。
「山岳路線」という言葉は日本の主要な汎用辞書・辞典などには掲載されていない[1][2][3][4][5][6]。「山岳」とは「陸地の表面が著しく盛り上がった所。高く険しい山が連なったり、より集まったりしている所」[1]、「路線」とは「交通機関の、ある地点から他地点に至る道筋」[1]や「自動車・鉄道・航空機が運行される経路を線として表示したもの」[2]であるから、これらを繋ぐと、鉄道の場合は「鉄道のある地点から他地点に至る道筋が、陸地の表面が著しく盛り上がった所、高く険しい山が連なったり、より集まったりしている所にあるもの」となる。
目次
概要
日本列島の地勢上、河川の下流域(平野部)と上流域(盆地・山間部)を繋ぐような路線、分水界となっている峠を越える路線は、ほぼ山岳路線になるテンプレート:要出典。特に太平洋側と日本海側を縦断する路線は途中で中央分水嶺を越える必要があり、そのほとんどが山岳路線となっているテンプレート:要出典。尾根になっている都府県境や支庁界を越える場合も多いテンプレート:要出典。
これらの路線では厳しい線形条件、すなわち半径400m以下の急曲線や、10‰以上の勾配、特に厳しいと25‰~33.3‰程度(場所によってはそれ以上)の勾配が何kmにも亘って続く。該当する区間では平坦線よりもモーター・エンジンの搭載数を増やしたり出力を強化した車両が使用され、さらに抑速ブレーキを装備した車両を揃えることもあるテンプレート:要出典。また特に急な勾配では補助機関車を使用する。勾配緩和のためにスイッチバックやループ線を使用して敷設された線区や、別線を設けた線区もある。トンネルがあることも多い。一方、勾配路線でも、トンネルは必ずしも現れるわけではない(盆地内を走る場合など)テンプレート:要出典。
海岸沿いを走る路線でもリアス式海岸では平坦な場所が確保できないことから、山越え区間に準じた線形となることがある。国鉄の路線で列車密度の高い区間では、優先的に電化されたり、長大トンネルなどによる別線付け替えで、勾配や急曲線を緩和したことも多いテンプレート:要出典。
急勾配が部分的にしか存在しない路線、地下鉄などは山岳路線とは呼ばれないテンプレート:要出典。
近畿地方の山岳路線
近畿地方では山陰本線(嵯峨野線)や福知山線、近鉄奈良線や南海高野線のように分水界を越えなくても険しい山岳路線となっている路線が多いテンプレート:要出典。これは近畿地方では同じ河川の平野部と盆地が近接する形成傾向にあって、それぞれに発展した都市同士を繋ぐ路線が多いからであるテンプレート:要出典。
奈良県の五条と和歌山県の新宮を結ぶ計画だった五新線が完成しなかった一因に、分水嶺である天辻峠を超えたものの十津川が所々に盆地を形成したために急峻過ぎる地形だったことが挙げられるテンプレート:要出典。
山岳路線・連続急勾配を含む路線の一覧テンプレート:要出典
勾配が50‰を越える路線は登山鉄道を参照テンプレート:要出典。
JR
北海道地方
東北地方
- 東北新幹線
- 東北本線
- 田沢湖線(秋田新幹線)
- 奥羽本線(山形新幹線。板谷峠38‰など)
- 八戸線
- 花輪線
- 岩泉線
- 山田線(東北の最高の駅は区界駅)
- 釜石線
- 北上線
- 大船渡線
- 気仙沼線
- 陸羽東線
- 陸羽西線
- 仙山線
- 磐越東線
- 米坂線(山形県-新潟県連絡)
- 磐越西線(福島県-新潟県連絡)
- 只見線(六十里越)(福島県-新潟県連絡)
関東地方
中部地方
- 上越新幹線
- 上越線(清水越え。ループ線2箇所)
- 長野新幹線(軽井沢駅を頂点に連続30‰)
- 北陸本線(北陸トンネルなど長大トンネルで緩和)
- 中央本線(JRの幹線で日本一高い場所を走る。最高の駅は富士見駅、最高区間は鳥居トンネル内)
- 信越本線
- 飯山線
- 小海線(JRで日本一高い場所を走る。最高の駅は野辺山駅)
- 篠ノ井線(姨捨駅スイッチバックなど)
- 大糸線
- 伊東線(最急25‰)
- 御殿場線(函嶺越え)
- 身延線
- 飯田線(最急40‰)
- 高山本線(最高の駅は久々野駅)
- 紀勢本線(荷阪峠越え)
- 東海道本線(関ヶ原越え25‰)
- 越美北線
近畿地方
中国地方
四国地方
九州地方
- 九州新幹線(最急35‰)
- 篠栗線
- 日田彦山線
- 久大本線
- 豊肥本線(立野駅三段スイッチバック。波野駅は標高がJR九州内で最も高い駅)
- 肥薩線(大畑駅ループ線・スイッチバック、真幸駅スイッチバック)
- 吉都線
- 日豊本線(宗太郎越え、青井岳越え、霧島神宮駅付近など)
- 鹿児島本線(海老津駅~赤間駅、伊集院駅~鹿児島中央駅など)
- 長崎本線(長崎半島内。旧線と新線が存在)
- 佐世保線(西谷峠25‰)
- 唐津線
- 大村線
- 筑豊本線(原田線、冷水峠25‰)
日本の私鉄・第三セクター
東北地方
関東地方
- 野岩鉄道会津鬼怒川線
- 東武鬼怒川線
- 東武日光線
- わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線
- 上毛電気鉄道上毛線
- いすみ鉄道いすみ線
- 小湊鉄道線
- 秩父鉄道秩父本線
- 西武秩父線、西武池袋線の東飯能駅以北
- 京王高尾線
- 京王動物園線
- 京王相模原線
- 多摩都市モノレール(高幡不動駅以南)
- 東急田園都市線
- 小田急小田原線
- 小田急多摩線
- 相鉄本線
- 相鉄いずみ野線
中部地方
- 北越急行ほくほく線
- 富士急行大月線・河口湖線(40‰)
- しなの鉄道線(中央本線より高い場所がある。駅の最高所は信濃追分駅)
- 長野電鉄長野線(信州中野駅以東40‰)
- 上田電鉄別所線(40‰)
- 伊豆急行線
- 明知鉄道明知線
- 長良川鉄道越美南線
- 樽見鉄道樽見線
- 近鉄鳥羽線(35‰)
- 神岡鉄道神岡線(廃止)
- 富山地方鉄道本線・富山地方鉄道立山線
- えちぜん鉄道勝山永平寺線
- 名鉄名古屋本線・名鉄知多新線・名鉄広見線・名鉄豊田線
近畿地方
- 信楽高原鐵道信楽線
- 近鉄奈良線(瓢箪山駅~生駒駅間・生駒トンネル)
- 近鉄大阪線(桜井駅~伊勢中川駅間・青山峠越えなど)
- 近鉄生駒線
- 近鉄信貴線(40‰)
- 近鉄吉野線
- 南海本線(孝子峠)
- 能勢電鉄妙見線(40‰)
- 北神急行電鉄北神線(ほぼ全区間トンネル)
- 北近畿タンゴ鉄道宮津線・北近畿タンゴ鉄道宮福線
- 嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線
- 阪急千里線