篠山市
篠山市(ささやまし)は、兵庫県中東部にある市。1999年4月1日に旧多紀郡篠山町・今田町・丹南町・西紀町の4町が合併し市制が施行された。
篠山市の誕生に際し、「自治体合併による人口4万以上の市制」を全国で初適用、平成の大合併のさきがけとなった。
2013年9月30日現在で、人口43,894人、面積377.61 km²。
目次
篠山市の概要
兵庫県中東部に位置し、東西30km、南北20kmのやや長方形で、広さは377.61km²で県内第8位、兵庫県域の約4.5%を占めている。地目別にみると農地48.8km²、宅地8.36km²、山林207.63km²となっており、自然環境の豊かな地域である。古来京都への交通の要として栄えてきた歴史があり、町並みや祭りなどに京文化の影響を色濃く残している。そのため兵庫県でも旧丹波国に当たるため神戸より京都との方が結びつきが強い。気候は盆地特有の寒暖差が顕著で冬季の寒さは比較的厳しく、夏は高温・高湿であり、いわゆる内陸性気候に属する。主な産業は、農業、観光業が中心となっているが、少子高齢化の影響により他の地域と同様に農業の衰退が顕著であり、産業面において構造転換を迫られている。現在では観光と農業を組み合わせた観光農業(グリーンツーリズムの類)や、気候の寒暖差を活かした特産物の農業生産に移行しつつある。例えば、丹波黒大豆の生産が全国的にも有名となっている。一方で山林の多くは杉・檜などの植林となっているが、木材価格の低迷や後継者難から主要な産業とはなっていない。また、秋から冬にかけては盆地特有の濃い霧が発生する日が多く、低い山(盃ヶ岳など)からでも眺められる雲海は「丹波霧」とも呼ばれ名物にもなっている。
アクセス面においては市内西部を縦貫するJR福知山線(宝塚線)の複線電化、舞鶴若狭自動車道(開通時は「舞鶴自動車道」)の開通により、大阪や阪神間へのアクセスは良くなっており、宝塚、伊丹へは片道40〜50分、大阪へは1時間程度といった通勤圏となっている。このことからも経済的には、舞鶴や福知山をはじめとする北近畿経済圏というよりは大阪経済圏といった方がよい。しかし人口はここ近年減少傾向にあり、地価の下落も著しい。
特産物
歴史
兵庫県多紀郡は、篠山市誕生の3月31日以前は、篠山町・今田町・丹南町・西紀町の4町があった。篠山盆地を中心とする多紀郡は、近世篠山藩の支配を受けていた。篠山町は、篠山藩の城下町として、近世以来、多紀郡の中心として発展してきたが、この篠山町を中心とした多紀郡4町は比較的まとまりをもった地域であった。
1958年以来、6回目の合併協議がおこなわれたが、1996年に合併研究会が発足し、1997年に合併協議会が結成された。協議の結果、1999年4月1日に多紀郡4町が合併し、篠山市が誕生した。しかし合併後、市内各所で20億円規模の箱ものが建設され市民一人当たりの借金が200万を超えるなど市の財政は悪化、一時財政再建団体となる危険性もあったため、財政健全化を求める声が多い。
行政
歴代市長
代 | 氏名 | 就任日 | 退任日 |
---|---|---|---|
1 | 瀬戸亀男 | 1999年(平成11年)4月1日 | 2007年(平成19年)1月15日 |
2 | 酒井隆明 | 2007年(平成19年)2月25日 | 現職 |
市の行政機関として市中心部に、篠山市役所本庁舎を置く。他に、出先機関として、今田支所、丹南支所、城東支所、多紀支所、西紀支所、西紀支所西紀分局を置いている。丹波地方の国や県の行政・司法機関は、隣接市の丹波市柏原町に集中しているが、兵庫県丹波教育事務所は、篠山市に所在する。
また、旧多紀郡を主な管轄区域とする行政・司法機関として、兵庫県篠山庁舎、篠山簡易裁判所、兵庫県警篠山警察署、神戸地方法務局篠山支局、篠山区検察庁、柏原公共職業安定所篠山出張所が、篠山市に所在する。
議会
- 定数:18名
- 任期:2012年(平成24年)5月1日~2016年(平成28年)4月30日
- 議長:足立義則(無所属)
- 副議長:大上磯松(真風)
会派名 | 議席数 |
---|---|
青藍会 | 6 |
破竹会 | 3 |
真風 | 2 |
公明党 | 2 |
報市会 | 2 |
無所属 | 3 |
※2014年(平成26年)3月12日現在。
隣接市町村
北は丹波市および京都府の福知山市、東は京都府の南丹市および船井郡、西は加東市と西脇市、南は三田市、川辺郡及び大阪府の豊能郡にそれぞれ接しており、文化的・経済的には丹波市又は三田市との結びつきが強い。また平成の大合併により篠山市の周辺では、福知山市、丹波市、南丹市、加東市など多くの自治体が合併を進めてきた。その結果篠山市は、従来地理的に離れていた福知山市と接することとなった。
兵庫県 |
大阪府京都府 |
姉妹都市
海外
- テンプレート:Flagicon ワラワラ市(アメリカ合衆国ワシントン州)
- テンプレート:Flagicon エピダウロス市(ギリシャ共和国)[1][2]
- 西紀町の「健康と福祉の里」づくりに際して医神アスクレピオスをそのシンボルとし、ゆかりの地エピダウロスと提携した。西紀支所にはアスクレピオス像が立ち、「友好の火」が灯されている。
地域
人口
平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、4.37%減の43,268人であり、増減率は県下41市町村中28位、49行政区域中36位。 テンプレート:人口統計
気候
教育
少子高齢化や市内周縁部の過疎化により、学校数は減少傾向にある。例えば小学校では統合の動きが見られ、中学校も近年において多紀中学校と城東中学校が統合し、篠山東中学校となった経緯がある。
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なお、昭和24年(1949年)4月から昭和41年(1966年)3月まで、兵庫農科大学(現、神戸大学農学部)が設置されていた。兵庫師範学校(現神戸大学発達科学部)の分校が設置されていたこともある。
マスメディア
医療
- 兵庫医科大学ささやま医療センター
- 岡本病院
- 山鳥病院
- にしき記念病院
- 上久下の森診療所(心療内科、内科、漢方内科)[3]
交通
鉄道
- 中心となる駅:篠山口駅(西日本旅客鉄道福知山線)。但し、旧丹南町域にあるため市の中心からは離れている。
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)福知山線: 草野駅 - 古市駅 - 南矢代駅 - 篠山口駅 - 丹波大山駅
- 1944年10月から1972年2月までは、国鉄篠山線が現在の市域を東西に横断する形で篠山口駅と福住駅の間を結んでいた。
バス
道路
高速自動車国道
国道
主要県道
- 兵庫県道12号川西篠山線
- 兵庫県道36号西脇篠山線
- 兵庫県道37号三田後川上線
- 兵庫県道49号三田篠山線
- 兵庫県道69号春日栗柄線
- 兵庫県道77号篠山山南線
- 兵庫県道94号丹南篠山口インター線
- 兵庫県道97号篠山三和線
一般県道
- 兵庫県道138号追入市島線
- 兵庫県道140号長安寺篠山線
- 兵庫県道141号黒石三田線
- 兵庫県道181号古市停車場線
- 兵庫県道289号東中下板井線
- 兵庫県道292号下立杭柏原線
- 兵庫県道299号大沢新東吹線
- 兵庫県道300号本郷藤坂線
- 兵庫県道301号本郷東浜谷線
- 兵庫県道303号市野々西野々線
- 兵庫県道304号泉八上新線
- 兵庫県道305号瀬利八上上線
- 兵庫県道306号池上杉線
- 兵庫県道308号曽地中三田線
- 兵庫県道309号福住三田線
- 兵庫県道311号上鴨川木津線
- 兵庫県道508号瀬利小田中線
- 兵庫県道509号桑原栗柄線
- 兵庫県道543号上宿栃梨線
- 兵庫県道544号丸山南新町線
- 兵庫県道702号篠山京丹波線
- 兵庫県道710号本郷辻線
- 兵庫県道711号遠方瑞穂線
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
(以下の記述中の「史跡」「重要文化財」「天然記念物」は、文化財保護法に基づき国が指定した史跡、重要文化財、天然記念物を指す)
名所・旧跡
- 八上城跡 史跡
- 篠山城跡 史跡 - 大書院(おおしょいん)
- 盃山城
- 垣屋城
- 市谷城
- 今福城
- 栗柄城
- 法光寺城
- 蕪丸城
- 淀山城
- 高仙寺城
- 篠山市篠山伝統的建造物群保存地区 (国選定重要伝統的建造物群保存地区)
- 御徒士町武家屋敷群 - 美しい日本の歴史的風土100選
- 小林家長屋門 - 江戸時代築、兵庫県指定文化財
- 旧安間家住宅(篠山市立武家屋敷安間家史料館) - 武家屋敷、曲屋、土蔵、江戸時代築、篠山市指定文化財
- 河原町妻入商家群
- 西坂家住宅 - 商家建築(醤油屋)、妻入り、篠山市指定文化財
- 川端家住宅 - 商家建築、平入り、入母屋造、篠山市指定文化財
- 丹波古陶館 - 江戸時代の大規模商家建築
- 能楽資料館
- 青山歴史村 - 旧篠山藩主青山氏別邸
- 御徒士町武家屋敷群 - 美しい日本の歴史的風土100選
- 高城屋敷門 - 旧八上城屋敷門(八上城唯一の遺構)、室町時代築
- 篠山市立歴史美術館 - 旧篠山藩庁、日本最古の木造裁判所の建物
- 大国寺本堂 重要文化財
- 長谷寺妙見堂 重要文化財
- 春日神社 - 能舞台が重要文化財
- 鳳鳴酒造本社 登録有形文化財
- 上田家住宅 登録有形文化財
- 西尾家住宅 登録有形文化財
- 追手神社のモミ(樹齢400年、天然記念物) - 日本最大のモミ
- 日置のハダカガヤ(樹齢600年、天然記念物)
- 王地山陶器所
文化施設・観光スポット
- 兵庫陶芸美術館
- 立杭陶の郷
- 篠山チルドレンズミュージアム[1]
- 集落丸山[2]
- 大正ロマン館(1923年竣工、旧篠山町役場)
- お菓子の里丹波
- 丹波ミオール館(洋館。1918年竣工、旧垂水警察署であり、お菓子の里敷丹波敷地内に立地)
- 県立篠山の森公園
- 丹波杜氏酒造記念会館
- ユニトピアささやま
- 丹波猪村キャンプ場
- 丹波渓谷の森公園
- ハイマート佐仲
- たんば田園交響ホール
- 四季の森会館
- オータニモンゴルの里
- さぎそうホール
- 丹文窯
- 篠山玉水ゆり園
温泉
自然
イベント
- デカンショ祭
- 丹波篠山味まつり[[3]]
- たんば丹南味覚まつり
- 春日神社秋祭り 10月中旬に催される春日神社秋祭は4基の神輿の巡行、9台の鉾山、8台の太鼓神輿の練り込みがあり、夜の境内では毎年神輿を担ぐ男衆の激しい喧嘩が見ものとなっている。(You Tube動画 丹波新報社)[4][5][6]
- 丹波陶器まつりと物産市
- 宿場一夜夢街道
- 篠山ABCマラソン大会
- 全国車いすマラソン
- 丹波篠山ビデオ大賞
市出身の有名人
その他
- 戦時中、陸軍歩兵第170連隊の所在地で、1942年(昭和17年)11月16日にパラオ沖で米海軍潜水艦の雷撃により輸送船とともに陸軍史上前例のない軍旗海没をさせる。再交付されず、不名誉部隊として現地で解体されその後、歩兵は懲罰的に太平洋の各激戦地に送り込まれ終戦時の帰還者は僅少であった。太平洋戦争前は日中戦争で広東攻略で多大な軍功をあげている。
- 2006年夏に、篠山盆地付近に分布する地層篠山層群(中生代白亜紀前期、一億四千万年前~一億二千万年前)で肉食恐竜の歯、草食恐竜の尾椎、肋骨等の化石が発見され丹波竜と名付けられた。なお、実際の発見場所は西隣の丹波市山南町である。この地層は白亜紀前期に大陸内部の湖で堆積したものであり、日本の恐竜化石発見のメッカとなっている手取層群と類似した特徴を持っている。肉食恐竜化石は近畿初の発見であり、草食恐竜の化石は一体分が元の位置を保ってまとまっている可能性が高く、これは日本初のことである。今後、篠山層群は国内有数規模の恐竜化石産地となる可能性が高い。
- 明治時代に阪鶴鉄道(現在のJR福知山線)が開通したとき、当時の住民が鉄道が通ることに反対したため、駅が市街から遠く離れたところにつくられた(現在のJR篠山口駅)という説がある。そのために市の発展が遅れたという見方もあるが、実際に市の中心近くに鉄道を通すためにはかなり路線を迂回させなければならず、いわゆる鉄道忌避伝説の代表的な例といえる。
- デカンショ節 「デカンショデカンショで半年暮らす あとの半年ねて暮らす」の歌詞で知られるデカンショ節の発祥地として知られる。その起源については篠山町七十五年史(1955)、篠山町百年史(1980)の2冊に詳しいが、江戸時代から歌われていた篠山地方の「みつ節」の変形したものである伝えられている。また、「デカンショ」の語源については諸説紛々だが、面白いものとしては、鳳鳴出身の学生たちが、デカルト、カント、ショーペンハウエルの名の頭文字を取ったものであると言う説があり、有力な説となっている。なお、この「デカンショ節」に因んだ「デカンショ祭」が例年8月15-16日にかけて開催され、毎年10万人近い人出で賑わい、篠山の町は篠山城跡三の丸広場を中心にデカンショ一色に包まれる。
脚注
外部リンク
- 篠山市(公式サイト)
- 篠山市観光情報(公式サイト)
- 篠山市商工会(公式サイト)
- 丹波篠山の四季(Facebook公式サイト)
- 地域活性化とNPO支援 『人と里山大作戦』