河合隼雄
河合 隼雄(かわい はやお、1928年〈昭和3年〉6月23日 - 2007年〈平成19年〉7月19日)は、日本の心理学者。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。
専門は分析心理学、臨床心理学、日本文化。学位は博士(教育学)。兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。
日本人として初めてユング研究所にてユング派分析家の資格を取得し、日本における分析心理学の普及・実践に貢献した。また、箱庭療法を日本へ初めて導入した。1988年には日本臨床心理士資格認定協会を設立し、臨床心理士の資格整備にも貢献した。
目次
来歴・人物
大学卒業から米国留学まで
旧制神戸工業専門学校を経て、1952年京都大学理学部数学科を卒業。京都大学大学院に籍を置き、心理学を学びつつ数学の高校教諭として3年間勤務。
河合はロールシャッハテストから徐々に心理学に入っていき、ロールシャッハが彼の心理学の土台を築く上で大きな役割を果たしている。河合は約1000人にロールシャッハを施行した。
河合は、当時カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の教授であり投影法に精通していたブルーノ・クロッパーのロールシャッハに関する本を読んだ際、間違いと思われる個所を見つけ、手紙で質問した。すると丁寧な返事が来て、河合の指摘が正しく、河合が初めてそれを指摘したと記されていた。この手紙を契機に二人の関係が始まり、後の河合の留学先にも影響を与えた。
英語で努力を積み重ねた後、1959年にフルブライト奨学生としてカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)へ留学し、クロッパーやJ・M・シュピーゲルマンの指導を受けた。
米国ではロールシャッハに関しては教授から大きな信頼を得た。留学期間が切れた後も助手として採用されて引き続き滞在。ネイティブアメリカンについての共同研究を行った。河合は第二次世界大戦での敗北を経験しており、西欧流の合理主義に傾倒していた。しかし、河合は米国の合理的な社会制度・思想に触れ、自分の日本人としてのアイデンティティについて深く考えさせられたという。
クロッパーはかつてドイツに在住していたが、ナチスの迫害を逃れて米国へ亡命したユダヤ系であった。ヨーロッパの精神医学・心理学に精通し、ユング研究所に1年間の滞在した経験のあった彼は、河合が米国で学位を取るよりも本場のスイスのチューリッヒでユング心理学を修める方がよいと判断し、河合にスイスへの留学を勧めた。この際、河合の為に推薦書を書き、河合はユング研究所から奨学金を支給される事となった。
ユング心理学との出会い
1962年に天理大学で助教授になった後、大学の許可を得て1962年から1965年までスイスに渡り、ユング研究所](Jung Institut Zuerich) で日本人として初めてユング派分析家の資格を得る。その際、C・A・マイヤー (Meier CA) に師事した。
帰国後、1972年から1992年まで京都大学教育学部で教鞭を執る。退官後、プリンストン大学客員研究員、国際日本文化研究センター所長、文化庁長官を歴任する。
日本文化に根ざした心理療法の模索
河合は、欧米で修めた心理学を日本では同様に適用できないことに気づき、日本的環境や日本的心性にあった心理療法を工夫して創ることに苦心したという。その影響から岩波書店の編集者大塚信一(後に社長に就任)に勧められ岩波新書「コンプレックス」を出版。その頃、文化人類学者の山口昌男と出会い、親交深める。
また、彼の著作には「母性社会日本の病理」、「中空構造日本の深層」、「日本人の心のゆくえ」、「日本人という病」、「日本文化のゆくえ」などとあるように、批判的かつ創造的な問題意識をもった日本文化論がある。1979年、大塚の紹介で研究会「都市の会」に参加し、哲学者の中村雄二郎らと出会う。特に親交のある中村雄二郎との対談は「トポスの知」(TBSブリタニカ)に収められている。
日本心理臨床学会を設立し、同理事長に就任。臨床心理士制度や、スクールカウンセラー制度の確立に尽力し、日本臨床心理士会会長も務めた。
心理療法への貢献
1965年に河合は、スイスの心理学者ドラ・カルフが子どもやの成人のクライエントへのセラピーとして用いた箱庭療法 (Sandplay Therapy) を日本へ紹介した。最初は天理市と京都市に導入され、そこから徐々に日本に広がり、臨床場面で幅広く使用されるに至った。
河合は非言語的な表現が多い日本人に向いていると考えていたという。その後、日本箱庭療法学会の設立に携わる。また、1985年に国際箱庭療法学会が設立され、河合はその創設メンバーであった。
精神科医で風景構成法を考案した中井久夫(神戸大学名誉教授)は、東京で河合の箱庭に関する発表を聞き、箱庭に枠が使用されている点に注目した。そして、患者が箱庭の「枠」があるために、箱庭による自己表現が可能であり、治療効果があることに気づき、自身の風景構成法の「枠付け法」に応用した中井久夫や山中康裕などの精神科医が、箱庭療法を病院に導入したため、箱庭が教育現場だけでなく、病院臨床でも使用される契機となる。
文化庁長官就任
2002年1月18日より第16代文化庁長官に就任。民間人(非官僚)の起用は今日出海、三浦朱門に続き17年ぶり3人目となった。2年の任期が終了した後も、お得意の駄洒落で盛り上げる講演会をするなど、文化庁の知名度向上に貢献した手腕を買われ、2度に亙って長官留任を要請され、2006年10月31日まで3期4年余在任した。
在任期間中の2002年4月、文部科学省が全国の小・中学校に配布した道徳の副教材『こころのノート』の編集に携わった。また、2004年には高松塚古墳の壁画がカビによって劣化していた事実を文化庁が隠蔽していたことが明らかになり、大問題となった。2006年7月から高松塚古墳壁画問題の件で国内各地で関係者に謝罪し、同年8月に公式謝罪を行った。
2006年8月17日午前、奈良県奈良市内の私邸で脳梗塞の発作を起こして倒れ、奈良県天理市内の病院(天理よろづ相談所病院)に搬送され緊急手術を受けたものの容態は回復せず、2006年11月1日に文化庁長官職を休職。2007年1月17日付で任期切れにて退任した。
2007年7月19日14時27分、脳梗塞のため、奈良県天理市内の病院で死去[1]。テンプレート:没年齢。
逸話
- 冗談好きで、日本ウソツキクラブ会長を自称し、架空人物・大牟田雄三との共著もある。「うそは常備薬、真実は劇薬」という箴言も残している。
- 対談・座談の名手であり、対談集や共著が多い。また上記の山口昌男や中村雄二郎をはじめ、梅原猛、鶴見俊輔、森毅、安野光雅、山折哲雄、谷川俊太郎、柳田邦男、養老孟司、安藤忠雄、村上春樹、中沢新一など交友関係は多岐に渡った。
- 趣味はフルートを吹くことで、大学時代にオーケストラに所属、卒業後中断。58歳から再度フルートを習い始め、演奏会も度々開催していた。
- ビジネスとは一線を画した演奏会運営のノーハウをもつ文化ヴォランティアによる演奏会を開こうと、特定非営利活動法人文化創造を設立。設立作業を整えた1か月後に脳梗塞で倒れ、本人は一度もこの組織による演奏会を聴くこと無く死去した。
家系
河合隼雄は7人の男兄弟の五男。
長男・仁は外科医、次男・公は内科医、三男・雅雄は霊長類学者(京都大学霊長類研究所元所長)、四男・迪雄は歯科医、六男・逸雄は脳神経学者(京都大学医学部元助教授)。
臨床心理学者の河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授)、法社会学者の河合幹雄(桐蔭横浜大学法学部教授)、イタリア文学者の河合成雄(神戸大学留学生センター教授)は息子[2]。工学者の河合一穂(京都大学国際融合創造センター元非常勤研究員)、歯科医の河合峰雄(日本歯科麻酔学会理事)は甥。
経歴
略歴
- 1928年 - 兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)に生まれる。
- 兵庫県立鳳鳴高等学校(現在の兵庫県立篠山鳳鳴高等学校)卒業
- 旧制神戸工業専門学校(新制神戸大学工学部の前身)卒業
- 1952年 - 京都大学理学部数学科卒業。奈良育英高等学校教諭(数学担当)
- 1955年 - 4月、天理大学講師
- 1959年 - 9月、カリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院留学(フルブライト留学生、1961年1月まで)
- 1962年 - 4月、天理大学助教授、ユング研究所(スイス)留学(1965年1月まで)
- 1965年 - ユング派分析家資格取得
- 1969年 - 4月、天理大学教授
- 1972年 - 4月、京都大学教育学部助教授(教育心理学科 臨床心理学講座)
- 1975年 - 京都大学教育学部教授(教育心理学科 臨床心理学講座)
- 1980年 - 4月、京都大学教育学部長(1983年3月まで)
- 1987年 - 5月、国際日本文化研究センター教授併任(1990年3月まで)
- 1990年 - 6月、国際日本文化研究センター教授(専任 京都大学教育学部教授併任)
- 1992年 - 3月、京都大学名誉教授(定年退官)
- 1994年 - 4月、国際日本文化研究センター名誉教授、プリンストン大学 客員研究員
- 1995年 - 5月、国際日本文化研究センター所長( 2001年5月まで)
- 2002年 - 文化庁長官(第16代 2007年1月まで)
- 2006年 - 特定非営利活動法人「文化創造」を設立
- 2007年 - 7月19日死去。正四位瑞宝重光章受賞
学外における役職
- 日本心理臨床学会理事長(1985年11月-1991年10月、1994年11月-1997年11月、2000年11月-2003年11月)
- 日本箱庭療法学会理事長(1987年7月-1996年3月)
- 日本臨床心理士会会長。
- 国際箱庭療法学会会長(1990年8月-1995年)
- 宗教法人審議会委員(1997年-2001年)
- 中央教育審議会委員(1997年-2001年)
- 学術審議会委員(1994年-2000年)
- 「21世紀日本の構想」懇談会座長(1999年)
- 教育改革国民会議委員(2000年-2001年)
- 文部科学省顧問(2000年-2002年)
- 平城遷都1300年記念事業特別顧問
栄典・受賞歴
- 1982年 - 『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞。
- 1988年 - 『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞。
- 1992年 - 日本心理臨床学会賞受賞
- 1996年 - NHK放送文化賞。
- 1995年 - 紫綬褒章。
- 1998年 - 朝日賞。
- 2000年 - 文化功労者顕彰。
- 2007年 - 正四位瑞宝重光章。
著書
単著
- 『ユング心理学入門』(培風館、1967)のち岩波現代文庫
- 『箱庭療法入門』(誠信書房、1969)
- 『臨床場面におけるロールシヤツハ法』(岩崎学術出版社、1969)
- 『カウンセリングの実際問題』(誠信書房、1970)『カウンセリングの実際』へ改題、岩波現代文庫
- 『コンプレックス』(岩波書店<岩波新書>、1971)
- 『カウンセリングと人間性』(創元社、1975)
- 『影の現象学』(思索社、1976)のち講談社学術文庫
- 『母性社会日本の病理』(中公叢書、1976)のち講談社+α文庫
- 『昔話の深層』(福音館書店、1977)のち講談社+α文庫
- 『無意識の構造』(中公新書、1977)
- 『新しい教育と文化の探求 カウンセラーの提言』(創元社 1978)
- 『ユングの生涯』( 第三文明社 1978) (レグルス文庫)
- 『家族関係を考える』(講談社現代新書 1980)
- 『働きざかりの心理学』(PHP研究所 1981)のち文庫、新潮文庫
- 『昔話と日本人の心』(岩波書店、1982)のち現代文庫
- 『夢と昔話の深層心理』(小学館 1982)
- 『中空構造日本の深層』(中公叢書、1982)のち文庫
- 『日本人とアイデンティティ-心理療法家の眼』(創元社、1984)『日本人とアイデンティティ-心理療法家の着想』へ改題、講談社+α文庫
- 『カウンセリングを語る』(創元社 1985)のち講談社+α文庫
- 『子どもの本を読む』(光村図書出版 1985)のち講談社+α文庫
- 『心理療法論考』(新曜社 1986)新版・河合俊雄編、創元社
- 『宗教と科学の接点』(岩波書店、1986)
- 『明恵 夢を生きる』(京都松柏社・法蔵館、1987)のち講談社+α文庫
- 『子どもの宇宙』(岩波新書、1987)
- 『生と死の接点』(岩波書店、1989)のち現代文庫
- 『こころの天気図』(毎日新聞社 1990)のち三笠書房知的生き方文庫、新潮文庫
- 『<うさぎ穴>からの発信 子どもとファンタジー』(マガジンハウス 1990)『「子どもの目」からの発想』へ改題、講談社+α文庫
- 『老いのみち』(読売新聞社 1991)『「老いる」とはどういうことか』へ改題、講談社+α文庫
- 『イメージの心理学』(青土社、1991)
- 『ファンタジーを読む』(楡出版 1991)のち講談社+α文庫、岩波現代文庫
- 『とりかえばや、男と女』(新潮社、1991)のち文庫・新潮選書
- 『こころの処方箋』(新潮社、1992)のち文庫
- 『心理療法序説』(岩波書店、1992)のち現代文庫
- 『子どもと学校』(岩波新書、1992)
- 『対話する人間』(潮出版社、1992)のち講談社+α文庫
- 『対話する生と死』(潮出版社、1993)のちだいわ文庫
- 『書物との対話』(潮出版社 1993)
- 『ブックガイド心理療法 河合隼雄が読む』(日本評論社、1993)
- 『物語と人間の科学 講演集』(岩波書店、1993)『こころの最終講義』へ改題、新潮文庫
- 『中年クライシス』(朝日新聞社、1993)のち文庫
- 『河合隼雄著作集』第一期(岩波書店・全14巻、1994-95)
- 『おはなしおはなし』(朝日新聞社、1994)のち、文庫
- 『青春の夢と遊び』 (岩波書店、1994)のち講談社+α文庫、岩波現代文庫
- 『こどもはおもしろい』(講談社、1995)のち+α文庫
- 『ユング心理学と仏教』(岩波書店、1995)のち現代文庫
- 『カウンセリングを考える 』(創元社 1995)
- 『臨床教育学入門』(岩波書店 1995)
- 『ウソツキクラブ短信』大牟田雄三共著(講談社、1995)のち+α文庫
- 『物語とふしぎ 子どもが本に出会うとき』(岩波書店、1996)のち現代文庫
- 『「人生学」ことはじめ』(講談社 1996)
- 『子どもと悪』(岩波書店、1997)
- 『対話する家族』(潮出版社 1997)
- 『河合隼雄の人生読本』(潮出版社 1997)
- 『河合隼雄のカウンセリング入門 実技指導をとおして』(創元社 1998)
- 『日本人の心のゆくえ』(岩波書店、1998)
- 『しあわせ眼鏡』(海鳴社 1998)
- 『これからの日本』(潮出版社 1999)
- 『「日本人」という病』(潮出版社、1999)のち静山社文庫
- 『Q&A こころの子育て 誕生から思春期までの48章』(朝日新聞社、1999)のち文庫
- 『こころと人生』(創元社、1999)
- 『いじめと不登校』(潮出版社、1999)のち新潮文庫
- 『平成おとぎ話』(潮出版社、2000)
- 『おはなしの知恵』(朝日新聞社、2000)のち文庫
- 『日本文化のゆくえ』(岩波書店、2000)のち現代文庫
- 『猫だましい』(新潮社、2000)のち文庫
- 『河合隼雄のカウンセリング講座』(創元社 2000)
- 『人の心はどこまでわかるか』(講談社+α新書、2000)
- 『紫マンダラ 源氏物語の構図』(小学館、2000)『源氏物語と日本人―紫マンダラ』へ改題、講談社+α文庫
- 『未来への記憶 自伝の試み』(岩波新書、2001)
- 『河合隼雄著作集』第二期(岩波書店・全11巻、2001-04)
- 『「出会い」の不思議』(創元社、2002)
- 『より道 わき道 散歩道』(創元社、2002)
- 『ナバホへの旅 たましいの風景』(朝日新聞社、2002)のち文庫
- 『物語を生きる 今は昔、昔は今』(小学館、2002)
- 『心理療法入門』(岩波書店、2002)のち現代文庫
- 『臨床心理学ノート』(金剛出版、2003)
- 『縦糸横糸』(新潮社、2003)のち文庫
- 『神話と日本人の心』(岩波書店、2003)
- 『ケルト巡り』(日本放送出版協会、2004)『ケルトを巡る旅 神話と伝説の地』へ改題、講談社+α文庫
- 『ココロの止まり木』(朝日新聞社、2004)のち文庫
- 『深層意識への道』(岩波書店、2004)
- 『父親の力 母親の力 「イエ」を出て「家」に帰る』講談社+α新書、2004
- 『大人の友情』(朝日新聞社、2005)のち、文庫
- 『過保護なくして親離れはない』(五月書房、2005)
- 『心の扉を開く』(岩波書店、2006)『こころの読書教室』へ改題、新潮文庫
- 『神話の心理学 現代人の生き方のヒント』(大和書房、2006)
- 『泣き虫ハァちゃん』(新潮社、2007)のち文庫
- 『河合隼雄の“こころ” 教えることは寄り添うこと』(小学館、2008)
- 『河合隼雄のスクールカウンセリング講演録』村山正治,滝口俊子編(創元社、2008)
- 『河合隼雄のカウンセリング教室』(創元社、2009)
- 『生きたことば、動くこころ 河合隼雄語録』河合俊雄編(岩波書店、2010)
- 『河合隼雄のカウンセリング講話』(創元社、2012)
- 『私が語り伝えたかったこと』(河出書房新社、2014)
対談集
- 『人間の深層にひそむもの おとなとこどもの心理療法』(大和書房 1979)
- 『あなたが子どもだったころ』(光村図書 1988)のち講談社+α文庫
- 『河合隼雄全対話』全10巻(第三文明社、1989-99)
- 『物語をものがたる 河合隼雄対談集』(小学館、1994)
- 『河合隼雄対話集 科学の新しい方法論を探る』(三田出版会 1994)のち講談社+α文庫
- 『こころの声を聴く 河合隼雄対話集』(新潮社、1995)のち文庫
- 『続 物語をものがたる 河合隼雄対談集』(小学館、1997)
- 『閉ざされた心との対話 心理療法の現場から 上』(講談社 1999)
- 『心にある癒す力治る力 心理療法の現場から 下』(講談社 2000)
- 『日本人の心』(潮出版社、2001)
- 『続々 物語をものがたる 河合隼雄対談集』(小学館、2002)
- 『いのちの対話』(潮出版社、2002)
- 『河合隼雄の万博茶席 しなやかウーマンと21世紀を語る』(中日新聞社 2005)
- 『心理療法対話』(岩波書店、2008)
- 『人の心がつくりだすもの』(大和書房、2008)
- 『子ども力がいっぱい 河合隼雄が聞く「あなたが子どもだったころ」』(光村図書出版 2008)
共著
- (小此木啓吾)『フロイトとユング』(思索社)のち、講談社学術文庫
- (谷川俊太郎)『魂にメスはいらない』(朝日出版社)のち、講談社+α文庫
- (中村雄二郎)『トポスの知』(TBSブリタニカ)
- (湯浅泰雄、吉田敦彦)『日本神話の思想』(ミネルヴァ書房)
- (鶴見俊輔)『時代を読む』(潮出版社)
- (中西進、山田慶児)『むかし琵琶湖で鯨が捕れた』(潮出版社)
- (杉本秀太郎、山折哲雄、山田慶児)『洛中巻談』(潮出版社)
- (大江健三郎、谷川俊太郎)『日本語と日本人の心』(岩波書店)のち、現代文庫
- (青柳恵介、安土孝、多田富雄ほか)『白洲正子を読む』(求龍堂)
- (村上春樹)『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』(岩波書店)のち、新潮文庫
- (安野光雅)『生きることはすごいこと』(講談社)
- (見田宗介、谷川俊太郎)『子どもと大人―今ここに生きる子ども』(岩波書店)
- (長田弘)『子どもの本の森へ』(岩波書店)
- (中沢新一)『ブッダの夢』(朝日新聞社)のち、文庫
- (日高敏隆)『日本文化の新しい顔』(岩波書店)
- (杉本秀太郎、山折哲雄、山田慶児)『先端科学の現在』(潮出版社)
- (松岡和子)『快読シェイクスピア』(新潮社)のち文庫、増補版でちくま文庫
- (梅原猛、松井孝典)『いま、いのちを考える』(岩波書店)
- (山田太一、谷川俊太郎)『家族はどこにいくのか』(岩波書店)
- (小林康夫、中沢新一、田坂広志)『こころの生態系』(講談社+α新書・講談社)
- (松居直、柳田邦男)『絵本の力』(岩波書店)
- (阪田寛夫、谷川俊太郎、池田直樹)『声の力』(岩波書店)
- (加賀乙彦、山折哲雄、合庭惇)『宗教を知る人間を知る』(講談社)
- (白洲正子)『縁は異なもの』(河出書房新社)のち、光文社知恵の森文庫
- (石井米雄)『日本人とグローバリゼーション』(講談社+α新書・講談社)
- (柳田邦男)『心の深みへ―「うつ社会」脱出のために―』(講談社)のち、新潮文庫
- (鷲田清一)『臨床とことば 心理学と哲学のあわいに探る臨床の知』(阪急コミュニケーションズ)のち、『臨床とことば』へ改題、朝日文庫
- (吉本ばなな)『なるほどの対話』(NHK出版)のち、新潮文庫
- (中沢新一)『仏教が好き!』(朝日新聞社)のち、文庫
- (工藤直子、佐伯胖、森毅)『学ぶ力』(岩波書店)
- (中川牧三)『101歳の人生を聞く』(講談社)
- (谷川浩司)『無為の力』(PHP研究所)のち、『「あるがまま」を受け入れる技術 何もしないことが、プラスの力を生む』へ改題、文庫
- (養老孟司、筒井康隆)『笑いの力』(岩波書店)
- (ヨゼフ・ピタウ)『聖地アッシジの対話―聖フランチェスコと明恵上人』(藤原書店)
- (鎌田東二、山折哲雄、橋本武人)『日本の精神性と宗教』(創元社)
- (立花隆、谷川俊太郎)『読む力聴く力』(岩波書店)
- (茂木健一郎)『こころと脳の対話』(潮出版社)のち新潮文庫
- (小川洋子)『生きるとは、自分の物語をつくること』(新潮社)のち文庫
英書
- Hayao Kawai,The Japanese Psyche: Major Motifs in the Fairy Tales of Japan,Spring Publications,1961
- Hayao Kawai,Dreams, Myths and Fairy Tales in Japan(Paperback),Daimon, 1995 のちに『日本人の心を解く 夢・神話・物語の深層へ』河合俊雄訳 岩波現代全書・岩波書店 2013
- Hayao Kawai,The Buddhist Priest Myoe: A Life of Dreams, Lapis Press,1991
- Hayao Kawai, Buddhism and the Art of Psychotherapy(Carolyn and Ernest Fay Series in Analytical Psychology), Texas A&M University Press, 1996
- Hayao Kawai,Robert N,Bellah(共著),National Values and International Differences; Moral Visions in Japan and the U.S,(Mansfield American-Pacific Lectures), University of Montana Mansfield,1995
- Kawai Hayao,The Hidden Gods in Japanese Mythology, Eranos 54-1985(Frankfurt am Main: Insel Verlag, 1987), 397-426
独書
- Hayao Kawai,Myoes Traumchronik.Wie Myoe seine Traeume lebte,Daimon Verlag,2001
- Hayao Kawai, Harmonie im Widerspruch. Die Frau im japanischen Maerchen,Daimon Verlag,2003
- Hayao Kawai, Die Frauen um Prinz Genji. Eine japanische Geschichte voller Weisheit,Daimon Verlag,2003
翻訳
- B.クロッパー,H.H.ディビッドソン著『ロールシャッハ・テクニック入門』ダイヤモンド社,1964
- (監訳)ユング等『人間と象徴 無意識の世界』河出書房新社,1972
- (藤縄昭・出井淑子共訳)アニエラ・ヤッフェ編『ユング自伝 思い出・夢・思想 1-2』みすず書房,1972-73
- (監修)エリック・ノイマン著『アモールとプシケー』紀伊国屋書店,1973
- (皆河宗一・高橋英夫共訳)ポール・ラディン,カール・ケレーニイ,ユング著『トリックスター』晶文社,1974
- (浪花博共訳)J.ヘンダーソン著『夢と神話の世界 通過儀礼の深層心理学的解明』新泉社 1974
- (村上陽一郎共訳)ユング,W.パウリ著『自然現象と心の構造 非因果的連関の原理』海鳴社,1976
- (浪花博共訳)アンソニー・ストー著『ユング』岩波書店 1978,のち同時代ライブラリー、現代文庫
- (河合幹雄共訳)イラ・プロゴフ『ユングと共時性』創元社,1987
その他
- 臨床的知の探究 : 河合隼雄教授還暦記念論文集.上・下 責任表示 山中康裕,斎藤久美子共編 創元社 1988.6
- 臨床家河合隼雄 谷川俊太郎,鷲田清一,河合俊雄共編 岩波書店 2009.9
- 思想家河合隼雄 中沢新一,河合俊雄共編 岩波書店 2009.10
CD
脚注
参考文献
- 『河合隼雄を読む』(講談社編・講談社、1998年) ISBN 978-4062095280
- 『文藝別冊 河合隼雄 こころの処方箋を求めて』(河出書房新社、2001年) ISBN 978-4309976075
- 季刊 『考える人 追悼特集 さようなら、こんにちは 河合隼雄さん 』 (No.23 2008年冬号・新潮社、2008年)
- 季刊『飛ぶ教室 追悼河合隼雄 河合さんと子どもの本の森へ 』 (No.12 2008年冬号・光村図書出版、2008年)
- 隔月刊 『 臨床心理学 特集 河合隼雄 - その存在と足跡 』 (Vol.8, No.1, 通巻第43号・金剛出版、2008年1月)
- 大塚信一『河合隼雄 心理療法家の誕生』(トランスビュー、2009年6月) ISBN 978-4901510752
- 大塚信一『河合隼雄 物語を生きる』(トランスビュー、2010年10月) ISBN 978-4901510943
関連項目
交友のあった人物
- 森毅
- 山中康裕
- 中井久夫
- 木村敏
- 土居健郎
- 今西錦司
- 井筒俊彦
- 上田閑照
- 白洲正子
- 中村雄二郎
- 山口昌男
- 多木浩二
- 市川浩
- 前田愛
- 大塚信一
- 鶴見俊輔
- 梅原猛
- 山折哲雄
- 安野光雅
- 谷川俊太郎
- 今江祥智
- 柳田邦男
- 養老孟司
- 立花隆
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