PHP研究所
テンプレート:Infobox 株式会社PHP研究所(ピーエイチピーけんきゅうしょ、テンプレート:Lang-en-short)は、パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助によって創設され、出版事業を主体に行っている出版社。2010年10月1日、政策シンクタンクを標榜する株式会社PHP総合研究所を吸収合併した[1]。
従業員数が300人を越える出版社では、東京のほかに京都に本部を置く数少ない存在である。京都本部の住所は京都市南区西九条北ノ内町11(テンプレート:Coord)、東京本部は千代田区三番町3番地の10(テンプレート:Coord)。
概要
「PHP」とは、「Peace and Happiness through Prosperity」(繁栄によって平和と幸福を)の頭文字をとった語で、「物心両面の繁栄により、平和と幸福を実現していく」という松下幸之助の願いのもと、月刊誌『PHP』・『Voice』などの雑誌や単行本の出版、民間シンクタンク・PHP総合研究所によるPHP理念や地域政策、安全保障などの研究及び政策提言、「PHPゼミナール」などによる啓発セミナー活動、「PHP友の会」実践活動への支援などを主な活動・事業として行なっている。数多くの国会議員を輩出している松下政経塾とは姉妹関係にあり、交流も盛んである。
事業内容
業績の9割以上を占める出版事業は、企業直販向けの部門と、書店・一般向けの部門に分かれる(直販の出版物も、注文をすれば一般の読者も手に入れることができる)。前者の直販部門の編集部は京都にあり、通常の書籍、雑誌の編集部は東京に置かれている。京都と東京を拠点に教育研修事業も手がけるが、社員教育用書籍などの面で出版事業との接点は少なくない。教育研修事業は、松下幸之助の人材育成手法や哲学(人間観)に通じるものがあるとして、コーチングと呼ばれる自己啓発の手法を中核に据え[2]、自己啓発セミナー会社との人的ネットワーク[3]を築いている。
年間の出版点数は600点を越え、出版社別の年間発行点数ランキングでは常時トップ10入りしている。月刊誌から単行本、PHP文庫、PHP新書など数多くのラインアップを持ち、内容も多岐に渡っている。一般書では概して保守的な内容のものや精神論的なものが目立つが、同社の出版物の大部分を占めるビジネス書では成功哲学や自己啓発書が多くみられる。また、児童書や宮部みゆきなどによる文芸書も発行され、さらにPHP文庫ではガンダムにまつわる著作も複数ある。
代表作は松下幸之助の『道をひらく』など。2000年代だと2005年に『頭がいい人、悪い人の話し方』(樋口裕一(著))が250万部を越えるミリオンセラーになり、また、『子どもの育つ魔法の言葉』(ドロシー・ロー・ノルト(著)ら)、『女性の品格』(坂東真理子(著))も大ヒットした。近年は同社では異色の出版物といえる『ドアラのひみつ』[4] や『元素周期 萌えて覚える化学の基本』[5][6]、『ねこ耳少女の量子論 萌える最新物理学』[7][8]が話題を呼んでいる。2009年には直木賞受賞作品(山本兼一『利休にたずねよ』)を出した[9]。
同社の経営目標は、前述のPHPの理念を「普及」させることであるため、他の出版社で言う「営業部」「販売部」は「普及部」と呼ばれ、それに属する従業員は「普及員」と呼ばれる。全ての国民に平等にという理念を持っているため、対象者が大都市に限定される電車の中吊り広告を行なわない方針を採っている。
刊行物
- 児童文学(PHP創作シリーズ)
- ゆうれいシリーズ
- 絵事典シリーズ
- 大図鑑シリーズ
など
雑誌
など
デジタルコンテンツ
など
脚注
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ PHP INTERFACE「研修・教材」
- ↑ これは教育研修事業だけではなく、出版事業や研究事業も含めた全社的な展開となっている。
- ↑ 飯島裕子 「【ベストセラー秘話】「ドアラのひみつ」(ドアラ著、PHP研究所)」 MSN産経ニュース、2008年3月30日。
- ↑ 「エレメントガールズ:元素が美少女キャラの“参考書”に 「萌えて覚える化学の基本」」 まんたんウェブ、2008年11月8日。
- ↑ 「美少女キャラで覚える――萌える元素」『朝日新聞』2009年2月21日付夕刊、第3版、第6面。
- ↑ 「萌え本が進化!“理系×萌え”が新たなブーム」 東京ウォーカー、2009年4月5日。
- ↑ 「【竹内薫の科学・時事放談】萌える物理学 まじめ人間・竹内薫の危機!?」 MSN産経ニュース、2009年2月14日。
- ↑ 「第140回直木賞は2作同時受賞!」 All About、2009年1月15日。
- ↑ 「山本七平賞の概要」 PHP研究所、2009年2月22日閲覧。