丹波市
2004年11月1日に兵庫県氷上郡に属していた6町(氷上町、柏原町、青垣町、春日町、山南町、市島町)が合併し、新設された。
目次
地理
兵庫県の東部に位置し、瀬戸内海と日本海のほぼ中間部に位置する山間にある。加古川水系の最上流、由良川水系の最上流に位置し、北海道と末端部を除けば日本で一番標高が低い中央分水界がある。また、子午線(東経135度線)が通る町でもある。
テンプレート:要出典範囲。標高100m前後の盆地に、田畑が広がり、霧の出ることも多い。積雪は近年では年数回程度であるが、旧青垣町は豪雪地帯に指定されている。また面積は県下5位である。
人口
平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、4.28%減の67,780人であり、増減率は県下41市町中27位、49行政区域中35位。 テンプレート:人口統計
気象
隣接している自治体
- 兵庫県
- 京都府
歴史
古代の丹波国の西端に位置する氷上郡の地である。4,5世紀の著名な古墳としては親王塚古墳(氷上地区)、二間塚古墳(春日地区)があり、古社としては春日町の兵主神社(式外社)が知られている。
戦国時代には「丹波の赤鬼」として知られた赤井直正が春日地区の黒井城に拠って三丹に武威を轟かしている。明智光秀の丹波攻めは赤井直正討伐が主眼となっていたが、直正は病没するまでの3年間、明智軍の猛攻に屈しなかった。この頃柏原八幡神社など明智光秀の丹波攻めによって焼かれたという寺院もあるため、今でも光秀に対する恨み言を聞くことがあり、現代でも光秀を敬愛されている亀岡市や福知山市とは歴史観を異にしている。
江戸時代には、柏原が織田家二万石(織田信雄系)の城下町となるが、藩屋敷はあったものの城はなかった。市域全体としては、柏原藩、三田藩、鶴牧藩の領地や旗本領が複雑に入り組んでいた。1871年豊岡県に統合され、1876年兵庫県に属した。この他、徳川家光の乳母・春日局は春日地区に生まれたとされている。
年表
- 2004年(平成16年)11月1日 - 兵庫県氷上郡氷上町、柏原町、青垣町、春日町、山南町、市島町の6町が合併し、新設された。同時に市章を制定する。[1][2]
- 2007年(平成19年)4月1日 - 市花・市木を制定する。[3]
行政
市長
- 辻重五郎(つじ じゅうごろう、2004年12月5日 - )
- 氷上郡教育委員会の教育長などを歴任後、市長に就任した。
市名制定に関する経緯
氷上郡6町の合併にあたっては、新市名候補の公募がなされた。この結果では「氷上」の応募が最多となったほか、「ひかみ」が3位となるなど郡名(あるいは町名)に因んだ応募が比較的多かった。これに対し、氷上郡合併協議会は「ブランド力の活用」などの理由で応募数では2位の「丹波市」を合併協議会委員の投票により選定したが、これに対して地元住民のほか篠山市[4]や綾部市[5]など丹波地域内の周辺自治体などから見直しを求める声が上がった。これを受けて合併協議会は改めて検討を行ったが、「公募は人気投票ではなく、応募数は参考に留めるものである」「公正なルールに従って選定された」「旧国名を採用している事例はほかにも多い」といった理由により見直されることはなかった。[6]
なお、一連の経緯については、竹内正浩が平成の大合併で誕生した各地の地名を考察した著書『日本の珍地名』[7]の中で「京都府をはじめ全国的な反発を買ったという“事件”」と評価している。
市議会
- 定数 : 20人
- 議長 : 奥村正行(おくむら まさゆき)
市役所
- 市役所 - 丹波市氷上町成松字甲賀1番地
- 春日庁舎 - 丹波市春日町黒井811番地
- 柏原支所 - 丹波市柏原町柏原1番地
- 青垣支所 - 丹波市青垣町佐治114番地(青垣住民センター内)
- 山南支所 - 丹波市山南町谷川1110番地
- 市島支所 - 丹波市市島町上田448番地1
警察
消防
国の機関
- 神戸地方裁判所 柏原支部
- 神戸家庭裁判所 柏原支部
- 柏原簡易裁判所
- 神戸地方検察庁 柏原支部
- 柏原区検察庁・篠山区検察庁
- 神戸地方法務局 柏原支局
- 大阪国税局 柏原税務署
- 兵庫労働局 柏原公共職業安定所
- 自衛隊兵庫地方協力本部 柏原地域事務所
県の機関
- 兵庫県柏原総合庁舎・丹波県民局
- 兵庫県川西こども家庭センター丹波分室
- 兵庫県森林動物研究センター
市章
- 「丹」を図案化し、当市のキャッチフレーズである「人と自然の交流文化都市」を表し、色は自然を表す緑色が指定された。一般公募により、2004年3月23日から2004年4月30日まで募集し、選定結果で大阪府大阪狭山市在住のグラフィックデザイナーによって2004年7月21日に決定し、[8]合併日の2004年11月1日に制定された。[1][2]
経済
産業
- 農林業中心ではあるが、工業も盛んである。パルプ、ベッド、釣り針、自動車ケーブル、携帯電話、菓子などを生産する。また、かつては毛皮の生産地でもあった。このほか、ぼたん鍋用猪の飼育も行われている。
- 市内の春日町は、丹波大納言小豆の発祥地とされる。
- ゆめタウン氷上(イズミ)やコープこうべのショッピングセンターなどの大規模小売施設のほか、市内各地にスーパー(さとう、ニチリウグループ)やコンビニエンスストアーなどがあり、市内の日常的な購買需要はほぼ満たされている。北近畿豊岡自動車道氷上インターチェンジ周辺にはロードサイド店舗が立地している。[9]しかし、市東北部の市島町は福知山都市圏に位置しており、隣接する京都府福知山市の商業・産業に多くを依存しているほか、福知山市の商業施設や病院などの利用は特に多い。その一方、市南部の山南町は隣接する播磨北東の中核都市西脇市との関連が深い。
地域
大字
教育
高等学校
このほか、市外にあるテンプレート:要出典範囲。
中学校
小学校
- 丹波市立新井小学校
- 丹波市立崇広小学校
- 丹波市立西小学校
- 丹波市立中央小学校
- 丹波市立東小学校
- 丹波市立南小学校
- 丹波市立北小学校
- 丹波市立芦田小学校
- 丹波市立遠阪小学校
- 丹波市立佐治小学校
- 丹波市立神楽小学校
- 丹波市立黒井小学校
- 丹波市立春日部小学校
- 丹波市立進修小学校
- 丹波市立船城小学校
- 丹波市立大路小学校
- 丹波市立久下小学校
- 丹波市立小川小学校
- 丹波市立上久下小学校
- 丹波市立和田小学校
- 丹波市立鴨庄小学校
- 丹波市立吉見小学校
- 丹波市立三輪小学校
- 丹波市立前山小学校
- 丹波市立竹田小学校
特別支援学校
医療
救急患者の半数が市外へ搬送される現状から、「医療崩壊」を指摘する報道もなされている[10]。
- 兵庫県立柏原病院 - 県立柏原病院の小児科を守る会
- 柏原赤十字病院
- 大塚病院
交通
鉄道(JRの特急)を利用した場合、大阪駅より約1時間10分程度で柏原駅まで到達できる。なお、大阪市からの高速バスは市内を起終点とした系統は設定されていないが、一部の系統が氷上バスストップなどに停車する。
日本の大都市以外の場所で散見されるように、当市でも全域において公共交通機関網は細部に及んでいないほか、運行本数も少なく利便性に乏しい。また、モータリゼーションが進んでおり、テンプレート:要出典範囲。テンプレート:要出典範囲。
鉄道
一般路線バス
高速バス
1990年代半ば頃までは、中国ハイウェイバス(新大阪駅 - 西脇 - 柏原)や福知山高速線(大阪駅 - 福知山駅)といった路線が市域を介して運行され停車していたが、前者は運行区間短縮、後者は全線が廃止となった。また、特急バス(三ノ宮 - 佐治・柏原)は運行経路が変更されたうえで市域にある「関西記念墓園」までの運行となった。これらの施策により、広域の利用については一部の利用機会を喪失している。
一方、2005年4月よりそれまで市内を通過していた大阪・神戸から城崎・湯村温泉への特急バスが停車するようになった。
- 関西記念墓園バス停
道路
高速自動車国道
- 舞鶴若狭自動車道
- 春日インターチェンジ (IC)
一般国道
- 2005年4月17日、春日ICから氷上ICの供用が開始された。同道路はのちに、丹波市(春日IC)から朝来市(和田山IC)まで結ばれ、自動車専用道路として供用されている。なお、当道は国の直轄事業として整備されたことから通行料金は無料となっている。
県道
- その他の県道
道の駅
メディア
新聞
テレビ
- サンテレビ 丹波総局
地上デジタル放送中継局の開局状況は以下のとおりである(2010年10月現在)。
ラジオ
- AM局
- ラジオ関西 - 558khzおよび1395khz
- NHKラジオ第1放送 - 666khz
- NHKラジオ第2放送 - 828khz
- 朝日放送(ABCラジオ) - 1008khz
- 毎日放送(MBSラジオ) - 1179khz
- 大阪放送(ラジオ大阪) - 1314khz
- FM局
- 関西インターメディア (FM-COCOLO) - 76.5Mhz
- 兵庫エフエム放送 (Kiss-FM KOBE) - 78.3Mhz(氷上中継局、出力100w)
- エフエム京都 (α-station) - 81.3Mhz
- NHK-FM - 88.6Mhz(氷上中継局、出力100w)
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 市島地域
- 柏原地域
- 兵庫県立丹波年輪の里
- 柏原藩陣屋跡 - 国の史跡。
- 柏原藩織田家旧邸長屋門
- 織田家廟所
- 柏原八幡神社 - 1024年創建。1585年建立の社殿は国の重要文化財。
- 柏原町歴史民俗資料館(田ステ女記念館)
- 兵庫県立柏原高等学校記念館 - 1911年築の洋風校舎建築。
- 旧氷上郡各町村組合立高等小学校 - 1885年築の洋風校舎建築。
- 木の根橋 - 兵庫県天然記念物。
- 太鼓やぐら
- 丹波の森公苑
- 新井神社 - 6世紀創建、17世紀築の社殿は兵庫県指定文化財。
- おさんの森 - 井原西鶴が記した「好色五人女」巻之三の題材となった「おさんと茂兵衛」が、逃亡中に立ち寄ったとされる史跡。
- 鬼の架け橋 - 鐘ヶ坂付近の山上に存在する、自然石による橋梁状の物体。
- 鐘ヶ坂不動滝 - 鐘ヶ坂にある滝。
- 春日地域
- 山南地域
- 岩尾城跡
- 旧友井家住宅
- 薬草薬樹公園
- 川代峡谷、川代公園
- 首切地蔵尊
- 石龕寺
- 氷上地域
出身有名人
- 田捨女(歌人。江戸時代の女六歌仙の一人、6歳で「雪の朝 二の字二の字の 下駄のあと」を詠む。)
- 深尾須磨子(詩人)
- 春日局(江戸幕府3代将軍徳川家光の乳母)
- 細見綾子(俳人。旧青垣町出身)
- 大西瀧治郎(海軍中将。旧青垣町出身)
- 秋山徳三郎(陸軍中将。陸軍燃料本部長。陸軍築城本部長。旧青垣町出身)
- 荻野丹雪(墨象家。グラフィックデザイナー)
- 佐々木恭介(元近鉄バファローズ監督。旧青垣町出身)
- 上井寛圓(大本山大覚寺第58世門跡)
- 有田喜一(元自民党衆議院議員。元防衛庁長官、文部大臣兼科学技術庁長官。旧氷上町出身)
- 西山敬次郎(元自民党衆議院議員。元近畿通産局長。旧市島町出身)
- 山名靖英(元公明党衆議院議員。旧市島町出身)
- 足立良平(元民主党参議院議員。旧青垣町出身)
- 足立光宏(プロ野球選手。本籍地が旧青垣町出身)
- 上島竜兵(ダチョウ倶楽部。旧春日町生まれ)
- 荻野琢真(騎手)
- 藤本幸人(技術者)
- 江上剛(作家。旧山南町出身)
- 荒木宏文(俳優。旧市島町出身)
- 小南泰葉(シンガーソングライター)
その他
郵便番号は以下の通りである。
- 成松郵便局 : 669-36xx
- 沼貫郵便局 : 669-35xx
- 石生郵便局 : 669-34xx
- 丹波郵便局 : 669-33xx
- 山南郵便局 : 669-31xx
- 青垣郵便局 : 669-38xx
- 黒井郵便局 : 669-41xx
- 国領郵便局 : 669-42xx
- 市島郵便局 : 669-43xx
NTTの電話の単位料金区域(MA)は「丹波柏原」市外局番は0795(市内局番は70〜89)。天気予報は078-177。なお、同一市外局番の西脇MA(西脇市、多可郡、加東市:市内局番20〜49)へ電話をかけるには市外局番が必要である。
自動車のナンバープレートは「神戸ナンバー」(神戸運輸監理部兵庫陸運部魚崎庁舎)である。
関連項目
参考文献
脚注
外部リンク
- ↑ 1.0 1.1 図典 日本の市町村章 p160
- ↑ 2.0 2.1 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 神戸新聞(2003年5月21日付)
- ↑ 丹波新聞(2003年6月22日付)
- ↑ 新市のなまえ 丹波市 - 氷上郡合併協議会(丹波市、2011年5月17日閲覧)
- ↑ 文春新書、2009年8月刊行、ISBN 9784166606979
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ [1] - 神戸新聞テンプレート:リンク切れ