列車種別
列車種別(れっしゃしゅべつ)とは、特急・急行・各駅停車や回送列車など、停車駅やサービスなどの違いによる列車の種類をさす[1]。列車種別の名称や、名称が指すサービスは事業者ごとに異なる。本稿は特に断りがない限り、日本の旅客列車に関する列車種別を主題として記述している。
目次
概要
移動自体を楽しむ観光列車を除けば、輸送は旅客に大きな身体的、経済的負担をかけないことが望ましい。そのため、鉄道では各駅に停車する列車に加え、停車駅を限定した列車を運行することで速達サービスが提供される。旅客は様々な区間で発生するため、それら旅客のニーズにこたえるためには複数の列車種別を運行するが必要となる。つまり列車種別は、利用客のニーズを鉄道の構造上の制約の中で最大限に満足させるために生まれた運行上の工夫[2]から生じたものである。
列車種別は事業者によって異なるが、概ね特急、急行、快速、準急、普通(各駅停車)の順に停車駅が多くなる。東武鉄道など、快速が急行より停車駅が少ない路線もある。また、「通勤」・「区間」・「快速」・「準」などを頭に付け、種別を細分化している事業者もある。
列車種別は、法令に準じる厳格な規則の中で定められた事もあれば、現場の従業員の判断で便宜的に命名されたようなものもある。JRの普通列車のように、規則上の取り扱いと、実際の営業案内上の取り扱いが異なるケースもある。
JR・日本国有鉄道の列車種別
JR・国鉄の旅客営業規則においては、列車を規定する用語として「急行列車」と「普通列車」を使用している。このうち、急行列車は普通急行列車を特別急行列車を含む用語である。快速列車は普通列車に含まれる列車種別である。この節では、この分類に則って各列車種別を説明する。
急行列車
急行列車は、目的地まで速達することを重視する列車として設定され、乗車の際に乗車券以外の料金を必要とする列車としている。急行列車はさらに普通急行列車(「急行」)と特別急行列車(「特急」)とに分けられる。普通急行列車に乗るには普通急行券(券面には「急行券」とも表示される)が、特別急行列車に乗るには特別急行券(特急券)が必要となる。また、1968年9月以前には準急行列車(準急)も存在した。かつての準急行列車も、準急行券(準急券)が必要であった。
普通列車
急行列車以外の列車を普通列車としている。普通列車は、乗車券だけで乗ることができる。通常は各駅に停車する種別であるが、いくつかの路線では通過駅を有する普通列車が運行されている。例えば、日中や早朝、深夜の時間帯において、需要が全く望めない駅を通過する場合がある。その他、都市近郊の複々線では「普通列車」と「各駅停車」とが並立し、前者はホームがない駅で名目上「通過」する場合がある。
普通列車のうち、途中駅の一部に停車しない列車は一般に快速列車という。快速列車は、停車駅のパターンや運行時間などにより、様々な呼称がつけられている。快速より停車駅が多い区間快速、B快速、準快速、快速より停車駅が少ない特別快速、新快速、ラッシュ時のみ運転される通勤快速、直通快速、休日のみ運転されるホリデー快速などが存在する。、また、西日本旅客鉄道(JR西日本)の大和路快速・丹波路快速・みやこ路快速・関空・紀州路快速、東日本旅客鉄道(JR東日本)の青梅特快・中央特快など、路線名や行き先・方面の地名が付けられた種別名もある。
常磐線では、最近まで、同じ線路を走る通勤形電車使用の「快速電車」より中距離電車である普通列車のほうが停車駅が少なかった。
日本の民鉄事業者の列車種別
特急
特急は、京王電鉄など乗車券だけで乗れる運行する事業者と、西武鉄道など、乗車券の他に特急券が必要な特急を運行する事業者がある。
京成電鉄は、ライナー用電車による「スカイライナー」系統には「ライナー券」と呼ばれる特急券が必要であるが、一般形電車による特急においては運賃のみで乗車できる。京成部内では前者を「特別急行(A)」、後者を「特別急行(B)」と呼称している。
東武鉄道では、伊勢崎線系統(「りょうもう」)・日光線系統(「けごん」・「きぬ」)のいわゆる本線系統と東上線系統とで、特急券の有無が異なっていた。前者の場合、特急については専用車両を使用し、座席指定制の特別急行券を要するが、後者は一般車両を使用し、座席指定などは特に行っていなかった。近畿日本鉄道においても、特急券が必要な座席指定制の特急とは別に、奈良線において一般通勤用車両を使用した料金不要の「特急」が運転されていた(1972年11月に料金不要の「特急」は「快速急行」に改称されている)。
特急に類する列車種別
「特急」より停車駅の少ない列車種別や、「特急」より停車駅が多く「急行」より停車駅が多い列車種別を運行する事業者もある。
特急より停車駅が少ない列車を運行する会社と種別 | ||||
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運行会社 | 種別 | 説明 | ||
京浜急行電鉄 | 京急ウィング号 | 有料の座席定員制列車 | ||
エアポート快特 | 品川 - 羽田空港間ノンストップ | |||
快特 | 旧称は快速特急 | |||
東京都交通局 (都営地下鉄) |
エアポート快特 | 都営浅草線のみ | ||
京成電鉄 | スカイライナー シティライナー |
有料の座席指定列車 | ||
モーニングライナー イブニングライナー |
有料の座席定員制列車 | |||
快速特急 | 朝夕のみ | |||
アクセス特急 | 成田スカイアクセス線経由の一般特急 | |||
阪急電鉄 | 快速特急 | 京都本線・嵐山線の土日および行楽期間(嵐山線は行楽期間のみ) | ||
直通特急 | 京都本線・嵐山線・千里線・神戸本線・今津線の行楽期間
なお神戸本線では定期特急より停車駅が多い。 | |||
京阪電気鉄道 | 快速特急 | 行楽期間 | ||
南海電気鉄道 | ラピートα | 全車有料の座席指定列車 平日下り3本のみ | ||
近畿日本鉄道 | ノンストップ特急 | 有料の座席指定列車 | ||
名古屋鉄道 | ミュースカイ | 全車有料の座席指定列車 | ||
快速特急 | 一部有料の座席指定列車 |
特急と急行との中間の列車を運行する会社と種別 | |||
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会社 | 種別 | 説明 | |
京成電鉄 | 通勤特急 | 平日中心(土休日にも深夜に上り一本限り運転) | |
快速 | 現在はこの種別が事実上の急行。急行は2010年7月17日より廃止。 | ||
東京急行電鉄 横浜高速鉄道 |
通勤特急 | 東横線・みなとみらい線平日の朝9時まで、17時以降の列車。特急停車駅の他、日吉駅、馬車道駅、日本大通り駅に停車する。 | |
京王電鉄 | 準特急 | 京王線内は特急停車駅に停車し高尾線内は各駅に停車する。 | |
西武鉄道 | 快速急行 | 新宿線では、2012年6月30日より廃止。また、「川越号」の愛称が与えられていた。 | |
小田急電鉄 | 快速急行 | 快速急行が通過する向ヶ丘遊園駅、成城学園前駅に停車する特急もわずかながら存在 | |
東武鉄道 | 快速急行 | 東上本線のみ運転 | |
快速 | 東上本線と伊勢崎線・日光線・鬼怒川線で運行。 | ||
区間快速 | 伊勢崎線・日光線・鬼怒川線で運行 | ||
富山地方鉄道 | 快速急行 | ||
名古屋鉄道 | 快速急行 | ||
阪急電鉄 | 通勤特急 快速急行 |
神戸本線・京都本線にて運転 | |
阪神電気鉄道 | 快速急行 | 直通特急・特急が停車する御影駅を通過する。 | |
区間特急 | 平日朝ラッシュ時のみ。青木駅始発。 | ||
近畿日本鉄道 | 快速急行 | 難波線・大阪線・奈良線・南大阪線・吉野線で運行 大阪線では快速急行が通過する布施駅に停車する特急もわずかながら存在。 南大阪線・吉野線の快速急行は春の桜のシーズンに運行されており「臨時快速急行さくら号」とアナウンスされ、ヘッドマークも取り付けられる。 | |
京阪電気鉄道 | 快速急行 通勤快急 |
平日ラッシュ時のみ | |
深夜急行 | 深夜(0時代)に1日1本上りのみ | ||
南海電気鉄道 | 快速急行 | 高野線難波駅 - 極楽橋駅便は基本的に2000系で編成され、橋本駅で連結解放を行う。難波駅→橋本駅便は基本的に20mの4扉車が使用される。通常の急行とは違い、千早口駅・天見駅・紀見峠駅には停車しない。運行は高野線のみで南海線では快速急行の列車種別は無い。 | |
山陽電気鉄道 | S特急 | 特急より停車駅を増やし、末端区間を各駅停車化した列車。他社における急行・準特急に相当する列車だが、営業戦略から特急の派生種別とされている。 |
- また、かつての阪和電気鉄道(戦前のJR西日本阪和線を運営していた私鉄)や新京阪鉄道新京阪線(現在の阪急京都線)などには、超特急という種別も存在した。
- 西武鉄道の新宿線では、拝島快速という種別も存在した。
急行
テンプレート:Seealso 急行列車は乗車券だけで乗れる鉄道事業者が多い。ただし、JRと同様に急行券が必要となる列車もある。
山陽電気鉄道本線[注釈 1]、阪急京都本線のように特急が運行されているが急行が運行されていない路線もある。
特急と同様に「通勤」・「区間」・および「快速」をつけた派生種別が運行されている路線もある。「快速急行」の詳細は快速急行、その他の派生種別の運行路線などは急行列車#急行の派生種別を参照のこと。京阪電気鉄道では「深夜急行」の種別名も使用されている。種別名の頭部に時間帯(深夜)を表す名前をつけた事例は少ない[注釈 2]。
準急
テンプレート:Seealso 準急は、急行(一部鉄道会社では快速)より停車駅が多い列車である。準急とは「準急行列車」の略で、現在でも南海電気鉄道などでは、案内放送などで「準急行」を聞くことができる。なお、国鉄でも運行されていたが、急行列車に格上げされる形で運行が終了、廃止された。
私鉄においては、準急の停車駅のパターンは大別して3種類ある。
- 準急が運行される区間のうち一部区間では急行と同じ停車駅で運行しその区間外では各駅に停車する。
- 準急が運行される全区間において急行より少ない通過駅を設ける
- 1.と2.の中間的な形態即ち運行される区間のうち一部区間では急行より少ない通過駅を設けつつその区間外では各駅に停車する。
かつての北陸鉄道石川線など準急が唯一の優等種別となっている場合もある[注釈 3]。
1.の例としては東急田園都市線、東武伊勢崎線および東上線、名古屋鉄道のうち瀬戸線、2.の例としては名古屋鉄道のうち名古屋本線および犬山線、3.例としては神戸電鉄、近鉄大阪線および奈良線における運行が挙げられる。このうち最も多い類型は1.のパターンである。
かつて快速準急という列車が運行されていたこともある(小田急小田原線#過去の列車種別を参照)。その他、急行と同様に「区間」「通勤」などをつけた派生種別も運行されている。
高速・直行
「高速」とは名古屋鉄道と近畿日本鉄道にだけあった列車種別で、いずれも乗車券だけで乗車できた。ともに有料特急列車が運行されており、その補完にあたる列車設定であった。
また近畿日本鉄道では、「直行」という列車種別がある。これは近鉄生駒ケーブル山上線にあり、途中駅には停車しないノンストップ形式での運行で通常は夜間(行楽期は昼間も)に設定されている。一般的なケーブルカーと違って途中駅が存在する同線だからこそできる種別設定で日本のケーブルカーでは唯一の優等種別である。直行は過去には南海電気鉄道(現在の準急)、京阪電気鉄道、能勢電鉄(現在の妙見急行)・西日本鉄道にも存在していた。
区間種別
優等列車であるが、一部区間では各駅に停車となる列車種別で、1938年、京阪電鉄京阪本線に設定された区間急行が最初といわれている。当初は関西地区のJR・大手私鉄のみで多用されていた。同様の種別は関西地区以外では、途中駅で「急行⇔普通」のように種別を変更したり、区間種別に相当する列車を「快速」などとし、その上位に「特別快速」などを設定する例が常であった。しかし、1997年に東武鉄道の「区間準急」が登場以来全国規模で「区間○○」が増殖している。 例として「区間快速急行」、「区間急行」、「区間準急」、「区間快速」などがある。なお阪急電鉄と阪神電鉄においては上記定義とは異なり、一部区間のみ運転する列車という定義であり、阪急電鉄ではダイヤグラム上の正式種別として区間急行・区間普通が存在しているが、各種案内においては急行・普通と表現され、区間種別での旅客案内は行われていない。
英語表記
英語表記は、東武鉄道や小田急電鉄の「区間準急」が「Section Semi Express」と表記されるのに対し、JR西日本の「区間快速」が「Regional Rapid Service(R.Rapid)」、首都圏新都市鉄道およびJR東海の「区間快速」ならびにJR北海道の「区間快速いしかりライナー」が「Semi Rapid」、京王電鉄の「区間急行」が「Semi Express」と表記されるなど、社局によって差異がある。また、近畿日本鉄道などでは、「近郊の」を意味するSuburbanの略、Sub の表記が使われている。なお東京モノレールの「区間快速」は「区間」がついているが単に「快速」を表す「Rapid」である。
運行方法
このような事例では、各駅に停車する区間については需要が少ない場合でその区間を通過する列車を設定しているが、地域輸送を担う列車を設定するほど需要が多くない、ないしはその区間の駅と列車始発駅周辺など一方向に需要が偏っていることから、必ずしも地域輸送にのみ特化した列車を運行するのに適していない場合にこのような列車を設定する場合が多い。
例えば「区間急行」は、起点駅付近は急行と同じ駅に停車し、郊外は各駅に停車する事が多い。
いずれも、「区間」がつかない列車より相対的に停車駅が多くなるのが一般的だが、阪神本線の「区間特急」は2009年3月20日改正時まで例外として、「特急」よりも停車駅が少ない列車となっていた。これは当該列車の設定当初、途中駅(芦屋)始発で大阪市内への通勤利用者に対して速達サービスを提供する戦略商品として設定されていたためである。名称については、一部区間のみ運転する特急列車ということで名付けられた。その後の一時期、三宮始発に変更されたが、元町以西まで運行区間が延びる特急列車に対し、区間運転の列車であるということから名称は継続されている。
さらに京阪本線の「区間急行」は準急よりも停車駅が多い設定となっている(京成・東武の快速>急行の関係と同様)。名称の根拠は、一部区間のみ運転の短距離急行列車という意であり、急行に準ずる列車である準急より下位に置かれている。そのためか、本来の準急の英語名"Semi Express"は区間急行に割り当てられ、準急には本来区間急行で使われる"Sub Express"の英語名が割り当てられている。
京王電鉄では準急は存在しないが、京阪同様区間急行の英語表記が"Semi Express"となっている。
また、2006年3月18日の改正以前の東武伊勢崎線では、「区間準急」のうち東京メトロ半蔵門線との乗り入れ列車では、「準急」が停車する曳舟駅 - 北千住駅間の途中駅をすべて通過していた。2006年3月18日の改正で半蔵門線直通の区間準急は準急に、浅草発着の準急は区間急行にそれぞれ改称されたが現在も準急と区間急行は上下関係が一致しておらず、新越谷 - 東武動物公園間では準急は各駅に停車するが、区間急行はせんげん台駅と春日部駅のみに停車する。一方で区間急行が各駅に停車する曳舟 - 北千住間では準急がノンストップとなっている。そのため、下り列車の場合、曳舟駅で準急に抜かれた区間急行がせんげん台駅または春日部駅で準急を抜き返し、東武動物公園駅以北には区間急行が先に到着するというダイヤになっている。この現象は現在は朝と夜間以外見られないが2006年3月18日改正以前は昼間でもこのダイヤで運行されていた。半蔵門線直通列車がすべて曳舟‐北千住間ノンストップとなっているのは水天宮前駅とほぼ同じ駅である東京メトロ日比谷線人形町駅と北千住駅との距離が大幅に異なる事で、速達性を高め混雑緩和と利用客の誘導をする役割を担っているためである。
また、列車種別に「区間」を冠さずに中間区間で各駅に停車する場合もある。
このような事例として、小田急小田原線では、新宿駅から本厚木駅までは通過駅を有し、本厚木駅から新松田駅まで各駅停車、新松田駅から小田原駅まで再び通過駅を有する急行がある。
区間種別と同様の運行形態をとる列車
なお、「区間○○」という種別を設定していないが、優等(快速)列車がある駅に到着後、その列車がそのまま各駅停車に種別を変更したり、もしくは各駅停車運転を行うことにより、その先まで行くことで「区間○○」と同様の運行形態をとっている場合もある。
このような場合、ダイヤグラムや時刻表などで列車番号を見ると別列車扱いとしている場合が多く、列車運行上利用客の便を図るために1本の列車として取り扱うためである。
例として、小田急小田原線で運行されている急行相模大野行きの一部が相模大野駅より「各駅停車本厚木行き」などとして運行される。
高山本線の高山 - 岐阜間を走る始発および最終列車は下呂駅 - 岐阜駅間は各駅停車であるが、高山 - 下呂間は快速運転を行っている(久々野駅、飛騨小坂駅、飛騨萩原駅のみの停車である)。
仙石線の快速列車においては2014年3月まであおば通駅 - 多賀城駅間を各駅停車する列車が存在した。過去には本塩釜駅 - 石巻駅間を各駅停車する列車も存在した。
京王電鉄の準特急の一部で、新宿から北野間は「準特急北野行き」として運行し、北野から、「各駅停車高尾山口行き」として運行しているものがあった。2013年2月22日のダイヤ改定により、準特急が高尾線内各駅停車に変更され消滅した。
通勤種別
朝夕のラッシュ時のみ運転される、通勤・通学客向けの列車で、「通勤特急」、「通勤特快」、「通勤急行」、「通勤準急」、「通勤快速」などがこれにあたり、東京近郊で多く採用されている。たいていの列車の場合、別途料金がかからない列車で運行されるが、JRにおいて定員制列車であるホームライナーが運行されてきたことで、他の鉄道でも有料列車の中にはこのような運行系統を有するものもある。
「通勤」が付かない列車より停車駅が多いか少ないかは、会社・路線によって異なる。また、会社によっては「通勤」という称を冠しない場合もある。
「通勤」の英語表記は、Commuter(案内板など表示場所の制約がある場合、Comm.と略されることがある) を用いることが多い。
なお、「通勤」種別とは逆に行楽用の列車としては「ホリデー快速」などがある。「通勤」種別は平日のみ運転の列車がほとんどだが、京成本線の「通勤特急」(前述)、JR西日本広島地区の「通勤ライナー」は土曜・休日にも運転される[注釈 4]。
- JR中央線(東京圏)における通勤種別
- 「通勤特快」は、中央特快より停車駅が5駅少なく、中央特快が停車する西八王子駅、豊田駅、日野駅、三鷹駅、中野駅を通過する。また、この列車種別は上り5本のみの運用である。
- 「通勤快速」は中央特快より停車駅が2駅多く、中央特快が通過する荻窪駅、吉祥寺駅に停車する。また、下り列車の運用しかない。
- いずれも青梅駅を始発、終着とする列車は存在するが、通常の快速と同様青梅線内は各駅停車である。
- JR東海道線(東京圏)における「通勤快速」
- この通勤快速は、快速「アクティー」より停車駅が3駅少なく、快速アクティーが停車する川崎駅、横浜駅、戸塚駅を通過する。また、この種別は平日夜の下り3本のみの運行である。停車駅は、東京駅、新橋駅、品川駅、大船駅、藤沢駅、茅ヶ崎駅、平塚駅、国府津駅、小田原駅である。
- JR高崎線における「通勤快速」
- この通勤快速は、快速「アーバン」が停車する上尾駅・桶川駅を通過し、快速アーバンが通過する尾久駅に停車する。停車駅は、上野駅、尾久駅、赤羽駅、浦和駅、大宮駅、鴻巣駅、熊谷駅から前橋駅までの各駅である。一部下り列車は上尾駅・桶川駅にも停車する。上野 - 大宮間は宇都宮線の通勤快速と同様の停車駅である。
- JR宇都宮線における「通勤快速」
- この通勤快速は、快速「ラビット」が停車する蓮田駅を通過し、快速ラビットが通過する尾久駅に停車する。停車駅は上野駅、尾久駅、赤羽駅、浦和駅、大宮駅、久喜駅、古河駅、小山駅から黒磯駅までの各駅である。上野 - 大宮間は高崎線の通勤快速と同様の停車駅である。
- JR総武線における「通勤快速」
- この通勤快速は、通常の快速が停車する新小岩駅、市川駅、津田沼駅、稲毛駅、物井駅を通過する。朝上り2本、夜下り2本のみの運行。いずれの列車も成田線成田駅を上りの始発駅および下りの終着駅とするが、上りが横須賀線逗子駅まで運行されるのに対し、下りは東京駅始発である。横須賀線、成田線内は各駅に停車。
- JR埼京線における「通勤快速」
- この通勤快速は、通常の快速より停車駅が2駅少なく、快速が停車する戸田公園駅・与野本町駅を通過する。停車駅は、東京臨海高速鉄道りんかい線新木場駅 - 赤羽駅間の各駅、武蔵浦和駅、大宮駅 - 川越駅間の各駅である。平日の朝・夕および夜間に通常の快速に代わって運行される。
- JR京葉線における「通勤快速」
- この通勤快速は、京葉線内の途中駅は八丁堀駅、新木場駅の2駅にのみ停車し、そのほかの駅はすべて通過する。内房線・外房線内は快速と同じ停車駅。(外房線乗り入れの通勤快速は、東金線・成東駅および、外房線・勝浦駅から始発。それぞれが誉田駅で併合。)なお、京葉線全線開通当時は新木場駅も通過していた。
- 東急東横線・みなとみらい線における「通勤特急」
- 特急より停車駅が3駅多く、特急が通過する日吉駅、馬車道駅、日本大通り駅に停車する。
- かつての東急田園都市線における「通勤快速」
- 田園都市線では、現在は「急行」と「準急」が優等列車として運行されているが、その原型は「通勤快速」である。設定当初、快速も存在しなかったが、朝ラッシュ時のみに、「通勤快速」として速達列車が設定された。これは、「快速」とか「急行」と称してしまうと、停車駅の変更ができなくなる恐れがあることを考慮したものである。当時、田園都市線沿線は開発中で、各駅の乗降人員の予測が外れる恐れがあった。他には例を見ない通勤種別である。
- かつての京王線における通勤種別
- 「通勤快速」は、当時の快速より停車駅が3駅少なく、快速が停車する下高井戸駅、八幡山駅、仙川駅を通過していた。しかし2013年2月22日改定より通勤時間帯以外にも運行時間帯を拡大するため「区間急行」へ改称され消滅した。
- 同線は、かつて「通勤急行」が設定されていたが、1992年に急行がつつじヶ丘駅にも停車するようになったため両者が同一化、急行に統合されて消滅した。
- 西武池袋線における通勤種別
- 「通勤急行」は、急行より2駅停車駅が多い。急行が通過する大泉学園駅、保谷駅、東久留米駅に停車するが、逆に急行が停車するひばりヶ丘駅を通過する。
- 「通勤準急」は準急より停車駅が1駅少ない。準急が停車する石神井公園駅を通過する。2008年6月15日までは練馬駅も通過した。
- 西武新宿線における通勤種別
- 「通勤急行」は急行よりも停車駅が7駅少なく、従来急行の各駅停車区間にあたる本川越駅 - 田無駅間でも通過運転を行う。
- 東武東上線における「通勤急行」
- 志木駅以西において急行より停車駅が多く、急行が通過運転を行う志木駅 - 川越駅間は各駅に停車する。逆に急行が停車する朝霞台駅を通過する。つまり、成増駅以西各駅停車となる準急と比べて、停車駅が2駅少ないだけである。
- 西武池袋線の通勤急行・通勤準急、東武東上線の通勤急行のように、上位の種別が停車する駅を通過することを、停車駅が互い違いになることから千鳥停車という。
- 東京メトロ東西線における「通勤快速」
- 快速よりも停車駅が3駅多く、快速が通過する南砂町駅、西葛西駅、葛西駅に停車する。
- 東京メトロ副都心線における「通勤急行」
- 急行よりも停車駅が4駅多く、和光市駅 - 小竹向原駅間は各駅に停車する。小竹向原駅 - 渋谷駅間は急行と停車駅は同一。
- 京成電鉄における「通勤特急」
- 現在の通勤特急は3代目。停車駅は京成上野駅・押上駅 - 勝田台駅は特急と同様で勝田台駅 - 成田空港駅・芝山千代田駅は各駅に停車する。乗り入れ先である都営浅草線内では各駅に停車するが、一部の下り通勤特急は京急線(本線・空港線)内はエアポート急行・都営浅草線内はエアポート快特として運行し、押上駅から先の京成線内のみ通勤特急となる。
- 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスにおける「通勤快速」
- 2012年10月15日のダイヤ改正で登場。快速よりも停車駅が4駅多く、快速が通過する六町駅、八潮駅、柏の葉キャンパス駅、研究学園駅に停車する。区間快速とは千鳥停車の関係にあり、区間快速が通過する六町駅に停車し、区間快速が停車する三郷中央駅、みらい平駅、みどりの駅、万博記念公園駅を通過する。
- 静岡鉄道静岡清水線における「通勤急行」
- 静岡鉄道静岡清水線では、2011年10月1日のダイヤ改正で15年ぶりに急行が復活したが、下り列車(新清水行き)のみの設定とされ、上り列車(新静岡行き)で急行に相当する種別の列車は、「通勤急行」の名称で設定された。通勤急行は、桜橋駅 - 草薙駅間は急行と同じく4駅に連続停車するが、その先新静岡駅までの停車駅は古庄駅、日吉町駅の2駅で、同区間を県総合運動場駅のみ停車で運行する急行より1駅多く、かつ共通の停車駅がないという運行パターンとなっている。
- なお、急行・通勤急行のいずれも平日朝ラッシュ時のみの運行となっている。
- かつてのJR東海道本線(静岡圏)における「通勤快速」
- 静岡地区において2007年3月17日まで唯一定期的に運行されていた(「ムーンライトながら」を除く)快速である。豊橋駅 - 静岡駅を平日のみ、1日1往復運行していた。朝の時間帯には上り、夕方の時間帯には下りが運転され、いずれも豊橋駅 - 島田駅の各駅および静岡駅に停車していた。
- 中京圏(名古屋近郊)における通勤種別
- 中京圏では現在では私鉄・JRともにホームライナーをのぞき『通勤○○』といった通勤時間帯限定の列車種別は特に設定はなく、JRでは『特別快速(東海道線)』や『区間快速(武豊線直通・関西線)』がそれに該当する。過去には中央線で『通勤快速』が設定されていた時期があった。名古屋鉄道では『快速急行』がラッシュ時に運行するぐらいで、基本は途中駅での種別変更や通過駅の一部特別停車で対応している。近畿日本鉄道(名古屋線)などの他の私鉄では、ラッシュ時限定の優等列車の運行はない。
- 京阪電気鉄道における通勤種別
- 京阪本線においては「通勤特急」の名称を使用せず、2003年から2008年まで、類似の列車として「K特急」が運行されていた。停車駅は「特急」の停車駅に比べ2駅(枚方市駅・樟葉駅)少ない。ただし、朝ラッシュ時の淀屋橋駅行きは枚方市駅にも停車するが、それでも「特急」の停車駅に比べると1駅少ない。なお、2008年10月19日のダイヤ改正で「快速特急」が新設され、K特急の運転は取りやめられた。同時に「準急」・「快速急行」の停車駅から守口市を除いた「通勤準急」・「通勤快急」も新設されている[3]。なお、「通勤急行」は現在、京阪電鉄には設定されていないが(深夜急行として存在)、種別幕は用意されている。
- 阪急電鉄各線における通勤種別
- 阪急電鉄では路線によって役割が異なる。京都本線における「通勤特急」は「特急」が停車する淡路駅を通過し、「特急」が通過する西院駅・大宮駅に停車する千鳥式停車になっている。一方の神戸本線における「通勤特急」は「特急」の停車駅に塚口駅を加えたものとなっている。また、神戸本線・宝塚本線には「通勤急行」という種別が存在し、神戸本線では「急行」の停車駅に武庫之荘駅を加えたものになっているのに対し、宝塚本線では(現在は)「急行」の停車駅からホーム長が10両編成に対応していない蛍池駅を除いたものとなっている。宝塚本線には、その他にも「通勤準急」という種別もある。これは現在では「準急」の停車駅から中津駅、曽根駅、岡町駅を除き(つまり急行と同じ停車駅である)、石橋より先箕面線直通となっている。
- 阪神電鉄における通勤種別
- 本線においては「通勤特急」の呼称を使わず、同様の列車として「区間特急」が運行されている。この列車は青木駅始発で、香櫨園駅までは各駅に停車する。その後は朝ラッシュ時の直通特急の停車駅である西宮駅、尼崎駅を通過する一方、直通特急が通過する今津駅、甲子園駅に停車するという、千鳥停車方式を取っている。
ライナー
ライナー (liner) とは1970年代以降に用いられる列車種別であるが、一般に「(特急)専用車両を使用して特別な料金(設定会社により、特急券と乗車整理券とに分かれる)を徴して速達する列車」を指す場合が多い。なお、列車名として「○○ライナー」と称する快速列車なども存在するが本節では先に挙げた定義によるものとする。
初出としては京成電鉄が1973年12月30日に運行を開始したAE形車両に「スカイライナー」の愛称を与え、それを使用した最速達列車に与えたものとされる。なお、派生形として通勤ライナーである「モーニングライナー」・「イブニングライナー」もあり、この系統は京成電鉄の"特急電車"よりも速達となっている。
なお、「イブニングライナー」は民鉄では初の通勤ライナーとされ、その後1992年運行開始の京浜急行電鉄の『京急ウィング号』、2008年運行開始の東武鉄道東上本線の『TJライナー』の登場となった。
また、名古屋鉄道では1991年から1993年までの正月参拝客輸送の際、「特急」より劣る車両・設備を使用した座席指定列車に「ライナー」の種別を使用していた。詳しくは名鉄特急を参照されたい。
しかし、1984年に旧国鉄は増収策の一環および回送列車の有効活用として東北本線上野駅 - 大宮駅間で夕刻の特別急行回送列車に乗車整理券を発行し客扱いを行なったのが緒とされるホームライナーは快速列車の延長とされ、東京・札幌など他の都市圏でも波及。その継承会社であるJR各社やそれから分離したしなの鉄道でも運行されるようになった。
なお、1999年から2013年まで東海旅客鉄道(JR東海)が中央本線で運行を開始したセントラルライナーはこの援用であるが、昼間時に運行される点で従来のそれと異なった運行展開を行っていた。
- 現在運行中の私鉄の通勤ライナー
会社名 | 路線名 | 名称 | 運行区間 | 使用車種 | 乗車整理券料金 | 運行開始年 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
京成電鉄 | 京成本線 | イブニングライナー | 京成上野 - 京成成田・成田空港 | AE形 | 400円 | 1984年 | 夕方の成田方面行きのみ運転 | 運行時より歴代「スカイライナー」専用車両を使用 | |
モーニングライナー | 成田空港・京成成田 - 京成上野 | 1985年 | 朝の京成上野行きのみ運転 | ||||||
京浜急行電鉄 | 京急本線 | 京急ウィング号 | 品川 - 京急久里浜・三崎口 | 2100形 | 200円 | 1992年 | 夕方の京急久里浜・三崎口行きのみ運転 | 土曜日・休日運休(未設定) | |
しなの鉄道 | しなの鉄道線 | しなのサンセット | 長野 - 上田 | JR東日本183系・189系 | 200円 | 1998年 | 夕方・夜の上田行きのみ運転。2002年までは『しなのサンライナー』号 | 2011年7月1日から信越本線篠ノ井 - 長野間に169系の入線が保安設備上の理由で不可能になったため左記の車両を使用している | |
しなのサンライズ | 小諸 - 長野 | 朝の長野行きのみ運転 | |||||||
東武鉄道 | 東上本線 | TJライナー | 池袋 - 森林公園・小川町 | 50090系 | 300円 | 2008年 | 夕方の森林公園・小川町行きのみ運転 |
- JRグループの各列車、私鉄の各列車の概要は各関連項目ならびにホームライナーも参照
列車種別のイメージカラー
複数の列車種別を設定しているほとんどの鉄道各社で色により列車種別を識別できるようにして種別幕や駅での案内表示・時刻表に表記されている。
- 傾向として特急や急行は「赤・橙」、準急は「緑・青」、普通は「黒・紺」を採用している会社が多い。
- 時刻表や駅の行先案内・車両の種別幕での表示方法は(1)白地または黒地に色文字、(2)色地に白または黒文字で表記されている。
各社ごとの列車種別のイメージカラー
JR各社
- JRグループ…全国的には以下のパターンを採用
- 特急・急行・快速:赤、各停・普通:黒
※東京・大阪・名古屋・福岡などの大都市では以下の様な配色を採用しているケースがある。
- JR東日本(東京近郊区間)
- 中央線快速(東京 - 高尾・大月)
- 通勤特快:濃紺、中央特快・青梅特快:紺、通勤快速:緑、快速:赤、各停:黒(黄色)
- 京葉線(東京 - 蘇我)
- 通勤快速:赤、快速:緑、武蔵野快速:朱、各停:黒
- 常磐線(上野 - 取手・土浦)
- 特急・特別快速:赤、快速(中距離電車):青、快速(上野 - 取手・成田間):エメラルド(緑)、各停(千代田線直通):灰
- JR東海(中京圏近郊区間)
- 東海道本線(米原 - 浜松)
- 特急・急行・ホームライナー:赤、特別快速:黄、新快速:朱、快速:青、区間快速:黄緑、普通:黒
- 中央本線(名古屋 - 中津川)
- 特急・ホームライナー:赤、セントラルライナー:緑、快速:青、普通:黒
- 関西本線(名古屋 - 亀山)
- 特急:赤、快速『みえ』:朱、快速:青、区間快速:黄緑、普通:黒
- JR西日本(アーバンネットワークエリア)
- JR西日本ではアーバンネットワークエリア全体で以下のパターンを採用している。
- ただし、以下のような例外がある。
- JR九州(福岡近郊区間)
- 鹿児島本線(門司港 - 荒尾)
- 特急:赤、(青)快速:青、(緑)快速:緑、準快速:橙、普通:黒
- ※(青)快速は門司港 - 荒尾間快速、(緑)快速は博多駅を境に門司方面または荒尾方面どちらかの区間が各駅停車になる。
私鉄各社
- 東武鉄道
- 伊勢崎・日光線系統
- 特急スペーシア:橙、特急りょうもう:赤、快速・区間快速:水色、急行・区間急行:赤、準急・区間準急:緑、普通:黒
- 東上線
- TJライナー:橙、快速急行:青、快速:水色、急行:赤、通勤急行:紫、準急:緑、普通:黒
- 西武鉄道
- 特急:赤、快速急行:紫、急行:橙、通勤急行:黄色、快速:水色、準急:緑、通勤準急:青、各停:灰色
- 京成電鉄・北総鉄道・京浜急行電鉄
- スカイライナー・モーニング・イブニングライナー:紺、シティライナー:紫、京急ウィング号・快特・快速特急:緑、エアポート快特・アクセス特急・16pxアクセス特急:橙、特急:赤、通勤特急:水色、急行・エアポート急行:青、快速・エアポート快速:ピンク、普通:黒
- 京王電鉄
- 特急:ピンク、準特急:橙、急行:緑、区間急行:金(ただし種別幕は白地+緑字)、快速:青、各停:黒
- 小田急電鉄
- 特急ロマンスカー:赤、快速急行:橙、急行:赤、多摩急行:ピンク、準急:緑、区間準急:水色、各停:青
- 東京急行電鉄・横浜高速鉄道
- 特急:橙、通勤特急:橙+赤、急行:赤、準急:緑、各停 二子新地駅と高津駅を通過:白地+緑字 それ以外:青
- 相模鉄道
- 特急:橙、急行:赤、快速:緑、各停:本線(海老名)・横浜方面:黒、いずみ野線:青
- 首都圏新都市鉄道
- 快速:赤、通勤快速:橙、区間快速:紺、普通:灰
- 静岡鉄道
- 急行:赤、通勤急行:橙、普通:青
- 名古屋鉄道
- ミュースカイ・快速特急・特急:赤、快速急行・急行:青、準急:緑、普通:黒
- 近畿日本鉄道
- 特急・快速急行・:赤、急行・区間急行:橙(ただし区間急行の種別幕の色は赤)、準急・区間準急:緑、普通:紺
- 紙時刻表での表示 特急:赤、快速急行・区間急行:ピンク、急行:橙、準急:緑、区間準急:茶、普通:黒
- 京阪電鉄
- 特急:赤、快速急行・通勤快急:紫、急行・深夜急行:橙、準急・通勤準急:青、区間急行:緑、普通:黒
- 阪急電鉄
- 快速特急・直通特急・特急・通勤特急・日生エクスプレス:赤、快速急行:橙、通勤急行・急行:黄(種別幕は橙)、快速:水色(種別幕は緑:2013年12月20日まで[4])、準急・通勤準急:緑、普通:黒
- 能勢電鉄
- 日生エクスプレス:赤、日生急行・妙見急行:黄、普通:黒
- 阪神電鉄・神戸高速鉄道・山陽電鉄
- 阪神・高速線
- 直通特急・特急:赤、直通特急(高速線内各停):黄、区間特急:茶(ただし種別幕は赤)、快速急行:水色、急行・区間急行:赤、準急:緑、普通:紺
- 山陽電鉄線
- 直通特急・特急:赤、直通特急(高速線内各停):黄、S特急:緑、普通:黒
- 阪神の時刻表では直通特急は停車駅に関係なくすべて赤地に白抜き数字で案内されている。
- 南海電鉄・泉北高速鉄道
- 特急:赤、快速急行・空港急行・急行:橙、区間急行:緑、準急:青、普通・各駅停車:黒
- 神戸電鉄
- 特快速:ピンク、急行:赤、準急:緑、普通:黒
- 西日本鉄道
- 特急:赤、急行:緑、普通:黒
列車種別ではないもの
資料によっては列車種別の一種として扱われることもあるが、これらは正式な列車種別として使われたものではない。
- エル特急 - 国鉄・JR在来線の特急列車の愛称であり、正式な列車種別ではない。ただし時刻表では区別のため、「L」を図案化した記号で表される。
- 新特急 - 国鉄・JR東日本が東北本線・高崎線系統において185系電車を使用した特急列車の愛称の一部であり、正式な列車種別ではない。
- 寝台特急・寝台急行 - 基本的に寝台車のみで組成された列車は市販の時刻表では星を図案化した記号で表しているが、あくまで特急列車・急行列車であり、正式な列車種別ではない。
- 停車駅の違いによるアルファベットの付与
- 優等(快速)列車によっては停車駅の違いにより、便宜的に停車駅の少ない順からA・B・C…などとアルファベットを付与する場合がある。この種の事例としては以下のものが挙げられる。
- A快速・B快速など -正式な列車種別としてアルファベットを付与した快速列車は阪和線のB快速のみであり、そのほかの線区のものは正式な列車種別として使われたものではない。 仙山線では停車駅が少ない順にA快速・B快速・C快速…と駅時刻表では便宜的にアルファベットを付与しているが、市販の時刻表上ではあくまで同格種別の「快速」である。2014年3月までは仙石線においてもあおば通駅 - 多賀城駅間を各駅停車する快速のことをB快速、仙台駅 - 多賀城駅間を通過する快速のことをA快速と便宜的にアルファベットを付与していた。東京メトロ東西線の快速列車においても営団地下鉄時代、内部では停車駅の少ない順にA快速・B快速・C快速と便宜的にアルファベットを付与していた。なお、C快速は現在における通勤快速の前身であった。
- A特急・B特急 - 長野電鉄の特急においては速達タイプで停車駅の少ない特急をA特急、主要駅停車タイプの特急をB特急と呼称している。かつてはC特急・D特急・E特急も存在した。詳細は長野電鉄長野線#特急を参照。
- 準急A・準急B - 東武伊勢崎線の準急においては2003年まで北千住 - 太田間を速達運転する準急Aと北千住 - 東武動物公園間のみを速達運転する準急Bと社内では区別していたが、種別表示や営業上では単に準急と案内していたため、正式な列車種別ではない。詳細は東武伊勢崎線#準急A、Bを参照。
- ノンストップ特急・甲特急・乙特急 - 近畿日本鉄道の特急においては部内では運転上、名阪、阪伊、名伊の3系統について、速達タイプで停車駅の少ない特急を甲特急、主要駅停車タイプの特急を乙特急と呼称している。また、甲特急と呼ばれる列車は案内上は「ノンストップ特急」であるが、こちらは愛称として使われたものであり、列車種別として使われたものではない。なお、主要駅停車タイプの特急は運行開始当初は準特急であり、こちらは正式な列車種別として使われたものであった。詳細は近鉄特急を参照。
日本国外の列車種別
テンプレート:節スタブ 日本国外の列車種別は国や事業者ごとに異なり、各駅停車でもない限り、必ずしも日本の種別に当てはまるわけではない。
韓国
韓国の韓国鉄道公社ではセマウル号、ムグンファ号、ヌリロ号などの座席指定の優等列車については列車愛称が列車種別の区分を兼ねている。メディアによっては特急列車や急行列車として扱われることもあるが[5]、正式な列車種別としては使われていない。なお、韓国の急行列車は料金不要列車でJRの快速列車と同種の種別であり、通勤形車両を使用する。また、通勤列車は各駅に停車し、全席自由であるが、列車は指定される。
台湾
台湾の台湾鉄路管理局では座席指定の優等列車である自強号、莒光號、復興号は列車愛称が列車種別としても使われている。一般列車は全車自由席で速達タイプである区間快車と各駅に停車する区間車と普快車があり、運賃は種別ごとに異なるが、復興号と区間車・区間快車は運賃制度上では同格種別であり、座席指定の有無による差異がある。一方、区間車と普快車は冷房の有無により運賃に格差をつけている。車両も種別ごとに専用の車両が使用される。
中国
中国では高速鉄道路線(日本の新幹線に相当)においては最高速度の違いにより、高速動車組列車、城際動車組列車、動車組列車があり、CRH型電車を使用する。その他の線区(日本の在来線に相当)においては列車愛称はないが、大都市間列車である直達列車、長距離優等列車である特快列車・快速列車・普快列車、各駅停車する普客列車があり、冷房の有無により、運賃に格差をつけている。
ヨーロッパ
ヨーロッパの列車種別を参照。
注釈
- ↑ 山陽電気鉄道本線では1984年のダイヤ改正前までは急行が運転されていたが、現在は休止扱いとなり列車は設定されていない。
- ↑ かつて、阪神電気鉄道には1959年 - 1960年に「夜間特急」(阪神3011形電車#運転開始参照)が運転されていた。
- ↑ 多くは過去に設定のあった急行列車が廃止された結果の事象である。
- ↑ かつてはJR常磐線の「通勤快速」(下り1本のみ、 - 2005年)、東武伊勢崎線の「通勤準急」(2003 - 2006年)も休日に運転されていた。
出典
- ↑ 鉄道マニアの基礎知識 伊藤久巳 イカロス出版
- ↑ 鉄道ジャーナル No443 2003年9月号 p35
- ↑ テンプレート:PDFlink 京阪電気鉄道 2008年8月25日
- ↑ 西山天王山駅の開業にあわせて京都線のダイヤ改正を実施します http://holdings.hankyu-hanshin.co.jp/ir/data/ER201309202N1.pdf
- ↑ 一例として、ソウルから地方への行き方~鉄道編~ - コネスト
参考文献
- 交友社『鉄道ファン』2007年10月号 特集「列車種別バラエティ」
- 秀和システム、井上孝司『ダイヤグラムで広がる鉄の世界』2009年 ISBN 978-4-7980-2412-7。