ラピート
ラピートは、南海電気鉄道が難波駅 - 関西空港駅間を南海線・空港線経由で運行する特急列車である。西日本旅客鉄道(JR西日本)が運行する「はるか」に対する、関西国際空港へのアクセス特急として登場した。
全車両座席指定制で、JRの普通車指定席に相当する「レギュラーシート」とグリーン車に相当する「スーパーシート」の2クラス制を、同社で初めて採用した。
列車名称の「ラピート」とは、一般公募で選ばれた「速い」という意味のドイツ語"rapid"に由来し、他に専用車両である50000系電車の奇抜なスタイルから"鉄人28号"というニックネームが運行開始以前から使われている[1][2]。
なお、同じ区間を運行する急行列車は「空港急行」と称される別立ての種別で運行されることから、「空港特急」とも称される。
目次
[非表示]運行形態
速達タイプは「ラピートα(アルファ)」、途中停車駅が「サザン」と同一系統のタイプは「ラピートβ(ベータ)」と称される。昼間時から夜間にかけては「ラピートβ」のみが毎時2本運行されている。また、「ラピートα」は平日朝の下りのみ(難波7:00, 8:00, 9:00発の3本)設定されており、ビジネス特急としての位置づけとなっている。
1994年の運行開始時から「ラピートα」はなんば - 関西空港間ノンストップ運行が行われており、この場合は所要時間は難波と関空間の公共交通機関としては最速の29分であった。しかし乗客数の低迷により、1999年頃より一部の号で徐々に停車駅を増やすようになり2003年2月22日のダイヤ改正でノンストップ運行は廃止された[3]。2005年11月26日以前は昼間時にも「ラピートα」が運行されており、「ラピートα」と「ラピートβ」が交互に毎時1本ずつ運行されるダイヤであった[4]。 現在のなんば - 関西空港間の最速列車は平日ダイヤの「ラピートα1号」の34分[5]で、現在では所要時間35分を切る列車はこれ1本のみであり、現在の「ラピートβ」の標準所要時間は37分である。
なお、2010年11月15日、亘信二社長は、全日本空輸が関空を拠点にした格安航空会社を2010年内に設立するのにあわせ、ラピートαのノンストップ運行を復活させ、ラピートαにおける難波 - 関空間の所要時間を29分未満に短縮する意向を示した[6]が、その後の進展はない。
停車駅
南海本線も参照のこと。
- ラピートα:難波駅 - 新今宮駅 - 天下茶屋駅 - 泉佐野駅 - りんくうタウン駅 - 関西空港駅
- ラピートβ:難波駅 - 新今宮駅 - 天下茶屋駅 - 堺駅 - 岸和田駅 - 泉佐野駅 - りんくうタウン駅 - 関西空港駅
特急料金
ラピートα・βとも共通。
- レギュラーシート利用の場合
- 空港線内(泉佐野 - 関西空港間)のみ利用の場合:大人100円・小児50円。
- それ以外の場合:大人510円・小児260円。
- スーパーシート利用の場合
- 利用区間にかかわらず、大人720円・小児470円。
サザンの座席指定車およびこうや・りんかんに乗り継ぐ場合は別料金となる。料金の内訳等は南海電気鉄道#特急料金を参照。
車両・設備
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使用車両は、専用の50000系電車6両編成で、全車座席指定制を採用し、うち2両が特別席「スーパーシート」である。
スーパーシートでは、かつてソフトドリンク(烏龍茶)がスーパシート専任アテンダントのカウンター背後にあるショーケースより提供されたが、程なくしてアテンダントは常駐しなくなった(検札など車掌業務のため、車内を巡回する形となった)。
このため、レギュラーシートの乗客が勝手に持ち出したり、スーパーシートの乗客でも大量に持ち出したりするケースが相次ぎ、1999年に廃止された[7]。なお、サービス末期は1998年3月に発売開始された日本コカ・コーラの「茶流彩彩 煌」245g缶が提供されていた。
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インテリア
(スーパーシート) - Nankai50000Series Rapit05s4s3104.jpg
シングルシート
(スーパーシート) - Nankai50000Series Rapit06n3104.jpg
シート上部のロッカー
(スーパーシート) - Nankai50000Series Rapit07s5s2880.jpg
車内案内表示装置
(スーパーシート)
臨時特急ラピート
普段は空港特急のみの使用であるが、予備編成に余裕があるため臨時列車や団体列車として空港特急以外での運用も見られる。2007年のゴールデンウィーク中には、みさき公園開園50周年を記念してみさき公園駅 - 難波駅間で「臨時特急ラピート」が運転された。その他にも、過去に臨時で和歌山市駅まで運転されたケースも何度かあり、50000系電車が紀ノ川橋梁を渡るシーンが全く見られないというわけではない。
利用状況
運行開始直後はJRの「はるか」に比べ話題・快適性ともに勝り、利用状況も好調だったものの、やがてブームの終焉に伴い利用者数は低迷し始めた。
その原因にリムジンバスとJRの特急「はるか」がある。競合するリムジンバスは、並行する都市高速道路として阪神高速4号湾岸線(大阪湾岸道路)が開港時から整備されたことにより空港行きの遅延が少なく、便数・路線網が充実している。 リムジンは難波や心斎橋・本町などの大阪市中心部や南海本線沿線以外の地域(特に梅田など大阪キタ地域)とのアクセスが良好であり、ラピートは所要時間や運賃について、リムジンバスに対する優位性がない[8]。 また「はるか」は大阪環状線や梅田貨物線を経由することで、新幹線乗換駅である新大阪駅や、国際的観光地である京都市に直通している。
主にラッシュ時に主要駅に停車することから、特に平日下りの夕方から夜にかけては難波駅 - 泉佐野駅間でかなりの乗客が乗っている一方で、昼間は座席定員の2割以下の乗客数の場合もあり、ことに空港アクセス客の利用に乏しく、本線沿線や空港関係者の通勤・ビジネス用特急という利用形態が中心となっている。特急料金が全区間で500円とワンコインで乗車できる点をアピールしているが、都市間利用としては運行区間が短いことや利用区間の短さから来る割高感などのため、日中の利用率向上には至っていない。
一時は中間車2両を外して4両編成で運転することも考えられたが、編成組み替えにかかる費用が経済的効果に見合わないと判断され、6両のままで運転されている。
弱点であるネットワークの狭さを解消するため、計画中のなにわ筋線への乗り入れが構想されており、大阪市の答申にも含まれているものの、2008年時点で同線の工事開始に関する状況は不透明である。
ただし、2005年ダイヤ改正で泉佐野 - 関西空港間に限り特急料金を100円(ひゃくとく)としたり、2007年8月の関西空港第2滑走路供用開始による便数増加、国内線を大阪国際空港(伊丹空港)からシフトさせる施策、新規参入したスターフライヤーが話題になったことによって、それまで一日4,000人台で低迷していた利用客数が2006年には5,000人台に戻り、1日あたりの利用が4,000人台に留まる「はるか」に対して若干シェアを上回るなど、回復基調にある[9]。しかし、2008年からの世界金融危機を起因として関西空港発着の複数の国内路線が休廃止され、出張客を中心とする空港利用者数が減少した後、2010年以降海外旅行者の利用者数が増加するなど、空港連絡鉄道として乗客数の流動性が高いことは否めない。
企画乗車券・特急券
本列車は種別名として空港特急を称することでも分かるとおり、関西国際空港へのアクセス列車であるが、南海線内のみの利用も考慮されており、そのため以下のような企画乗車券類を発行している。
関空トク割 ラピートきっぷ
2012年12月9日から使用が開始されているラピート特急券付き企画乗車券。難波駅・新今宮駅・天下茶屋駅・住吉大社駅・堺駅 - 関西空港駅のラピート特急券と片道乗車券がセットになっている。
- 発売額
- レギュラーシート…大人1,100円 小児550円
- スーパーシート…大人1,300円 小児750円
- 発売駅:難波駅、新今宮駅、天下茶屋駅、住吉大社駅(ラピートは通過のため堺駅で乗換)、堺駅、関西空港駅。利用可能区間もこれらの駅のみである。
- 利用条件
- 片道1回限り有効(途中下車前途無効)。
- 乗車券と特急券を別々に購入した場合は通常料金が適用される。
「関空トク割ラピートきっぷ」の発売に伴い、乗車券・特急券をひとまとめにしてで発売されていた「ラピート得10回数券」および「ラピート得ダネ往復券」は2012年12月8日に発売を終了した。
DAY5特急回数券
沿革
- 1994年(平成6年)9月4日 関西国際空港開業に伴い運行開始。当初は、αは速達列車として難波駅 - 関西空港駅間無停車、βは途中駅として新今宮駅・堺駅・岸和田駅・泉佐野駅に停車していた。
- 1996年(平成8年)10月26日 β天下茶屋駅に停車開始。夕方以降の下りのαをβに変更。
- 2001年(平成13年)3月24日 αの一部新今宮駅・天下茶屋駅に停車開始。
- 2003年(平成15年)2月22日 全列車新今宮駅・天下茶屋駅・泉佐野駅・りんくうタウン駅に停車開始。
- 2005年(平成17年)11月27日 α平日の朝の下り3本のみの運行、他はすべてβに統一。
- 2014年(平成26年) 運行開始20周年記念企画を実施。
脚注
- 元の位置に戻る ↑ テンプレート:Cite book
- 元の位置に戻る ↑ 南海電鉄の登録商標でもある。(商標登録番号・第3242344号ほか)
- 元の位置に戻る ↑ テンプレート:Cite journal
- 元の位置に戻る ↑ ただし、朝の時間帯の上り、夜の時間帯の下りについては「ラピートβ」のみが毎時2本運行されていた。
- 元の位置に戻る ↑ それでも、運行開始時の「ラピートβ」の標準的な所要時間と同じである。
- 元の位置に戻る ↑ テンプレート:Cite newsテンプレート:リンク切れ
- 元の位置に戻る ↑ なお1995年頃、宮川大助・花子の漫才のネタに「(空港の)金属探知機が何度も鳴るからスーツケースを開けてみたら、『ラピート』で提供されていた缶入り烏龍茶が大量に出てきた」というものがあった。これは宮川大助・花子夫妻の娘紗弓が留学のため、関西空港から旅立った時の話を元にしている。また、この話は関西ローカルのドキュメンタリー番組としても放送されていた。
- 元の位置に戻る ↑ リムジンバスの中心的存在である関西空港交通は南海グループの企業であり、いわば親子で利用者を奪い合っていることになる。
- 元の位置に戻る ↑ テンプレート:Cite news
- 元の位置に戻る ↑ 「機動戦士ガンダムUC×特急ラピート 赤い彗星の再来 特急ラピート ネオ・ジオンバージョン」4/26(土)発進! 記念特急券引換券・記念入場券・記念グッズを発売します - 南海電鉄プレスリリース 2014年4月10日
- 元の位置に戻る ↑ 「見せてもらおうか、期間限定ラピートの性能とやらを・・・。」機動戦士ガンダムUC×特急ラピート 発進! 南海電鉄特別サイト
- 元の位置に戻る ↑ 南海ラピート車内で結婚式…披露宴は「ジェットストリーム」 response 2014年5月15日
関連項目
外部リンク
- 空港特急ラピート(南海電気鉄道公式サイト内)